No.528428

IS x アギト 目覚める魂 26: 異変と挽回

i-pod男さん

御待たせしました。リアルの事情により更新が途切れました。原作と比べるとちょっとあっさりしているかもしれませんが、どうぞ。

2013-01-06 08:28:21 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2423   閲覧ユーザー数:2313

雪片は振り下ろされた。だが、それはまるで来るのを読んでいたかの様に回避された。

 

(この感覚・・・まさか・・・・いや、間違い無い。奴だ・・・!!奴だ・・・!!)

 

秋斗はバスタークリムゾンとソウブラスターを構え、バスタークリムゾンのクラッチレバーを操作した。薬莢が三つ排出され、刀身が赤く輝き、それを振り下ろす。だが、これは避けられるどころかシルバーベル数発で斬撃を相殺されてしまった。

 

「ちっ・・・・」

 

シルバーベルの弾雨を回避、防御しながら近付くが、ガードディバイダーは機体に内蔵された物で一夏には渡せない。認証発行をする暇も無い。ソウブラスターでは火力不足で、しかも全くと言って良い程に被弾しない。

 

「(糞・・・・近接じゃ届かない!ここは一旦G4-Xを使うか。)一夏!十秒・・・・いや五秒だ。五秒間だけ場を繋いでくれ!」

 

一夏は何も言わずに攻撃を仕掛けるが、流石は軍用ISと言った所か。スピードが半端無く、高機動型の白式でも容易には追い付けない。ジェネラルアーマメントのクローもシルバーベルによって数を徐々に減らされている。そして五秒経ち、銃声がする。ネロからG4-Xに切り替えた秋斗が現れた。GA-04Z アラクニスとGX-05Z ケルベロスIIを構えて。

 

「ぶちかますぜ!!!」

 

狙撃銃並みの射程を誇るアサルトライフルとギガント、タイタン、そしてGXランチャーに次いで火力が高いケルベロスIIの引き金を引いた。レーザーと銃弾の入り乱れる嵐の中を福音は飛び回る。

 

『LAAAAAA♪』

 

歌う様な機械音声と共にシルバーベルの一斉掃射を行った。全方位から迫るエネルギー弾はネロよりも機動力に劣るG4-Xでは完全に避け切る事は出来ず、三割程のエネルギーを持って行かれてしまう。

 

「糞・・・!(やはりアンノウンの反応を感じ取る・・・・『闇』の力が俺達を直々に潰しに掛かって来たって訳か。仕方無い。)」

 

プライベートチャネルを開き、一夏に作戦を説明した。

 

「え?!でも、そんな事して・・・・」

 

「仕方無いだろう。この際得策も苦肉の策もあったもんじゃない。お前も一筋縄じゃ行かない事位嫌でも分かるだろう?」

 

「・・・・分かりました・・・・」

 

そのまま戦い続けて行きシールドエネルギーをかなり減らされて行く二人。

 

『織斑、門牙、一旦退け。今の状態では勝ち目は無いぞ。帰還しろ!』

 

「まだ大丈夫だ。(つっても、残弾もエネルギーも心許無いんだけどね・・・・)」

 

そして戦闘を続けて行き、遂にシルバーベルの一斉射撃により、二人は撃墜した。

 

「二人の反応・・・・・ロスト、しました・・・・!」

 

山田先生は必死に泣きそうなの堪えて拳を握りしめる。二人の姿、反応が消えた。だが、代わりに何らかのエンジン音が聞こえ始める。その音は、エンジンの音。

 

「はああああああああああああ!!!」

 

その正体は、マシントルネイダー・スライダーフォームに搭乗したアギト、そしてギルスだった。

 

「何!?何故コイツらがここに?!」

 

秋斗の作戦とは、ワザと倒されて変身して逆転すると言うかなり無茶な物だった。だが、ISを解除しておおっぴらに変身する訳にも行かない為、一夏も止む無く協力した。G4-Mild を使えば良いと思ったが、秋斗に却下された。福音は新たな敵を見つけて興奮しているのか、再び鳴くとシルバーベルを放ちながら二人に向かって突進した。だが、アギトが変身の際に放つ特殊な波動『オルタフォース』によって強化されたマシントルネイダーは、福音を遥かに凌ぐスピードを発揮する。アギトは両腰のスイッチを叩き、左右の腕の色と装飾が変わった金、赤、青の三位一体型、トリニティーフォームに変わった。そして右手にフレイムセイバー、左手にストームハルバードを構えると、頭部のクロスホーンを開く。そのまま超スピードで福音に向かって突進し、両手の武器で相手を貫くファイヤーストームブレイクを叩き込み、両方の翼を切り落とした。シールドエネルギーを一気に削り取る事に成功。残りは最早二桁、雀の涙程度だ。

