No.565684

IS−インフィニット・ストラトス−黒獅子と駆ける者−

トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!


2013-04-13 17:36:38 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:571   閲覧ユーザー数:554

 

 

 

 

episode148 僅かな手掛かり

 

 

 

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!」

 

千冬は勢いよくレヴァンティンを振るい、ハルファスベーゼもビームサイスを振るって刃を交える。

 

直後に千冬を押し返してバインダーよりワイヤーブレードを射出するも千冬は左腕のシールドより収納していたヒートロッドを出して勢いよく振るい、ワイヤーを切り裂く。

 

そのままハルファスベーゼに向けて振るうも、横に身体をずらしてかわし、両肩のクロスバインダーキャノンを展開して一斉に四門を放った。

 

「ちっ!」

 

千冬はスラスター全開で急上昇してかわす。

 

直後にレヴァンティンのカートリッジをリロードし、刀身にエネルギー刃を纏わせると身体を一回転しながら勢いよく振るって光波を放つ。

 

「っ!」

 

ハルファスベーゼは左手にビームサイスを展開し、それを勢いよく投擲して光波にぶつけて爆発させた。

 

 

 

 

「以前より腕を上げたような」

 

「貴様もな・・・」

 

千冬はレヴァンティンにカートリッジを三個装填する。

 

「お前自身ともあるが、その機体自体も更に強化されている」

 

ハルファスベーゼはビームサイスを両手に持つ。

 

「何の目的も無く、ただ戦うだけと言う状況であれば、もっと心躍る戦いになっただろうな」

 

「かもしれんな」

 

千冬はレヴァンティンを両手で持ち、先端を右側に向ける。

 

「お前とはもう少し早く出会っていれば、宿敵として激しく戦っただろうに・・・実に惜しいものだ」

 

「そうだな・・・。私もそう思っている」

 

そうして両者は一気に同時に飛び出して得物を振るって交える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隼人は出現ポイントから動かないバルバトス・ミラージュを見る。

 

(エネルギー数値が今までのバインドよりも桁違いに高いな。上位の中でも一番上のやつか)

 

様子を窺っていると、バルバトス・ミラージュは黄色いツインアイと額のモノアイを発光させる。

 

「っ!」

 

隼人はとっさに横に飛ぶと、バルバトス・ミラージュは額よりビームを放ってきた。

 

「向こうはやる気満々か。面白い!」

 

右腕のアームドアーマーBSを展開してビームを照射するも、バルバトス・ミラージュは横に飛んでかわし、孔雀の羽の様なウイングの先端から多数のビームを放ってきた。

 

隼人は前に向かってスラスターを噴射して飛び出すも、、ビームは照射続けられて隼人の後を追う。

 

「厄介な!」

 

ビームから逃れならも後ろを振り向いてアームドアーマーBSをバルバトス・ミラージュに向けて放つも、その場から横に動いてかわし、更にビームを照射する。

 

隼人は急停止して飛び出し、地面を抉りながら迫ってくるビームをかわし、バルバトス・ミラージュに向かって瞬間加速をし、一瞬で懐に入って左腕のアームドアーマーVNを突き出すも身体をずらされて外す。

 

「ちっ!」

 

直後に両腕のビームトンファーを展開して左腕のを横に振るうも後ろに動いて斬撃をかわし、更に右腕のトンファーを振り上げるもそれを身体を反らしてかわすと、ほぼ全身よりビームを放ってくる。

 

「くそっ!」

 

隼人はとっさにスラスター全開で急降下すると、さっきまで居た場所をビームが通り過ぎ、そのまま後ろに居たレギナを三体撃ち抜く。

 

「味方もお構い無しかよ!」

 

バルバトス・ミラージュはそのまま孔雀の羽のようなウイング先端よりビームを放ってきて隼人は宙を激しく不規則に動いてかわす。

 

それが煩わしく思ったのか、全身のビーム砲も放って来た。

 

隼人は細かく動いてビームを回避していく。

 

(さすがは専用機持ちを一瞬で全滅させた程はある。これじゃ納得がいく)

 

隼人は背後より迫ってくるレギナを上に飛んでかわして後ろに回り込み、勢いよく左腕のアームドアーマーVNを突き出して超振動で内部を破壊してそのまま押し出すと迫ってくるビームで縦四つに切り裂かれる。

