No.524744

超次元ゲイムネプテューヌ 3dis Creators_020

カオスすぎる。伏線とかモコで展開を先導しようとかキャラを一通り出そうとかで欲張ってがんじがらめになったせいか。カオスだ・・・。
2013/1/7 「友達の輪は?」「やってみたけど──」のくだりを少し追加。具体的にどうダメだったのかをもう少しわかりやすくしました。正直コイツにあんな精神状態でここまで話せるかは疑問でしたが。
「立て直すのです!」になっていたので「建て直すのです!」に修正。

2012-12-29 16:49:11 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:694   閲覧ユーザー数:653

 

 

 

 

 

 

第2章 ニュー・フレンズ

 

 

 

 

 

C020:OH! my goddess

 

 

 

 

 

 

○ラステイション・教会前

 

    ネプギア、ノワール、ブラン、ベール、モコが門をくぐって戻ってくる。

    ネプギア、ノワールの肩を軽く支えるように彼女に付き添う。

    ブラン、ベール、モコ、入口の前で一旦停止して、そのまま入口へと入っていくネプギアとノワールを奇妙そうに見送る。

    中に入ると待っていたユニが声をかけてくる。

 

ユニの声「ネプギア、ありがとう。アタシが部屋まで送るから」

ネプギアの声「ユニちゃん……うん、わかった」

ブラン、ベール「……」

 

 

 

○同・2階・ノワールの部屋

 

    ノワール、部屋に入ってくるなり、ふらふらと彷徨うように奥へ進む。

    壁の前で立ち止まり、すとんと急に腰を落とし、壁によりかかった両手を静かに握りしめ、沈んでいくように(こうべ)を垂れる。

    今、彼女はどのような表情をしているのだろうか。

    その震えている後姿から想像するしかない。

 

ネプギアの声「ノワールさん、どうしちゃったの?」

 

 

 

○同・1階・身廊(翼廊およびクロッシング付近)

 

    ユニ、ネプギア、翼廊と交わる最前列の椅子に隣り合って座っている。

    ユニの方に身を向けて寄せているネプギアの質問に、ユニは俯いたまま答える。

 

ユニ「……すごく一生懸命なの」

ネプギア「……え?」

ユニ「一生懸命、国に人を呼び戻そうと仕事してたの……だけど、いろんな人から怒られてばっかで……最近、ずっとこんな感じ……」

ネプギア「……」

ユニ「励ましたりしたいけど……そういうの、ダメなの……」

ネプギア「どうして……?」

ユニ「お姉ちゃんを、余計追い詰めちゃう……アタシ……お姉ちゃんに何にもしてあげられない……!」

 

    ユニ、膝の上に置いた両手をぎゅっと握りしめる。

 

ネプギア「ユニちゃん……」

 

    ユニ、あふれ出てきそうな何かをこらえて、ネプギアの方を向く。

 

ユニ「今のお姉ちゃん、色々ひどいこと言うかもしれない、言っちゃってるかもしれない。だけど多分、必死で生きてるからだと思うの……だから……できるだけ、わかってあげて」

 

    ネプギア、ユニの目を力強く見つめながら。

 

ネプギア「……うん」

 

    右奥の階段からケイが現れ、こちらによって来る。

 

ケイ「出かけてくるよ。ようやく『彼女』が重い腰をあげたようだ」

ネプギア「彼女……?」

ケイ「きっと、いい知らせをノワールに持ち帰ってくるよ」

ユニ「気をつけて」

 

    そう言って教会を後にするケイ。

    ネプギア、ユニのいる方向とは逆回りに振り向き、不思議そうにケイの後ろ姿を見つめる。

 

ネプギア「……」

 

    大きくユニの方に向き直り。

 

ネプギア「彼女って?」

ユニ「アイツよ。未だに連絡一つよこさない天使会長様。いや、多分いまになってケイに連絡よこしたのかもね」

ネプギア「『ウィル』さん、そんなに忙しいのかな……?」

ユニ「案外ニートだったりして」

ネプギア「ニートじゃないよ。みんつぶとライプレを作った人だし」

ユニ「冗談じょーだん」

 

    といいつつ席を立って教会を出ていこうとするユニ。

 

ネプギア「ユニちゃん?」

ユニ「ちょっとお外が騒がしい様ね」

 

    ネプギアに背を向けたまま人さし指を立て、軽そうな態度で外へと出向く。

 

ネプギア「……わたしも行く」

 

    ネプギアも席を立つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○同・教会前・正門付近

 

