No.552177

ALO~閃光の妖精姫~ 第31魔 愛する者との再会

本郷 刃さん

第31魔です。
ついに、ついにアスナさんとユイちゃんが・・・!

どぞ・・・。

2013-03-07 10:16:23 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:14582   閲覧ユーザー数:13494

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第31魔 愛する者との再会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リーファSide

 

来てくれた…サクヤが、アリシャさんも、ユージーン将軍も、3種族の部隊のみんなも。

アスナさん達がこちらに一時的に撤退してきた。

ルナ君がレコンのリメインライトを持ちながら帰って来て、サクヤがすぐに蘇生魔法を発動し、レコンを復活させた。

 

「はぁ~……ありがとうございます、サクヤさん…」

 

「いや、良く頑張ったよ」

 

レコンはサクヤにお礼を言い、彼女は彼の頑張りを称えた。

あたしはルナ君とレコンに向き直ると、

 

―――ゴンッ!

 

「「ぐはっ!?」」

 

2人の頭に拳骨を落とした。

 

「2人共、なに無茶してるのよ!」

 

「「す、すんまへん…」」

 

ルナ君もレコンも頭を押さえながら謝ってきた。反省しているようなので、これでいいだろう。

 

「ふふ…だが、遅くなってすまなかったな」

 

「装備を整えるのに時間が掛かっちゃってネ。

 ウチもシルフもお金を譲ってもらったケド、もうあんまり残ってなかったリ…」

 

「兄を説得するのに苦労してな、間に合って良かったが…」

 

「ありがとうございます、皆さん」

 

サクヤとアリシャさん、将軍さんの言葉にアスナさんは感謝を言葉にした。

そしてあたし達は体勢を整えて、空中へと視線を向けた。

アスナさんが再び剣を上空へと向けて、

 

「行きます!」

 

宣言した。あたし達は武器を携えてそのまま飛翔した。

 

リーファSide Out

 

 

 

アスナSide

 

「「ヤァァァァァ!」」

 

わたしは『クロッシングライト』を、リーファちゃんは長刀『シルフィル』を抜き放って敵を斬り裂く。

 

「「ハァッ!」」

 

ハクヤ君は『アイスエイジ』と『コロナリッパー』の双鎌で乱舞し、

ハジメ君は『カミヤリノマサムネ』の抜刀と居合で騎士を斬り捨てる。

 

「「フッ!」」

 

ヴァル君は『神龍偃月刀』と『アルスライベン』の双槍で突きと薙ぎ払いを行い、

ルナリオ君は右手の『ヴェンダイヤ』で近場の敵を叩き潰し、左手の『ロードメテオ』で遠距離の敵を叩き落としていく。

ハクヤ君とヴァル君とルナリオ君は両手に武器を持っているけど、一体どんな筋力値なのだろうか?

 

「テェアッ!」

 

シャインさんは大盾の『アイギアス』で攻撃を受け止めてから、

『ダークリパルサー』で斬り倒すというカウンターを行っている。

 

「「セェイッ!」」

 

ティアさんは『レイブンダガー』と『リグレッサー』を持ち、カノンさんは『ヴァントゥール』を持って、

2人で連携を行いながら敵を迎え撃つ。

 

「前衛戦士部隊、彼らに続け! メイジ部隊、支援魔法、回復魔法、攻撃魔法を分担して行え!

 壁戦士(タンク)部隊、メイジをやらせるなよ! 俺も前に出るぞ!」

 

「「「「「「「「「「おう!」」」」」」」」」」

 

ユージーン将軍は率いてきたサラマンダー部隊に指示を出すと、

自身も前に出て『魔剣グラム』を振るい、敵を倒し始めた。

 

「ドラグーン隊、ブレス攻撃用意!」

 

「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」

 

「シルフ隊、エクストラアタック用意!」

 

「「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」」

 

アリシャさんとサクヤさんもそれぞれの部隊に指示を出し、自身も攻撃の用意に入る。

レコン君もシルフ隊に並んで魔法の展開を整えている。そして、

 

「ファイアブレス……」

 

「フェンリルストーム……」

 

「「撃て(放て)ーーーーー!」」

 

ケットシーの飛竜が溜め込んだ紅蓮の劫火を一斉に吐き出し、

シルフ隊は雷光の魔法を一斉に放ち、敵を一瞬にして薙ぎ払った。

さらにサラマンダーメイジ隊の魔法が発動して敵を爆砕していく。

 

