No.519137

超次元ゲイムネプテューヌmk2BURST

レオさん

一応今回でプラネテューヌ編は終了となります。
無理矢理詰め込んだ感が満載ですがご了承下さい。

第六話(後編) ゲイムキャラを求めて…

2012-12-16 09:00:59 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:578   閲覧ユーザー数:574

「…はい、これで通信が可能になったはずです」

 

「そうですか、ありがとうございます」

 

場所は変わってプラネテューヌの教会。戻ってきたシンヤ達はゲイムキャラの協力を得られたことを伝え、ゲイムキャラの力を借り、急ぎ通信機を修理したのである。

 

「後は、通信すれば繋がるはずです。試してください。では、私はこれで」と言い

修理スタッフは部屋から出て行った。それを見届けると通信機の方へ向きやった。

 

「じゃあ、スイッチを入れます」

 

シンヤは始めて通信した時と同じように祈りながらスイッチを入れた。数秒の砂嵐の後、画面に榊の顔が映し出される。

 

「博士!」その声に榊が反応した。

 

『ん? おぉ! シンヤ君!いやー、いきなり通信が途切れてしまって驚いたよ。

一体、何があったんだい?』

 

「実は通信には莫大なエネルギーが掛かるらしくて、あれだけの通信で全部のエネルギーが消費されてしまったんです。それで、ゲイムキャラの力があれば通信が可能になると聞いて、力を借りに行っていて通信が遅れてしまったんです」申し訳なさそうにシンヤは言う。

 

『ふむ…そうかい。でも、こうやって通信が出来ているだけでも良かったよ』

 

「まぁ、そうですね」と軽い会話をしていたが、直に話しは切り替わる。

 

『さて、その世界のアラガミの事なんだけど…』

 

「そうだ、アラガミですが、今度はザイゴート、コクーンメイデン、コンゴウを確認しました。確認した限りですけど、アラガミはどんどん増えていると思います」言うと、榊は少々渋い顔をした。

 

『そうかい…これは、思った以上に深刻だね』

 

「はい…そうだ、博士、この世界のアラガミは少し変なんです」

思い出したかのように言った。

 

『変? どういうことだい?』

 

「アラガミのコアを摘出した後、オラクル細胞が霧散せずに文字通り消滅したんです」

 

『消滅した? …ふむ、どういうことかな?』その言葉に食い付く。だが、申し訳なさそうにこう続けた。

 

「俺も分からないんです。ただ、コアは回収できているので、それを調べれば分かるかもしれません…あ、そういえば」またも何かを思い出したかのように続ける。

 

『? どうしたんだい?』

 

「神機のメンテナンスとかは如何すればいいんですか?」と聞いた。

 

神機はオラクル細胞を用いた『武器』である。当然だが、武器はメンテナンスをしなければ何時かは消耗し、壊れてしまう。シンヤの世界にはメンテナンスが出来る技術はある。だが、この世界にはそれが無い為、かなり危険な状況だったのだ。が、それを解決する方法を榊は口にした。

 

『あぁ、その事なんだけど、実は先ほど、転送装置が完成したんだ。

あの時、僕が話した事を覚えているかい?』言われ、記憶の中を探し、思い出した。

 

「…あぁ、言ってましたね、そんな事」

 

それは、三日前ほど前の話である……。

 

その日、シンヤは榊に研究室へ来るように言われ、其処に向かっていた。そして、研究室の前に着くとドアが独りでに開き、そのまま其処に入った。

 

「失礼します。博士、何か用ですか?」聞くと

 

「うん。君に頼みたい事が「アラガミのコアの回収ですか?」…やっぱり、分かってしまうかい?」言おうとする前に言われ、少し困った顔をした。

それを気にもせず、シンヤは少し肩をすくめた。

 

「まぁ、博士が俺を呼ぶ理由は大体それですからね。で、回収する相手は何ですか?」

討伐対象を聞くと、榊は待ってましたと言った顔をした。

 

「その事だけど、その前に、簡単なクイズを出させてもらうよ」その言葉に首を傾げた。

 

「クイズ、ですか?」

 

「そう。その答えが今回の討伐対象だ。その前に、かなり長いヒントを出させてもらうよ」

 

一度咳払いをして、語りだした。

 