    二人が拝廊を抜けて出入り口を出ていくと、まず真っ先に怒鳴り声が聞こえてくる。

    門の向こう側には、老若男女問わないデモ隊らしきNPC達が、どこに声を向かわせているか分からないほどの喧騒を起こしている。

    彼等は、国ごとによってTシャツの色を分け、「とぐろう○こマン」「一本う○こマン」「液体う○こマン」と互いに相手を罵倒している模様。

    彼等の前には、ブランとベールが警備員のように、NPCの荒波を抑え込んでいる。

    耳を塞ぎながらブラン。

 

ブラン「あーもう! どいつもこいつもなんでこんな突っかかってくんだよ!! オメェが悪いのかベール!?」

ベール「なんでわたくしのせいにするんですの!?」

 

    すぐに駆け寄るネプギアとユニ。

 

ネプギア「あのどうしたんですか一体……!」

ブラン「こんな時にデモ隊だよ! こんな時にだ!」

 

    白いTシャツを着たルウィー勢のデモ隊の女性がメガホンを持って罵倒する。

 

ルウィー系デモ隊員(女)「何度言やわかんだよ。法案でたら公開して市民に多数決とれっつってんだよ。女神一人でこっそり決めていいと思ってんのか、とぐろう○こマン」

 

    緑のTシャツを着ているリーンボックス勢デモ隊の子供を引き連れた肥満体の男性がルウィー勢に反抗する。

 

リーンボックス系デモ隊員(男)「話そらすなよ。お前らのアイドル、ロム様ラム様がこっちの展望塔を堂々とブチ壊してったぞ。子供泣かして怪我(バグ)させるような奴らをいつまで女神にしておくつもりだよ液体う○こマン」

 

    黒のTシャツを着ているラステイション勢デモ隊員のメガネをかけた男性がリーンボックス勢に反抗する。

 

ラステイション系デモ隊員(男)「子供のためって言ってれば善人にでもなれると思ってんのか一本う○こマン。さっきからリーンボックスのガキどもが暴れ回ってて被害出まくってるんだよ。どうなってんだよリーンボックスは」

 

    ネプギア、多少声を張って周囲を見回す。

 

ネプギア「……そうだモコちゃん、モコちゃんはどこに!?」

モコの声「うわあああああぁぁぁぁんっ!! うわあぁぁぁぁぁぁんっ!!」

 

    モコの泣き声に気付いて、双塔の内の向かって右側の塔に行ってみると、モコが芝生にへたり込んでおお泣きしているのを見つける。

 

NPC一同の声「うー○こマン! うー○こマン!」

ネプギア「モコちゃん!! 大丈夫!?」

モコ「うううぅぅぅっ……みんな……みんなぷんぷん怒ってる……」

ネプギア「友達の輪は?」

モコ「やってみたけどだめだったよぉ。治まったっておもったら、あっというまにまたぷんぷんし始めてうわああぁぁぁん!」

 

    ユニ、多少声を張りあげつつ、ネプギアとモコの元へ。

 

ユニ「大人げない大人達ね! ん……?」

 

    双塔の陰にいるモコを見つけ、その奥でなにかが動いているのを見つける。

    アンテナのように立っている髪の毛の子供達4人が立ち上る炎を見つめている。

    ユニ、それをしばらく目を凝らしてみる。

 

ネプギアの声「……ユニちゃん?」

ラステイション系デモ隊員(女)の声「大変! またリーンボックスの子供が民家を放火しようとしてる!」

 

    この一言に更に騒ぎ立つラステイション勢。

    ユニもこれを聞いてすぐにネプギアの元へと戻る。

    そしてネプギアの手を引いて移動し始める。

 

ユニ「ネプギア、来なさい」

ネプギア「え? 今度は何?」

ユニ「いいから来なさい! ブランさんベールさんこの子お願い!」

ブランの声「あぁ!? ちょ待てよ!」

ベールの声「ちょっ、押さないで!!」

ネプギア「ごめんねモコちゃん! ちょっと行ってくる!」

モコ「うわあああぁぁぁぁん!!」

 

    いそいそと先ほどの道を通り抜けようとするユニとネプギア。

    抜け出ようとしたその時、シャワーヘッド状のそれが再びぐいぐいと地面から、子供達4人の近くに生えてくる。

    子供達、炎からシャワーヘッド状のそれへと全員視線を移す。

    ゆっくりと生えてきたそれは、すこんという音を立てて止まる。

 

シャワーヘッドのそれ『エンゼルたちはどこー? エンゼルたちはどこー? エンゼルたちはどこー?』

 

    放送が流れた直後、子供達が一瞬顔を合わせたと思うと一斉に、ひげダンスのような動き方で走り出した。

 

