No.545780

ALO~閃光の妖精姫~ 第14魔 ルグルー回廊

本郷 刃さん

第14魔です。
さてさて、ハクヤが思いついたイタズラとは?
そしてアスナ達に何かが迫る・・・。

どぞ・・・。

2013-02-18 09:28:45 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:12477   閲覧ユーザー数:11473

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第14魔 ルグルー回廊

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ルナリオ)Side

 

一度ログアウトしたボクはリビングにいって帰宅していた両親と共に夕食を取り、

スグにシャワーを浴びることを勧められていたのを思い出して、手早くシャワーを浴びることにした。

その間に考えるのはやはりALOのこと、VRMMOはやはり楽しい。

SAOと違って己が武のみというわけではないけれど、それでも戦うことに喜びを覚える者としては、ね。

それになにより、スグと一緒っていうのがいいんすよね~。

皆も一緒で、大切な仲間であるキリトさんの救出の旅…早く終わるうえで、楽しみたいとも思ってしまうっすよ。

 

「っと、あんまり長く浴びるのもマズイっすね」

 

小さく呟いてからシャワーを止めて、浴室から上がった。

寝間着用の服に着替えると、そのままベッドに横になって再びナーヴギアを被ったっす。

言葉を呟き、あの世界を迎えた。

 

刻Side Out

 

 

 

直葉Side

 

「ふぅ~……さて…」

 

ログアウトしたあたしは固まった体の凝りをほぐすように背伸びをしたあと、

リビングに下りて手早くベーグルサンドを作り、温めたホットミルクと共に即席の夕食をさっさと平らげた。

そしてお風呂場へと向かってシャワーを浴びる。

仮想世界とはいえ緊張などすると、体が汗をかくので休憩の際にはこういう風にシャワーを浴びて着替えるのが良い。

普段ならば長丁場でのプレイはしないのだけれど、今回ばかりはそうも言ってられない。

なんと言っても兄の命が掛かっている、そのために兄の大切な人である明日奈さん、

友達の志郎さん達、皆が手伝ってくれている。

それになにより、この冒険がとても楽しい。

想いを寄せる刻君や友達との冒険が…。

あまり考えに耽り過ぎるのもいけないのでシャワーを止めて浴室から出た……ふと、自分の体が写る鏡に目がいった。

最近大きくなりつつある胸、少し前までは少々コンプレックスを抱いていたけど、

近頃は刻君へのアプローチの為の武器になりつつあると思うようになってきた……って、そうじゃない//////!

 

「早くしないと///」

 

頭を振って思考を元に戻すと部屋に戻ってジャージに着替え、アミュスフィアを被り、ALOへとダイブした。

 

直葉Side Out

 

 

 

アスナSide

 

3人のログアウトから少し経った頃、最初に戻ってきたのはヴァル君だった。

空っぽのリーファちゃんとルナリオ君のアバターの状態を見て、驚いた後に少々笑っていた。

 

「これ、2人がダイブしてきたらどう反応するんでしょうかね?」

 

「……それを今から検証するんだ」

 

聞いてくるヴァル君にハジメ君は微笑を浮かべて答え、わたし達も今か今かと待ちわびている。

そして、2人の瞼が開いた……。

 

アスナSide Out

 

 

 

ルナリオinリーファSide

 

ダイブして目を開いたっす。

 

   ALOへとダイブしてあたしは瞼を開いた。

 

膝の上に微かな重みがある感触、確かめてみると……、

 

   開いた視界の前には、好きな人の顔が……、

 

「リーファ…?」

 

   「ルナ君…?」

 

リーファがボクの膝の上に頭を乗せている、つまりこれは……、

 

   あたしはルナ君の膝の上に頭を乗せていた、これってもしかして……、

 

―――膝枕……………っ//////!?

 

「うわっ/////////!?」

 

   「きゃあっ/////////!?」

 

な、なな、なんで、リーファがボクの膝の上に///!?

 

   あたし、どうしてルナ君の膝の上に///!?

