No.542406

ALO~閃光の妖精姫~ 第6魔 妖精の国

本郷 刃さん

第6魔です。
妖精の国にやってきたアスナ、この世界でどんな出会いがあるのか・・・。

どうぞ・・・。

2013-02-10 09:53:52 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:14895   閲覧ユーザー数:13555

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第6魔 妖精の国

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスナSide

 

眼を開くと森の中でした。

先程までの茅場との会話を思い出し、ここがALOの中であることに思い至った。

 

「ここが…、この世界に…キリトくんが…」

 

そういえば、容姿のプレゼントとアイテムの確認をと言われていたっけ?

わたしは近くを流れる小川を見つけ、そこで姿を確認してみた。

そこにはなんと!?

 

「わ、わたし(・・・)!?」

 

髪の色は水色で耳は妖精らしく尖っているものの、紛れもなく現実世界のわたしの姿である。

腰には細めの直剣が掛けられている。

何故この姿である必要があるのか分からないけれど、茅場はキリトくんとわたしの為にこうさせたのかもしれない。

そしてアイテムの確認を行う為に左手でメニューを開き、操作する。

アイテムストレージを開くと文字化けしたアイテムがあったけれど、

それらを探っていく中で幾つかのアイテムを見つけた。

 

「『クロッシングライト』……」

 

SAOにおいて『ランベントライト』から引き継がれた愛剣がいまここにある。

そしてそれ以外にも大事な物があった。

 

「『セイクリッドゲイン』と『ダークネスペイン』、『アシュラ』に『ハテン』まで…」

 

あの世界でキリトくんと結婚していたから、彼の武器もわたしと同じストレージに入っていたのだと思う。

最後にそのアイテムにも気が付いた…それの名前は『MHCP001』、あの娘の心だ…。

わたしはすぐさまストレージを操作して雫形のアイテムを出現させた。

 

「お願い…!」

 

祈る想いでそれに触れると、突如として光が暴発した。

すると光の中に人の子供の姿が現れ始めた。

少しずつ光が納まっていくと、その娘は眼を開いた。

 

「……ぁ…」

 

「ユイ、ちゃん…っ!」

 

「っ……ママ!」

 

わたしに飛び付く愛娘のユイちゃんを抱きとめる。

 

「ママ、ママッ!」

 

「よかった、よかったよ…ユイちゃん…!」

 

涙を流しながら再会を喜ぶわたしとユイちゃん。また、この娘と一緒に居ることができる。

 

 

 

2人して泣いたものだから少し落ち着くのに時間が掛かったけれど、

わたしは小川に掛かる樹木に腰かけ、ユイちゃんはわたしの膝の上に座っている。

 

「でも、どうしてわたしやキリトくんの武器があるんだろう…?」

 

「? どういうことなんですか?」

 

「うん、実はね……」

 

わたしはここがSAOではないこと、まだ目覚めていないキリトくんのこと、ここにキリトくんが囚われていること、

茅場が協力してくれたことなどの要点を纏めてユイちゃんに話した。

すると彼女は何かを聞き取るかのように耳を澄ませる体勢を取った……少しして、

わたしに手に入れることの出来た情報を説明してくれた。

このALOはSAOのサーバーをコピーしたもので、その為にユイちゃんは姿を再現できるとのことらしい。

またカーディナル・システムが少し古いとのこと。

他にも色々あるらしいけれど、

わたしはキリトくんのようにゲームやそういったシステムには詳しくないので理解が追いつかなかった。

また、わたしとキリトくんの武器についてはユイちゃんが調べてみたところ、

何者かがデータを弄っているということで、おそらくは茅場の手助けだと思われる。

そしてもう1つ分かったことがある、それはある一定のスキルがSAOから引き継がれているということ。

《細剣》や《片手直剣》、《料理》に《裁縫》、他にも幾つかはマスター表示までされている。

HPやMPが低いのは別形式のものだからそうだ。

文字化けしているアイテムについては破損しているようなので、

エラー検出プログラムに引っ掛かるかもしれないからすぐに破棄した方が良いらしい。

わたしは文字化けしたアイテムを全て選択し、捨て………、

 

