No.561540

NOVEL大戦 FIRST Zの記憶~私が愛した人々~

ギアルさん

今回、Z及びNEO・BSAAのお話です。

注、普段に比べ、過去の話はアンチ及び原作キャラ死亡等で暗いです。

2013-04-01 14:07:29 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1650   閲覧ユーザー数:1518

暗い場所…

 

そこにはZ…いや、平行世界の神崎ジンヤが居た。

 

「ここは夢の中か…少し、のんびりするか…」

 

そう呟くZの目の前にある光景が浮かんだ。

 

『始めまして!神崎ジンヤと申します。趣味は読書や料理。後、機械に強いです!』

 

「あれは…俺がIS学園に入学した時の…」

 

どうやら、ジンヤは自分のかつての記憶を見ているようだ。

 

『少しよろしくて?』

 

『あ…』

 

『?どうしましたの?』

 

『いや、その…お姫様みたいで可愛いなと思ってね…』

 

『ふふふ、褒めても何もでませんわ♪』

 

「あれは…セシリア…」

 

そう呟くジンヤの目から一筋の涙が流れた。

 

「俺が…僕が愛した人」

 

すると、場面が変わった。

 

『イギリスの料理は不味くてそれで連覇しているだろ?』

 

『なあ?!わたくしの祖国を侮辱していますの?!』

 

『………』

 

映像の中のジンヤは呆れていた。

 

クラス代表を誰にするのかそれで一夏とセシリアが口喧嘩に発展した。

 

ついにジンヤがキレた。

 

『いい加減にしろ!』

 

その言葉に周りが静まり返った。

 

『お前等はガキか!少しは頭を使って平和的に解決しようとは思わなかったのか?!おい、オルコット…』

 

『は、はい…』

 

『お前は自分の立場等が分かっているのか?』

 

『え、ええ…もちろんですわ!イギリスの代表候補生。つまりエリートですわ!』

 

その言葉にジンヤは更に機嫌が悪くなった。

 

『馬鹿かキミは…キミはさっき日本の事を侮辱しただろ?ここ、IS学園は日本に有る。極東の国に居るのが嫌ならさっさと出て行け…それに加え、国家代表及び代表候補生は国の看板を背負っている存在なんだ。つまり、さっきキミが言った言葉はイギリスの言葉として捕らえられるんだよ』

 

ジンヤの言葉に顔が青くなっていくセシリア。

 

『更にご丁寧に証人になる人がたくさん居るし、もしこの中の誰かがこの事をイギリスに報告したらキミの立場はどうなると思う?知っている?』

 

『そ、それは…』

 

『答えは単純、イギリスの立場が無くなる。下手すればISコアを没収されるとか国の一大事になる。そして失言をしたキミは…軽くても代表候補生の資格剥奪及び専用機没収。下手をすれば賠償金を支払ったり、牢獄にぶち込まれたり…最悪、国外追放という事もありえる』

 

ジンヤの言葉に周りが静まり返る。

 

セシリアの顔が青を通り越して白くなっている。

 

『あと、オルコット。さっきキミはクラス代表は自分がふさわしいと言ったよね』

 

『え、ええ…』

 

『なら、問おう。何故、自分を立候補しなかった?』

 

『………』

 

セシリアは何も言えずにいた。

 

『この1組では専用機持ち及び代表候補生は自分しか居ないから誰かが立候補してくれると思ったのか?』

 

『はい………』

 

『そう言うのを人任せと言うんだよ。自分が相応しいと思うなら、自分で立候補しろ。それは一種の勇気だ』

 

そう言うと、今度は一夏を見た。

 

『オルコットの件はこれぐらいにして…織斑。お前はさっきイギリスを料理が不味い国って言ったよな…』

 

『あ、ああ…』

 

さっきの事があって一夏は引き気味に答えた。

 

『このIS学園は色んな国の人が集まるんだ。変な事を言って、その国を変な風に思わせては迷惑なんだよ?実際にキミはイギリスに行ってご飯を食べたか?』

 

『いや…良く、皆がイギリスの飯が不味いって言うから…』

 

『愚か者!!』

 

一夏の言葉にジンヤは怒鳴った。

 

『他人の言う事を全て信じるのかキミは?バカなの?死ぬの?正確にはイギリスのご飯は当たり外れが激しいんだ。例えば、パン屋さんのサンドイッチは物凄く美味いって事だね。皆もイギリスのご飯は不味いんじゃなくて当たり外れが激しいと覚えてね…後は…』