 

「こいつは力を制約できる余裕は無いな」

 

そうして隼人はサイコフレームを発動させ、そのまま装甲と各アームドアーマーを展開してサイコフレームを露出させ、デストロイモードへと移行する。

 

「行くぞ!」

 

隼人は勢いよくバルバトス・ミラージュへと向かっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

「ぐおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

一夏とマスターフェニックスは勢いよく得物を振るって刃を交える。

 

さっきの爆発に巻き込まれて両者ボロボロで、武装の一部を失って武装は手にしている物のみとなっていた。

 

「楽しい・・・楽しいぞ!!織斑一夏!!」

 

マスターフェニックスは一夏を押し返すとスラスターを噴射して飛び出し、片方しか残ってないクロスバインダーソードを振り下ろす。

 

一夏はとっさに先端が欠けたGNソードⅢを振るって刃を交える。

 

「くっ!」

 

ボロボロとなっても強力なパワーでマスターフェニックスは一夏を押し飛ばし、クロスバインダーソードを振り上げて迫るも、とっさにGNソードⅢを前に出して斬撃を受け止める。

 

(このままじゃ・・・このままじゃ・・・押される・・・!)

 

奥歯を噛み締めると、マスターフェニックスを強引に押し返す。

 

「こうなったら・・・雪月花!!」

 

と、一夏はダブルオーから白式・雪月花に戻す。

 

「雪牙!」

 

すぐに非固定ユニットの雪牙を飛ばしてマスターフェニックスに向かわせる。

 

マスターフェニックスはクロスバインダーソードを振るって雪牙を弾く。

 

一夏は雪片神型のカートリッジをリロードし、大剣モードにして勢いよく振るい、マスターフェニックスもクロスバインダーソードを振るって刃を交える。

 

「ぐぅ!」

 

マスターフェニックスは一夏に押し返され、一夏は飛び出し左手を突き出してマスターフェニックスの左腕を掴み、そのままゼロ距離でビームを放って左腕を吹き飛ばす。

 

とっさに後ろに飛んで距離を稼ごうとするが、一夏は一気に飛び出す。

 

「貰った!」

 

一夏は勢いよく雪片神型を振り被るが――――

 

 

 

 

しかし直後にバインダーとバックパックより小さい爆発が起きて煙が上がる。

 

「っ!?」

 

それによって失速し、一夏は落下する。

 

(お、オーバーロード!?でも、何で!?)

 

一夏はそのまま地面に墜落する。

 

「ぐっ!」

 

墜落の衝撃で身体中に痛みが走る。

 

 

「何だ?さっきまで元気で動いていただろうに・・・」

 

マスターフェニックスは一夏の前に着地すると、右手に持つクロスバインダーソードを肩に担ぐ。

 

「まさか万全じゃねぇ体勢で戦っていたとはな」

 

「っ・・・!」

 

一夏は起き上がろうとするも、白式の全体の機能が低下してパワーが出ない。

 

「シラけたな」

 

マスターフェニックスはクロスバインダーソードを振り上げる。

 

「だが楽しめたぜ、少なくともな」

 

そしてクロスバインダーソードを振るおうとした――――

 

 

 

 

 

 

ガキンッ!!

 

 

 

 

 

 

「「っ!?」」

 

しかしその瞬間クロスバインダーソードは弾かれて宙を舞い、そのまま地面に突き刺さる。

 

「くっ!」

 

マスターフェニックスはとっさに後ろに下がると、さっきまで居た場所に緑の閃光が飛んできて、そのままクロスバインダーソードを引き抜いた。

 

「なん・・・だと?」

 

「・・・・」

 

二人の視線の先には、一夏の前に立つ一体の機体がいた。

 

全身装甲の機体で、額には四本の角を持ち、黄色いツインアイを持ち、白に黒、赤、青、黄などのカラーリングで、右手には白い棒の先端よりビーム刃を出し、左腕に先端に切れ込みの入ったシールドを持ち、リアアーマーにライフルをマウントし、両サイドアーマーに折り畳まれたユニットを持ち、背中には青い翼を持っていた。

 

「何でこいつがここに・・・」

 

マスターフェニックスは少し驚いた様子を見せ、一夏は怪訝そうな表情を浮かべる。

 

(この機体は・・・)

 

