No.548146

【獣機特警K-9】K-9隊の一番長い日(3)【交流】

古淵工機さん

さぁ、敵のボスは目前だ!だがコイツはかなり手ごわいぞ!!
■出演
K-9隊のみなさん
アイヴィー総監:http://www.tinami.com/view/401918
フュア:http://www.tinami.com/view/453370

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2013-02-24 15:26:19 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:847   閲覧ユーザー数:826

3月26日、12時15分…。

アイヴィーの突入を合図に、次から次に警官隊が雪崩れ込んだのが15分前のことである。

キクガオカ・コンストラクションビル内部では、ゴクセイカイ所属のヤグザが激しい抵抗を見せていた。

 

「怯むな!機動3課の意地を見せてやれ!!」

と、ヴィルマーはサブマシンガンを腰に二挺構え、次々に出てくるロボットヤグザを相手に大立ち回りを見せる。

そして、倒れたところを他の隊員たちが次々に取り押さえていく。

「さっすが隊長!やっるぅ!!」

と、喜ぶカヤにヴィルマーは笑顔で答える。

「踏んできた場数が違うんだよ。これが戦いだ!!」

他の階でも同様に、次から次へと出てくるヤグザが抵抗しては、突入警官隊に取り押さえられていく。

「被疑者の確保、あるいは証拠物件の回収を完了したらすぐにビルの外へ脱出するんだ!いいな!」

と、4階に本庁警視であるフュアの声が響く。

「…フュアさん!後ろ!!」

「なにっ!?」

振り向くと突入警官隊を取り囲むように、大量のシャークロイドが飛び出してきたではないか!

 

だが、フュアが身構えた次の瞬間、突如光の壁が現れ、シャークロイドの進路を阻んだ。

「…危ないところだったのね!」

「……敵、反応なし。これより確保する」

K-9隊のグーテとシスだ。グーテが展開したフィールドを、シスが超能力で捻じ曲げて巨大な壁を作ったのである!

「ああ、すまんな」

フュアはそう言って微笑んだ。

12時21分、7階では…。

「…これで全部か?随分とあっけねーなぁ。もっともっと遊びたかったのによ」

と、ウーがまだ暴れ足りないといった様子で呟く。

「遊びたかったって、ケンカじゃないんですから…」

と、呆れ気味にリクが答える。

「とにかく、ここに倒れているヤグザたちを確保したら早く脱出しましょう」

と、イシス。だが、次の瞬間壁の隠し扉が開き、矢張り50体ほどのシャークロイドが出てきたのである!!

「しまった!罠か!!」

「くっ…」

いくら精鋭のK-9隊といえど、50体ものシャークロイド相手では消耗戦になることは間違いないだろう。

 

7階のスピーカーにトラジの声が響く!

『ハハハハ!わざわざ乗り込んできた勇気だけはほめてやろう。だがタダでは通さんぞ。特に貴様らはな』

「トラジめ…上等じゃねえか! おかげでいい暇つぶしができたってもんだぜ!!」

「だから暇つぶしって…」

「来ますわよ!!」

誰が気づくが早いか、シャークロイドが3人に襲い掛かる!!

…しかしその瞬間である。シャークロイドの脚に次々とビームの雨が降り注いだ。

制御を失いなす術もなく倒れていくシャークロイドたち。

『…大丈夫か!イシス、ウー、リク!』

「アレクお兄ちゃんにフィーアお姉ちゃん!」

ふとリクが窓の外を見ると、フィーアが操縦するナインチョッパーの側面ハッチからアレクが身を乗り出している。

「どうやら向こうは私たちのことに気づいてないみたいよ」

「バックアップは俺たち夫婦に任せるんだ!!」

 

だが、安心したのもつかの間。

シャークロイドの一体が起き上がると、いきなりナインチョッパー目掛けて飛び出していったのだ!

「なっ!?こいつまだ動けたのか!!」

とっさにライフルを構えるアレク。だが、その瞬間にシャークロイドは激突。

後部の空気噴出し口をふさがれたナインチョッパーは制御不能になり回転を始める!!

ヘリコプターというのは、メインローターから得られる揚力で浮上するのだが、ローターが回転するとその反動で機体は逆方向へ回転してしまうのだ。

それを防ぐために通常は、機体の尾部にテールローターと呼ばれるものがついており、これによってヘリコプターは回転することなく浮き上がることが出来るのである。

…ナインチョッパーの場合はというと、このテールローターの役割を果たすのが空気噴出し口であり、つまりここを塞がれると、たちまちのうちに飛行不能となってしまうのだ。

 

「きゃぁっ!」

「フィーア!アレク!!」

「くそっ!空気の噴出し口をふさがれてヘリモードは無理だ!ジェットモードに切り替えて離脱するぞ!!」

「わ、わかったわ!!」

フィーアが手元のスイッチを操作すると、ナインチョッパーのメインローターが回転を止め、後退角のついた主翼に変形する。

そして、その後ろにあったジェットエンジンが火を噴き、勢いよく機体は前進、シャークロイドを吹き飛ばしてビルから離れていくのであった。

まさ危機一髪であった。フィーアがとっさにナインチョッパーをジェットモードに切り替えていなければ、墜落は免れなかっただろう。

さて、先行していたアイヴィー、エルザ、クオンの三人は10階にたどり着いていた。

そこはこのビルの最上階であった。

「…おかしいよね、絶対」

「どうした、クオン」

「…普通ならこの時点で敵が出てきてもおかしくないはずだ。他の階の連中も、あまりにもあっけなさすぎるし…」

彼女たちはもう、社長室の目の前まで来ていた。だが、その周囲は不気味なほど静かである。

クオンがその状況をいぶかしむのも無理はない話であった。

 

「…確かに、私たちをあっさり通してくれるとは思えない。罠が仕掛けられている危険性も高そうね」

「総監…では我々は…」

「とにかく、この部屋に仕掛けがないとも限らない。私から入るわよ」

と、アイヴィーはドアのスイッチに手をかける。そしてドアが開いた瞬間、3人は一斉に飛び込む!!

 

「警察よ!おとなしくしなさい!!」

「…おやおやこれはこれは。ここまで乗り込んでくるとは実に立派なことだな…生き残ったのは3人か?」

と、笑みを浮かべるトラジ。

「残念だが突入した警官は全員無事だ。犯人の確保が終わった段階でビルの外へと離脱しているからな。現時点でこのビルの中にいるのは我々3人だけだ」

「さぁ、大人しくするんだね。3対1じゃ勝ち目はないよ」

と、エルザとクオンが詰め寄るが、トラジはなお不敵な笑みを浮かべる。

「ふっふっふ…3対1、だと?」

「なっ…何がおかしい!」

「君らは()()お忘れではないかな?」

と、トラジがその言葉を発した瞬間、エルザとクオンの背後から強烈な殺気が襲い掛かる!

ゴクセイカイの暗殺ロボット、無影と時雨だ。

とっさに身を翻し、相手の攻撃を受け止めるクオンとエルザ。

 

「さぁ。どうだ?これなら3対3だ」

「くっ…!」

歯を食いしばる三人の前にトラジはゆっくり歩み寄ると、近くにあったカタナを手に取り鞘から抜き放つ。

 

「さぁて…せめて君ら三人の首だけでも頂いていこう。君らにはいつも邪魔ばかりされているのでね。フフフ…」

ついにトラジがカタナを抜いた!

果たしてアイヴィーは、エルザは、そしてクオンはこの強大な敵を相手にどう戦うのか!!

 

 

 


 
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