No.551329

ぬこの魔法生活 第41話

pluetさん

A's編

お久しぶりです。いや、本当に。
とりあえず、続きの41話です。

2013-03-04 20:50:16 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:5486   閲覧ユーザー数:4857

 

 ◆ 第41話 蒐集してみた ◆

 

 

 本日はご主人の夏休み最終日でござい。

 また明日からご主人がいない寂しい午前中を過ごさなくてはならないことを思うと、軽く鬱になりそうなぬこですよっと。

 

 それはさておき、ぬこたちは魔力の蒐集のためにとある管理外世界にやって来ています。

 それにしても転移魔法って実に便利ですな。不法入国おいしいです。

 

 とりあえず、シャマルさんとザフィーラさんがこの世界の一時的な拠点として、たまたま近くにあった大きな湖の畔に一応結界やらなんやらを設置しております。

 んで、そういうことに役に立たないぬこたちは湖で遊んでたりしてます。

 

「うわぁー、綺麗なところだね!」

「そやねー」

(お弁当持ってきて正解でした)

「いやいや、僕たちはピクニックに来たんじゃないんだからさ……」

(ふむ。つまり、お昼は自分で獲ってくるのか。ついにユーノが野生に戻るようです)

「違うよ!?」

 

 ご主人達とほのぼのしてたらユーノに苦言を言われたでござる。

 しかし、ぬこは見事なカウンターで返した。調子に乗ってるからそういう目に合う。

 あれです、ぬこに口で勝とうと思ったらご主人連れてきなさいな。ご主人には無条件降伏なのだよ。

 

「しかし、スクライアの言う事も尤もだ。いくら比較的安全な世界を選んだといっても、危険がないわけではないのだからな」

(むぅ、でもヴィータとか完全に満喫してますけど? ほら、あそこ)

 

 しっぽで水辺を指す。

 そこには水に入って遊んでるヴィータの姿が……!

 

「冷めてー! はやてー! はやてもこっち来いよー!!」

「もう、ヴィータちゃんったら。はやてちゃん車椅子なんだから、あんまり無理言っちゃ……」

「ふっ、なのはちゃん。私の車椅子をナメたらアカンよ! 見よ! この華麗な車椅子ドリフトを……!」

 

 ヴィータをたしなめるご主人を余所に、ずざざーっと、車いすを器用に操ってヴィータに向かって水をひっかけるはやて嬢。

 

「わっ!? 何すんだよ、びしょ濡れになったじゃんか! このっ、お返しだ!」

「ひゃっ、ホンマ冷たっ!? や、ヴィータ! やめ、なのはちゃん助けてぇー」

 

 そのままご主人も交ざって水をかけあってます。

 なんというか、満喫しておりますなぁ。実に微笑ましいです。

 ところで、車椅子ってあんな濡らしてもいい物だっけ? 後で日向に干して乾かしましょうね。

 

「まったく、ヴィータの奴め……」

(まぁまぁ、はやて嬢も滅多に遠出できなくて喜んでるみたいだし、いいじゃないですか。息抜きも大切ですよ)

「……ふ、そうだな」

 

 そんなことを二人で話しながら、きゃっきゃと楽しんでいるご主人達を眺めて、シャマルさん達の仕事が終わるのを待つのであった。

 

 

 

 

 

 ・

 ・

 ・

 ・

 

 

 さっきからユーノが静かなので話かけてみる事に。

 

(こんにちはユーノさん)

「何か用かな?」

(久しぶりの人間形態すごいですね)

「それほどでもないよ」

(いつもよりも視点が高いですね)

「そうだね」

(ご主人の濡れてる格好も丸見えですか?)

「それほどでもない」

 

 ……

 …………

 

(やはり見ていた! しかも、ばっちり見えてるのに謙虚にもそれほどでもないと言った!!)

「ど、どうやって僕がなのはやはやての濡れた薄着に釘付けだって証拠だよッ!?」

(………)

「………」

( 死 ぬ が よ い !!)

 

 貴様には死すら生温い!