一夏はその機体に見覚えがあった。

 

色が違えど、その形状はかつて入学してすぐのクラス対抗戦で現れた、初めてバインドと言う存在と戦った時のバインドと瓜二つであった。

 

「・・・消えろ」

 

と、背中の青い翼の間よりキャノンを出すとそこから二つの赤い閃光を放つ。

 

「くそっ!」

 

マスターフェニックスはとっさに後ろに飛んで攻撃をかわすと、そのまま戦域を離脱する。

 

 

 

 

「・・・・」

 

ようやく白式の機能が回復して一夏は起き上がる。

 

「・・・・」

 

助けて貰った事による安心感があるも、同時警戒する。

 

「助けて貰った事は・・・感謝する」

 

「・・・・」

 

「でも・・・俺は――――」

 

 

 

 

「・・・一夏」

 

「っ!」

 

と、目の前の機体は自分の名前を呼んだ事に一夏は驚く。

 

(い、いや・・・俺の事を知っていてもおかしくないはずだ・・・)

 

しかし、同時に疑問が生じる。

 

(でも、何だろうな。この・・・懐かしい感じは・・・)

 

初めて聞いたはずの声だが、どこか聞き覚えのある懐かしさを感じる・・・

 

 

 

 

「お前はお前が正しいと思った事を・・・突き通せ」

 

「・・・・」

 

「それが正か否かでも・・・」

 

「・・・・」

 

「守るべき者の為に・・・自らが信じた道を進め」

 

「・・・・」

 

「・・・千冬と輝春にも・・・そう伝えておけ」

 

「っ!?」

 

一夏は自分だけではなく、姉と兄の名前を知っている事に驚く。

 

「な、何で千冬姉や輝春兄の事を――――」

 

しかし目の前の機体は背中の青いウイングを展開して一気に跳び上がる。

 

「っ!」

 

一夏は左腕で顔を庇い、腕を退けた時にはもうその機体はどこにも無かった。

 

「一体・・・何なんだ・・・?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くぅ!」

 

隼人はバルバトス・ミラージュの放つビームをかわしながらアームドアーマーBSを放つ。

 

しかしミラージュは横に身体を動かしてビームをかわす。

 

(外見によらず素早いやつだ!)

 

ミラージュは全身よりビームを放つも、隼人はビームの間を掻い潜ってかわす。

 

(やっぱり近接で仕掛けるか!)

 

アームドアーマーBSの砲身を伸ばしたまま収納位置に戻し、右手にグラディウスを展開してスラスター全開で飛び出す。

 

ミラージュが放つビームの弾幕を潜り抜けて目の前まで来るとグラディウスを振るうも、ミラージュは右手に棒を取り出すと先端からビーム刃を出してグラディウスと交える。

 

「ぐぅ!」

 

隼人は踏ん張ろうと力を入れるが、ミラージュはそれ以上の力で隼人を押す。

 

(なんてパワーだ!?さっきのクィン・マンサでもここまで無かったって言うのに!)

 

隼人はタイミングを見計らってミラージュから離れると、背中のアームドアーマーDEのビームキャノンを放つも、右手のビームソードを振るって切り払う。

 

すると全身よりビームを放ってくるも、隼人は右に向かって飛び出してビームをかわそうとするも、ビームはしつこく追いかけてくる。

 

「しつこい!」

 

隼人はグラディウスのカートリッジをリロードして刀身にエネルギーを纏わせると、急停止しながら後ろを振り向き、勢いよく振るってビームを切り裂いた。

 

直後に勢いよく振るって光波を放つも、ミラージュは横に飛んでかわす。

 

「甘い!」

 

と、左腕を引き寄せると、光波は迂回して再度ミラージュに向かって行くも、すぐに振り向いて右手のビームソードで切り裂いた。

 

 

 

「本命は・・・」

 

と、ミラージュはとっさに後ろを振り向くが、隼人は目の前まで迫っていた。

 

「こっちだ!」

 

隼人は勢いよく左腕のアームドアーマーVNを突き出してミラージュの頭部を殴りつける。

 

それによって頭部より放電が起こるも、ミラージュはとっさに形を変えていくと、鳥の様な姿に変形し、孔雀の羽の先端よりエネルギーを出してそれを鳥の顔の周囲に沿わせて先端にエネルギーを充填し、そこから膨大なエネルギーを放った。

