No.530786

SAO~黒を冠する戦士たち~ 第百九十技 終わる戦い

本郷 刃さん

第百九十話になります。
キリトとヒースクリフの戦いに幕が降ります。

どうぞ・・・。

2013-01-12 10:05:02 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:13478   閲覧ユーザー数:12548

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第百九十技 終わる戦い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトSide

 

「疾っ!」

 

俺は茅場に一瞬で迫り、『セイクリッドゲイン』と『ダークネスペイン』で連撃を加える。

 

奴は俺の速攻に僅かに遅れて反応してしまい、いくばくかの攻撃を受けた。奴がうまく対応できないのは当然だ。

 

俺が奴の前で戦っている時はいつも剣を通常の持ち方か片方は逆手で持った戦い方だったが、

今の俺は両方とも逆手で持っているのだ。

 

加えて、俺は刀ではなくて剣を使っている。

 

「神霆流闘技《雹流(ひょうりゅう)》」

 

《雹流》を使って左の剣で斬りつけ、その勢いで回転したので右の剣で突いて攻撃する。

 

「ぐぅっ!? っく、はあ!」

 

奴は俺の剣の攻撃力に押されて怯むもすぐに反撃をしてきた。

 

しかし俺は、逆手に持つ両手の剣を通常の持ち方に戻して攻撃を受け止めた。

 

そこにソードスキル《メテオストライク》を放って連続攻撃を仕掛けた。それによって奴を後方に吹き飛ばした。

 

「ぬぅっ!」

 

体勢を崩した奴に近づき、再び逆手に持った両手の剣を前に向けて交差させて突撃する。

 

「神霆流闘技《呀雷・狗突(やらい・くとつ)》」

 

両方の剣を逆手に持っているため、《呀雷》のもう一つの型を使用した。

 

その突撃の威力は《呀雷》の比ではなく、かなりの威力が与えられた。奴は盾で防ぐがそれを弾き逸らした。

 

「神霆流闘技《雲凱(うんがい)》」

 

隙が出来た奴に俺は《雲凱》を繰り出した。この技は側転を手で使わずに行い、両手の剣で回転しながら切り裂く技だ。

 

俺のトリッキーな攻撃に奴は対応しきれずにダメージを負った。

 

「がはっ!?」

 

奴の体勢が完全に崩れた。HPも10分の3にまで削れた。まだだ、まだ一撃!

 

「神霆流闘技《鬼雫・双波(きしずく・そうは)》」

 

二点集中の突きが奴の肩を抉り、HPが10分の2まで削れた。止めだ!

 

「神霆流奥義《秘剣・天霆葬送(ひけん・てんていそうそう)》」

 

俺は奴に奥義である技を放った。だが、奴のとった行動に俺は反応しきれなかった。

 

「ふっ!」

 

「なっ!?」

 

ヒースクリフは盾を俺に向かって投げ捨てたのだ。

 

奴は自らのアドバンテージである《神聖剣》を捨てて、俺の奥義を止めに入ったのだ。

 

それにより俺の視界は遮られたので、奥義をその盾に放つしかなかった。

 

盾を弾き飛ばした瞬間、奴は俺の目の前に現れて剣で俺を切り裂いた。

 

「ぐはっ!?」

 

剣戟によりクリティカルポイントを切り裂かれ、加えてその衝撃を受けたことで剣を持つ手が緩み、

剣を二本とも弾かれてしまい、半分以下だった俺のHPは危険域(レッド)へと到達し、体勢が崩れた。

 

「ここまでだ、キリト君…!」

 

「っ!」

 

まさか、止めの為の奥義をああやって防がれるとはな……前に手を見せた俺の判断ミスか。

 

すまない、アスナ……。

 

 

 

「ダメェ!」

 

「「っ!?」」

 

アスナが『クロッシングライト』を手に構えながら、茅場へと攻撃を仕掛けにいく。

 

何故アスナだけ動ける!?

 

いや、今はそれどころじゃない…奴は既にアスナを仕留めるべく、身を翻している。

 

このまま動いても間に合わない、それならば…!

 

「神霆流歩法術《雪調(ゆきしらべ)》」

 

神霆流の歩法術の一つである《雪調》は、相手の体の間をすれすれで移動するもの。

 

俺は力の限り足を動かして茅場の腕と体の間を通り、アスナと奴の間に入り込んだ。

 

そして奴の剣は…。

 

―――ドスッ!

