No.562381

真・恋姫†無双 ~孫呉千年の大計~ 第1章 拠点ー穏編

雪月さん

常連の皆様&お初の方もこんばんは いつもお世話になっております

この作品は真・恋姫†無双・恋姫†無双の2次創作となっております
主人公は北郷一刀 メインヒロインは雪蓮と蓮華と仲間達でお送りしております

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2013-04-03 22:35:52 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:5955   閲覧ユーザー数:4598

拠点ー穏編 『 氷炎要塞 陸 伯言 』

 

 

 

「皆さん いきますよ~ 蜂矢の陣で亞莎ちゃんの陣を崩しにかかりますからね~」

「穏さま 蜂矢の陣ですか・・・ 一時凌ぎますので車懸りの陣・蛇(防御型)に!」

 

穏が選択した蜂矢の陣とは典型的な攻撃重視の陣形であり

亞莎の選択した車懸りの陣とは戦国時代・かの軍神と謳われた上杉謙信が武田信玄との川中島決戦にて使用されたことで

勇名を馳せた得意の陣形で、元々はこちらも攻撃主体の陣形なのであるが

蛇(防御型)と命名されている通り、亞莎本隊を中心にして時計回りに螺旋状に、軍が編成されているのがこの陣の特徴である

 

まさに蛇がとぐろを巻いて、敵を威嚇してる様子が想像できた処から付けられた陣名であった

そしてこの”蛇”は攻防一体とも言える一番外側から先鋒(1番陣)・2番陣・3番陣と編成されている訳だが

本来は次々と敵に襲い掛かり、陣を裂くこと一撃離脱を主眼においた攻撃型の陣形なので、防御には適していないのである

 

しかしここに一刀は一工夫を加えていたのだ・・・というのも”とぐろを巻いた本隊近い中心部分”に弓部隊を編成

敵が当たってくる”とぐろ”の中心部分、つまり腹の部分を弩弓部隊で編成して

敢えてそこに狙いを定めさせるようあえて誘い込み、そこに敵の狙いを絞らせていたのだった

 

弩弓の直線的で速い部分の利点と弓の遠距離かつ上空からの追撃も含めた二段構えの防御陣に仕上げていたのである

そして防御に参加していない先鋒(1番陣)・2番陣・3番陣は防御の後方へと回りこみ損害を防いだり

時には攻めてきている敵の横っ腹を突き崩す役割を担っている

 

攻撃の機会の指示が亞莎から発せられるや・・・

すぐに”火輪”と呼ばれる二列縦隊(攻撃型)に再編成し

先鋒(1番陣)・2番陣の”騎馬槍隊”を先頭に、後ろに騎馬弩弓隊・騎馬弓隊・本隊の順に続いていく 

 

一刀が強い事もあって、亞莎や隊長達が制止するのも聞かずに、本隊が先頭を務める場合も多いのだが・・・

まさに一刀が軍神そのものの役割を担っている訳なのであるが、後で皆から責められ叱られる軍神は一刀のみであろう事はご愛嬌である

 

一刀改良型・車懸りの陣の基本形はこの二通りで構成され

強化の度合いが火輪(攻撃型)と蛇(防御型)の二種類を使い分ける車懸かりの陣だったのである

 

他にも一刀の実家があった島津家得意の”釣り野伏せ”を使用する場合もあり

状況に応じて即断即決の采配が出来るように亞莎を特訓中なのであった

 

 

 

 

陣の説明はこれくらいにするとして・・・

 

戦況はそうしている間に、亞莎率いる弩弓と弓矢が穏の蜂矢の陣での突進力を完全に削ぎ落とし混乱している間に

後ろに控えさせていた1番隊からの攻撃型に繋がれる教科書通りの攻めをされ、穏の部隊はさらに大混乱

極めつけに大混乱中にも関らず、強引に防御型に移行しようとした穏であった

 

「亞莎ちゃんが向かってきますので~ 方円陣を敷いてくださ~い」

「穏さま! 覚悟!」

「ええ~~~~ 亞莎ちゃん!? もうここまで来てるの~~!?」

 

という穏の金切り声が示す通り、当然のことながら方円陣が整う前に亞莎の軍が

方円陣を中途半端に構える穏の軍の喉笛を切り裂き、左翼から次々と蹂躙し始める

もはや手の施しようもない、惨憺たる内容の模擬戦の様相を呈していたのだった

 

「はい! それまで!」

冥琳の静止の宣言と銅鑼の音が高らかに終りを告げ辺りに響き渡る

 

「・・・亞莎ちゃん 強くなりましたねぇ~」

「穏さまぁ~ むぐ はう~はう~」

と穏に抱かれ胸で窒息しかけている亞莎

 

「穏ほどほどに・・・な これからを担う亞莎にこんな処で死なれては・・・困るのでな・・・ 

 それと亞莎よ 北郷からよく鍛えられているようだな

 扱いが非常に難しいが攻守一体の便利な陣立てのようだな 

 それだけに成長の跡が見受けられる 凌ぎといい最後の追い込みは良かったぞ?

