No.517898

超次元ゲイム ネプテューヌmk2 ~Blue Wind~(~why…?~)

こたさん

テスト終了。今年の冬コミ二日目西 て-08b (ねぷすた)にて配布される合同本に小説を載っけていただけることになりました。もしよろしければ読んでやってくださいw

2012-12-12 23:14:56 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:1435   閲覧ユーザー数:1422

―――ギンッ!

 

姿が小さく見えるハリネズミの腹部の眼光が不気味に光る。

そんなハリネズミの頭上でバチバチと唸る稲妻は徐々に大きくなっている。

 

「………ッ!」

 

私はM.P.B.Lを掴む手に汗を握りその様子をただただ見ているだけだった。

けど、頭では冷静に成す術を必死に考えていた。

けれど、あんな大きな力に成す術なんかあるの……!?

 

「こ……怖いよ~……!」

 

すっかり怯えてしまったロムちゃんが私に近づくと私の右足に縋りつき震えだす。

 

「ろ、ロムちゃん!」

「ふえぇぇ……!お姉ちゃん……助けて……!」

「………!」

 

お姉ちゃん―――その単語に私は目を見開く。

 

―――お姉ちゃん………!

 

 

―――ネプギアー!

 

―――ネプギアー!遊びに行こー!

 

――……えー!?いーじゃん、仕事なんてあとあとー!

 

―――ネプギア、大好きだよー!

 

 

 

どうしてだろう、一瞬脳裏にお姉ちゃんの笑顔ばかりが浮かんだ。

無意識に私は腕をあげM.P.B.Lの銃口をハリネズミに向けていた。

 

「へへッ、ネプギア!やる気になったのか?」

 

隣から聞こえたソニックの声に私は顔を向ける。

ソニックは笑顔で私に親指を立てていた。

 

「ネプギア、分かるよな?俺達に悩んでる時間なんてないぜ?俺達の選択肢には『やる』と言うルート以外残されてなんかいないさ!」

「ソニック………」

「お前なら行けるぜ。姉貴に会いたいんだろ?助けたいんだろう?だったら『やる』んだ!」

「………うん!」

「……ゴールまで突っ走るぜ!」

 

私はキッとハリネズミに向き直る。

稲妻は先程までとは比べ物にならない大きさとなっていた。

けど、負けるわけにはいかない。

ゴールはまだまだ、遠いかもしれない。

もしかしたら、勝てないかもしれない。

けど―――

 

「行っけぇぇーーーーー!!!!!!」

 

ドンッ!

 

―――止まってなんか、いられない!

 

M.P.B.Lから放たれた光線がまっすぐにハリネズミに向かって飛んでいった。

 

バウッ!!

 

ハリネズミも光線に向かって洪大な稲妻を放ってくる。

稲妻の半端じゃないスピードであっという間に光線にぶつかる。

 

「ッ!!」

 

そのとてつもない力の大きさに私の体が少しづつ後ろへと押されていく。

やはり、力の差は圧倒的だった。

完全にこちらが負けている。

 

「………くぅぅ………!!」

 

歯を食いしばる。

けど、やっぱり状況は変わらない。

 

「諦めるなッ!」

 

ドンッ!

 

ソニックが剣を抜き取り、ハリネズミ目掛けて振り下ろすと剣先から巨大なレーザーを放つ。先程がすとさんから吸収した技だろう。M.P.B.Lから放たれたビームと絡み合い、まだこちらの方がサイズ的に僅かに劣っているもののハリネズミの稲妻とほぼ匹敵する程の大きさ、威力となり両者とも動かない状況となった。大きな力のぶつかり合いでダンジョンが鳴動する。周りの大きなブロックの城もガラガラ音を立てて崩れだしていた。

 

「……く………ぅぅぅ…………!!」

 

重い。巨大な力のぶつかりあう中、私の腕にかかる負担は生半可なものではなかった。けれど、脳内はまだ余裕があるのかついつい私とソニックの二人の力を合わせても状況が変わらないというこの状況から改めて相手の強さを実感できた。

 

バヂバヂバヂバヂバヂ―――バチュンッ!

 

こちらと相手の力が押されつ押されつつの状況がずっとループしていた。

 

「ぐぅぅ………ッ!!」

 

私の隣にいるソニックも剣からビームを放ちつつ歯を食いしばっていた。

 

「…………………」

 

ハリネズミはこんな状況であっても動じることなく、ただ片手をこちらに向け掌から稲妻を放ち続けるだけだった。

 

「………負けられません!」

 

ドゥッ!

