No.551528

ALO~閃光の妖精姫~ 第29魔 集結、剣の世界の戦士達

本郷 刃さん

第29魔です。
タイトルで察する方もいらっしゃると思いますが、集結します!

どうぞ・・・。

2013-03-05 10:56:47 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:12888   閲覧ユーザー数:11773

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第29魔 集結、剣の世界の戦士達

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスナSide

 

宿屋の一室でティアさんに抱き締められ、ユイちゃんに撫でられ、

カノンさんに見守られながら時間を過ごしたことで、落ち着くことが出来た。

 

「ありがとうございます…もぅ、大丈夫です…」

 

「そうですか…」

 

微笑を浮かべてお礼を言うと、ティアさんは短く返してくれた。けれど、そのまま言葉を紡いできた。

 

「アスナさん。確かに貴女はキリトくんにすぐにでも会いたいと思っているでしょう……ですが、

 それはキリトくんも同じはずですよ」

 

「ぁ…」

 

「キリトくんはすぐにでも貴女の元に戻って、安心させてあげたいと思っているはずです。

 けれど彼は自分の為すべき事を見出して、世界樹の上の敵の中枢に囚われました。

 きっと、貴女に対して一番申し訳ないと考えていると思います」

 

ティアさんの言う通りだ。キリトくんは多分、逃げられる状態にあるはず。

だけど、他に捕まっている299人を解放させる為に、わたし達の為に囚われている…。

わたしはまた、自分のことしか考えていなかった…そんな自分が情けない。

 

「貴女がやるべきことは……分かりますね?」

 

「はい! わたし、絶対に諦めません! キリトくんを信じます!」

 

「それでこそアスナさんです♪」

 

「アスナちゃんが元気なら、あたし達だって頑張れるわ」

 

「ママ、わたしも頑張ります!」

 

ティアさんはわたしの回答に満足したようで笑顔を浮かべ、カノンさんも微笑みながら言い、

ユイちゃんも身を乗り出しながら応えてくれた。

そうだ、こんなところでウジウジしていられない!

 

「行きましょう……もう一度」

 

「「「ええ(はい)」」」

 

わたしが立ち上がると、ティアさんとカノンさんも立ち上がり、ユイちゃんはわたしの右肩の上に下りた。

そして宿屋を後にして、世界樹の扉へと向かった。

 

 

 

世界樹の扉の前にはリーファちゃんとルナリオ君とレコン君が居り、

わたし達が到着してすぐに何処かへ行っていた男の子達もやってきた。

 

「お、アスナちゃんはもう大丈夫みたいだな」

 

「はい、お蔭様で。ご迷惑をお掛けしました」

 

「気にするな。俺達も気が立っていたから、人のこと言えないし」

 

シャインさんに声を掛けられたので返答すると、ハクヤ君がフォローを入れてくれた。

 

「ルナリオ君とリーファちゃん、なにかあった? どこかスッキリした感じだけど…」

 

「2人で意気込みをしてたっす」

 

「気持ちの再確認ですね」

 

カノンさんの言葉にわたしもそう言えばと思い、

当の本人であるルナリオ君とリーファちゃんは空気に余裕が出来た感じだ。

いいことでもあったのかもしれないね。

 

「ヴァルさんとハジメさんはどうしていたんですか?」

 

「実は世界樹攻略について何かヒントがないか聞き込みに行っていたんだよ」

 

「……とくに情報は得られなかったがな…」

 

ユイちゃんが2人に訊ねるとヴァル君が答えてハジメ君は結果を話した。

わたしがあんなことになっている間も、2人は出来ることをやっていたんだ…。

 

「このメンバーで攻略に挑むんだね…」

 

「そうっすけど、レコンにも期待してるっすよ?」

 

「え、ぼ、僕!?」

 

「そりゃそうよ。アンタは古参プレイヤーの1人なんだし、サポートもバッチリじゃない」

 

「う……分かったよ、全力でやってみる!」

 

さっき到着したというレコン君が感嘆の声で漏らすとルナリオ君が言い、

驚く彼にリーファちゃんが追撃をかけたけど、それが心に火をつけたのかやる気を出したようだ。

 

「それではみなさん、わたしからさっきの戦闘で分かったことを報告しますね」

 

ユイちゃんはそう言い放ってから話しだした。

 

「あのガーディアンモンスターですが、個々の能力は1、2撃程で倒せる程度のものです。

 ですが、湧出パターンが異常でした。ゲートへの距離に比例してポップ量が増えて、

 最も近づいた時には秒間12体にも達していました。

 攻略不可能設定と言っても過言ではありません」

 

「ユイちゃん凄い!」

 

「よくそこまでの情報が分かったっすね~」

 

愛娘の報告にわたしは喜び、ルナリオ君も驚いている。他のみんなも感嘆の溜め息を吐いたりしている。

 

「だけどそれなら厄介だな…」

 

「……どう突破すればいいのか、それが問題だ…」

 

シャインさんとハジメ君が呟く。確かに、一体どうすれば…。

 

「みなさんのスキル熟練度を考慮すれば、一点集中で突破することは可能かもしれません」

 

「一点集中による突破、確かにそれしかないかもしれませんね」

 

再び説明するユイちゃんの言葉を聞いて、ヴァル君がそう言った。

実力者で埋められているとはいえ、この人数では勝機も少ないかもしれない。

だけど目的はあくまで突破、キリトくんの元へ辿り着くことだ。

可能性が低くても、やるしかない…。その時…、

 