 これからも期待しているぞ 亞莎」

と中々これだけ手放しで賞賛するのは珍しい それほど亞莎の成長が目覚しいとも言える

 

「あっ ありがとうございます 冥琳さま!」

と何度も深々と腰を折り冥琳へ礼をする亞莎は、高台から降りてきた一刀に報告すべく急いで近寄っていく

 

その光景を眺めつつ、思考の海で気持ちよく波に身を委ねている冥琳

 

亞莎を一刀に預けて正解だったな どんどん良い処を吸収していっている

私や紅、琥珀や穏とも一味違う癖のある軍師に仕上がりそうだ・・・ 益々今後の成長が楽しみだ・・・

それに引き換え・・・と溜息を一つつくと・・・問題を抱えている不肖の弟子に近づいていく冥琳

 

「穏よ・・・」

「はい? なんでしょう? 冥琳さま」

「このままではお前の”蓮華様付き”の任を解かなければならん事態に陥るぞ?」

 

「・・・ ・・・と申しますと?」

 

「まぁ良い ・・・惚けられる内はまだ自身が気付いている証拠と言えようが・・・」

 

「・・・」

 

「何故 お前が”雪蓮付き”や”北郷付き”ではなく ”蓮華様付き”になったのか・・・

 お前がそんな事では、蓮華様の努力が全て水泡に帰すことになる・・・良く良く考えることだな」

と亞莎の賞賛とは違い、冥琳から言い放たれた辛辣な言葉は、穏の心を的確に次々と容赦なく穿ち捉えていく

 

「・・・・・・はい 承知致しました 師匠・・・」

師匠の最後の言葉を反芻しつつ、背を向け去り行く冥琳の背に向けて、頭を垂れるしかなかった穏である・・・

 

師匠のおっしゃられる通りだった・・・ どうしてなのか・・・最近の私の模擬戦の成績は芳しくない

師匠である冥琳さまに負けるのならいざ知らず・・・ 以前は互角だった筈の・・・さらに最近は発明で忙しい筈の琥珀にも負け越し

一刀さんに付き従い近頃はメキメキと存在感が増して実力を発揮し出している亞莎ちゃんにも・・・破られる始末

 

いくら暢気で打たれ強いと自負していても・・・師匠に言われるまでもなく

表層では笑顔を絶やさなくても、心中穏やかでいられるハズもなく

こんな筈では・・・と自身の未熟さに舌打ちしたい気分に陥ってたのも事実なのである

 

 

 

私が蓮華様付きの理由・・・とは一体!?

 

 

 

冥琳が言い残した言葉を何度も反芻する穏であったが・・・ 疑問は穏の心の深海へ沈みこみ、この時解を得ることは叶わなかった・・・

 

 

 

 

一方、穏と分かれた冥琳は一刀と合流し、先程の模擬戦について高台で観戦していた一刀と意見交換を重ねていた

 

「どうしても攻撃時に甘さが出るな 今に限った事ではないのだが・・・本来防御に回れば文句の付け処すらないのだがな

 今は攻撃・守備共にダメだから、更に状況が酷くなって出口の見えない袋小路に迷い込んでいるときている・・・」

「だろうね 防御に関しては秀逸だよ さすが陸伯言って処だろうね」

「ほう? そちらの世界でも穏は有名なのだな」

 

「まぁね 関羽の仇討ちと称して、大軍擁し一気呵成に攻め立てた劉備を我慢に我慢を強いて凌ぎきり

 火計を使って見事返り討ちにしたっていう夷陵の戦いっていう有名な逸話が残っているからね」

 

「ふむ・・・また面白そうな話だな 今度また寝屋ででもゆっくり語り聞かせてくれ」

「あっ・・・ああ」

「フフフ 北郷をからかうのはこれくらいにして 攻守の均衡が取れてこそなのだが・・・

 攻撃に移る時期が遅く悪手すぎて、今は手の施しようもないのが実状だ」

「そうだね なら指摘してあげてもいいんじゃない?」

「北郷 何も意地悪だけで指摘しなかった訳ではないぞ? 改善されるぐらいで良いならしたさ・・・」

 

「ふむ やっぱりそうか・・・その”先”を見据えているんだね 冥琳」

 

「当たり前であろう? これから我らは大陸を統べるのだぞ? 呉だけを守りきるだけなら指摘してもよかろう 

 穏が今ぶち当たっている壁くらいで折れてしまわれては・・・これから困難に当たる度に我らが就いていてやれる保障などどこにもない

 一人で打開してもらわねば困るのだ そして一番苦労するのは穏自身であろう それくらいなら、余裕のある今に苦労をさせるさ・・・

 のらりくらりとかわしてばかりでは、これから先、穏に大陸制覇という最大の難敵など乗り越えることなど到底出来ん」

 

「期待してるんだね」

 

「フフフ 当たり前であろう? 不肖の弟子ほど可愛いものさ・・・」

 

「うわ~虐めて快感を得るサド的発言 穏 御愁傷様・・・」

「フフ サドか・・・私にピッタリだな 話は変わるがそれにしても先程の亞莎が使った陣形面白いな 北郷が編み出したのか?」

 

「車懸かりの陣か いや俺の国で勇名を馳せた軍神と呼ばれた武将が使ってたと言われる陣形なのさ

 本来は攻撃重視の陣形らしいんだけどね 目晦ましの防御で足も止めれるように少し変更してみた

 楯が使い捨て出来るのなら、かなり機動性に富んで面白くなるんだけどね~」

 

「楯を使い捨てだと!? おいおい北郷・・・ 我ら呉を破産に追い込むつもりか?」

とからかう冥琳とそんなつもりはないさと苦笑しつつ言い訳する一刀

 

「小型化すると強度の面が問題でさ・・・ そこは今の技術では到底追いつけないって琥珀から・・・ね」

「・・・だろうな しかし楯で防ぐとなると今度は騎馬による機動性が失われるか・・・」

「そういう訳でね うちの部隊に関して”蛇”は、”今の処”突進力の低い部隊向けの陣かな」

 

「今の処?」

「そそ 今の処は・・・ね 詳細は準備出来た時の見てのお楽しみって事で・・・すぐに出来るものでもないんで気長に待ってて」

「フフフ それについては期待させてもらうとしようか」

 