「現在、極東支部とその他の支部と合同で『転送装置』と言うのを開発中なんだ」

今度は聞きなれない単語に首を傾げる。

 

「転送装置?」

 

「うん。転送装置というのは、今回の討伐対象のアラガミの力を利用した物なんだ。具体的に言うなら空間と空間を繋ぐトンネルを作る感じかな?…おっと、これは大ヒントになってしまうかな?」と言っていたが直に話は元に戻った。

 

「君も知っての通り、極東支部だけでなく他の支部も同様にアーコロジーだ。だけど、その支部で物資が不足した場合、その周辺の支部が物資の調達に行く事があるんだけど、それがかなり危険でね、毎回死者が大勢出てしまうんだ。そこで、その対策として転送装置二機の開発が提案されたんだ。そして、その内の一つがこの極東支部で行われているんだ。それに比例して開発エンジニアや、技術者たちが大勢来ているんだ。君も何人か確認しただろう?」

 

言われ、そういえば…と思い出した。今日は何故か極東支部に居ない人達が何人か居たのを見かけ、最初は転属してきた人なのだろうか?と考えたのだが、どうやら転送装置の開発スタッフだった様だ。

 

「はい。あの人達は、その為に此処に来ていたんですね……」

 

「そう言う事になるね。で、その転送装置なんだけど、まだ最後のパーツが足りて無い状態でね、それが今回の討伐対象のコアなんだ。でも、これが完成すれば他支部との物資の交換も出来るし、もう死者も出さずに済むんだ。此処まで言えばもう分かるだろう? 討伐対象は何だと思う?」

 

言われ、クイズの答えを探し始める。そして、直に榊が大ヒントだと言った事を思い出す。

 

(確か、さっき博士は空間と空間を繋ぐトンネルを作ると言っていたな…そんな攻撃をしてくる奴がいたような…そうだ、思い出した)その答えとは

 

「……テスカトリポカですか?」

すると、取り付けられたスピーカーからピンポーンと言う効果音が流れた。

 

「正解だ。やはり、あの発言で分かってしまったかな?」榊は苦笑交じりにそう言った。

対するシンヤも苦笑していた。

 

「はい。最初は分からなかったんですけど、あのヒントで分かりました。…それにしても、テスカトリポカですか。て、事は…あの攻撃を利用するつもりですか?」

 

テスカトリポカ…アステカ神話に登場する、神々の中で最も強い力を持つと言われている神である。

が、この世界では神と殺戮兵器が融合したような姿を持ち、一つの街を一瞬で廃墟にする力を持つと言われている。だが、真に注目すべきは其処ではなく、テスカトリポカの特殊な攻撃方法についてだ。

 

「確か、あれは活性化したときしか使えない筈ですけど?」

 

その攻撃方法とは、活性化した時の一部の攻撃に限られはするが、攻撃を亜空間から飛ばしてくると言う物である。それを榊達は利用するそうなのだ。だが、今も言った通り、それは活性化している時でないと発動できないのだ。一体どうする気だ?と考えていると榊はその解決策を口にした。

 

「それは問題ないよ。実は少しの間だけだけど、人為的にコアを活性化させる事に成功したんだ」

 

「人為的に?」

 

「そう、確か体力を消費して強制的にバースト状態になる強制解放剤と言うものがあっただろう?あれを何倍にも濃くした物を使って活性化させることに成功したんだ」

 

「……なるほど……」その技術力に素直に感心した。

 

「分かりました。コアを回収してきます…と言っても、まだ発見されていないので、発見したときに回収する事になりますが、それでも良いですか?」

 

「構わないよ。見付かっていない敵を倒せとは言えないからね」

直後、シンヤにアラガミの討伐依頼が届いたのであった。

 

「……まさか、あの討伐対象がテスカトリポカだとは思いませんでしたよ」

苦笑しながらその時の事を思い出していた。それに対し榊は嬉しそうな表情をしていた

 

『私も驚いたよ。だけど、こうも早くコアが手に入るとは思わなかったからね。おかげでかなり早く完成させる事が出来たからね』と、言い終えた時、シンヤが思い出したかのように質問した。

 