子供達「Eh-Oh!(エッオー♪)」

 

    逃げるように走り出した子供達を目で追うネプギアに、スピーカーのようなシャワーヘッドのそれから目を離さないユニ。

 

シャワーヘッドスピーカー『エンゼルたちはどこー? エンゼルたちはどこー? エンゼルたちはどこー?』

ネプギア「ユニちゃん……!」

ユニ「……えぇ……」

 

    急いで子供達の後を追うネプギア。

    しばらくシャワーヘッドスピーカーに目を留めてからユニも後を追う。

    しかし、ユニは自分の後ろ、モコの隣にもそのスピーカーが生えてきているのには気づいていなかった。

    NPC達の喧騒の中、泣いているモコの隣でも小うるさいくらいに繰り返すスピーカー。

 

シャワーヘッドスピーカー『エンゼルたちはどこー? エンゼルたちはどこー? エンゼルたちはどこー?』

 

    スピーカーの音声はそのままに、画面とNPCの喧騒だけがブラックアウトしていく。

 

 

 

○暗転画面

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○ラステイション・教会・1階・身廊・夕

 

    暗くなり、自動的に白色の明かりが教会全体を照らし出す。

    明かりに照らされて、座席に並んで座っているベール、モコ、ブランの姿があらわになる。

    まだ泣きやんでいないモコを挟んで、二人はどうしようかと困惑の表情を解くことができない。

 

ベール「デモ隊が帰ってくださったのはいいのですけれど……」

モコ「うぐ……えぐ……うぇぇ……」

ブラン「いつまで泣いてるの……」

モコ「うぅぅぅ……っ」

ベール「……モコちゃん、今日はもう帰って眠ってしまわれた方がよろしいのでは? ここにいても傷が開くだけですわよ?」

モコ「うん……そうする……」

 

    そう言ってすくっと立ち上がり、拝廊の方へととぼとぼ向かうモコ。

    身廊を出る間際で立ち止まり、振り返ってブランとベールに律儀に手を振る。

 

モコ「ばいばい……ブランちゃん、ベールちゃん……」

 

    とりあえず手を振り返しておく二人。

 

ブラン「ば、ばいばい……」

 

    そして元気の消えた後ろ姿を再び二人に見せながら教会を後にするモコ。

    ブラン、そんな哀愁たっぷりの後ろ姿を見て。

 

ブラン「今日は厄日ね……あの子も、私達も……」

 

 

 

○ラステイション・教会通り

 

    気持ちが沈んでいる時に見ても癒されそうにない、むしろ虚無に陥りそうなほど無機質で、しかしまぁ立派といえる鉄のオブジェが道に立ち並ぶ。

    夕焼けに照らされ不思議な色合いを見せてはいるが、モコは下を向いてばかり。

 

モコ「はぁ……どうしてみんな、ぷんぷんおこってばっかりなんだろう……ユーアちゃんここにいる子たちはみんなともだちっていってたけど……みんなはちがうのかな……」

 

    立ち止まって、丸い目を四角くへこませ、しおらしい不安げな顔を夕焼け空に向ける、

 

モコ「ノワールちゃんもどんよりしてるし……ひとりはさびしいよぅ……」

 

    空には答えがないとわかると再び俯く。

 

モコ「どうしたらみんな、なかなおりしてくれるかなぁ……」

 

    うーんと首をもたげて考え始めるモコ。

    思い浮かぶのは村長ハウス前のブロック広場での出来事。

 

モコ「は!」

 

    ひらめいて、丸い目を更に丸くする。

 

モコ「そういえば、男の子がブロックこわしちゃって、女の子がないちゃって、いっしょにブロック直してあげたらみんなわらってた……!」

 

    答えにありついた瞬間、己の中のエネルギーを爆発させてばたばたと走り出す。

 

モコ「ねぷちゃんねぷちゃんねぷちゃんねぷちゃ、あ、みちわかんない! ねぷちゃんねぷちゃんねぷちゃんねぷちゃん!」

 

    やかましくネプテューヌを呼びながら。

 

 

 

○プラネテューヌ・教会・2階・執務室前

 

モコ「ねぷちゃんいるー!?」

 

    すると静かに開けられる執務室の扉。

    それと共に扉の隙間から洩れ出す煙。

    扉の内側から、げっそりとしおれているネプテューヌが煙を頭から噴き出しながらゆっくりと出てくる。

 

モコ「ねぷちゃんー?」

ネプテューヌ「おぉ……モコ……」

 