「それとまぁ 穏に関してはおれが少し”切欠”を作ってみるよ」

「あんまり甘やかさないでくれよ? そうでなくても穏は甘いんだから・・・」

「アハハ・・・努力は・・・してみるよ?」

と別れ際に冥琳へ向けて手を挙げ、”名馬”を促し颯爽と走り去っていく一刀

 

「穏に助け舟を出す一刀を放置しておく私も・・・また・・・甘いのであろうな・・・」

と苦笑しつつ呟き終えると、参謀室へと帰投すべく馬を走らせる冥琳であった

 

 

 

 

”名馬”を厩舎に預けた一刀は、穏の姿を探しつつ街へ繰り出し、公園の池で小石を投げている穏の姿を発見し近づいていく一刀

 

「よう 穏」

 

「一刀さんですか~ 私に何か御用でも~?」

と池から視線を外さず返答する穏

 

「用がなくちゃ 声をかけてはダメなのかな?」

「それは屁理屈というものですね~ 不自然というものですぅ~

 一刀さんも模擬戦でのお小言でもおっしゃりに?」

 

「アハハ これはかなりの重症のようだな

 冥琳から散々もらったんだろ? お小言

 俺からさらに追い撃ちをかけるような事はないから そこは安心していいよ」

 

「ん~ それじゃ?」

 

「ああ 今もそうだが・・・なんとなくなんだが・・・何か悩みが深そうにみえたんでな

 良かったら話してくれない? 悩みを解決できるか正直判らないけど、俺が聞くことで少しは楽になるんじゃないかな?」

 

「そうですね~ こんな時でもなければ一刀さんとゆっくりお話なんてできないでしょうし~

 私の話にちょっと付き合ってくださいね~

 

 私は一刀さんもご存知かと思いますが、呉郡の四姓と呼ばれる有力豪族の出自ですが傍系なのです

 傍系なことと本を読んだときに興奮する特異体質な為、変人扱いされてしまい直系の皆様方からも敬遠されてました

 

 なので・・・表向きの付き合いはあるものの・・・親しくしてくださる方々も少なく

 同じ呉の四姓である張家の紅さまだけは、私とちゃんと向き合ってくださいました」

 

「あれ? 王林さんは?」

「王林・・・さま 子布さまは・・・都合の悪い事だけを私に押し付ける・・・悪い癖があって~

 いっつも私を放置PLAYするおっかない方です・・・」

以前どこかで同じような話を聞いた事があるような・・・あれは蓮華だったか・・・たしか 穏もだったとは・・・王林さん怖過ぎる・・・

 

「・・・聞いちゃいけない事だったね・・・話の腰折ってごめん・・・」

と王林さんに対して抱いた気持ちはさておき、あくまでも穏の話の聞き役に徹する一刀であった

 

「いえ~ そんな訳でしたので、紅さまより紹介され冥琳さまに弟子入りしました時にも・・・

 接する事にすごく躊躇いたしました でもそれは全くの杞憂でした~ 

 冥琳さまは、お前の才と比較しても、性癖の杞憂など瑣末事であると一笑に付されました

 私は冥琳さまの弟子になれた事を誇りに思い、その時以来、孫呉の為・冥琳さまの為に力を尽くす事を誓い誇りに思ってもいました~」 

 

「でも最近 自分でもハッキリとは自覚していなかったのですが~ どうも焦りがあったようなのです~」

 

「焦り?」

 

「はい~ 焦り・・・です 亞莎ちゃんに抜かれるのは別段構わないのです~ 

 私が亞莎ちゃんに初めて出会った時、ビビッと全身に奔るのを感じちゃいました 亞莎ちゃんはすごいって

 そう、未知の本に出会った時のような興奮を記憶してますので~

 むしろ私が負けちゃった事は喜ばしいこと・・・なのですが~」

 

「師匠に今日、このままではお前の”蓮華様付き”の任を解かなければならん事態に陥るぞ?と指摘されてしまったのです~

 私が蓮華さま付きの理由・・・とは一体!? 私は成長しているのでしょうか? 一刀さん・・・」

 

いい終わると、石を投げるのを辞め、池から視線をハズし一刀を見つめてくる穏 

なるほどね~やっぱり睨んだ通り、これが穏の悩みだったか・・・と感じた一刀である

 

「穏の悩みは一通り把握できたかな こんがらがった糸を解いていく作業に入ろうか」

「はい~ 一刀さん よろしくお願いします~」

 

「簡単なモノからいこうか 成長しているかしてないか・・・ 

 これは俺の目からみてだけど、成長の度合いが見難いかなというのが正直な感想だよ」

 

「やっぱり私ぃ~ 成長してないんでしょうかぁ~」

胸はご立派に成長されてますよ? それ以上にたわわに目の前に実っている事実こそ、紛うことなき成長の証である!穏さん

という・・・エロ思考は封印しつつ

「悪い意味で捉えられても困るんだけど、もう穏はすでに完成の域に達しているのだと思う」

 

「わたしがですかぁ~?」

「穏は冥琳から”随分 成長したな”って言葉かけてもらったことないだろ? ほとんど」

 

「はい~ 記憶にないですぅ~ とほほ~」

 

「冥琳には明確な物差しがある 例えば亞莎なら6はできると踏んでいる物差しがあるんだ

 今日の亞莎の出来が8だったのでよく褒めたと仮定して じゃ 穏は?