 

私は引き金を更に強く引き、ビームのギアを上げる。僅かにこちら側のビームが優勢になった。

 

「………………」

 

ハリネズミの腹部に埋め込まれた眼球が瞼を閉じその姿を覆い隠す。

 

 

 

 

――――カッ!!

 

 

 

 

ドゥゥゥッ!!

 

「ッ!!?」

 

閉じられた眼球が再び顕になると相手のビームのギアが上がりあっけなくこちら側のビームが押され始める。

 

「……ぐ……ッ………うあッ!」

 

バチュンッ!

 

その力にとうとう耐え切れなくなったのか、ソニックの体が吹っ飛ぶ。

 

「ソニック!」

 

私はその名を呼ぶことしかできなかった。ソニックの力を失ったこちら側のビームは相手の稲妻との圧倒的な力の差でどんどん押され始め、今度こそ本当にどうしようもなくなっていた。

 

「く………ぁぁあああッ!!」

 

必死に叫ぶ。

叫んでもどうにもならないことはわかっていた。

けれど、何故か私は叫んでいた。

 

―――『敗北』……

 

一瞬脳裏に浮かんだその単語をかき消すかのように……私は溢れる涙を抑えることはできなかった……―――

 

―――……そっか………私、また負けちゃうんだ…………

 

―――……お姉ちゃん…………ごめんね……助けてあげられなくて…………

 

 

とうとう、私は自らの最期を覚悟し始めていた。

 

 

―――うぅん、おねえちゃんだけじゃない……アイエフさんにコンパさん……日本一さん、がすとさん……ロムちゃんにラムちゃん……ソニック……守れなくてごめんなさい……

 

 

徐々に細くなっていくビーム。

横目で見えたアイエフさんとコンパさんが必死に叫ぶように口を開いていた。けれど、何も聞こえてこない。

 

 

 

 

 

―――……ごめんなさい……

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――ネプギアー!

 

 

 

ドンッ!!

 

「……ッ!!」

 

私は思わず顔を上げた。何が起こったのかが分からない。ただ、M.P.B.Lから放たれたビームに青い光線が絡み合い見た目・威力共に相手の稲妻を上回る程の大きさとなり押し始めている。

 

「な……んで……?」

 

何が何だか分からない。

 

「ネプギア……ちゃん……!」

 

私の右隣にステッキを掲げたロムちゃんが……

 

「全く、私達がいないとダメなんだからー!」

 

左隣にステッキを掲げたラムちゃんが……

 

ピギャアァァァァァァッ!!!!

 

そして、背後にはホワイトシスターの『Eフォースブリザード』により召喚された青く神々しい神鳥の姿。神鳥の嘴から青い光線が放たれていた。

 

「………ネプギアちゃん……お願い……諦めないで……!」

「あんたに、お姉ちゃんを助けてもらわないといけないんだからあんなのに負けたら承知しないわよー!」

 

ラムちゃんが、若干強気な表情を――ロムちゃんが、私に笑顔を見せてくる。

 

 

 

 

 

―――私、なんで弱気になってたんだろう?

 

―――まだ、終わってない。

 

―――私たちのゴールはまだまだ果てしなく遠いかもしれない。

 

 

 

―――……けど……………――――

 

 

 

 

 

 

「……うん!行くよ!」

 

 

 

―――……私は、まだ止まるわけには行かないのッ!!

 

 

 

 

頭の中の迷いを振り切るかのように、私はハリネズミに顔を向ける。

 

「これで……終わりですッ!」

 

バチュンッ!

 

私の―――私達のビームが相手の稲妻を貫く。

 

「「「いっけぇぇーーー!!」」」

 

そして―――そのままハリネズミを包み込んだ。

ビームが消滅する。

そこにハリネズミの姿はなかった。

 

「やっ……た……」

 

私……やったの……?