 

―――そしてボク(あたし)は皆の方を見た、ニヤニヤしている……やられた///

 

ルナリオinリーファSide Out

 

 

 

アスナSide

 

「「………///」」

 

「ごめんね、2人とも」

 

「ごめんなさいです」

 

「わるかったって」

 

「……すまないな」

 

「本当にごめんね」

 

照れた様子を見せる2人にわたし、ユイちゃん、ハクヤ君、ハジメ君、ヴァル君は順番に謝る。

特にリーファちゃんは顔を真っ赤にさせて俯いている。

ルナリオ君も顔を少々赤くさせて、片手で顔の半分を覆っている。

わたし達はこの場をヴァル君に任せて、ログアウトを行った。

 

アスナSide Out

 

 

 

明日奈Side

 

「ん~~~……あ、母さん達帰って来てるかな?」

 

ナーヴギアを外して起き上がったわたしはリビングへと赴いた。そこには両親が揃っていた。

 

「父さん、母さん、おかえりなさい」

 

「おぉ、ただいま。明日奈もおかえり」

 

「明日奈、体は大丈夫なの?」

 

2人に声を掛けるとわたしに気付き、

父さんはわたしに挨拶をかえしてくれて、母さんは心配した様子で傍まで来てくれた。

 

「うん、大丈夫。夕食を取って、軽くシャワーを浴びたらまた続けるから」

 

「そう。それならしっかりと食事を取りなさい」

 

「あと、食べながらでいいから話しを聞いてほしい」

 

続ける旨を伝えると母さんはちゃんとするようにと言い、父さんは話があると言ってきた。

わたしはテーブルの席に着き、用意された軽めの食事を取り始めた。

 

「明日奈、話しというのは……須郷君との結婚の話しなんだ…」

 

「えっ……」

 

父さんの言葉を聞いて、わたしは食事を進める手を止めた。

多分だけど、今のわたしの顔は真っ青になっていると思う。

それを見たのか父さんは慌てて続きを話してきた。

 

「だ、大丈夫だ。結婚の話しといっても須郷君ではなくなるかもしれないということだよ」

 

「え?」

 

今度の言葉には最大限の疑問を浮かべてしまった。一体どういうことだろうか…?

 

「どうやら本家の方が圧力を受けているようでね。それで結婚はまずないかもしれない」

 

「っ、そ、それ本当!?」

 

続きを聞いてわたしは思わず椅子から立ち上った。

圧力ということは、公輝さんや雫さん上手くやってくれたのだろう。

 

「明日奈、取り敢えず席に着いて食事を済ませなさい。まずは桐ヶ谷君を助けることが先決なのでしょ?」

 

「う、うん…」

 

母さんに促されて食事を続けることにした、だけどこれで大分動きやすくなったと思う。

公輝さん達には本当に感謝しないと…。

わたしは食事を終えるとシャワーを浴びて、寝間着に着替えてナーヴギアを装着し、ALOへと向かった。

 

明日奈Side Out

 

 

 

アスナSide

 

眼を開くとわたしはリーファちゃんの肩に寄り掛かっていたようだった。

 

「あ、ごめんね」

 

「いえ、大丈夫ですよ……アスナさん、何かいいことでもありましたか?」

 

「うん、ちょっと。どうして分かったの?」

 

「どこかスッキリした感じの顔してますよ」

 

なるほど、ここら辺は本当の兄妹でなくともキリトくんに似ていると思う。どうやらわたしが最後だったらしい。

 

「それじゃあアスナさんも入ってきましたし、洞窟の入り口まで飛びましょう」

 

「「うん(はい)」」

 

リーファちゃんがそう言ったのでわたしとユイちゃんは答えたけれど、男の子達の反応がない。

見てみると今まで通ってきた森の方を見ている。

 

「えっと、どうかしたの?」

 

「ん、いや…ちょっと…」

 

リーファちゃんがルナリオ君に訊ねてみると、どうにも警戒した様子をみせている。

 

「誰かに見られている感じがするっす…」

 

「同感、なんか嫌な感覚だ…」

 