 ・・・というと10という物差しに対し、6かそれ以下だったとしたなら?」

 

「うぅ~~ でもそれは過剰評価ですよぉ~ 一刀さん~」

「でも辻褄は合うだろ? 過剰評価かどうかはこの際別にして」

 

「それは・・・そうですけどぉ~」

 

「本題にいこうか・・・蓮華付きの意味か・・・これは実際、蓮華を見てみようか そちらの方が判りやすいかもな」

「え? 一刀さんは判っているのですか?」

「穏・・・それは天然なのか!? ボケてるのか・・・どっちなんだ!?」

 

「それは・・・その・・・」

 

「まぁ百聞は一見に如かずとも言うしな いこう 穏」

「はっ はい~ 私を置いていかないでくださいよぉ~ か~~ず~~とさ~~~ん!」

 

一刀の背を追いかける穏からは、先程まで漂わせていた悲愴感は消えてなくなっていたのだった

 

 

 

 

目的の人物である蓮華はというと・・・中庭で思春を相手に訓練の真っ最中であった

 

「邪魔しちゃマズいので、静かにね」

「はい~」

と小声で念を押すと、蓮華達が訓練している近くにある長椅子まで移動し、しばし訓練の様子を見守る一刀と穏

 

思春の鈴音が鋭い弧を描き連続で蓮華を襲うも・・・蓮華は動じた風もなく、難なくかわし続ける・・・が

 

これは穏がいつもよく見る光景である ここから思春に斬撃の速度を上げられ蓮華さまは降参する・・・

一刀さんはこれの何を見て蓮華さま付きの意味が判りやすい・・・などと言われたのだろうか?

穏にはさっぱり理解不明であった・・・

 

穏の予想通り・・・ではあったが想像とは違い、思春は斬撃の速度を緩やかにではなく、

フェイントを交えた先程よりハイスピードの斬撃を繰り出しているのが判った

 

さすがにこれでは・・・蓮華さまも・・・と思い、ふと視線を隣の一刀に視線を移すと、口角を上げニヤリとしているではないか・・・

この一刀の表情をみて、穏は何が起こったのかと視線を蓮華達に戻してみると・・・

 

そこには異様な光景が穏の目に飛び込んできたのだった

 

そう、フェイントにかかって危うい処は見られたものの・・・

蓮華は思春の斬撃をすべて交わすか自身の剣にて凌いだり弾いたりして防ぎきっていたのだった

 

思春が手抜き・・・をしているとは到底思えなかった・・・

というのも思春の斬撃は戦場で良く目にする機会もあり、穏自身で対応なんて出来ない速度で繰り出されていたのだ

先程までの思春の繰り出す斬撃の速度が、どれ位の力で繰り出されているかは、おおよその見当がついていた穏であった

 

失礼ではあるが敗北すると思っていた蓮華さまが、思春の繰り出す斬撃を悉く凌ぎきった・・・

目の前でおこった光景が、穏には信じられなかった・・・

 

「蓮華さま 見事です」

「思春 まだよ! 貴方の本気を見せてみなさい!」

 

「ハッ では!」

と次に繰り出された一撃は穏の目では捉えきれず、ゴ・キーーンと最初は鈍く甲高い音が訓練場中庭に響き渡ると

蓮華さまの手にした模造剣が根本付近から先を失い、剣先は遥か遠くの地に突き刺さっていた

 

「フゥーーーーー やっぱりダメね まだまだ修行が足りないわね」

「私の”本気”の一撃を”防げた”のですから・・・そうであろう? 北郷と穏」

 

「ああ! 思春の”本気”の一撃を防げるようになったんだ 蓮華 上出来さ」

「はい~ びっくりしました~」

 

「え? 兄様!と穏 見ていらしたのですか? お見苦しい姿を・・・お恥ずかしい・・・」

「あはは ごめん 修練中だったからさ 声かけて邪魔するのも悪かったし」

 

「それはそうと・・・蓮華なりの武の型、片鱗が見えてきたみたいだね」

「まだまだです 兄様 理想とはほど遠いです」

 

「何も急ぐことはないさ・・・地に足をつけ着実に・・・だよ」

「はい! 兄様!」

と敬愛する一刀から褒められたことに破顔一笑する蓮華は

突如気づいたように自身の手に持つ模造剣を背に隠し、先を求めて走り去っていく

 

「北郷 すまんな 感謝する」

「構わないよ 思春 蓮華が紛れもなく成長している事は事実だろ?」

「その点はな ”本気”の一撃は・・・その・・・言いすぎた」

「あはは もし仮に本気の一撃を目撃されたとしても、思春も日々成長してるって一言で素直な蓮華ならすぐ納得してくれるさ」

「あぁ そういってもらえると助かる」

 

「邪魔したね 穏 そろそろお暇しようか」

「はっ はい~ お邪魔しました~」

 

蓮華にも軽く別れの挨拶を終えた一刀と穏は、修練場中庭を後にするのであった

 

 

 

 

修練場中庭を後にした一刀と穏は、相談をした元の公園の池の辺にまで帰ってきていた

 

「どうだい 穏 先程の蓮華と思春の修練風景を見て、自身の欠点と向き合えたかい?」

 

「ええ~~~~~?」

「おいおい・・・」

 

「だってぇ~~ あの修練のどこをどうみても、私の欠点と結び・・・」

一刀は穏が考え込んでしまうのを、邪魔しないでじっと待つことにした

 

一刀さんに指摘されようやく、おぼろげながらも理解できてきた穏であった

自身の戦闘スタイルの崩壊が招いた不調であったのだ

 

自身をもう一度見つめ直してみるとしましょう

自身の戦闘スタイルは、相手の初撃を凌ぎつつ・・・相手の弱点を見極め、弱点を突き攻め落とすことを是とした戦い方

 

師匠から突きつけられた課題、蓮華さま付きの意味・・・それは・・・

 

蓮華さまは攻撃を全くしないで、思春の斬撃を只管耐え忍んでいた 攻撃する必要はないと仰られているかのようだった

でも攻撃しない訳でも覚悟がなかった訳でもない いえ むしろ・・・それ以上 自分達に後ろはない!