「「「全員、突撃!」」」

 

2人の領主と将軍の号令で一斉に攻撃が始まった。

 

 

 

わたしは周囲で鳴り響く爆音や攻撃の音を聞き、体に喝を入れた。

 

「一気に行きます!」

 

「「アスナさん(ちゃん)!」」

 

ティアさんとカノンさんが左右からわたしの手を引いて上昇する。

2人に連れて行ってもらう形で上に上がる。そして、

 

「「行っけーーー!」」

 

2人に投げられる、その前にはシャインさん。

 

「アスナちゃん、アイギアスに乗れ!」

 

「はい!」

 

わたしはアイギアスに乗ると脚に力を込めた、

そしてシャインさんは盾を前に押し出したので、タイミングを合わせて上空へとジャンプした。

 

「……アスナ、側面に!」

 

「うん!」

 

今度はハジメ君の元に辿り着いたので、彼の持つ刀の側面に乗る。

すると彼が刀を振り抜き、そのままさらに飛び上がる。

 

「アスナさん、乗ってください!」

 

「ありがとう!」

 

ヴァル君の持つ槍の1つに乗って、上空へとさらに飛んだ。

 

「アスナ、思い切りやってこい!」

 

「ええ!」

 

ハクヤ君の居る場所に辿り着くと彼の持つ鎌に乗り、振り上げられた鎌から天蓋へ向かう。最後に……、

 

「アスナさん、キリトさんをお願いするっす!」

 

「任せて!」

 

ルナリオ君の持つハンマーの面と乗った。

わたしはアイテムストレージから手早く1本の剣を取り出した、聖剣『セイクリッドゲイン』。

筋力値はギリギリというところだろう。だけどそんなものは関係無い!

 

「キリトくん、わたしに……力を貸して!」

 

そしてわたしはルナリオ君に打ち上げられた。

クロッシングライトとセイクリッドゲインを重ねて、打ち上げられた勢いのままに加速し、突撃する。

 

「ハァァァァァァァァァァ!!!」

 

《二刀流》のソードスキル、《メテオ・レイ》の如く一筋の流星となり、天蓋に群れる敵の中央を一点突破。

わたしは……十字の扉がある天蓋へと辿り着いた。

 

アスナSide Out

 

 

 

ルナリオSide

 

アスナさんが突破したのを確認し、ホッとしたっす。

 

「全員、撤退!」

 

サクヤさんが発した号令を聞き、ボク達は一気に下降する。

飛竜のブレスによる援護を受けながら、続々と後退して扉から出ていくみんな。

サラマンダー隊、シルフ隊が先に離脱、SAOプレイヤー組が続いて離脱、ケットシー隊も離脱して残るはボク達。

 

「ルナ君、アスナさんとユイちゃん…大丈夫だよね?」

 

「心配ないっすよ。2人を信じるっす」

 

合流したリーファは不安そうに声を掛けてきたが、大丈夫だと安心させた。

 

「ハクヤ、お疲れ様!」

 

「リズ、ありがとう」

 

「ヴァル君、大丈夫だった?」

 

「きゅ、きゅ~?」

 

「問題無しだよ。シリカ、ピナ」

 

「カノン、無事で良かったぜ!」

 

「クラインさんも御無事で!」

 

言葉を交わしていく仲間達。

 

「よし、あとはアイツらに任せよう!」

 

エギルさんの言葉に頷いて、ボク達も扉から出た。アスナさん、頼んだっすよ。

 

ルナリオSide Out

 

 

 

アスナSide

 

天蓋のゲートへと辿り着いたわたし、だけど予想外の事態が発生した。

 

「扉が、開かない!?」

 

まさかの展開にわたしは動揺するけれど、すぐに彼女に聞いてみることにした。

 

「ユイちゃん、分かる?」

 

「調べてみます……………そんな、ママ! 扉は管理者権限によって閉じられています!

 この扉は…プレイヤーには開けられないようにされています!」

 

「そ、そんな…!?」

 

つまり本当に、この『グランド・クエスト』というものはクリアされないようにされていたという事じゃない。

さらに周囲には守護騎士達が再び集まりつつある、一体どうすれば………そうだ!

