No.557309

魔法少女リリカルなのは 四天王始めました

バロールさん

無印編 11話 事件はいつの間にか始まっている

2013-03-20 20:43:45 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1145   閲覧ユーザー数:1106

俺達が表舞台に出てからまた、幾日か過ぎた。リゼットからの話によると俺達が表舞台に出てから少しの間なのは元気がなかったそうだ。だが、今は普段通りに戻っている。

 

それに時空管理局は俺達を探してまだ、滞在している。それを良いことに複数の転生者がリンディに頼んで訓練をしてもらっているらしい。これはアリシアと話していたときに聞いた話から推測。

 

家にも管理局員が来たが断った。あまりにもしつこかったので関節技の餌食にして追い返した。後日に来た局員も同じように関節技の餌食にしたら、今度はクロノが来てしつこくアースラに来るように言われたのでまた、関節技の餌食にして追い返した。

 

因みにアースラとは、戦艦だ……少なくとも俺はそう認識している。

 

 

 

 

 

 

そして、6月を過ぎた現在、そろそろプール開きなのだがそこで俺はどうするべきなのかと言うので学級会が始まった。

 

議題は俺の水着だ。

 

こんなのが議題で良いのかと激しく思うが……既に俺専用の更衣室がある時点でこの流れになったのはしょうがないと若干諦めている。

 

司会進行はアリシアと竹沢の二人だ。

 

ワァァァァァッッ!と盛上がる教室。中でも一番楽しそうなのが担任と言う理不尽さ……こいつが先生で良いのか?

 

結局、俺の水着は選ばれなかった。寧ろ、授業を免除された。……水泳のみ。

 

 

 

 

 

 

「いや~、レインも大変だったね」

 

機嫌良さげに笑うアリシア。その大変だった状況をノリノリで進めていたのは何処の誰だか分かっているのだろうか?

 

「誰のせいだと思っている……誰のせいだと」

 

俺が、疲れたようにそう言うとアリシアはニコニコと笑ったままで答えた。

 

「誰のせいだろうね」

 

こいつ……本当は全部分かってやってるんじゃないだろうか?俺はそう思えてしかたがない。

 

「そう言えばさ、レインの家に管理局員は来たの?」

 

「来たよ。……全員……関節技の餌食にしてやったけど」

 

「ぶっ……ちょ、ちょっと!?何やってるの?」

アリシアは面白いように慌ててる。そこまで慌てることないのに……。

 

「しつこかったから、ついね」

 

「ついじゃないよ!全く……下手したら捕まるよ」

 

呆れたように言う、アリシア。

 

「此処は管理外世界だよ。魔法を使ってる訳じゃないんだから無理だよ。もし、やるのなら……」

 

「やるのなら……」

 

ゴクリ、と喉を鳴らすアリシア。

 

「管理局員を痴漢に仕立て上げて、管理世界全土にその動画を流す」

 

「それ……色々ヤバくない?」

 

問題ない……どうせ批評をくらうのは管理局だし、それで何かしてくるなら、それをネタに出来るしな。

 

「クックック……」

 

「……ねぇ……その笑顔はヤメテ」

 

気がつくとアリシアは顔を青ざめさせてガタガタと震えて、怯えていた。

 

「はいはい……まあ、なんとでもなるさ」

 

顔を青ざめさせてガタガタと震えているアリシアにそう言うと俺は立ち上がる。

 

「……ん?どこ行くの」

 

「水飲みに」

 

 

 

 

 

 

 

俺が水を飲んで、教室に戻ると教室には誰もいなかった。不思議に思いつつも自分の席に座る。

 

少しすると廊下から複数の足音が聞こえてきた。

 

そして、教室の扉が思いっきり開けられた。

こには息切れしたアリシアにすずか、なのは、フェイト、リゼットと見知らぬ生徒達がいた。

 

「レイン!大丈夫?怪我してない?」

 

「怪我するわけないじゃん。水を飲みに行っただけで」

 

「そうだけど……そうじゃなくて!?」

 

「姉さん、落ち着いて。私が言うから。実は学校全体がジュエルシードの暴走に巻き込まれて異界と化して、魔法を知っている人物のみが取り込まれた」

 

……マジで。本当?とリゼットに視線を送るとリゼットはコクりと頷く。

 

「信じられないと思いますが窓から外を見てください」

 

フェイトに促され窓から外を見ると、そこには……。

 

有名どころのスライムにゾンビとしか言い様のない存在に色とりどりのドラゴン、などが沢山蠢いていた。

 

何故、ジュエルシードの発動に俺は気づけなかったんだ?今までのは発動した際に気づけたはずなのだが?