・・・という気概を持ち、味方を信じて護り続ける”呉の最後の砦”であり”呉全体を支える旗頭”でもあるかのように感じられた

 

私は~ 初心を忘れて落ち込んでいたのですね~ なんとも情けない・・・ 

 

蓮華さまの隣で献策し支え、ひいては呉の未来を閉ざされぬように

敵から護り抜く”絶対防壁”であることこそ 我が使命!

 

横目に穏の思考する姿を見つめていた穏の顔つき、眼光が鋭くなったことが見て取れた

何かを得たのかもしれないなと素早く穏の心境の変化を感じ取った一刀であった

 

「意思の宿った良い眼をしているよ 穏」

「・・・掴めたような・・・気がします」

「後は実践で生かせる様に頑張ってくれ」

 

「はい~♪ 一刀さん それで~あの~その~」

と一刀は穏の次の言葉を待ち、穏と見つめあって変な雰囲気を醸し出してしまう二人であった

 

そうした雰囲気を台無しにするくぅぅ~ぅぅ~ぅぅ~ぅぅ~~と可愛らしい音が二人の耳に届いた

 

「あ~なるほどね 言いたいことは判ったよ 早急にお腹の虫を先に抑えこむとしようか 穏」

「あぅ~~~そうなんです~」

と誤魔化す穏であったが、いい雰囲気でしたのに・・・少しは空気読んでくださいよ~~~

と心の中で叫んでも・・・お腹の虫は一向に治まる気配が見当たらなかった・・・

 

「一刀さん この事は”即”忘れてください~~~~~~~~~~」

「アハハ 承知したよ 今日は俺が奢ろう 何食べようか?」

 

「そうですね~~~~ えっとぉ~~~~」

と何を食べようかと想像力を膨らませると、くぅぅ~ぅぅ~とお腹の虫がさらに騒ぎ出す始末に

 

「もう・・・ 何でも~ この空腹の音が静まるモノなら何でも結構です~~~~」

「じゃ 急ぐとしようか」

「はい~ もう眼が回りそうなくらいにお腹ぺこぺこです~」

 

いい雰囲気ブチ壊しで、愛欲より食欲が勝ってしまったようで、行きつけの食堂まで手を繋いで引っ張られる穏と一刀の二人であった

 

 

 

 

今日は琥珀と穏の模擬戦の開催日で小雨がぱらつく天候であった

 

小雨が降り風を味方に出来る悪天候ですか~ 今日の天は私に味方をしてくれたようですね~

と素早く思考し終了した穏は次々と指示を部下達へ出していく

 

冥琳様だけでなく、一刀も観戦に!? ふむ・・・と何か含む処が見え隠れしている琥珀

 

「小雨が止みそうになく視界も不良な為、短期決戦にて勝負をつけようと思う

 鶴翼で包み込んで蹂躙する! 皆いくよ 両翼! 機を合わせてるのを疎かにしないように包み込むよ」

と琥珀は前回穏を破った戦法をそのまま採用するようである

 

琥珀の陣容を素早く見てとった穏はそれならば・・・と

「方円陣を敷いて凌ぎます~! 楯隊 最前列一列横隊に構え~!

 後方、弓隊2列 弓一斉射準備用意! 今日は風もあるので~普段より高めに狙いをつけて矢を放ってくださいね~

 私の1番・2番の合図で一斉射ですよ~ いいですね~?」

と前回までと違い、緻密かつ迅速な指示が辺りに木霊していた

 

「「ハハッ」」

最近の腑抜けた指揮官と違うと感じた兵達は、穏の暢気な声を聞きながらも、前回とは違い良い緊張感をもって事に望んでいた

 

そうこうしている間に、小雨が長引くのを嫌った琥珀の部隊が雪崩をうってこちらに迫ってきていた

琥珀の部隊が押し寄せる圧力に怯み屈しそうになっていた穏の兵士達であったが

 

「まだですよ~ 焦ってはいけません! もう少しひきつけて・・・ 今です! 1番!斉謝です~!」

穏のいつもの暢気で流暢な調子の指示に、いつもの調子をすぐさま取り戻し態勢を整え、穏の指示に従い矢を放ったのである

 

「いいですよ~ その調子で次 2番!斉謝です~!」

 

次々と途切れなく放たれてくる矢に、完全に初期の勢いを削がれた格好の琥珀の軍勢であったが

「ぐっ 矢にひるむな~ 両翼指示通り包囲殲滅を続けよ!」

と琥珀は穏の軍勢を押し込むべく、弱気になりそうな自軍の士気を鼓舞して回るものの・・・

 

「楯隊 押し返してくださ~い」

「今です! 楯隊 引いてください~~~  いきますよ~ 1番 2番 同時斉射です!」

 

楯隊に押し返され、琥珀の軍は態勢を立て直せない間に見事に引かれて

その間隙を縫った様に矢を放たれ、面白いように吸い込まれ琥珀の軍勢の被害が増大してしまう

そして小雨が降る天候のせいもあり、放たれる矢が視認し難く、風に乗り通常時より離れた場所にまで届いており被害は拡大の一方であった

 

「ええい! 穏め 前回の勝ちで甘く見すぎていたというのか!? 

 天候を上手く利用していることといい・・・穏の手のひらの上で踊らされているようだ

 冥琳様譲りの見事な神算鬼謀っぷりだ  ぐっ これだけ両翼が押してもまだ崩しきれないか!