 

「ユイちゃん、これを使って!」

 

わたしは胸ポケットから1枚の黒いカードを取り出した。『システムアクセス・コード』、前に彼女はそう言っていた。

するとユイちゃんはカードに触れた、瞬間に光の筋が彼女に流れ込み、今度は扉に触れた。

そしてゲートが発光し始めた。

 

「転送されます、掴まってください!」

 

わたしはユイちゃんが伸ばした小さな手を掴むと、そのまま体が透け始めて、どこかへと転送された。

 

 

 

「っ……ここは…?」

 

「どこかの通路みたいですけど…」

 

どこかへと転送されたわたしとユイちゃん、彼女の姿は少女の姿になっている。

場所は白い板が敷かれたようなうねっている通路だ。

どうにも今までのALOの中とは違う構造になっているのが分かる。

 

「ママ! パパ、近くに、上の……こっちです!」

 

「うん!」

 

聖剣を収納して愛剣を鞘に納め、駆けるユイちゃんの後を追う。

少ししてエレベータのような物に乗り込み上部へと移動する。

ユイちゃんが示したのが上というのなら、とにかく上へと目指した。

そしてエレベータが辿り着いた、出てみるとそこは先程と同じような白い通路だ。

ユイちゃんに手を引かれて移動する、幾つもの扉を通り抜け、

新たな扉に手を掛けて開いた瞬間………沈む太陽の光景が広がった。

 

「街なんてないじゃない…」

 

そこにはリーファちゃんが言っていたような街は存在しなかった。あの男は、本当に…!

 

「ママ…」

 

「っ…そうだね、まずは行かなくちゃ」

 

わたしはユイちゃんの手を引いて樹の枝で出来た通路の上を走った。

螺旋を巻く枝の上をとにかく駆け上がる。

どれほど走っただろう、しかしわたし達の眼には1つの物が目に付いた。

鳥籠だ……彼が囚われているであろう格子の檻。

急ぐわたしとユイちゃん、もう少し、もう少しで…。

そして近づく……鳥籠の元に着き、扉の前に立って……言葉を失った…。

 

「パ、パ…?」

 

「ぁ…あ……」

 

ユイちゃんは訳が分からないという風に彼を呼び、わたしはあまりにも凄惨な様子に声を震わせる。

そこに居たのは間違いなく彼だ、だけどその様は……、

 

全身を鎖で雁字搦めにされて吊し上げられており、体のあちこちには20本は超えるであろう剣や槍によって貫かれていた。

 

「っ、キリトくん!」

 

「パパ!」

 

「っ……来てくれたか…アスナ、ユイ…」

 

わたしとユイちゃんの呼びかけに彼は答えた。

ユイちゃんが扉に触れてから手をずらすと鉄格子の扉が吹き飛んだ。

すぐさま中に飛び入り、彼の体に刺さった武器を抜き取っていく。

キリトくんは顔を顰めている…。

 

「ペイン…アブソーバーが…」

 

「なんなの、それ…」

 

「……痛みを、与えるものだ…」

 

ユイちゃんが呟いた一言に静かに訊ねると、彼が答えてくれた。

それじゃあ彼は、ここに囚われていた間、ずっと…痛みを…。

そう思うと涙が溢れてきた。

 

「キ、リト、くん…」

 

「そんな顔をしないでくれ、アスナ…。ユイも、ありがとう…」

 

「パパ…」

 

ユイちゃんは鎖に触れると薙ぎ払うかのような動作をした。

鎖が全て砕け散り、キリトくんはわたしに倒れ込んできた。

 

「はは、さすがに痛みがキツイな…」

 

「大丈夫、だよね…?」

 

苦笑する彼に涙ながらに訊ねた。

 

「あぁ……本当に、ありがとう…アスナ、ユイ…」

 

「「キリトくん(パパ)!」」

 

わたしもユイちゃんも彼によって抱き締められた。2ヶ月の時を経て、わたし達は再会した。

 

アスナSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

再会しました・・・アスナさんとユイちゃんが、我らがキリトさんと再会致しました!

 

しかし皆さんがご存知の通り、ここからが本番ともいえるところです。

 

次回は下種が現れて、ついに最後の段階へと移行します。

 

原作ではアスナさんが被害に遭うけれど、本作ではキリトさんが・・・・・・おい、今不埒な考えした奴は手を上げろ。

キリトさんから熱いお灸を据えてもらいなさい!

 

それでは次回にて・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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