 ぬこがゼロ距離ぬこビームをぶち込み、シグナムさんの紫電一閃でユーノは倒れ伏すことになった。

 

「安心しろ、峰打ちだ」

(どう見ても両刃ですけどねー。いいぞ、もっとやってください)

 

 まったく、淫獣はどこまで行っても、淫獣なのか。

 頭いいのに学習しないから、なおさら性質が悪いです。 

 ともあれ、こうしてご主人たちの安全は保たれたのであった。

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 

 約一名ほどボロボロになって拠点に置いていかれた奴がいるが、ぬこたちは何事もなかったかのように蒐集をする魔法生物を探しに出かけたのであった。

 とりあえず最初の方針通りに、できるだけ魔力ランクの低いのを探してます。

 んで、蒐集時の様子を見るために、はやて嬢もザフィーラさんの背中に乗って随伴中。

 

「なぁ、シャマル。ここってどんな奴等がいるんだ?」

「えっと、基本的には小型の……そうね、たぶんザフィーラよりも小さな個体が多いんじゃないかしら。ここの辺りも危険な生物も生息してないみたいだから、ランクの高い生物もいないと思うわ」

「ゲームで言う最初の方のダンジョンみたいなもんやな。プ○オの牧場から逃げ出したホイミンとか居るかも!」

 

 いません。

 

「ここって旅立ちの扉だったの?」

「あ、魔物の肉がない! どっかに落ちとらんかな?」

「最初の奴等は皆ドMだからな。ボコボコにすれば勝手に仲間になるだろ」

(ヴィータ、それ言いすぎ)

 

 DQMネタで大いに盛り上がるご主人達。

 ヴィータを除いてシグナムさん達はぽかんとしてるんだが、大丈夫か?

 こんなにネタに奔ってしまうのもゲーム脳による悪影響なのだろうか?

 まぁ、アレには科学的根拠とかないらしいけど。

 

「止まれ、そこに何かいるぞ」

「へ? 何処に居るん?」

 

 などと楽しく散策をしていたら、前方の草陰にザフィーラさんが何か見つけたらしい。

 おお、これがぬこにない野生か。全然わかんなかったです。

 一応、みんな臨戦体制を取るが、そこから出てきたのは……―――

 

「きゅ?」

 

 ぬことは対照的に、真っ白な毛をした毛玉? が現れた!

 何か全体的にモコモコしてて分かりづらいけど、横に垂れた長い耳みたいなのがあるから、たぶんウサギ的な生き物だろう。

 角とかはえちゃってるけどウサギなんだろう。

 

「か、かわ、かわいい~~~っ!」

「わ、こっち来た! ザフィーラも近づいて!」

「あ、主っ、不用意に近づいては……!」

 

 トコトコと近寄ってきたウサギ(仮)に大興奮のご主人とはやて嬢。

 そんなご主人達に警戒することなく、すり寄って行くウサギ(仮)。

 

「あはっ、くすぐったいよぅ」

「わ、ええなぁー。そや、おやつに持って来とったクッキー食べるかな?」

(………)

 

 ご主人達が夢中になってる。夢中になって、なで繰り回してる……

 ほんとうにたのしそうなかおをしてなでまわしている……

 ぬこを、ほったらかしにして、たのしそうに……

 

 …………

 ……

 …

 

 黙りこくったぬこの事を心配したのか、はやて嬢に付いてるザフィーラさん以外の人達が話しかけてきた。

 

「な、なぁ、どうしたんだ?」

(……なんでもねーです)

「それはヴィータちゃんのセリフよ」

「さっきから目が怖いのだが」

(別に……ぬこはいつも通りですヨ? 全く怒ってないし、小指の甘皮ほども妬ましく思ってもないですヨ?)

『(嘘吐け)』

 

 そんなぬこたちのことを余所に、餌を与え始める二人。

 

「あ、手で持って食べとる!」

「仕草はハムスターみたいだねー」

「ん? もう一枚欲しいん?」

「あ、次は私があげたい!」

 

 パルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパル――――!!

 うぎぎぎっ、今なら地霊殿の橋姫様とタッグが組めそうだ!!

 妬ましい。なに? 妬みであの毛玉葬れないの?

 はらわた煮えくり返るってのは、今のぬこの事を言うんですね。

 

(……あやつから魔力蒐集しましょう。すぐにしましょう。いや、むしろNOW!)

「落ち着け」

(ぬこは堕ち着いてます)

「漢字が間違ってますよっ!?」

(そんな事はないです。ほら、こんなに澄んだ眼をしてるでしょ?)