 

「がっ!?」

 

「むっ!?」

 

「ぁ…」

 

俺の体を貫いた…。

 

キリトSide Out

 

 

 

アスナSide

 

キリトくんがヒースクリフに最後の攻撃を仕掛けようとしていた。

 

けれど、キリトくんの攻撃があいつに当たりそうになった瞬間、あいつは盾を投げつけてキリトくんの攻撃を無効化した。

 

さらにキリトくんへと攻撃を行い、キリトくんのHPが各段に減った。わたしは力の限り体を奮わせる。

 

すると、わたしの体は動いた。みんなの声が聞こえるけれど、わたしは止まらずに駆け抜ける。

 

あいつからキリトくんを助けるために!

 

「ダメェ!」

 

わたしに気付いた茅場は攻撃を仕掛けるためにこちらを向いて一瞬で剣の突きを繰り出した。

 

死ぬの、わたし?

 

そう思った時だった、わたしと茅場の間に一つの影が入った。

 

―――ドスッ!

 

「がっ!?」

 

それがキリトくんであることに、わたしは一瞬で理解した。

 

アスナSide Out

 

 

 

キリトSide

 

「驚いた、スタンドアロンRPGのシナリオみたいじゃないか。GM権限の麻痺を打ち破る手段はないはずだったのだが…」

 

「ぁ…ぁぁ……」

 

奴の声と、アスナの微かに漏れ出る声が聞こえる……俺は意識が遠のく中、自分のHPが減っていくのを目にした。

 

減っていく(・・・・・)、まだ減っていくだけだ!

 

―――『(まだ、終わりじゃないですよ……パパ)』

 

ああ、そうだよな、まだ終わっちゃいない!

 

ありがとう、ユイ……以ての娘である少女の声を聞き、俺は一瞬で意識を覚醒させ、

慣れ親しんだ右手の一瞬で操作を行った。

 

そして俺の手に二振りのカタナが現れた、『アシュラ』と『ハテン』である。

 

俺は自身に刺さる剣が抜かれないようにする為に、脚に力を込めて踏ん張る。

 

「どんな時でも、油断はするものじゃないぜ…」

 

「っ、バカな!?」

 

「俺の、勝ちだ……ソードスキル《スーパー・ノヴァ》!」

 

俺は剣に貫かれながらも《二刀流》最上位スキルである三十二連撃の《スーパー・ノヴァ》を使用した。

 

ブラックホールが誕生する直前、

星の寿命が尽きる時に発現する超高密度の爆発にも似た剣戟の嵐が、奴へと襲い掛かる。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

「があああぁぁぁぁぁ!!!???」

 

俺のスキルが奴を切り刻んでいく。

 

最早奴を守る為の《神聖剣》と、それを発現する為の剣と盾もない今、全ての攻撃が奴の体へと吸い込まれていく。

 

そして……、

 

「終わりだ…!」

 

―――ドスッ!

 

最後の一撃が奴へと突き刺さり、奴のHPは0になった。奴は、どこかスッキリとした笑みを浮かべると…、

 

―――パキャァァァァァンッ!

 

ポリゴン化して消滅していった。だが、それは俺も同じである…俺のHPも同時に0になった。

 

ここまでか…。

 

「ぁ、ぁ…い、や……」

 

俺は微かに後ろを振り向き、愛する彼女の顔を見た。その表情は、絶望へと変わっている。

 

まったく、俺はいつも彼女を傷つけてしまうな…。

 

「ゴメン……アスナ…」

 

―――パキャァァァァァンッ!

 

俺は自身の消滅を悟った。

 

キリトSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

オリジナルスキル&技説明

 

ソードスキル《スーパー・ノヴァ》

二刀流の最上位スキルで、三十二連撃の剣戟を巻き起こす。

 

神霆流闘技《呀雷・狗突(やらい・くとつ)》

両方の手に持つ刀を逆手に持ち、交差させて突撃する技。《呀雷》の強化技。

 

神霆流闘技《雲凱(うんがい)》

手を使わず側転を行いながら空中で得物による回転攻撃を行う。

 

神霆流歩法術《雪調(ゆきしらべ)》

歩法術の一つ。相手の体の間をすれすれで通り抜ける技。

 

 

 

 

 

後書きです。

 

ついに戦いが終わりました、結果は相討ちということです。

 

団長が取っていた対策とはキリトの奥義に対してのものだったのです。

 

まぁ、止めは防ぐ術のない団長に向けての三十二連撃でしたが・・・w

 

さぁ、キリトは一体どうなるのでしょうかね・・・?

 

それでは、次回にて・・・。

 

もうちょっとで最終話です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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