 

「ネプギアちゃん……!」

 

未だに目の前の状況がよく分かってない最中にロムちゃんがぎゅっ、と私の膝元に抱きついてくる。

 

「ロム……ちゃん……」

「えへへ……ネプギアちゃん……」

 

ロムちゃんは無垢な笑顔で、私を見上げてくる。なんだか、ロムちゃんの笑顔を初めて見たような気もした。

私は、そんなロムちゃんの小さな体を抱き上げていた。

 

「ふぇ……?」

 

ロムちゃんは若干照れくさそうに、けれども嬉しそうに私の顔を見つめていた。

 

「むぅー、ロムちゃんを返せー!」

 

一方のラムちゃんは同じく私の膝をポカポカと叩きながら訴えかけてくる。

 

「HEY!みんなやったじゃないか!」

 

吹っ飛ばされた際に出来たのか、腕と頬に擦り傷を作ったソニックが私達の前に姿を現すとグッと親指を立てた。

 

「ソニックちゃん……」

「もー、アンタが役に立たないからもう少しでネプギアがやられるとこだったのよー!?」

 

にこぉ、と笑顔を浮かべるロムちゃんとは裏腹にラムちゃんはいつもの強気な顔になってソニックに談じ込み始めた。けど、ちょっとだけ笑顔を浮かべてるようにも見えた。

 

―――でも、さっきまでは気にならなかったけど……最初は私に対してあまり懐かなかったけど……もしかして、私にちょっとだけ心開いてくれたのかな?

 

「ね、ねぇラムちゃ―――」

 

そっと、ラムちゃんに話しかけようとしたけど……私の声は遮られた。

 

背後から感じる殺気。

生ぬるく、地肌に当たるだけで悪寒を生じさせるような嫌な空気のようなものを背中に感じ私達は振り返る。

 

「…………!!(ふるふる)」

 

咄嗟に私の後ろへと身を隠し細かく震えだすロムちゃん。

けど、ハッキリ言って私も近くにお姉ちゃんがいたら隠れてしまうかもしれなかった。

 

「ほぉ………?」

 

唯一動じないソニックは背中の鞘から再び剣を抜き出し構えていた。

 

―――あれだけ攻撃したにも関わらず、身体に傷一つ付いていないハリネズミに……

 

「…………………………」

 

私の体は、いつの間にか震えだしていた。

どうしてか分からない。ただ、そのハリネズミの姿があの人――ギョウカイ墓場で戦ったあの人に重なって見えた。

 

「ッ!?」

 

ピカっと光り、私の身体に落雷。けれど、何も感じなかった。

視界が真っ白になる。

 

「ここは………!?」

 

周りが見えるようになった。

ここには以前来たことがある―――ギョウカイ墓場だ。

私の陰に隠れているはずのロムちゃんがいなかった。

ロムちゃんだけでなく、ラムちゃん……ソニックの姿もなくなっていた。

 

「ロムちゃん!ラムちゃん!ソニック!」

 

私は三人の名前を叫んでいた。

けれど、私の声はゴロゴロと雷鳴が轟き私の声はかき消されてしまう。

妙に蒸し暑かった。私の額からは汗が滲み出している。

 

「……………ッ!!」

 

三人を探しているとあのハリネズミの姿を見つけた。

10m程離れた場所で私と対峙しているハリネズミは相変わらず動じずにじっと私を見つめている。

 

―――ブルッ!

 

先程まで蒸し暑く感じていた私の体温が一気に下がり始める。

まるで冷凍庫の中で立っているような気分だった。

足に力が入らず、私はへたりこんでしまう。

私の頭には、『怖い』という単語以外浮かばなかった。

ふとハリネズミに目をやると、足を動かし徐々に私に迫ってきている。

震えが止まらない。

何も考えられなかった。

 

「お願い…………止めて…………」

 

 

私は――――何もできなかった…………――――

 

 

「このままじゃ、ゲイムギョウ界が壊れちゃうよ―――――――!!!!!!」

 

 

私の意識は―――まるで故障したテレビのようにぷつんと音を立て消えてしまった―――

 

 

 

 

 

「くッ……!」

 

ハリネズミは相変わらず動じない。

俺はブルーウィンドソウルを握る手に汗を握りながらあのハリネズミを睨みつけていた。

相変わらずその容姿は不気味だった。奴の腹に埋め込まれている眼球はまるでカメレオンの眼球のように乱れたリズムであちこちへと黒目を移動させる。

 

―――なんなんだこいつは………

 

今までまるで俺自身を鏡に写したようにそっくりな奴には山程あってきたが……今回はいつもと雰囲気が違った。奴の出しているオーラからは邪気以外の何物も感じられない。そもそもなんでこいつは俺にそっくりなんだ……?

 

―――ドサッ!