 

「ぐっ!」

 

隼人はそのエネルギーに突っ込み、サイコフィールドで防ぐも押される。

 

ミラージュはエネルギー出力を更に上げて照射する。

 

「・・・ぐぅ!!」

 

それによって熱量が増加し、バンシィ・ノルンの装甲が焼け始め各所から悲鳴が上がる。

 

するとバンシィ・ノルンのサイコフレームがエメラルドグリーンに発光し始めた。

 

「調子に・・・乗るなぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

スラスターを限界以上に噴射し、サイコフィールドを無理やり押し出してエネルギーを押していく。

 

機体の各所から火花が散って悲鳴が上がるも、隼人は瞬間加速並に飛ばすと、エネルギーを打ち破る。

 

「貰った!!」

 

隼人は驚いて動きを鈍らせたミラージュにグラディウスを突き刺した。

 

ミラージュは右脚を振るって隼人を蹴り飛ばすも、直後に隼人はアームドアーマーBSを展開してビームを放ち、グラディウスに直撃させて大爆発を起こした。

 

グラディウスのカートリッジを爆発させた事によって通常よりも威力が増し、ミラージュは半壊する。

 

「行きがけの駄賃だ!!」

 

隼人は再度スラスターを噴射してミラージュに近づくと、左腕のアームドアーマーVNを突き出して殴りつけ、超振動で内部を粉砕する。

 

「この一撃を持って行け!!」

 

左腕を引き寄せて上に向けて振り上げてミラージュの鳥形態の頭の顎を殴って吹き飛ばし、アームドアーマーBSを放ってビームを収束させ、そのままミラージュを貫いた。

 

ミラージュは震えると、光を放って大爆発した。

 

 

 

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

隼人は肩で息をしながら、ユニコーンモードに移行させる。

 

「うぐっ!」

 

するとバンシィ・ノルンの各所より火花が散り、背中のアームドアーマーXCより煙が出て痛みが走る。

 

(さ、さすがに無理をしたか・・・)

 

破損状況を見れば、ほぼ全身がレッドゾーン(即ち危険レベル)になっていた。

 

それに伴い身体中から激痛が走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか・・・」

 

ハルファスベーゼは千冬と刃を交えながらバルバトス・ミラージュが落とされたことに気付く。

 

「我らが王のコピーを倒すとは・・・」

 

「どうやら隼人の事を見縊っていた様だな」

 

「くっ・・・」

 

「どうする?一人はどうやら撤退したようだが」

 

「・・・・」

 

 

 

 

するとハルファスベーゼは少し左を見る。

 

「ふっ、それはどうかな」

 

「なに?」

 

「果たしてコピーに全力を入れた黒獅子は・・・連戦に耐えられるかな」

 

「・・・!」

 

「それも・・・コピーのオリジナルが相手となればな」

 

「ま、まさか!?」

 

千冬は隼人が居る方に向けてモニターを映すと、隼人の近くの上空にさっきと同じ現象が起きていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそったれめ・・・!」

 

隼人は動きづらくなっている身体に鞭打って臨戦態勢を取る。

 

目の前ではバルバトス・ミラージュが出現した時と同じ現象が上空に起きていた。

 

(こんな状況じゃ戦えん・・・リインフォースを呼んで逆ユニゾンで戦うしか・・・)

 

と、考える内に、次元の裂け目より一体の機体が出現した。

 

 

「・・・マジかよ・・・くそが!」

 

その機体を見て隼人は少し絶望する。

 

その機体はさっきのバルバトス・ミラージュと瓜二つの姿形をしていた。しかし色は全身白で、水色のツインアイとモノアイを持っていた。

 

(よりによってオリジナルのバルバトスかよ・・・!)

 

少なくともさっきのミラージュよりもオリジナルの方がかなり強い。

 

今の状態となっては、勝ち目など無い。ましても手も足も出せないまま倒される。

 

 

 

 

 

 

(我のミラージュを倒すとは・・・大した物だな、黒獅子よ)

 

(っ?)