「嫌な目つきで見られている感じですね…」

 

「……少なくとも、良いものではないな…」

 

ルナリオ君だけでなく、ハクヤ君とヴァル君にハジメ君も同じ様子である。

 

「あの、この世界に第六感みたいなものがあるんですか?」

 

「あるよ…。特に、彼らの第六感は…」

 

リーファちゃんは疑問に思ったようだけれど、

彼らの鋭さを良く知っているわたしが真剣に答えたので、これ以上はなにも言わなかった。

一応ユイちゃんにプレイヤーの所在を確認してもらったけれど、反応はなし。

リーファちゃんは追跡魔法の《トレーサー》がついているかもしれないと言っていたので、

とにかく警戒しながら先を急ぐことにした。

 

 

 

『ルグルー回廊』に到着したわたし達は早速洞窟へと足を踏み入れた。

リーファちゃんは暗闇に覆われた洞窟に灯りを灯してくれた。

スイルベーンで購入しておいたマップのお陰で迷わずに進む事ができている。

洞窟内でオークとの戦闘をこなしながら、わたし達はリーファちゃんから魔法の講義を受けながら進んでいた。

魔法発動のスペルワードとかを聞き、特にわたしは魔法の習得を行った方が良いとのこと。

ウンディーネは治癒や支援の魔法が得意なのでそれを生かした方が良い。

勿論、水系の攻撃魔法などもある。

ヴァル君もシルフなのでリーファちゃんからオススメの魔法を教えてもらってスペルワードの復唱を続けている。

サラマンダーのハジメ君やインプのハクヤ君は攻撃系の魔法が主なので、今は下手に習得しない方がいいらしい。

ルナリオ君はというと、強化系の魔法を習得しているので、強化を行いつつ戦闘というスタイルらしい。

そしてさらに2時間が経過した頃、

もう少しでこの回廊を抜けて鉱山都市ルグルーまで辿り着くというところに来た時だった。

 

「すいません、メッセージが入りました」

 

リーファちゃんにメッセージが届いたようで確認している。

 

「レコンからね…『やっぱり思った通りだった!s』、なんだろう? s、s…」

 

「どうしたんすか?」

 

「うん、これなんだけど…」

 

リーファちゃんにルナリオ君が訊ねて彼女が答えようとしたら、

 

「ママ、接近する反応です……プレイヤー、数は20人です!」

 

「「なっ!?」」

 

ユイちゃんの報告にルナリオ君とリーファちゃんが絶句した様子をみせた。

どうやらただごとではないのかもしれない。

 

「……っ、なんだ、アレは?」

 

「え、アレは…『トレーシング・サーチャー』!? く、潰さないと!」

 

ハジメ君が何かを見つけてそちらに視線を向けると、そこには赤色の一匹の蝙蝠がいた。

それをリーファちゃんは魔法を使用して破壊した。

 

「皆さん、街まで走ります! 相手はサラマンダーの集団です、人数を考えたら勝ち目が!」

 

それを聞いたわたし達はことの重大さを理解し、すぐさま街に向けて走り出した。

後方からは鎧の音が迫って来ていた。

 

アスナSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

今回はちょっと長めでしたね。

 

イタズラの内容はルナリオの膝にリーファの頭を乗せる膝枕という内容でしたw

 

可愛いもんでしょ?

 

ルナリオとリーファ、2人同時の視点ということで簡単な表記になりましたがご勘弁を。

 

そして明日奈と下種郷の結婚話がほぼ無しにw

 

公輝達の働きは一区切りついたところで投稿でしますので、それまで楽しみにしていてください。

 

そしてアスナ達の後を追いかけるサラマンダーの部隊、数は原作よりも多い20人。

 

これはキリトの立場にルナリオがいて加えてアスナが加わっていたからこの人数になりました。

 

ハクヤ達は予想外の存在で、シグルドが実力を見誤っているから少なめにしたんです。

 

それでは次回は戦闘になります・・・黒衣衆の強さを、括目すべし!

 

では・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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