No.555669

ALO~閃光の妖精姫~ 第40魔 ザ・シード

本郷 刃さん

第40魔です。
学校終了後のオフ会話しです、
今回はキャラ名の表記をキャラネームで表示することが多いです。

どうぞ・・・。

2013-03-16 08:36:15 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:15546   閲覧ユーザー数:14292

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第40魔 ザ・シード

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和人Side

 

学校を終えた後、俺と明日奈と刻は直葉と合流し、4人である店に向かっていた。

到着したのはエギルことアンドリューの店『Dicey Cafe』、木札に本日貸切の文字が書かれている。

 

「スグはエギルと会ったのは、向こうでだけだったか?」

 

「うん、2回くらい一緒に狩りにいったけど…初めて会った時はびっくりしちゃった」

 

「本物もあのままっすからね~」

 

「わたしも、初めて会った時は色々と忙しかったからあれだけど、ホントにそのままなんだって思ったよ」

 

「かくいう俺もさすがにびびったな」

 

俺の問いかけにスグは答え、刻は苦笑し、明日奈も微笑を浮かべた。

少々引き攣った表情を浮かべたスグに刻が手を繋ぐと、その表情が笑顔になった。

良かった、スグも大切な人と歩むことが出来るようになって…。

そして俺がドアを開けて中に足を踏み入れると……歓声、拍手、口笛が沸き起こった。

店内にはギリギリまで人が詰まっている。

しかも店内に流れている音楽はアインクラッドのアルゲードの街のテーマだ。

 

「遅刻はしていないと思ったんだが…」

 

「主役は最後に来なくっちゃね。とにかく入りなさいよ」

 

時間は遅れていないはずだと思ったが、里香の言葉から察するに違う時間を教えられていたようだ。

俺達4人は中に入ると俺だけが小さなステージの上に乗せられ、スポットライトを当てられた。

そして…、

 

「「「「「キリト、SAOクリア…おめでとう!」」」」」

 

全員の唱和とクラッカーの音、拍手が響き渡り、さすがの俺も呆気にとられたがすぐに持ち直し、

 

「ああ、ありがとう!」

 

そう言った。

 

 

 

今日のオフ会はどうやら俺が知らぬところで盛大に進められていたようだ。

それにしても、よくこれだけの人数が集まったな…。

アスナ、リーファ、黒衣衆、クラインと風林火山、エギル、リズ、シリカ、黒猫団、シンカーさん、ユリエールさん、

サーシャさん、ラルドさん、マスター、そして俺といった面々である。

アルゴにも連絡を取ったが「お姉さんの情報を掴まれるわけにはいかないなぁ」と言って断ったそうだ、

何がしたいんだろうか?

各々簡単な自己紹介を済ませ、さらに俺のスピーチなどあったが適当にぼかして話をしただけだ。

そして現在この宴はカオスな状態となっている、みんなテンションが高いようである。

俺は男性陣から手荒い祝福を受け、女性陣からすら少々手荒い祝福を受けた。

心配を掛けた代償だと言われれば、それも仕方があるまい。

 

「エギル、グラスくれ。持ち込みがある」

 

「なら全員に振る舞えばいいじゃねぇか」

 

「1本数十万のワインだが?」

 

「………なんで、そんなもん持ってやがるんだ…」

 

「師匠からの祝いの品だそうだ…。なぁに、アルコール度数は低いし、師匠に呑まされて強いから問題無いさ…」

 

俺がそう言うとエギルは諦めたのか幾つかのグラスを取り出した。

恐らく成人メンバーの分もだろうな。

 

「あとハクヤ達の分も、アイツらも飲めるからな」

 

「んじゃ、俺にもくれよ……平和だな…」

 

神霆流の分を追加させるとクラインが俺の隣のスツールに腰を下ろした。

談笑を続ける女性陣の方を見て言った最後の呟きには、俺も同感する。

さらに俺の隣にシンカーさんが腰を下ろし、そのさらに隣にはマスターが座った。

ハクヤとハジメ、ヴァルとルナリオ、シャインも俺達の側に立ってグラスを持ち、全員でワインを口にする。

 

この小説を呼んでいる良い子?のみんな、飲酒は20歳になってからだぜ、俺との約束だ。

 

「シンカーさん、ユリエールさんと入籍したんでしたね。おめでとうございます」

 

俺に続いてここに集まったメンバーも祝福の言葉を掛け、シンカーさんは照れた様子だ。

彼は今、新生『MMOトゥデイ』を立ち上げている。

そこで俺は気になっていたことをエギルに聞くことにした。

 

「そういえばエギル、『種』の方はどうだ?」

 

「すげぇの一言だよ。ミラーサーバが約50、ダウンロード総数は10万、稼働している大規模サーバが300ってところだな」

 

 

 

茅場が俺に残した『世界の種子』、名を『ザ・シード』という。

これはフルダイブ・システムを動かすことが出来るプログラム・パッケージだった。

簡単に説明すれば、ある程度太い回線を用意してパッケージをダウンロードし、

環境を作り上げればそれだけで新たなVRMMO、世界を生み出す事ができる代物だったのだ。

俺はユイの手を借りて、ナーヴギアのローカルエリアからメモリチップに入っていたそのファイルを、

エギルに頭を下げて発芽を頼み込んだ。

快諾してくれたエギルの手により、なによりの安全が証明された。

果ての無い世界が生み出され続ける、茅場はそこにあの鋼鉄の城がある世界の生誕を望んだのかもしれない…。

 

 