「見つけたわよ!」

 

「え?」

 

聞き覚えのある声が聞こえた。みんなで声の聞こえた階段の方を振り返ってみると、そこに居たのは……、

 

「うそ…」

 

「援護に来たわよ、アスナ」

 

「…っ、リズ!」

 

わたしのSAO時代からの親友、篠崎里香が……レプラコーンの姿となって、リズベットとして現れた。

 

 

 

わたしはゆっくりとリズに近づく。

 

「里香…いや、リズ。お前…」

 

「ほん、とうに…?」

 

ハクヤ君とわたしは驚きながら声にする。

 

「言っておくけど、あたしだけじゃないわよ……ね、みんな!」

 

「っ、あ、あぁ…」

 

彼女の言葉を受けて階段を上ってきた妖精達を見て、驚きのあまり声にならなかった。

 

「あたしも来ちゃいました、アスナさん、ヴァル君♪」

 

「きゅ~」

 

「シリカ!? ピナ!?」

 

ケットシーの姿をしたシリカちゃんとこの世界に存在しないはずの〈フェザーリドラ〉のピナ、

ヴァル君は驚きのあまり困惑している。

 

「俺に声を掛けないなんて水臭いぜ、アスナ、カノン!」

 

「クラインさん…///」

 

サラマンダーのクラインさん、カノンさんは驚きと喜びに揺れている。

 

「頼ってくれと俺は言ったはずだぞ?」

 

「ニャハハ。そう言ってやるなよ、エギっち」

 

「そうですよ、私達に気を遣ってくれたんですから」

 

「エギル、アルゴ、マスター…」

 

ノームのエギルさん、ケットシーのアルゴさん、プーカのマスターさん。

シャインさんは嬉しそうに表情を緩める。

 

「俺達にも何か出来ないかと思って来たんだ」

 

「わたしなんかじゃ壁くらいにしかならないと思いますけど」

 

「それでも、僕達にも力を貸すことは出来るはずだと思ってね」

 

「シュミットさん、ヨルコさん、カインズさん…」

 

シュミットさん、ヨルコさん、カインズさん。わたしは彼らとの繋がりに嬉しく思った。

 

「みんな、キリトさんを助けたいんです」

 

「私達は彼に助けてもらいましたから」

 

「些細なことしか出来ませんけど、少しでもお手伝いします」

 

「……シンカーさん、ユリエールさん、サーシャさん」

 

シンカーさんとユリエールさん、サーシャさん。ハジメ君は微笑を浮かべた。

 

「俺達もどこまでやれるか分からないけど」

 

「絶対、絶対にキリトを助ける力になるよ!」

 

「今までの借りを全部返してやらないとな」

 

「恩もある、借りもある…だけどさ…」

 

「友達だからね」

 

「ケイタ、サチ、テツ、ロック、ヤマト…」

 

レプラコーンのケイタ君、シルフのサッちゃん、インプのテツ君、スプリガンのロック君とヤマト君。

ハクヤ君は笑みを浮かべながら彼らの名前を呼んだ。

 

「今度は俺達が彼を助けないとな」

 

「自分も精一杯、全力を尽くします!」

 

「やれるだけやってみるわよ」

 

「ウェルガーさん、フリックさん、ラルドさん…」

 

ウェルガーさん、フリックさん、ラルドさん。ルナリオ君は微かに涙を浮かべている。

 

「俺達を使ってくれ!」

 

「私達なんかで良ければね」

 

「皆さん…」

 

他にもSAOの攻略組だったプレイヤー達の言葉に、ティアさんは感嘆の声で呟く。

みんなが、キリトくんを思ってここまで来てくれた。あのナーヴギアの恐怖に負けず、ここに…。

 

「これって一体…」

 

「アスナさん、もしかしてこの人達みんな…」

 

「うん。みんな、SAOのプレイヤーだよ」

 

「「っ!」」

 

状況を飲み込めていないレコン君と話しの内容を悟ったリーファちゃんにわたしは説明した。2人共驚愕している。

 

「SAOの生き残りのスレがあってね、そこで今日みんなでダイブすることが決まったの」

 

「そんなことになって…」

 

「まぁ、あたし的にはなんで誘わなかったのかが問題なんだけどね~」

 

「あ、あはは、ごめんね」

 

リズとの久しぶりのやり取りに嬉しくなる。総勢は約40人、みんなアルンの前に落とされたらしく、

茅場の言葉を聞き、ここまで向かってきてくれたとのこと。

わたしはみんなの思いに応える為に、前に立った。

 

「みなさん……囚われた299人の人達を、キリトくんを助ける為に……わたし達に、力を貸してください!」

 

そう言って頭を下げた瞬間、

 

―――……おおおぉぉぉぉぉ!!!

 

歓声が響いた。

 

「なぁに当ったり前のこと言ってるのよ……助けるわよ、キリトを、299人の人達を!」

 

「っ、うん!」

 

親友のリズの言葉にわたしは胸の内から溢れる思いを、涙を抑えなかった。

 

アスナSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

SAOオールスターズの登場です! ええ、今日は集合回なのですよ・・・。

 

取り敢えず戦力になるかは置いておいて、キリトとアスナと面識のあるキャラで大体のキャラは登場させました。

全員ではありませんがね・・・。

 

呼び寄せたのはやはり我らが茅場さん! やっぱり手を打ってくれますw

 

次回、ついに『グランド・クエスト』に挑みます!

 

是非お楽しみに・・・では!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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