 

すると、ジンヤは千冬の方を見て言った。

 

『織斑教諭、アンタは何をしているんだ?』

 

『私にだと?』

 

いきなり話を振られた事に戸惑う千冬。

 

『アンタは教師で傍観者じゃないんだ。現に織斑にオルコットの口喧嘩を止めなかった。更にオルコットの失言には何も言わなかった。仕事しろ、ボケ』

 

ジンヤの言葉に千冬は苦虫を潰した風な表情を浮かべるが反論しなかった。

 

だが、一夏が反論した。

 

『なんだよ!確かに千冬姉は何もしなかったけど言い過ぎだろ!』

 

更には同じクラスメイトの篠ノ之箒も言った。

 

『そうだ!貴様は何様のつもりだ!』

 

すると、ジンヤは皮肉るような笑みを浮かべて言った。

 

そして、懐からある手帳を取り出した。

 

『これは失礼、アメリカ軍IS犯罪対策室Aランク捜査官、神崎ジンヤです』

 

その言葉に一夏達は黙った。

 

『そして…』

 

すると、ジンヤの左腕が氷に覆われていった。

 

『学園都市所属、LEVEL5の能力者、((絶対零度|アブソリュート))の使いでもあります』

 

「ここは…俺がつい、色々と言っちまった場面じゃないか…」

 

そして、場面が変わった。

 

そこは食堂だった。

 

ジンヤが1人で食事をしていると、そこにサンドイッチを持ったセシリアが来た。

 

『あの…お隣よろしいですか?』

 

『予約席じゃないから良いよ』

 

そう言うと、セシリアはジンヤの隣に座った。

 

『あの…さっきの事は本当に申し訳ありませんでした!』

 

『別に良いよ、あの後、ちゃんと皆に謝ったし…もう、オルコットを責める理由は無いよ』

 

『セシリアと呼んでください…わたくしもジンヤさんと名前で呼びますから…』

 

『分かったよ…まあ、これからもよろしくね。セシリア』

 

そして、2人は握手をした。

 

それから一気に時が飛び…

 

鈴、シャル、ラウラといった仲間と会い、そして臨海学校において…

 

篠ノ之束が妹の箒に第4世代のIS、紅椿を持ってきた。

 

そして、ジンヤが取った行動は…

 

パァン!

 

箒にビンタをした。

 

地面に倒れた、箒は立ち上がるとジンヤに掴みかかった。

 

『神崎!貴様!何の真似だ!』

 

『恥を知れ、馬鹿者!貴様は自分の姉に専用機を作れと頼んだろ!』

 

『ああ、それがどうした!』

 

『周りを見ろ!貴様がやった行動は周りの人達の努力を馬鹿にしているんだ!』

 

その言葉に箒は気づいた。

 

自分がやった事の愚かしさに…

 

そして、更に一気に場面が変わった…

 

IS学園、寮長室。

 

そこに千冬が居て、ジンヤも居た。

 

『何のようですか?織斑教諭』

 

『貴様のIS、極光はBSAA、アメリカ、学園都市の技術で開発された物だな?』

 

『そうですが…何か?』

 

『そして、極光は臨海学校での銀の福音との戦いで二次移行し、極光雷になった。そして3日目前、学園に侵入した((亡国企業|ファントム・タスク))との戦いで三次移行し、幹部のスコール・ミューゼル、オータム、マドカの3名を貴様が逮捕した。これに間違いは無いな?』

 

千冬がそう言うと、ジンヤは右腕にある待機状態の青と白のブレスレットに触った。

 

『まあ、一応名前は((極光雷帝|キョクコウイカズチミカド))、またはキョクコウライテイと名づけました』

 

『そうか、では本題に入ろう。貴様のIS、極光雷帝をIS委員会に引き渡せ。それと同時にスコール・ミューゼル、オータム、マドカの3人も引き渡せ』

 

『お断りします』

 

『何故だ、理由を言え』

 

そう言うと、ジンヤは皮肉そうな笑みを浮かべて言った。

 

『委員会が学園都市の技術を欲しがっているのは知っています。それにこれはBSAAのISです。僕の前に関係者に言ってくださいねそれに…』

 

『それに…』

 

『スコール達を引き渡しません。彼女達は元の男女平等の世界に戻す為に戦っていました。委員会は女尊男卑を進めるので絶対に嫌です』

 