 

『アルヴヘイム・オンライン』は死に絶えるはずだった。

須郷伸之、奴の起こした一連の事件が明かされたことで、ALOとレクトプログレス社、

VRMMOというジャンルのゲームそのものが死に逝くことになりかけた。

明日奈の父である結城彰三氏はCEOをやめ、レクトプログレスは解散、レクト本社にも大打撃を受けた。

だがその危機を救ったのは朝霧財閥と我らが師匠である時井八雲の口添えである。

須郷伸之と奴の部下、それらの行動であったこと示す音声を俺が録音しておいたので、それを師匠が警察に提出。

朝霧財閥は奴らによって被害が出ることになるレクトの社員達を思い、提携を結ぶことを決めた。

これによりレクト本社は大きな被害を受けることはなく、彰三氏も経営陣へのサポートという形で残ることになり、

俺は彼らから後日盛大な礼を受けることとなった…。

 

 

 

須郷伸之、奴に至ってはかなり重い罰が課せられることになると思われる。

明日奈への暴行未遂と性的暴行未遂、俺への殺人未遂と暴行(間接的な肉体的ダメージ・ペインアブソーバー)、

脅迫、略取監禁罪、その他にもつくだろうが…なによりもあの外道な研究を行っていたことが一番響くだろう。

ただ囚われていた299人の記憶に実験中の記憶は無く、特に精神障害がでることもないだろうと言われている。

今後の経過次第であろう。

 

 

 

世間のVRMMOへの批判から、ALOを含む稼働中だったVRMMOは次々と閉じられたが、

それらの世界を救ったのは各ゲームのプレイヤーであったベンチャー企業だ。

『ザ・シード』を使うことで、世界は崩れることなく生き残った。

1つの世界で作ったキャラクターを別のゲームにコンバートできることも可能となりつつあり、

『ザ・シード』を利用した教育、仕事、コミュニケーションなど、様々な事柄も誕生してきた。

世界の種子は間違いなく、新たな進化を齎していた。

 

 

 

「世界の種子は飛び上がって地に根を下ろし、芽を出して花を咲かせ、再び種子が飛ぶ…。まるで蒲公英(たんぽぽ)みたいだな…」

 

「へぇ、上手いこと考えるじゃねぇか」

 

俺が呟くとエギルは軽い笑みを浮かべた。

 

「世界の創生に立ち会っているかのようですね。もうMMORPGというには括りが狭いと思いますよ」

 

シンカーさんが夢見る眼差しで呟き、俺達は静かに頷いた。

 

「そういえば、二次会の予定変更はないんだろうな?」

 

「今夜11時にイグドラシル・シティ集合、変わりはないさ」

 

「………アレは?」

 

「そっちも問題無いぜ。あの『伝説の城』だからな、ユーザーもどんどん増えていく」

 

俺の問いかけにエギルは全て答えていく。

新しくALOの運営者となった者達に引き渡されたアーガスのデータに残っていたもの、それは驚きのものだった。

ソレとの邂逅に俺は想いを馳せ始めている。

 

和人Side Out

 

 

 

明日奈Side

 

わたし達女性陣はみんなで談笑を続けていた。

するとカウンターのスツールにキリトくんが座り、左右にクラインさんとシンカーさん、

さらに隣にマスターさんが腰を下ろした。

そこにハクヤ君、ハジメ君、ヴァル君、ルナリオ君、シャインさんが集まる。

なにをするかと思えばキリトくんは1本の瓶を取り出した、あれはワインだ、しかも高そうな。

なんでそんなものを持っているのかが気になったけれど、エギルさん達が止める様子もなく、

集まった人数分のグラスにワインを注いでいく。

そしてみんなで飲んでいる、特に酔った様子もないけど大丈夫かなと思う。

だがそんなことよりも、大人な雰囲気を醸し出しているキリトくんに胸キュンしてしまった。

 

「どしたのよ、アスナ」

 

「顔が紅いですけど、熱くなってきましたか?」

 

わたしの様子が変わったことに気付いたリズ、シリカちゃんも気遣ってくれた。

 

「ううん……アレ…///」

 

「「「「「……………//////(ぽっ)」」」」」

 

わたしが指を指した先にいる男性陣。

リズ、シリカちゃん、リーファちゃん、ティアさん、カノンさんは頬を紅く染めて、好きな人達に見惚れてしまう。

だよね、そうなるよね。

ちなみにサッちゃんはというと黒猫団のみんなと一緒に居り、

ユリエールさんとサーシャさんはラルドさんと話している。

 

「なんであんなにカッコイイんだろう…///」

 

「「「「「ねぇ~…///」」」」」

 

わたしの呟きにみんなが続いた。

 

明日奈Side Out

 

 

 

刻Side

 

キリトさん達としばしパソコンを使って『ザ・シード』の様子をみていると、ふと感じたものがあったっす。

店内を見渡してみると、それに気が付いたっす。

 

「スグ…?」

 

どこか寂しげに店内のみんなを眺めているスグ。

一体どうしたのだろうか?

 

刻Side Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

というわけで、オフ会の様子でした~。

 

これはあくまで二次創作であるので飲酒のシーンが描かれましたが、20歳未満の方は絶対に飲酒をしないでくださいね。

 

自分との約束ですよw

 

あとオフ会の部分は名前の表記をキャラネームにしました。

 

シンカー達がいましたし、オフ会ですからね。

 

それでは残すところあと1話となりました、次回の最終話をお楽しみに♪

 

ではまた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
21
7

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択