 

「LAAAALALAALAAAAAAAA!!!!!』

 

逆鱗に触れたかの様な狂った鳴き声を上げながら光り始める。

 

「何?!」

 

モニターを見ていた千冬が声を上げる。

 

「せ、セカンドシフトです!!」

 

山田先生はモニターを見ながらそう告げる。

 

「この土壇場で・・・?!」

 

だが、それを見越していたかの様にギルスが空中に飛び出し、×字型に両手を胸の前で交差させ、更に拳を作ってそれを顔の前に持って行く。それを一気に広げると、アイスフレアフォームに変わり、空中に氷の足場を作りながら高速移動を始めた。メタファクターが光り始め、両踵のヒールクローが伸びた。前転をしながら必殺の『ギルスブリザードクロー』を叩き込み、セカンドシフトした事により完全に回復したシールドエネルギーが再び削られた。軸としていた左足で福音を後ろに蹴り飛ばしながらバク転でマシントルネイダーの上に着地すると、トリニティーフォームのアギトが再び突っ込んで行く。福音の前に現れた紋章を飛び上がり様足から潜り抜け、強化ライダーシュートで福音を強制解除させた。金髪のパイロットを受け止め、そのまま浜まで帰還する。だが、その時命中寸前で福音から抜け出た青い光の弾を二人は見逃さなかった。彼女を砂浜に寝かせると、千冬や他の専用機持ち達が続々とISを装備して現れた。

 

「貴様・・・・!一夏はどこだ?!」

 

だが、二人は箒の質問に答えずに立ち去ろうとする。そこで我慢の限界が来たのか、箒がアギトに飛びかかった。だが、ギルスのゼロフレイムによって作られた極寒の炎で出来た障壁に阻まれてしまう。ギルスは彼女を指差し、頭を横に振る。

 

「戦うな、と言いたいのか?」

 

意味を察してそう思った千冬の言葉にギルスは頷き、ゼロフレイムの障壁を消すと、踵を返した。

 

「嘗めるなあああああああ!!!」

 

だが、剣が振り下ろされるよりも速く、ギルスが威力を弱めたアトミックブリザードを叩き込み、箒を吹き飛ばした。シールドエネルギーも一撃でゼロにされる。本気でやれば恐らく箒は死んでいただろう。アギトの秘めたる力を目の当たりにして寒気が走った。アギトは彼女を指差すと、頭を振り、その指し示した手を握り締めた。攻撃をするならば、こちらもそれ相応の対応をする、と言う警告だ。

 

「強い・・・・!」

 

「一撃でISを倒すなんて・・・・」

 

マシントルネイダーに二人は飛び乗り、再び姿を消した。それから一分ほどしてからボロボロになった一夏と秋斗が海の中から現れる。マシントルネイダーを帰した後に変身を解除し、海の中に飛び込んだのだ。こうする事で、多少強引だがあたかもギルスとアギトが二人を運んで来たかの様に見せる事が出来る。

 

「うっす、ただ今帰りました。」

 

「やれやれ、散々な目に遭ったぜ。いきなり持ち上げられたと思ったら海に投げ落としやがった。」

 

「一夏・・・・お前、無事なのか・・・・?!」

 

「何とか。あーでも、左肩が脱臼してる。門牙さんが嵌め直してくれたけどまだ痛い。後は、全身打撲と筋肉痛。それと、めっちゃ腹減った。」

 

「同じくだ。あー、後、俺達のISがセカンドシフトした。地面に激突する直前に勝手に展開してな。」

 

確かに、見ると一夏の右腕には腕輪ではなく、白いアームウォーマーの様に二の腕全体を覆っていた。手首周りはメタファクターの様な装飾が、掌には水色の勾玉模様が三つ円を描く様にそこにあった。

 

「アギトは・・・・奴は一体・・・」

 

「俺達をワザワザここまで運んで来たんだ。後、俺達にこう言った。『アンノウンは我々の同族を狙っている。手を出さなければ向こうは危害は加えない』と。」

 

「それに、この様子から察するに箒が勝手にキレて攻撃したんだろ?ISじゃ彼らには勝てない事がこれで分かったんだから、手を出さない方が身の為だよ。」

 

二人は怪我の手当の為に体を引き摺りながらも旅館の方に足を運んだ。

 


 
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