「あ、ああ、どぶの底を攫ったみたいなのを澄んでると言えんるならそうなんだろうけどな……?」

「みぃさんが嫉妬するのは珍しいパターンねぇ」

「遠い目で現実逃避してんじゃねーよ! シャマルッ」

 

 明後日の方を見ながら、頬に手を当てて困った顔をしているシャマルさん。

 それに突っ込むヴィータだったが、そんなのは視界には入らない。

 フフフフ、如何様にしてやろうか……! 『中に誰もいませんよ』とかしちゃいましょうか。

 

(すぐにNice boatって弾幕が流れる事になりますよ)

「待て、それはなのはの方が犠牲になってるじゃねーかっ!?」

(む、それはダメです)

「あっさり冷静になったなッ!?」

「ヴィータちゃんったら、ツッコミ上手ね」

「好きでやってんじゃねーよッ!!」

 

 カルシウム不足ですか? 煮干を奢ってやろう!

 「いらねーよっ!!」

 

 ……そうですか。

 

 

 

 

 

 

 存分にあの子を可愛がった後、はやてちゃんとシグナムさん達の所に戻る。

 

「ふぅ、楽しかったぁ。それでこの子に蒐集させてもらうの?」

「あんだけ可愛がっといて普通にそう言えるんだな、お前」

「?」

「……もういい。それより、お前アイツ何とかしろよ」

「みぃ君がどうかしたの?」

 

 そう言ってヴィータちゃんが指差したのはみぃ君だった。

 何故かそっぽを向いている。

 

「お前があのウサギみたいなのばっか構うからふてくされてんだよ」

「えっ、そうなの?」

「あぁ、抑えるのに苦労したぞ」

 

 そう言って疲れた様子を見せるヴィータちゃんとシグナムさん。

 あ、あはは……みぃ君に悪い事しちゃったかな。

 とにかく謝らないとっ。

 

 後ろから近付いて、顔を覗き込んでみる。

 

「あの、みぃ君?」

(ふーんだ。ご主人はぬこよりあっちの方がいいでしょ? ぬこの事は放っておいてもらっても構いませんよー)

 

 そういって、また顔をそむけられてしまった。本当にすねてしまってるみたいだ。

 私はみぃ君の後ろの方に座って、話しかける。

 

「ごめんね? みぃ君の気持ちも考えずにあの子ばっかり構っちゃって……寂しかったよね?」

(……別に、寂しくなんか……なかったです)

「ううん、そんなはずないもん。私、大切な人に放って置かれる事がどんなに苦しい事か、寂しい事か知ってるもの。なのに、その私がみぃ君にそんな気持ちにさせちゃったんだね……私の事なんて、嫌いになっちゃったよね」

 

 自分でそう言いながら、だんだん顔を俯いてしまう。

 みぃ君の顔を見るのが怖かった。嫌いになってほしくなんてない。私の隣にみぃ君がいない。そこまで考えてしまって、視界が滲む。

 

(そんなことあるわけないじゃないですかッ! ぬこはご主人のこと大好きですよっ!!)

「みぃ君……」

(それに、ご主人は悪くないです! ご主人がぬこの事を忘れるわけなんてないのに、こんな簡単に嫉妬しちゃって。ホントはちょっとご主人の事、困らせたかっただけなんです……ごめんなさい)

「ううん、私もごめんね……」

 

 みぃ君がこちらを振り返り、走り出す。

 私も手を広げてみぃ君を迎える。

 

「みぃくーんっ!」(ごしゅじーんっ!)

 

 駆け寄ってきたみぃ君をしっかりと抱きしめる。

 私がどれだけみぃ君の事を大事に想ってるのかを伝えるように。

 

「何だよ、この三文芝居……(でも面白いから撮っとこ)」

「コラ、ヴィータ。ホントの事でも言ったらアカンよ(後でみぃ君に見せるんやな?)」

「でもはやてー(もち。はやてがビデオカメラ持ってきたのは正解だったな)」

 

 

 はやてちゃんもヴィータちゃんもうるさいの。

 

 

 

 

 

 

 わああああぁぁぁぁああああ―――!! 

 何か非常に恥ずかしい事言ってたをした気がしますよぉ!?

 ぬこのキャラじゃねー! 嫉妬の余りキャラが迷子になってるぅ!?

 ゴロゴロと地面をのた打ち回っています。いつもよりも多く回っております!

