No.542948

魔法少女リリカルなのは 退屈嫌いの転生者の介入録

間話 新たな転生者

2013-02-11 15:58:59 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:5025   閲覧ユーザー数:4787

「…ここは?」

 

とキョロキョロと辺りを見回す20代くらいの青年

 

「む?」

 

とそこで見つけた隣で眠る青年と同年代の女性

 

「………今なら…」

 

とどこから出したのかわからないが巨大な斧を振り上げ女性めがけて躊躇なく振り下ろす

 

が、その斧が当たることはなかった

 

「あら、何してくれるのかしら?」

 

その女性が回避したからだ

 

と同時に青年に殺気をぶつけこれまたどこから出したのかナイフというには長く剣と言うには短い、サイズ的には小太刀程度の刃物を青年に向ける先程まで寝ていた女性

 

「っち、殺し損ねたか」

 

「お生憎様ね、貴方程度に殺される程愚かではないわ」

 

とお互い全力で殺気をぶつけ合う二人

 

どう見ても両者美形という言葉が似合う美男美女

 

両者ともに自分に自身がある者でも泣いて逃げ出したくなるほどのスタイルの良さ

 

男の方は身長も高く美しい髪を持ちスラッとした体型で筋肉も程よく付いている

 

女の方は艶やかな膝まで届く長髪と引っ込むところは引っ込んでいながら胸も大きくありながらバランスが取れている

 

という両者誰もが羨む体型

 

それが殺気を隠すどころかぶつけ合うという異質な状況になっている

 

「貴様が居なければ僕の愛しき彼とゆったりとした時間を過ごせていたというものを」

 

「其れは此方の台詞よ。貴方の様な羽虫が彼の周りを彷徨くから人の優しい彼が無視できずに接するのよ。少しは自分の分を弁えたらどうかしら?」

 

互いが互いを侮辱し更に殺意を増す

 

彼らは知り合いであり敵である

 

敵といっても恋敵というのが正しい表現にあたるのだが…

 

この二人先程までのやりとりから理解できるように

 

「「…………」」

 

仲良くしようという意思が原子レベルでさえも感じられないほど険悪

 

何故恋敵かというと、この二人ある一人に惹かれた者同士である

 

その者の性別は男なのだが恋敵

 

青年は同性愛者と呼ぶべきなのだがそうでもない

 

だからといって男子に対して否定的ではない

 

ちゃんと友人付き合いはするし仲の良い友達も多い

 

そして普通に女性に興味があるが好意の対象に成りえない

 

なら男子女子の両方いける両刀(バイ)なのか?と言われるとそうでもない

 

彼の好意はただ一人にだけ向けられ偶々それが同性だったというだけのこと

 

…………らしい

 

一方の女性はそうでもない

 

彼女にとっては男女どちらも不要

 

ましてや自分に触れようとする存在など滅びればいい

 

自分の耳は彼の声を聞くためだけに有り、自分の目は彼の姿を見るためだけに有る

 

口も手も足も、己が魂すらも全て余さず彼のもの

 

自分に彼以外が触れるなど許しはしない

 

できれば彼にも自分だけを愛して欲しいが、彼の素晴らしさを多くの女性に知ってほしいという矛盾した気持ちも持っているため彼が多くの女性に手を出すのは許す

 

彼を侮辱しよう物ならどんな手を使っても地獄どころか輪廻転生しようが追い詰め徹底的に蹂躙し破壊する

 

……実際彼女の前で彼を侮辱し社会的地位どころか戸籍、生きる事すらも排除された人間が多々いる事はここだけの話

 

それが彼女である

 

が、その彼の頼みとあって一応程度の人付き合いはしている

 

そんな恋する乙女である

 

そしてそんな二人が好意を向ける相手が一緒だったというだけ

 

「貴方の様な救いようの無い変態が彼の近くに居るなんて許されない事よ」

 

「貴様のようなストーカーが居るせいで彼の心労になるとなぜ理解できない?」

 

「なんですって?」

 

「なんだと?」

 

今度はお互いの得物が鍔迫り合う

 

「そ、そこまでにしてくれ」

 

と明らかに場違いな30代くらいの男性

 

すると

 

「黙っていてくれないかしら?」

 

「邪魔なんだよ」

 

と息ぴったりに言う

 

「こちらも用があるんだ…すまないが話を聞いてくれ」

 

「「…………」」

 

両者無言

 

「ま…まぁその無言は話を聞いてくれると言う物と思うよ」

 

顔の筋肉が引き攣りながらも進めようとする男性

 

「さて、君達はこちらの手違いで死んでしまったのだ。すまない」

 

と頭を下げる

 

男女はどうでもいいという体

 

「まぁ、そのお詫びと言うのも図々しいが君たちを転生させようと思う」

 

「必要ないわ」

 

「要らん」

 

さっさとこいつを殺させろ

 

そんな意思がひしひしと感じられる

 

「な、なぜかな?」

 

気になったので理由を聞く男性

 

「彼が居ない世界なんて興味ないもの。くだらない」

 

「彼が居ない世界に行っても楽しめん」

 

両者理由が彼に依存するものだった

 

「はぁ、玄火くんは喜んで行ったというのに」

 

と呟くと

 

「「玄火……?」」

 

二人の視線が男性に集まる

 

「え?」

 

意味が分からず困る男性

 

「貴方、今、玄火と言ったかしら?」

 

「あ…ああ」

 

「それは木慈 玄火の事か?」

 

「そ…そうだが?」

 

と言うと二人の表情が変化する

 

「クロは転生したの?」

 

「ああ」

 

「なら…………」

 

「私も」

 

「俺も」

 

「「その世界に送れ」」

 

逆らえば殺すと言う命令だった

 

「は…はい!」

 

早速準備する男性

 

「あ、そうだ。君達にも能力をつけておくから後で確認してくれたまえ」

 

「ええ、わかったわ」

 

「それと君達にも言えることなのだが彼にも教えて欲しい事がある。能力に有るデメリットは幾つか消してある物があるという事だ。よろしく頼む」

 

「伝えておこう」

 

そして二人は転生する

 

これから多分下手すると良くて週一、悪くて月一になるかもしれません

 

もしかするともっと遅く…………


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
5
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択