「ところで博士、どうして転送装置が完成した事と神機のメンテナンスと如何関係するんですか? 確か、二機ないと転送できないはずではなかったんですか?」と聞いた。

転送装置はテスカトリポカの力を利用しても空間を繋げる事は困難であり、二機あってようやく空間を繋げられるのだ。だが、この世界には転送装置なるものは無いはず。一体どうするのか? 考えていると

 

『それはね、そちらの世界は此方の世界よりも技術が発展しているそうじゃないか。

だから、そちらの世界にも転送装置があるのではないかと踏んだんだよ』などと言って来た。その言葉にシンヤは呆れてしまった。

 

「……博士、確かにこの世界は技術は発展していますけど、転送装置なんてある訳「ありますよ」……え?」話の最中、イストワールがそんな事を言って来た。

 

「……三年ほど前、四大国が合同でシンヤさんの言う物と同じ物を開発していたんです。ですが、完成したのは、女神達がギョウカイ墓場に捕らえられてしまった後だったんです。それ以来、たった一機のプロトタイプが完成し計画は凍結してしまいました。その一機は、今はラステイションにあるそうです。ですから、其処へ言ってみては如何でしょう?」

と言ってきた。それと同時に、コンパも何かを思い出したようだ。

 

「そういえば、あの下っ端さん、次はラステイションに行くって言ったです」

 

「あぁ、そういえば言っていたな」コンゴウに吹き飛ばされた下っ端の姿が脳裏に浮かぶ。

 

「急いで追いかけましょう。急がないと、また先を越されちゃいます」どうやら、ネプギアは追う気満々の様だ。それを見たイストワールは少し笑っていた。

 

「…ネプギアさんは、もう吹っ切れたみたいですね」

 

「あ…はい。まだちょっと怖いですけど、でも、もう大丈夫です!」

 

「安心しました。さて、そういうことでしたら、みなさんは急いでラステイションに向かってください…と言いた所いですが、もう今日は遅いですし、アイエフさんの怪我も完全に治ってないと思うので、明日、出発してください」

窓の外を見ると、もう日は沈んでおり、闇が辺りを支配していた。

 

「……分かりました。と言う事なので、転送装置のある国へ行って来ます」

画面の前で笑みを浮かべている榊に言った。

 

『そうかい、分かったよ。楽しみに待っているよ』

それだけ言うと、通信が切れてしまった。

 

「……話は纏まりましたか?」

 

「はい。…といっても、結局ネプギア達と一緒に行くことに変わりは無いですけどね」

 

「ふふっ。そうですね。…そうそう、言い忘れる所でした」するとイストワールはネプギア達のほうに向いた。

 

「みなさんはラステイションでやることは分かっていますね?シェアの回復とゲイムキャラを保護する事。そして、もう一つ大切な事があります」

 

「大切なこと?」

 

「ラステイション、そしてルウィーにはそれぞれ、ネプギアさんと同じく女神候補生がいます。彼女たちにも協力を仰いでみてはいかがでしょうか?」その言葉にコンパはピンと来たようだ

 

「ノワールさんとブランさんの妹ですね」アイエフもあぁ、そういえば、といった顔をしていたが、シンヤだけは分からなさそうにしていた。

 

「私と同じ、女神候補生…」そんな中、ネプギアは少し考える動作をしていた。

 

「それぞれの国にも事情はありますし、すんなり頷いて頂けるかは分かりませんが、まずは、話だけでも聞いてもらいましょう。彼女達も、お姉さんである女神を救いたいという気持ちは、同じはずですから」

 

「それじゃ、やることは決まったわね。さあ、行きましょうか。ラステイションへ!」

 

「ま、行くのは明日だけどね」

やる気満々のアイエフにすかさず突っ込んだ。その突っ込みでアイエフはガクッと大きく転びそうになる。そして頬を膨らませながらこう言うのだ。

 

「もー、人が折角やる気になってるのに邪魔しないでよ!」

 

「ははは、悪い悪い」と言っていると、ネプギアとコンパが何やら羨ましそうな視線を送ってきた。

 

「…? 如何したんだ?」聞くと

 

「「何でもないです」」口をそろえてそう言うのだ。

 

「……?」シンヤは何も分からない様だったが

 

「……ハァ、気付いてやりなさいよ」アイエフは手を額に当ててため息をついていた。

 

「ふふふ」それを見ながら微笑ましく見守るイストワールであった。

 


 
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