 

背後から聞こえた鈍い音。

俺は奴からなるべく視線を離さないように注意しつつ背後に目をやる。

 

「………ネプギアッ!?」

 

目にしたのは、女神化が解除され倒れているネプギアだった。

 

「ネプギアちゃん……!?」

「ちょ、ちょっとネプギア!?」

 

ロムとラムがネプギアの上半身を起こす。

明らかに顔色のよくないネプギアはぐったりとしていた。

 

「!!」

 

だが、俺はそんなネプギアをロムとラムに任せてハリネズミに向き直った。

 

―――ハリネズミが、こちらに向かってゆっくりと歩んできていたからだ……

 

つー……と汗が俺の頬を伝い顎から垂れ落ちる。

腕を伸ばしたら届きそうな程の距離までハリネズミが近づいてくる。

 

「…………………」

 

だが、ピタッとその足が止まる。

ハリネズミが口の片端を吊り上げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――ようこそ………………我が…………………『世界』へ…………………

 

 

 

 

 

 

 

 

「Huh…………?」

 

スーっ……と消えていくハリネズミの姿。

俺は咄嗟に腕を伸ばすが、半透明の奴の姿をすり抜け触ることができなかった。

 

 

 

―――『奴』は、そのまま姿を消した………………

 

 

 

 

 

「………ん……」

 

眩しい。

カーテンから差し込む光が私の瞼にあたる。

私は重い体を無理矢理起こすと周りを見回した。

 

「ここ……は…………?」

 

思うように働かない脳を無理矢理動かし、記憶を遡る。

 

―――確か私……あのハリネズミと戦って………

 

「よーやくお目覚めかい?」

 

突如聞こえた声にビクッと肩を揺らし、私は顔を声がした方に向ける。

 

「…………ソニッ…………ク…………?」

 

ソニックが両腕を組み壁に寄りかかるように立っていた。

 

「Good morning!って言っても夕方だけどな。ここはルウィーの教会さ!」

「あれ……私…………」

「あれからのことは覚えてるか?」

「………………」

 

私は小さく首を横に振る。

 

「あの後、お前急に倒れたんだぜ?俺がおぶって運んでいったけど。」

「あ……ゲイムキャラさんは……!?」

「それなら心配ないぜ!」

 

ソニックがウィンクすると、どこからか白いディスクを取り出す。

 

「交渉成立さ!」

 

グッとソニックは親指を立てる。

 

「で、でもゲイムキャラさんがいないとキラーマシンが……!?」

「No problem!がすとが『こっぴっぽー』ってマシンでこいつと全く同じのゲイムキャラを作ったから心配ないぜ!」

「あ……そう言えば他の皆さんは……?」

「コンパとアイエフは教祖室、日本一は……知らね。がすとはルミーとフィーのとこ行っててロムとラムはそこにいるぜ。」

「え……?」

 

そっと、私の腰部分あたりを指差すソニック。

気づいてなかったけど、女神化を解除したいつものロムちゃんとラムちゃんがぎゅっと布団を掴んで静かに寝息を立てて手を繋いだまま眠っていた。

 

―――ひょっとして、看病してくれてたのかな……?

 

「…………そっか………」

 

すっ、と体が軽くなり私は体を再び倒す。

 

「…………でも…………」

「ん?」

「…………なんでルウィーのゲイムキャラさんて、お姉ちゃんのこと知ってたんだろう……?」

 

あの時……ゲイムキャラさんが復活した時に言ってた言葉……―――

 

――――あなたは……ネプテュー――いえ、似ているけど違う……?

 

 

バタバタしてたから聞く暇なかったんだけど……実はゲイムキャラさんのディスクが直った時からずっとそのことが気になっていた。

 

「…………お前の姉貴……ネプテューヌだったな……」

 

ソニックが口を開き始めて私はソニックに向き直した。

 

「……いや、先にここの地のことを説明しておこう。ゲイムキャラが言ってたんだが、元々ルウィーにはゲイムキャラがいなかったらしい。」

「え……?」

 

でも、それならキラーマシンを封印するようになったのはいつからなんだろう……?