ジンヤは寮長室から出ようとすると千冬が止めた。

 

『神崎、貴様がこの部屋を出る事は委員会の命令に逆らう事になるぞ。それで良いのか?』

 

『見縊るな、僕は僕の足で歩いていく。ただそれだけだ』

 

そしてジンヤは部屋を出た。

 

そこで場面が変わる。

 

アリーナで一夏がIS白式を纏い、ある少年と戦っていた。

 

その少年は黒いツンツンした髪型でISを纏わずに一夏と戦っていた。

 

ジンヤは観客席でそれを見ていた。

 

『お前に分かるか!』

 

一夏が叫んだ。

 

『俺は今まで千冬姉に守られてきた!だから今度は俺が皆を守る!全てを守る!!』

 

一夏がそう叫ぶと、黒髪の少年は言った。

 

『…確かに俺だって、守りたい人が居るからすごく分かる…』

 

『だったら…』

 

すると、黒髪の少年が反論した。

 

『だからって、関係ない奴を巻き込んだり、降参している敵を殺そうとする奴に守るなんて言葉を使うな!!』

 

実は一夏は学園祭で潜入した敵と戦った結果、来ていた人にまで巻き込んだり、重症を負い降参しようとする敵を怒りのあまりに殺そうとした事がある。

 

あの時、ジンヤが止めなければ一夏は人を殺していた…

 

そして、黒髪の少年…上条当麻が叫んだ。

 

『その幻想をぶち殺す!』

 

その言葉と共にその右腕で一夏の顔面に拳を叩き込んだ。

 

『そげぶ!?』

 

謎の奇声を発し、一夏は吹き飛んだ。

 

そこで場面が変わった。

 

ジンヤは自分の部屋で泣いていた。

 

その日はジンヤの人生が変わった日、白騎士事件が発生した日。

 

表向きでは死亡者は0だが真実は大勢の人が死んだが真実はもみ消された…

 

ジンヤの両親は白騎士事件で死亡している。

 

ジンヤを引き取った叔父たちはジンヤを日本政府のもみ消しから逃す為に対暗部用暗部更識家に連絡を取ろうとするが、消された。

 

その後、ジンヤは叔父の祖父、祖母から絶対に安全な場所、学園都市に送られた。

 

ジンヤを学園都市に送り出された後、祖父と祖母も消された。

 

その時、ジンヤは誓った。

 

『必ず、父さん達を殺した白騎士とそれを仕組んだ黒幕を捕まえる』と…

 

それからジンヤは戦った。

 

力を得る為に、学び、心を鍛え、身体も鍛え、努力をした。

 

ジンヤは能力を得る為にプロデュースを受けた。

 

それは自分の脳の中のどこに能力があるのか脳をクリスマスケーキみたいに切り分ける実験である。

 

それでジンヤが得たのは学園都市でも貴重な氷結能力、絶対零度。

 

だが、どれだけ強くても壁にぶち当たる。

 

白騎士事件の日になると、ジンヤは泣いている。

 

すると、ジンヤの部屋にセシリアが入って来た。

 

『ジンヤさん…』

 

『!セシリア、何で…』

 

『…もしかして、泣いているのですか?』

 

『泣いていないよ!』

 

そう言って涙を拭くがそれでも涙が止まらない。

 

『ジンヤさん、どうしたのですか?一体何が…』

 

『なんでもないよ!本当に…なんでも……ないよ………』

 

必死に否定するが何時の間にか涙声になった。

 

すると、セシリアが優しくジンヤを抱きしめた。

 

『せ、セシリア?!』

 

『ジンヤさん…わたくしは貴方に救われました…覚えていますか?銀の福音との戦いでわたくしが福音に撃たれそうになった時に貴方がわたくしの盾になった事を…』

 

『う、うん///』

 

ジンヤは顔を真っ赤にしながら答えた。

 

『他にもラウラさんと戦ったり、あの無人機との戦いにわたくしを守る為に戦いに参加したり…ジンヤさん、今度はわたくしが貴方の力になります…』

 

『セシリア…ありがとう…』

 

ジンヤは涙を流しながら感謝した。

 

そして、場面が変わっていく。

 

『ジンヤさん!』

 

『セシリア、少し地球から離れる!なに、すぐ戻ってくるよ!』

 

『離せぇぇぇぇぇぇ!!神崎、何をする気だぁぁぁぁ?!』

 