 

「みぃはどうしたのだ?」

「シグナム、放って置いてやりぃ。さっきの会話が恥ずかしくて悶えとるだけやから」

「うぅ、私感動しちゃいましたぁ……みぃさんのセリフに全私が泣きました!」

「『ご主人の事大好きですよっ!!』」(キリッ)

(やめてー超やめてー)

 

 面白がってヴィータがマネしてくる。

 いやあああぁぁああ!? もうやめてぇ、ぬこのHPはゼロよ!?

 

(そ、それより! 結局蒐集はするんですか!?)

「あ、逃げやがった」

「逃げたなー」

「逃げましたね」

(そこっ、うっさいですッ)

 

 話が進まないじゃないっ!

 それに逃げたわけじゃない! これは戦略的撤退です!!

 などと騒いでるぬこたちを余所に、アイツはさっきから逃げる事もせずにこちらをじっと見つめている。

 

「えと、一応、最初に蒐集するにはいい魔力資質ですけど……」

(けど?)

「あの子にするんですか?」

 

 そんなシャマルさんの問いかけに、みんながウサギ(仮)の方を見る。

 

「きゅぅ?」

 

 自分を見つめてきた事を不思議に思ったのか、首を傾げている。

 澄んだ赤い瞳がこちらを見ていた。

 

『…………』

 

 そうして皆の行動が停止した。

 が、ザフィーラさんが呟いた一言で事態は混乱へと導かれていく。

 

「可憐だ……」

「ちょ、ザフィーラッ!? おま、何言ってんだよッ!?」

「むぅ」

「青いのに頬赤らめんなよっ!?」

(犬×兎とは新しい……本が薄くなりますね!)

「狼だ」

「否定するところはソコじゃねーだろッ!?」

 

 ツッコミが大変だな、ヴィータ。

 埒が明かないのでシグナムさんに水を向けてみる。

 

「シグナムさんは?」

「わ、私にやれと言うのかッ?!」

 

 ウサギ(仮)の方を改めて見つめるシグナムさん。

 

「く……愛らしい……! しかし、やらねば主が……っ」

「なんかめっちゃ追い詰められとるなー」

「そうだねー」

 

 困惑するシグナムさんとそれを見守るはやて嬢とご主人。

 何でそんなに冷静になってるんでしょうか、この二人。

 まぁ、シグナムさん達みたく動揺するのもどうかと思うけど。

 

 そして、そんなシグナムさんは手を震わせながらデバイスを構える―――が、しかし。力なくカランと手から落とし、膝をついてしまった。

 

「で、できないッ……私にはこのような生き物を手にかけるなど……!」

(いやいや、殺さないでしょう? 回復するまで面倒を見るんでしょ?)

 

 しょうがない。ならば、シャマルさんお願いしますっ。

 

「……またなの?」

(……はい?)

「……クールな性格、コスプレもして、胸まで大きいのに。今度は実は可愛いものが好きとか! どれだけキャラ立てる気なのよ! わ、私の立場は!?」

(まだ気にしてたんですねぇ)

 

 そんなこと気にしてたら、海鳴では生きていけない気がしますよ、ぬこは。

 少々呆れながらぬこが肩を震わせるシャマルさんを見ていると、はやて嬢が近づいて行き……。

 

「大丈夫や、シャマル。シャマルもちゃんとキャラ立っとるよ」

「はやてちゃん……――!!」

「料理が下手って言うのも立派なキャラや!」

「う、うわぁぁぁぁんっ! はやてちゃんのバカーーーッ!!」

「しゃ、シャマルさーんッ!?」

 

 はやて嬢の発言にシャマルさんは涙目のままどこかへ走って行ってしまった。

 何なんだよ、このカオスな状況は。誰かどうにかしてくれよ。

 

「きゅう?」

 

 ん? 何か用ですかな?

 何の話をしてるか、だって?

 まぁ、お前も知っておいた方がいいわな。

 はい? おまえじゃなくて“ミーフィー”だって? おおぅ、何か版権的にマズそうな名前だな。

 というか、ナチュラルに話が通じてるな。ついにぬこもお母様の極致に到達したのでしょうか?

 

 それはともかく実はだな、かくかくしかじかで、あそこにいるはやて嬢の治療のために魔力を蒐集しなきゃいけなくてだな。

 そのためにちょっとお前さんのリンカーコアから魔力を拝借したいのだよ。

 勿論治療とか回復するまでこっちが面倒を見るし……ん? そう言う事情があるなら喜んで協力させてもらう?