 初撃で勢いを削がれた事が致命的だったな・・・ 楯隊の押し返しの後の弓で、こちらの勢いに駄目を押された格好か・・・」

 

本来の戦ならば、被害を最小限に留めて軍勢を纏め上げ引き上げる処であろうが・・・

 

「ふん! ここの処の腑抜けた穏とは違うようだね 

 昔より粘り強さがあって、今日の貴方は敵として正直相手にしたくないんだけど・・・

 冥琳様と一刀が観戦なされている手前、このまま無様に負ける訳にもいかないし・・・

 かと言って・・・これ以上揺さぶっても崩れきる前に立て直される有様では・・・ジリ貧で正直な処 辛いね」 

 

翼を開いた状態でこのまま押し込んでも、崩しきれないで被害が甚大でもはや勝ち目はない・・・か 

ならば残存した兵で魚燐に立て直し、層を厚くして一点突破中をかけるしか勝機はなさそう・・・だね

 

そう素早く思考を終えた琥珀は、乾坤一擲の大勝負を敢行しようと軍勢の建て直しをはかる

 

「態勢を立て直す! 一度引けい!」 

と琥珀が指示を出すと、今まで激情の奔流と化していた攻撃の波が静かに引いていった

 

「追いかけなくていいです~ 相手は攻撃の層を厚くするでしょうから~

 楯隊ニ列横隊へ移行します~! その後方に弓隊3列に組み直します~ 

 1・2・3の攻撃指示で、それぞれ一斉射です~ よろしいですね~?」

と引いていく時すでに琥珀の手を見事に読み切っていた穏である

 

「「オオォーーー」」

今まで不甲斐ない戦いを強いられてきた穏の部隊の兵達は、やっと本来のキレのある主人に戻った事を喜びつつ喚声をあげる

 

                   ・

                   ・

                   ・

 

琥珀と穏の二人の模擬戦を注視していた冥琳の目には、満足げで優しげな視線で戦場でのそれぞれの軍勢の動きを俯瞰していた

そこへ遅れて合流してきた一刀が、近寄ってくるのを感じ視線だけを一刀に向ける

 

「どうだい? 冥琳」

「北郷か・・・フッ 見ての通りだよ 前回とは雲泥の差だ 白熱した興味深い模擬戦になっている

 穏の勝ちと優勢は揺るぎないだろう 琥珀の気迫・粘りもまた賞賛に値するものだ」

 

「ほう~ 冥琳が興奮を隠し切れない戦いになってるとはね

 その口ぶりから察するに、穏は無理な攻撃を仕掛けたり、追いかけたりは・・・してないみたいだね」

 

「フッ 北郷の助言がよかったのであろうよ」

「アハハ ほとんど何もしてないんだけどね・・・ ご飯奢ったくらいかな 俺」

 

「フフフ 本当にそれだけならば・・・穏に小1時間問いただしたいものだよ どういう心境の変化があったのだと・・・ね」

「・・・問い詰めるのは勘弁してくれないか? 命がいくつあっても足りやしない 話せない事情を察してくれると助かる冥琳」

 

「ああ 問い詰める気など毛頭ないがな 今日の穏ならば私でも攻略は望めまい・・・それ程の出来だということだ」

と一刀に放った言葉を最後に、模擬戦の最終局面へと展開した戦局を食い入るように見つめる冥琳と一刀であった

 

                   ・

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                   ・

 

天候は先程とさほど変化はなく、陣替えを素早く終え整え終わった琥珀は、次の行動に移るのであった

こちらの兵が思いのほか削がれてしまっているなと、今更思考した処で勝敗が覆るものでもないことは琥珀も承知の上であったが

所詮、模擬戦だからと諦めきれない思いがあったのも事実で、今はそれだけを支えに現在抵抗しているだけなのだ

 

「それでは再度突撃します いきますよ!」

自身と兵達に気合を入れなおし、再度突撃を敢行する

 

「第二波きますよ~ 弓隊1・2・3番斉射用意~ 一斉射撃の後、楯隊1・2連携して押し返してくださいね~

 楯隊1・2が押し返している間に弓隊1・2・3は斉射できるよう準備を怠らないように~ 判りましたか~?」

穏のいつもながらに暢気な声での命令であったが、もうその声に微塵の揺らぎすら見つけることは皆無であった

 

「「オオオォォォーーーーー」」

その事を感じ取ったのか 兵達の心にも穏の焔が宿ったようで、穏同様、士気天高く一分の隙すらない、まさに鉄壁の要塞と化していた

 

「・・・1番放て~!」

穏の指示に従い1番隊の放った大量の矢は、綺麗な放物線を天空に描き

魚燐の陣で突撃していく琥珀の隊の者達を次から次へと倒していくのであった・・・

 

 

 

 

模擬戦を終えた穏と琥珀の二人は、高台で戦況を見つめていた冥琳の元へと訪れていた

 

「琥珀 穏 二人とも良くやった お疲れ様 一刀はこの後も仕事が立て込んでいるそうだから一足先に帰ったよ」

「お疲れ様でした~」

「・・・お疲れ様です」

と定型通りの挨拶を終えるや早速話を切り出す冥琳

 

「では先ず琥珀 聡いお前の事なら既に把握しているだろうが・・・

 最初に鶴翼での包囲初撃を凌ぎきられたのが全てであったな 

 

 後は終始抑えられ削られ、最後まで後手・後手に回らざる終えなかった

 しかし、寡兵なりの戦い方、軍勢を纏め上げた手腕は、目を見張るものであり賞賛に値する

 

 次回はその反省を活かした取り組みを期待している」

 

「はい・・・ しかと肝に銘じます」

冥琳様と一刀に無様な姿を晒してしまった事が頭から離れず、冥琳の励ましは琥珀の耳に届いてはいなかった 

初撃に油断がなかった・・・とは言い切れない琥珀は、次は絶対にこんな無様な模擬戦はしないと心に誓い、唇を噛み締めていた・・・

 