「う、うぅ~……」

 

「ママ?」

 

られない…。これらは思い出のアイテムばかりだ、そんなにあっさりと捨てられるわけがないのだ。

だけど、そうしないと須郷に見つかってしまうかもしれない……苦悶した末に、アイテムを破棄した。

 

「はぁ~…それで、スキルのことなんだけど…このままで大丈夫かなぁ?」

 

「はい、こちらは大丈夫だと思いますよ。GMが直接確認しなければ問題無しです」

 

「そっか…ふふ、これじゃあわたしもキリトくんと同じで『ビーター』だね」

 

「『βテスト』は受けていませんから『チーター』ですね」

 

「そうだね」

 

そんな会話をしていくわたしとユイちゃん。

そこでふと、ユイちゃんの在り様をどうしたらいいのか分からず、どういうものか彼女に聞いてみた。

 

「わたしはこの世界でプレイヤーをサポートする『ナビゲーション・ピクシー』というものに分類されるみたいです」

 

するとユイちゃんの体は先程と同じ光に包まれ、

気付けば身長10cm程の小さなユイちゃんが背中に2枚の翅を生やして立っていた。

 

「これがピクシーとしての姿みたいです」

 

「か……可愛い///♪」

 

「きゃ、ママ、くすぐったいです」

 

愛娘のあまりの可愛らしさに、わたしはそのまま抱き上げて頬擦りをする。

皆さん、どうです? この娘、わたしとキリトくんの娘なんですよ!

 

「そ、それよりもですよ、ママ。パパの居る場所というのは…」

 

「あ、うん…世界樹って呼ばれる場所みたいなんだけど…」

 

「ちょっと待ってくださいね………分かりました。ここから大体北東の方向で、リアル距離置換で50km程になります」

 

「そ、そんなに遠いんだ……でも、よくそんなことが分かったね」

 

「リファレンスと広域マップデータへのアクセスくらいならなんとか…」

 

「GM権限は使えませんが…」と自嘲気味に呟いたユイちゃん、

わたしは気にしたらダメと言って、彼女を人差し指で優しく撫でてあげた。

 

「ママ、茅場さんは何故ママをここに転送させたのですか?」

 

「それなんだけどね、あるプレイヤーの近くにって言ったの。

 もしかしたら、わたしの知り合いかもしれないんだけど…」

 

「そうですか……それでしたら、西の方にスイルベーンという街がありますから、そこに行ってみませんか?

 一番近い街みたいですし」

 

「賛成、行ってみよう」

 

ユイちゃんの提案を受けてわたしは立ち上がると、背中に水色の翅が出現した。

 

「これが翅なんだね……えっと、確か左手を立てて握るような形を作ればいいんだよね…」

 

チュートリアルを聞いていたお陰で初心者や慣れない人の為の補助コントローラがあることを思い出し、出現させた。

 

「ママ。手前に引くと上昇、押し倒すと下降、左右で旋回、ボタン押し込みで加速、離すと減速となっていますよ」

 

ユイちゃんのサポートを得て、わたしは少しずつ飛行を試して慣らしていく。

最初は手間取ったけれど、なんとか慣れていくことができた。

ただ、滞空制限があるので注意しないといけないらしいけど。

 

「それじゃあ行ってみよう~」

 

「お~です~…っ、ママ、近くにプレイヤーがいます! 2人が10人に追われているみたいです!」

 

「っ、そういえばこのゲームはPK推奨だったわね…」

 

ユイちゃんからの報告を受けて、わたしはすぐさまメニューを操作し、クロッシングライトを腰に添えた。

 

「助けに行こう! ユイちゃん、先導お願い!」

 

「はいです!」

 

わたしとユイちゃんは追われているプレイヤーを助ける為に、飛行を開始した。

 

アスナSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

ユイちゃん登場!

 

そして『クロッシングライト』に加えて、キリトの聖剣魔剣2振りの刀のオンパレードw

 

次回はアスナがALOでの初戦闘になります。

 

追われている2人のプレイヤーは・・・分かりますよねw

 

それでは次回で・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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