    ネプテューヌ、懐かしそうにモコを見て、呼びかける。

    まるで一気に歳をとってしまったかのように。

    そして前のめりになっていく勢いのまま、モコを避けて床に倒れ込む。

    最後の力を振り絞るかのような大げささで声を絞り出す。

 

ネプテューヌ「聞いておくれ……目の前に、紙の山があるんだよ……それをさ……一つ一つ崩してまた山にしなきゃいけないの……なにを言っているのか分からないと思うけど、わたしにもわからない! ただね……いーすんがどんどんその紙の山を持ってくるんだよ……わたしはずっとこの中に閉じこもってなきゃいけないの……日の光も浴びずに……昼ごはんは食べたけど……なんていうか、潤いが全くないの……!!」

モコ「ぜんぜんわかんないけど……来て!」

 

    モコ、問答無用でネプテューヌの右手を持ちあげてネプテューヌを引っぱり床に引きずらせる。

 

モコ「うーんしょっ! うーんしょっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○ラステイション・教会前

 

ノワール「……なによ。急に呼び出して」

 

    モコの前に、ネプテューヌ、ノワール、ブラン、ベールと第1女神全員が集められている。

    モコ、右手をあげて。

 

モコ「なかなおりの方法をおもいつきました!」

ノワール「はい?」

ネプテューヌ「なかなおり……? わたしが画面外にいた間になにが……?」

 

    顔をしかめるノワール。

    するとモコ、自分のフォンギアを取り出して着信キーをタッチする。

 

ネプテューヌ「うわぉっ!?」

 

    腕を広げると、例の如くモコの周囲にボクセル上のフィールドが展開。

    フォンギアから鎧のパーツが飛び出してモコの周囲を回転。

    そしてすぐに鎧が形成され、ボクセルで出来たシルエットも完成し、二つが組み合わさる。

    その瞬間からモコの姿はZH(ジーンハート)のものに。

    吹き荒れる風は省略。

 

ノワール、ブラン、ベール「!!?」

 

    3人が驚く余所で、ZHは両手で握り拳を作る。

 

ZH(ジーンハート)「はぁぁぁぁ……!」

ベール「なんですの!?」

ネプテューヌ「モコさん!? ちょっと!?」

 

    3人が警戒し、それぞれ武器を虚空から取り出して身構える。

    ネプテューヌのみ武器を出さず。

 

 

 

        『ジャイアントファントム』

 

 

    すると何故かSPスキルの演出になり、4人の後ろにオーラのような巨大な両拳が現れる。

    その先には、ラステイション教会。

    そしてZH、4人の目の前で右フックを空振りさせてみせた。

 

ZH「はっ!」

 

    するとオーラで出来た右拳がつられて右フックをし教会を砕き始めた。

    その音に思わず振り向いてしまうネプテューヌ、ブラン、ベール。

    ノワールはそのまま硬直してしまう。

    ZH、構わず左フックを空振りさせる。

 

ZH「ていっ!!」

 

    同じように左拳のオーラが教会を砕いていく。

    気持ちのいい音響と共に落ちていく教会の破片。

    ネプテューヌ、ブラン、ベール、思わずパニック。

 

ネプテューヌ、ブラン、ベール「わああああぁぁぁぁぁぁっ!!!?」

 

    とどめの一撃と言わんばかりに右拳を大きく振り下ろすZH。

 

ZH「てやああああああっ!!!」

 

    右拳のオーラが、見事に、ラステイション教会を叩き潰してみせた。

    一瞬で崩れ去るレンガ造りの音。砂嵐のように巻き起こる粉じん。

    硬直しているノワールのツインテールが激しく暴れる。

    他の3人は思わず目を覆ってやりすごす。

    音は風が落ち着いてきた後でさえも長く響き渡っている。

    伏せた目と顔をあげてみるネプテューヌ、ブラン、ベール。

    風通しのいいすっきりとした景観に唖然とする。

 

ブラン「……うそでしょ……?」

ベール「怪獣に踏み潰されたかのように……!」

ネプテューヌ「テラトラン1! 応答しろ!! 頼む! 助けてくれー!!」

 

    3人が騒がしい中、ノワールは後ろの惨状を未だに目にせずに硬直したままである。

    振り下ろした拳の構えを解くZH.