琥珀の悔しそうな様子に、今日の敗戦はいい薬になったのやもなと思考し苦笑する冥琳であった

 

「次に穏 まぁまぁだな 疲れたろう ゆっくり休むといい」

と冥琳は言葉少なめにそう言うと、穏の頭に手のひらを”ぽん”とのせ、労いの言葉を投げかけて去っていった

 

「ありがとうございます 師匠 そして一刀さん・・・」

言葉は少なくても、頭に乗せられた手から師匠の心温まる気持ちがジンジンと伝わってきた

冥琳が遠く去っても・・・しばしの間、穏はその場で深々と礼をしたまま・・・動く事はなかった

 

 

後年、蓮華と共に本陣を守る穏は、氷壁の如き堅守を誇り、敵の侵攻を悉く跳ね除け

情熱の焔を矢に迸らせ、敵へと解き放ち焼き尽くした様から『氷炎要塞』と敵から渾名され恐れられることとなる

 

 

 

 

■■■【オリジナル人物紹介】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 ○孫堅 文台 真名は緋蓮(ヒレン) 

 

  春秋時代の兵家・孫武の子孫を称し、各地で起こった主導権争いに介入し

  『江東の虎』の異名で各地の豪族を震撼させた

  優秀な人材を率い転戦、やがて軍閥化し孫家の基礎を築いた

 

  容姿:髪は桃色で、孫家独特の狂戦士(バーサーカーモード)になると、右目が赤色に変化するのが特徴で、平時は量目とも碧眼である

  祭と同じく胸が豊満で背は祭より高い 体格は祭よりすこし大きい 顔立ちは蓮華というより雪蓮に似ているだろうか

 

 ○張紘 子綱 真名は紅(コウ) 

 

  呉国の軍師の一人で主に外交を担当。 魏の程昱(風)の呉版と考えていただけると理解しやすいだろう

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、姉の張昭と共に臣に迎え入れられる

  張昭と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  ※史実では、呉郡の四性でも張昭と兄弟でもありませんのでお間違い無きように。。。 

   呉郡の四性の中で張温しか見当たらなかった為、雪月の”脳内設定”です

 

  容姿は青眼で背丈は冥琳より少し低い 顔は姉の王林とは似ておらず童顔で人に安心感を与える顔立ちである

  髪は腰にまで届こうかという長く艶やかに保った黒髪を束ね、ポニーテールと呼ばれる髪型にしている事が多いが

  その日の気分により、長髪を肩辺りで束ね胸の前に垂らしている場合もあるようである

  服装は藍色を基調とした西洋風ドレスを身を纏っている

 

 ○魯粛 子敬 真名は琥珀(コハク)

 

  普段は思慮深く人当りも良い娘で、政略的思考を得意とし、商人ネットワークを駆使し情報収集・謀略を行う

  発明に携わる時、人格と言葉遣いが変化し、人格は燃える闘魂?状態、言葉遣いは関西弁?風の暑苦しい人に変化する

  このことから「魯家の狂娘・後に発明の鬼娘」と噂される

 

  ※穏(陸遜)は本をトリガーとして発情しちゃいますが、、琥珀(魯粛)は発明に燃えると・・・燃える闘魂に変身って感じです

 

  容姿は真名と同じく琥珀色の瞳をもち、髪は黒で肌は褐色がかっており月氏の特徴に似通っている

  背は明命と同じくらいで、服装は赤を基調としたチャイナドレスを身に纏っている

 

 ○張昭 子布 真名は王林(オウリン) 

 

  呉国の軍師の一人で主に内政を担当。 冥琳とはライバル同士で互いに意識する間柄である

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、妹の紅(張紘)と共に臣に迎え入れられる

  張紘と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  妹の紅は「人情の機微を捉える」に対して「政(まつりごと)の機微を捉える」という感じでしょうか

 

  容姿は冥琳より少し高めで、紅と姉妹でありながら顔立ちが似ておらず、冥琳と姉妹と言われた方がピッタリの美人系の顔立ちである

  眼鏡は使用しておらず、服装は文官服やチャイナドレスを着用せず、珍しい”青眼”でこの眼が妹の紅と同じな事から

  姉妹と認識されている節もある 紫色を基調とした妹の紅と同じ西洋風のドレスを身を纏っている

 

 ○程普 徳謀 真名は楓(カエデ)

 

  緋蓮旗揚げ時よりの古参武将であり、祭と並ぶ呉の柱石の一人 「鉄脊蛇矛」を愛用武器に戦場を駆け抜ける猛将としても有名

  祭ほどの華々しい戦果はないが、”いぶし銀”と評するに値する数々の孫呉の窮地を救う働きをする

  部下達からは”程公”ならぬ『程嬢』と呼ばれる愛称で皆から慕われている

 

  真名は・・・素案を考えていた時に見ていた、某アニメの魅力的な師匠から一字拝借致しました・・・

 

  容姿は祭と同じくらいの背丈で、端正な顔立ちと豊かな青髪をうなじ辺りでリボンで括っている

  均整のとれた体格であるが胸は祭とは違いそこそこ・・・ちょっと惜しい残念さんである

 

 ○凌統 公績 真名は瑠璃(ルリ) 

 

  荊州での孫呉崩壊時(※外伝『砂上の楼閣』)に親衛隊・副長であった父・凌操を亡くし、贈った鈴をもった仇がいると

  知った凌統は、甘寧に対して仇討ちを試みるものの・・・敵わず返り討ちにあう間際に、一刀に救われ拾われることとなる

  以来、父の面影をもった一刀と母に対してだけは心を許すものの・・・未だ、父の死の傷を心に負ったまま

  呉の三羽烏の一人として日々を暮らしている

 