『一緒に火星旅行へ、ブリュンヒルデさんよ。アンタの魔改造された暮桜が相手じゃこの星にいい迷惑だ』

 

セシリアや地球を守る為に千冬と共に火星へ飛び立った記憶。

 

『ば、バカな…』

 

『アンタは歳を取ったんだよ、おばば様』

 

そしてジンヤが千冬を倒し、白騎士として逮捕した記憶。

 

世界を元の男女平等に戻した記憶。

 

一夏と一緒にアメリカ合衆国大統領に表彰された記憶。

 

ジンヤが得た名は守護人、ガーディアン。

 

そして、ある場面になった。

 

「これは…」

 

そこは病院だった。

 

そこではジンヤがそわそわしていた。

 

『ジンヤ、少し落ち着いたらどうだ?』

 

『そうだな、ラウ兄の言うとおりだぜ』

 

『むりむりむり!今かまだか待ち遠しくて…』

 

すると…

 

ほぎゃあ…ほぎゃあ…

 

『おめでとうございます!元気な男の子です!』

 

『セシリア!僕達の子供だよ』

 

『ええ、貴方とわたくしの子ですわ…』

 

ジンヤは生まれた新しい命に感謝した。

 

『ジンヤさん、名前は決めましたか?』

 

『もちろん!真実で夜の闇を照らして欲しいから…シンヤってのはどう?!』

 

『良いですわね…シンヤ、ママですわ』

 

「シンヤが生まれ…僕が父になった日…」

 

ジンヤにとって思い出の記憶。

 

それから時が流れ…

 

ジンヤ、セシリア、シンヤに妹のリアは学園都市の旅行に行った。

 

『パパ!この街、なんだっけ?』

 

『学園都市だよ、シンヤ』

 

『それにしてもわたくし達の世界とは全く違いますわ…』

 

『ママ、こういうのをオーバーテクノロジーっていうんだよね?』

 

楽しかった記憶。

 

だが、これからの記憶が暗い色をしていた。

 

BSAAは白騎士事件の犯人である織斑千冬を逮捕し、IS委員会を壊滅させた事により、BSAAは地球上最強の組織となった。

 

嵐の前の静けさと言うべきか…

 

この事態が起きるまでは何時も普通だった。

 

起きるまでは…

 

織斑千冬が篠ノ之束の手引きにより脱獄した。

 

それにより、始まった悪夢。

 

月面基地、ムーンベース。

 

そこにはBSAAの宇宙調査部隊や精鋭の100人が居る基地。

 

そして、クリス・レッドフィールド参謀が指揮をしていた。

 

そこでは異様な光景があった。

 

『撃てぇ!』

 

『ここで食い止めろ!』

 

『こっちに来いよ…』

 

『楽しいなぁ…』

 

BSAAの仲間達が殺し合いをしていた。

 

だが一部のBSAA隊員の身体の一部が機械化されたりしていた。

 

一方、クリス・レッドフィールド参謀が部下の3人を脱出艇に乗せてムーンベースから脱出させた。

 

『俺も年だな…奴等の企みに気づかなかったとは』

 

自分を皮肉りながら、クリスは銃を片手に保管庫に向かった。

 

そこには月で見つけたオーバーテクノロジーの塊が保管されていた。

 

クリスが着くが、そこには何も無かった。

 

『くそぉ!遅かったか!』

 

だが、ある事に気づく。

 

保管庫の金庫は壊されているのではなく、開けられている事に…

 

すると、後ろから気配を感じて振り向くと左腕を剣に貫かれた。

 

『ぐわぁぁぁぁ!』

 

そして、剣を持った人物の顔を見た。

 

『そんな…なんでだ!なんでBSAAを裏切ったんだ?!』

 

だがその人物は答えなかった。

 

クリスが右手に握った銃を向けるが右腕に機械の虫が侵入した。

 

『しまった!』

 

すると、銃を握った右腕が少しずつクリスの方を向いて…

 

パァン!