 

するとプライベートチャンネルの様に向こうから通信をして来た。

 

 

(お前が・・・バインドの親玉か)

 

(その通りだ。我が名はバルバトス。バインドを統べる者だ)

 

(親玉が直々にやってくるとはな・・・予想外だったよ)

 

(ふん)

 

バルバトスは隼人の前に来る。

 

 

 

(そう警戒するでない。我は戦いに来たわけではない)

 

(よく言うぜ。自分のコピーを送り出しておいて)

 

(あれで戦闘を終わらせるつもりであったが、撃破されたのは想定外だった)

 

(強引な・・・)

 

(しかし、そのお陰でお前の力を改めて認識できた・・・。そう・・・お前が持つ全てを破壊する力をな)

 

(・・・・)

 

(今の我は少し機嫌がいいのでな。何か聞けば有力な情報が聞けるかもしれんぞ?)

 

(コピーを破壊されておいて機嫌が良いとはな)

 

(むしろ、手応えのある相手が居るという事で喜びを感じている)

 

(そうか・・・。なら、その言葉に甘えさせてもらう)

 

隼人は今までの疑問をぶつける。

 

 

 

 

 

(お前たちバインドは一体何なんだ。その力や戦力をどうやって・・・)

 

(・・・我らには強大たる二つの力を有している)

 

(・・・・)

 

(一つはありとあらゆる物を作り出し、神の産物と呼ばれ、同時に『大破壊』と呼ばれる災厄を掛け持つ物質精製システム・・・『Gシステム』。

二つは全ての戦争の歴史、技術、そして力を記録した巨大データ保存システム・・・『ジェネレーションシステム』だ)

 

(・・・・)

 

(その二つを掛け合わせることで、神に等しい力を得た。『Gジェネレーションシステム』によって我らは生み出された)

 

(Gジェネレーションシステム・・・それであのデストロイや・・・ガンダムを生み出したのか)

 

(その通りだ。最も、Gの力・・・即ちガンダムの力を秘めたバインドは我らにとってイレギュラーだった)

 

(・・・手綱を付けれず、従えれなかった、と言う事か)

 

(察しがいいな。その力を秘めたバインドは誰の命令も・・・即ち我の命令も受け付けない完全自立化した機械人形となってしまった)

 

(・・・・)

 

(だが、ガンダムは自らが認めた人間に力を託す事が分かった。ガンダムは人間に力を託した後我らに干渉をする事は無い)

 

(だから・・・仲間を誘拐したのか)

 

(人間を操るなど容易い事だ。Gの力は強大だ。一時期利用させてもらうには十分な戦力となった)

 

(だが、気掛かりだな。なぜ俺の仲間を解放した。精神的攻撃はもちろん、強大な力をわざわざ手放すとは思えんな)

 

(計画に変更があったのでな、もうGの力は必要ない)

 

(何だと?)

 

(だが、それ以上は言えんな)

 

と、バルバトスは鳥の様な形状に変形すると、ミラージュの様にエネルギーを収束させ、それを一気に解放して放つ。

 

「っ!」

 

隼人はとっさにかわすと、エネルギーは遠くの山に飛んでいき、直撃すると膨大な光を放って大規模に爆発する。

 

「・・・な、何て・・・威力だ」

 

隼人はその光景に呆然とする。

 

光が収まると、山は完全に木っ端微塵となり、クレーターの様に地面が抉れていた。

 

「今のでも、パワーは二割も使ってない」

 

バルバトスは人型に戻る。

 

「な、何だと?」

 

あれだけの威力とエネルギーを放ちながら、それでも二割も無い・・・

 

想像以上にオリジナルの力が強大であった。

 

「また会おう・・・黒獅子よ」

 

そうしてバルバトスは再び次元の裂け目に入っていくと、周囲にバインド達も戦闘をやめて散り散りにどこかへと飛び去って行った。

 

 

 

「・・・・」

 

隼人はバルバトスが消えた上空を見ながら呆然と宙を浮いていた。

 

(もしやつが戦う気だったら・・・どうなっていたか・・・)

 

恐らく敗北はもちろん、死んでいたかもしれない。

 

(ますます謎が深まるばかりだが・・・少なくともやつらのことを知ることはできた)

 

少ない収穫だったとは言えど、大きな一歩とも言える。

 

 

 

 

 

 

 

 

そうしてバインドはドイツ本土より全て撤退し、事実上ドイツ本土奪還に成功した・・・尊い多くの命の犠牲を払って・・・

 

 

 

 

 

 

 


 
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