 おおぅ、いいのか? えらく即断だったが……そうか……いや、こちらこそ勝手に妬んでごめんなさい。

 

「みぃ君? どうしたの?」

(あ、ご主人。このミーフィーが蒐集してもいいって)

「ホント?!」

「ミーフィーって名前なん?」

(そうみたいです。何か可愛がってくれたお礼とか何とかで……あと、ご主人達を独占したからお詫びにって)

「そっかぁ。でも、ホントに大丈夫なん? 痛かったりするみたいやけど」

 

 はやて嬢がミーフィーにそう尋ねると、小さくこくりと頷いた。

 

「……ありがとうなぁ」

「私からも、ありがとうね」

 

 で、問題は……。

 

「だからッ、まず種族から違うだろ! 共通点4足歩行ぐらいだろッ!?」

「それがどうしたっ! 愛は、愛は種族の壁を越えるのだッ!!」

「主、ふがいない私をお許しください……!」

「ぐすっ……どうして私だけぇ~」

 

 このカオスな状況のヴォルケンズをどうするかですよ。

 

 

 ―――数分後、ご主人のお説教によってその場の混乱が治まるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・

 ・

 ・

 ・

 

 

 

 んで、その後。カカッと魔力を蒐集させてもらって、ぬことシャマルさんで治療魔法を使ったり、はやて嬢の身体に異常がないか調べたりしました。

 とりあえず低ランクの蒐集では影響はほぼ無いと言う事が分かった。まあ、収集できた魔力は少ないからページ自体は埋まりきらなかったんで、それが残念です。

 なーんて思ってたのがフラグだったのか、ミーフィーがお仲間を呼んでくれて蒐集に協力してくれた。

 なんというか、献血感覚なんですかね? あまりにも申し訳なかったので、一度拠点に戻って持ってきていたおやつを分けてあげましたよ。

 そんなこんなで、本日の蒐集は終わったわけですが、結果5ページ近く追加されました。ミーフィーの一族には感謝してもしきれませんな。

 でも、ぬことご主人、シャマルさんだけでは回復するのが非常に大変でしたよ。ええ、本当に。

 ……今にして思えばユーノにボコボコにしたのは早計だった気がします。まぁ、後悔なんてしないがな! 

 あ、はい、無駄口叩かないで手を動かします……あぁ、べホマズンが欲しいです。メディアラハンでも可。

 

 

 

 

 

 

 治療も終わり、拠点のある湖に戻って参りました。

 いやぁ、魔力量が残念なぬこにはなかなかの大仕事でござった。

 

「さて、日も暮れてきましたし、そろそろ帰りましょうか」

「ん、そやね。今日はありがとうなぁ」

「きゅっ」

(どういたしまして、だそうです)

 

 見送りに来てくれたミーフィーにそれぞれがお礼とお別れを言う。

 本当にいい奴です。一方的に妬んでたぬこが恥ずかしい。

 

 そしてシャマルさんが転移魔法を発動させ、ぬこたちの足元に魔方陣が表れて光に包まれる。

 景色が歪み、少しの浮遊感を感じると同時にぬこたちは八神家に戻ってきた。

 

「……はぁ」

「まだ落ち込んでんのかよ、ザフィーラは?」

「……お前には分からんのだろうな、この胸の空虚さが」

「だーかーらー!」

 

 物憂げにため息を吐いてしまうザフィーラさんに食って掛かるヴィータ。

 そんな二人に爆弾を一つ落としてみる。

 

(そもそもミーフィー、雄ですからね?)

『『『え゛っ!?』』』

 

 いや、アイツのお仲間角があるのとないのがいたじゃないですか。

 そもそも、雌だったらぬこ妬みませんから。

 

「なん……だと……ッ!」

 

 わざわざヒトの姿になって膝を付いて絶望するザフィーラさんがあまりにも痛ましく、ぬこたちはそっと八神家を後にしたのであった。

 

 

 

 

 

 ◆ あとがき ◆

 

 どうも、お久しぶりでございます(土下座

 ようやく、卒論やらなんやら終わって時間が作れるようになりましたのでぬこをお届けします。

 まー、更新速度は今迄通り遅い駄目作者ですがよろしくお願いいたします。

 

 

 
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