 

ノワール「は……ははは……」

 

    震えたせせら笑いが聞こえてくる。

 

ノワール「なによ。みんなして騒いで。怪獣とか、そんなのどこにもいないじゃない」

 

    精一杯自分を落ちつけているかのような無理を感じる声で。

    ブラン、ノワールに向けてやや言いづらそうに。

 

ブラン「ノワール……後ろ向いたらどう?」

 

    しかしかたくなに後ろを向かないノワール。

 

ノワール「な、なによ。後ろ振り向いたってラステイションの神々しい教会があるだけじゃない!」

ブラン「いや、いいから後ろ──」

ノワール「だいたいねぇ! つまらない用事で女神4人も呼び出してんじゃないわよ! 私達は今瀬戸際に立たされて──」

 

    ブラン、ずかずかとノワールに近づき肩をつかむ。

 

ブラン「いいから向けって!」

ノワール「ちょっ! やめっ! いやぁっ!!」

 

    そうして、力づくでノワールを教会の跡地の方へ振り向ける。

    ノワール、変わり果てた自分の教会の姿を目にして、また硬直。

 

ネプテューヌ「……」

ブラン「……」

ベール「……」

ZH「……」

 

    すとんと腰がくだけるように膝を芝生の地面につける。

    そして力なく腕を垂れ下げる。

 

ノワール「のわあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!?」

 

    ゲイムギョウ界の夕焼け空に、ノワールの悲鳴がこだまする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    何か言いたげによってくるネプテューヌ、ブラン、ベール。

 

ブラン「……あの……ノワール」

 

    するとノワール、急にブランの足元に抱きつき。

 

ブラン「うわっ!?」

ノワール「ううぅわあああああああぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

 

    遠慮なく泣きじゃくり始める。

    ブラン、ノワールからできるだけ目をそらそうと首をもたげる。

 

ブラン「……ベール」

ベール「これはもう……笑えない状態ですわね……」

ネプテューヌ「あぁ……未だかつてノワールをここまで追いつめた人物がいただろうか……ぷるるんでさえここまでは……」

ノワール「ううぅぅぅ……あんたぁ!」

ZH「えっ!?」

 

    ノワールの呼びかけにびくっと反応するZH.

 

ノワール「あんたぁ……なにしてくれてんのよぉ!!」

ZH「……積み木です」

ノワール「はぁっ!?」

ZH「積み木を、建て直すのです!」

ネプテューヌ「……なるほど、わからん!」

 

    ZH、壊した教会を悪びれた様子もなく自信満々に指さし。

 

ZH「さぁみんな! 仲良く! あの積み木を建て直すのです!!」

ネプテューヌ「みんなって……わたしも!?」

ベール「何故わたくし達まで!?」

ブラン「()ったのお前だろうが……」

ノワール「なんでよぉ……なんで私ばっかりこんなめにあうのよぉっ!!」

 

    そしてまた泣きだすノワール。

    困り果てるネプテューヌ、ブラン、ベール。

    着信を解いて元の姿に戻るモコ。

    ネプテューヌに歩み寄り。

 

モコ「ねぷちゃん、どーしたらいーい?」

ネプテューヌ「あーうん。とりあえず、今度からは気をつけようね……」

 

 

 

○同・教会前通り

 

    揃って歩いているアンテナを立てた子供達を尾行しているネプギアとユニ。

    何故かボロボロで疲れ果てている様子。

 

ネプギア「はぁ……はぁ……うぅ……すごいぽこぽこ叩かれた……急にどうしちゃったのかな?」

ユニ「はぁ……何かいけない電波でも受信しちゃってるんじゃないの? 丁度アンテナみたいなアホ毛たててるし」

 

    子供達、世間話と言うより愚痴こぼしを始める。

 

少女A「お母さんってばさ。こんな時間にどこ行くのとか、もうお外でる時間じゃありませんとか言ってさ。おかしくない?」

少女B「ねー。しょうがないじゃん集合掛けられちゃったんだから」

 

    ユニ、子供達の会話に目を細める。

 

ユニ「集合……?」

ネプギア「何か集会があるのかな……? あの子たちを追いかけていったら、ひょっとして──」

 

    そして、しばらく考えるそぶりをした後。

 

ユニ「ネプギア」

ネプギア「うん」

ユニ「今日はもう帰りましょ」

ネプギア「うん……え?」

 

    ついていく気満々のネプギアを余所に来た道を戻ろうとするユニ。

 

ユニ「子供ならもう家に帰る時間よ」

ネプギア「えぇっ!? ちょ、ちょっとユニちゃん!! そんなぁっ!!」

 

    しかし、ユニの目つきは何か先にいる見えない敵を見据えているよう。

 

ユニ「……電波かぁ……」

 

 

 

○同・教会正門前

 

    ユニが考え事をしながら教会へと戻っていく。

    角を曲がって正門をくぐる。

    しかし、そこにはもう教会はない。

 

ユニ「なんっっじゃこりゃあああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?」

 

    教会の惨状を目にしたユニの叫びが、夕焼け空にこだました。

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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