 

俺が窓の外を見ながら思考に耽っていると「とりあえず、この状況を一旦整理しましょう」と誰かが言った。

 

現在、俺達は学校ごとジュエルシードの暴走によって作られた異界に閉じ込められている。ファンタジー世界のような魔物がいることから何かしらの物語を触媒にしていると推測される。

 

校内には数匹ほど魔物に侵入されており、それらを討伐するために何人かで校内を巡回しているとのこと。

 

この状況に俺は内心溜め息を吐く。暴走するなら俺がいないときにしろよと……。あんまし関わりたく

ないのにさ……。本当……嫌になる。

 

 

 

 

 

「さて、どうなることやら」

 

「まあ、どうにでもなるでしょ」

 

俺が他人事のように呟くとリゼットは他人事みたいに落ち着き払った声で答えた。

 

「……なんか二人とも落ち着きすぎじゃないかな?」

 

「「そう?」」

 

苦笑しながら言う、すずかに俺とリゼットは同時に答えた。

 

「そうだよ」

 

クスクスと笑うすずか。

 

現在、俺達は他のメンバーと合流するべく動いている。合流場所は体育館なのでそこに向かっている。

合流後にジュエルシードの暴走を止めるそうだ。

 

まあ、俺はデバイスを持ってないから体育館で他のデバイスを学校に持ってきてない面々と待機だろう。

 

それで、実際に体育館に着くとそれなりの人数の子供が集まっていた。大体……50人前後。

 

これだけいれば早く終わるでしょ……殆どの子がデバイスを持っているのが見えるし。持ってきてないのがリゼット、レオン、シアと他数名。元々持ってない俺にすずかだけなんだから。

 

「ねぇ~、レインも手伝ってよ」

 

アリシアが俺の手を引っ張りそう言った。それに対して声が上がった。

 

「デバイスを持ってないんだろ?足手まといじゃないか」

 

そう言ったのは白髪の少年だ。その白髪の少年に対してフェイトが言う。

 

「……私も姉さんに賛成。レインはこのままでも十分強い」

 

「嘘だろ……だったら証拠を見せてもらおうじゃねえかッ!」

 

フェイトの言うことを信じられなかった、黒髪パッツンの少年が剣型のデバイスで上段から切りかかってきた。

 

「踏み込みが甘い!」

 

俺はそれを横に一歩ずれて回避する。そして、関節技をかける。

 

「ギャアアアアアア!ギブ、ギブ!調子のってすいませんでしたッ!!だから、早く解いて、解いて」

 

悲鳴上げる少年を解放し、俺は次は誰?と言う視線で回りの少年少女を見渡す。

「い、いえ……もう、結構です。分かりましたから……だから、その目は止めてください」

 

仕方がない……今回はこれで良いか。さて、俺の正体が露見するまでどれくらいの時間が掛かるか楽しみに待ちますか。

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃ封印班と迎撃班に別れて行動を開始する。封印班はなのはとフェイトに付いて行ってくれ。迎撃班はアリシアとレインさんに付いて行ってくれ」

 

デバイス無いのに俺は迎撃班に回されましたよ。しかも纏め役……俺……少しばかり本気で行った方が良いのか?そう思いリゼットに聞いたら「純粋な体術なら良いわよ」と言われた。

 

なので、パイプ椅子を数個持っていく。今回はコレが武器だ。

 

「それじゃ、行ってくる」

 

俺はリゼット達にそう告げるとパイプ椅子を持って外に向かう。俺の後ろにはアリシアを初め、十数人の転生者がデバイスを起動して付いてくる。

 

外に出ると魔物達が一斉に此方を向いて。雄叫びを上げて、突っ込んでくる。

 

「総員……敵の注意を引き付けるだけで仕留めるのは後回しだ!とりあえず、封印班が事を終えるまでの時間稼ぎに徹する」

 

俺は迎撃班全員にそう叫ぶように伝えると一番近くにいたゾンビをパイプ椅子で殴り飛ばす。グシャッ、と握り潰すような音を立ててゾンビの上半身と下半身が別れた。

 

「……後、何回程あるかな?転生者達と共闘するのは……」

 

俺は誰にも聞こえないような声でそう呟きながらパイプ椅子を振り回し、敵陣に突っ込んで行く。

 

ああ……今から楽しみだ。彼等が俺の正体に気づいたときにどういう反応を示すのか。それを考えると自然と口元に笑みが浮かぶ。

 

 


 
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