 

引き金が引かれてしまった。

 

その後、BSAAの部隊がムーンベースに着いて見たのは死体の山だった…

 

身体の一部が機械化した隊員の身体を調べた結果、ある物が発見された。

 

それは機械の虫で身体に侵入して脳神経を奪い機械化させ、ある人物の命令で動くようになっていた。

 

その人物とは束の命令であった。

 

これにより、BSAAは篠ノ之束及び織斑千冬をテロリストとして指名手配した。

 

そして、クリス・レッドフィールド参謀の死亡が確認された…

 

だが、悪夢はこれからだった。

 

世界中のBSAA本部や支部がISを使用するテロリスト達、通称IS軍に襲撃を受けた。

 

カリブ海にあるBSAA基地、マザーベース。

 

そこはステルス機能が有り、発見されない筈だがIS軍の襲撃を受けていた。

 

炎が燃え盛り、周りは死体の山だった。

 

『急げ!撤退しろ!』

 

ラウが対IS用にチューンナップした銃で応戦していた。

 

『隊長!急いでください!ヘリを離陸させます!』

 

ヘリの中から隊員の1人がラウに催促する。

 

『ラウ、急ぎましょう!』

 

『分かっている!』

 

ジル・バレンタインと共に応戦していたラウはヘリに向かって走り出したが…

 

『ぐわぁ!』

 

『ラウ!』

 

ラウの足元に銃弾をくらい、倒れた。

 

『大丈夫?!今、肩を貸すから…』

 

ジルはそう言うと、ラウに肩を貸して、ヘリに到着した。

 

『離陸して!』

 

『はい!』

 

そして、ヘリはマザーベースから離れた…

 

このBSAAの本部及び支部襲撃事件によりBSAAの戦力は半減した。

 

だが、それよりある事が明らかになった。

 

「そう、それは…」

 

すると、ジンヤは目が覚めていた。

 

「もう、起きちまったか…」

 

ジンヤは自分の家の部屋のベッドで寝ていた。

 

(この世界に来てから半年…長く生きてきたな…)

 

すると、ジンヤの部屋のドアが開いた。

 

「ジンヤさーん、ご飯ができましたー」

 

「ああ、分かった」

 

そう言うと、NEO・BSAAのマークがあるコートを羽織って下の階へ向かった。

 

下の階にはネコミミを思わせる髪型をした白い制服にエプロンをした少女、夏輝が居た。

 

「あ、ジンヤさん。どうしたんっスか?なんか汗びっしょりっスよ?」

 

「ああ、昔の夢を見ていたからな…」

 

ジンヤに水を渡したのは眼鏡をした白い制服の少年、弥太郎だった。

 

「…どうぞ」

 

「ああ、すまないな」

 

そう言うと、ジンヤは水を飲んだ。

 

そして、夏輝が料理を運んできた。

 

「はい、おまちっス。夏輝特性カレーっスよ」

 

「ああ、すまないな…」

 

そして、3人は席についた。

 

「「「いただきます」」」

 

そう言って食事を始めた。

 

「相変わらず、美味いな…」

 

「そうっスか?嬉しいっス!」

 

「ジンヤさん…これ」

 

すると、弥太郎はジンヤに写真立てを渡した。

 

「ありがとな、直ったか…」

 

そう言うと、ジンヤは懐から写真を取り出した。

 

その写真にはジンヤとセシリア、シンヤ、リアが写っていた。

 

家族の写真を写真立てに入れた。

 

「そういえば、ジンヤさんって実年齢は何歳っスか?見た目は24ですが…」

 

「んだよ、いきなり…」

 

「ただ、稀に年寄りみたいな事を言うからちょっと気になるっス」

 

「確か…52だな」

 

ジンヤの一言で2人は静まり返った。

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇ?!マジっスか?!」

 

「ああ、24の時、戦いの果てに身体の再生能力等でね…」

 

そう言うと、ジンヤは寂しげに言った。

 

「普通に歳を取っていたら、俺はどうなっていたんだろうな…」

 

すると、窓の外を見ると、曇ってきた。

 

「…雨は嫌いだ…」

 

彼の脳裏にある光景が浮かぶ。

 

シンヤ!シンヤ!!

 

と、父さん…

 

待っていろ!今、助ける!!

 

とうさん、聞いて…あの怖いババ様の……右腕を切り落としてやった。少しは脅威が減ったよ…

 

喋るな!絶対助ける!!

 

父さん、僕は…貴方の息子で良かった…

 

 

 

 

 

おい、何寝てるんだよ…

 

リアを置いていくのかよ…

 

おい、おい………

 

年上の俺より死ぬのかよ…

 

なあ、シンヤ…

 

 

 

 

 

シンヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!

 

 

 

 

 

ジンヤはその事を思い出した。

 

(シンヤ、リア、セシリア…僕はキミ達の事を忘れない…何時か…また会おう!)

 

 


 
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