  容姿はポニーテールに短く纏めた栗色の髪を靡かせて、山吹色を基調とした服に身を包んでいる小柄な少女

 (背丈は朱里や雛里と同じくらい) 真名の由来で目が瑠璃色という裏設定もございます

 

  ○朱桓 休穆 真名は珊瑚(サンゴ)

 

  『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の朱氏の一族

  槍術の腕を買われ、楓の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  部隊内では『忠犬・珊瑚』の異名がある程、一刀の命令には”絶対”で元気に明るく忠実に仕事をこなす

 

  容姿:亞莎と同じくらいの背丈で、黒褐色の瞳に端正な顔立ちであり黒髪のセミロング 人懐っこい柴犬を思わせる雰囲気をもつ  

  胸に関しては豊満で、体格が似ている為よく明命から胸の事で敵視されている  

 

  ○徐盛 文嚮 真名は子虎(コトラ)

 

  弓術の腕を買われ、祭の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  『人生気楽・極楽』をモットーにする適当な性格であったが、一刀と他隊長である珊瑚と瑠璃・隊長としての責に接していく上で

  徐々に頭角を現し、後に部隊内では『猛虎』と異名される美丈夫に成長を遂げていくこととなる 

 

  容姿:思春と同じくらいの背丈で黒髪のショートヘア 体格も思春とほぼ同じく、遠めからでは瓜二つである 

  二人の区別の仕方は髪の色である(所属部隊兵談) またしなやかな動きを得意としている為、思春の弓バージョンと言える 

 

  ○諸葛瑾 子瑜 真名は藍里(アイリ)

 

  朱里の姉 実力にバラツキがあった為、水鏡から”猫”と称される

  その後、水鏡と再会時に”猫”が変じて”獅子”になりましたわねと再評価される

 

  天の御遣いの噂を聞きつけた藍里が冥琳の元を訪れ、内政・軍事・外交とそつなくこなす為、未熟であった一刀の補佐に転属させられる 

  初期には転属させられた事に不満であったが

  一刀に触れ与えられる仕事をこなす内に(わだかま)りも消え、一刀に絶大な信頼を寄せるようになる

  後に亞莎が専属軍師につくと、藍里の内政面への寄与が重要視される中で、藍里の器用な才を愛し、軍師としても積極的に起用している

 

  容姿は朱里より頭一つ高いくらい 茶髪で腰まであるツインドテール 朱里とよく似た童顔でありながらおっとりした感じである

  服装に関しては赤の文官服を着用しており、胸は朱里と違い出ている為、朱里とは違うのだよ 朱里とは・・・

  と言われているようで切なくなるようである(妹・朱里談)  

 

  ○太史慈 子義 真名を桜

 

  能力を開放しない雪蓮と一騎打ちで互角に闘った猛者  桜の加入により瑠璃が一刀専属の斥候隊長に昇格し

  騎馬弓隊を任されることとなった(弩弓隊・隊長 瑠璃→子虎、騎馬弓隊・隊長 子虎→桜に変更)

  本来の得物は弓で、腕前は祭を凌ぎ、一矢放てば蜀の紫苑と互角、多矢を同時に放てば秋蘭と互角という

  両者の良い処をとった万能型である

 

  武器:弓 不惜身命

  特に母孝行は故郷青州でも有名であり、建業の役人街が完成した際に一刀の薦めもあって一緒に迎えに行く

  隊長として挨拶した一刀であったが、桜の母はその際に一刀をいたく気に入り、是非、桜の婿にと頼み込む程であった

   

  容姿はぼん・きゅ・ぼんと世の女性がうらやむような理想の体型でありながら身長が瑠璃ぐらいという美少女系女子

  眼はブラウン(濃褐色)であり、肩下までの黒髪 気合を入れる時には、白い帯でポニーテールに纏める

  一刀の上下を気に入り、自身用に裁縫し作ってしまう程の手先の器用さもみせる

 

 

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【あとがき】

 

常連の読者の皆様、お初の皆様 こんばんは 雪月でございます

 

穏編いかがでございましたでしょうか?

 

おっぱいさんこと穏さん編・・・おっぱいエロ妄想は今回一刀君の思考内だけとなりましたが・・・

エロいっぱい元気いっぱいという訳にはいきませんで、そちら方面に期待をなさってくださった皆様!

妄想を膨らませつつ文章をもう一度お読みくださいませ 

きっと薔薇色の世界が貴方を出迎えてくれる事でしょう!(ぇ ムリですと!?

 

え~話は変わりまして、前回のお話である緋蓮さん編に関して

 

まず最初にご質問の内容が、登録者様限定作品にてご説明していた事に抵触してしまい

お読みしていなかった皆様にもご迷惑をおかけしたかもしれません 誠に申し訳なく思っております<(_ _)>

 

次に支援数が16名と、拠点では最高を記録致しまして、嬉しく且つ一安心しました次第です

調子にのりすぎ度を過ぎた連続おふざけは、これに懲りて”少し”封印いたします<(_ _)>

 

緋蓮さんに関しましては、良くも悪くも?孫家三姉妹+一刀の・・・ひいては孫呉の母としても

これからも頑張っていただきますので、今後とも応援の方もよろしくお願い致します

 

一刀との関係に発展が見られるのか!?は・・・今後のお楽しみにとっておいてくださいませ

例え質問されても答えないんだからね!とテンプレ通りとも言える回答をしておきつつ・・・ 

 

オホン・・・残すは5位となりました思春さんです 

思春さん編が終りましたあとは、SS(ショートストーリー)と今回も”お気に入り限定”の皆様用の読みきり作品も用意しております

 

そちらを掲載の後、第2章へと突入する計画でおります  

 

それでは次回更新までヾ(*'-'*)マタネー♪


 
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