 

「そこで、ネプテューヌは今のルウィーのゲイムキャラに頼み……それで今に至るらしい。」

「お姉ちゃん…………」

 

お姉ちゃん、そんなことしてたんだ…………

 

「ま、それはいいとして……残りのゲイムキャラもあと一体だな!アイエフがネプギアが動ける状態になったらリーンボックスへと向かうって言ってたぜ!とは言っても、今日はもう夕方だしな。出発は明日になるだろうから今日は休んでおけよ!じゃあな!」

「あ、ソニック…………」

 

私はソニックに手を伸ばすけどソニックは口笛を吹きながら部屋を出ていった。

 

「………………」

 

私は視線を落とし、自分の上に乗っかって寝ているロムちゃんとラムちゃんの頭をぼーっと見つめていた。

 

―――あの時、ロムちゃんとラムちゃんが居なかったら絶対勝てなかったよね……

 

私がそっと掌を二人の頭に乗せると二人は「ん……」「ふにゅ……」と声を発した。

 

「…………ありがとね、二人共……」

 

暫く撫でていたけど……眠気が来て私はいつしか眠りについていた。

 

 

 

翌朝、ネプギアの調子はすっかり良くなり俺達はいよいよ次の土地……『リーンボックス』へ向かおうとしていた。

だが、俺達のパーティに新たな仲間が加わっている。

 

「がすとさん、そろそろ行きましょう。」

「了解ですの~。」

 

そう、がすとさ。アイエフ曰く昨晩突然アイエフとコンパの前に現れて世界の珍素材を集めるとか……確かそんな感じの理由で仲間に入りたいとか言ったらしく俺達と行動することになったらしい。ま、がすとは強いから問題はないだろうってことでパーティ・インしたみたいだな。ただ、昨日キラーマシンを蹴散らす時に使ってたあの銃器……あの武器はcheatだから二度と使うなとアイエフに言われたらしい。

ちなみにルミーとフィーはルウィーに残ることになったらしい。て言うのもあの二人(二匹?)は錬金術ががすと曰く半人前らしくルウィーで修行して一人前になりたいらしい。

 

まぁ、そんな感じで俺達はミナに一言挨拶してから行こうってことで教祖室に来た所だな。

 

 

「ミナさん、お世話になりました。」

「いえ……こちらこそ貴方々が居なければどのような事態になっていたことか……深謝致します。」

 

ぺこりと頭を下げてもう一度顔を上げた私が目にしたのは平身低頭状態のミナさんだった。

 

「だ、だからミナさん……なにもそこまで頭を下げなくても……!」

「いえ、大袈裟ではなく貴方々が居なければルウィーは壊滅していたかもしれません。この国の教祖としてしっかりとお礼を言わせて頂きます。」

「あ、相変わらず几帳面だね……」

「……最早几帳面て言うレベルじゃない気がしますですぅ……」

 

さてと……とミナさん立ち上がり膝を叩いてホコリと払うと小さく微笑みを作って私達の顔を見つめてくる。

 

「皆さんはこれからリーンボックスへと向かうと伺っていますが……?」

「はい!」

「そうですか……リーンボックスの教祖様にもよろしくお伝えください。道中、ご武運をお祈りいたします。」

「thanks!!」

 

こうして、私達はルウィーを後にした……

 

 

 

ネプギア一行がルウィーを去った数時間後……

 

 

 

「ねぇねぇロムちゃん!この後なにしよっかー?」

「………………(じー)」

 

嬉しそうにラムが声をかけるが聞こえていないのかロムはずっと小さな自分の鞄を見つめていた。

 

「ロムちゃんてばー!」

「……ふぇ……!?(びくっ)」

 

ラムの声にビックリしたのか小さく肩を揺らしたロムの瞳には涙が浮かんでいた。

 

「ふぇ……ぐしゅ……(ぐしぐし)」

「あ、ご、ごめんねロムちゃん!」

 

「ふぇ~…………お姉ちゃん…………!(ぐしぐし)」

 

ロムの口から出た単語にラムはその動きを止める。

三年間、二人が会うことのなかった最も大好きな存在。

その単語を耳にしたラムの瞳からもポロポロと涙を零し始めていた。

次第に二人は声を上げて泣き始めていた。

その日、ルウィーでは毎日降っている雪に変わって珍しく雨が降ったのだった。

本降り状態が続く中、国内の真ん中にある建物のてっぺんでは二人の児女が泣き続けていたそうだ。

 

―――まるでその姿は……大都市で幾重もの人の波の中、母親とはぐれた幼子が泣きながら母親を探している姿のようにも見えた…………

 

 

 

 

 

 

 

―――そして、片方の少女がその身にぶら下げていた小さな鞄の隙間から小さく輝く何かが見えていることに気づく者はいなかった………………――――

 

 

 

 

 

――辛い思いをしているのは自分だけではない。

 

ネプギアはそれをルウィーで改めて実感したのかもしれない。

 

ルウィーで出会った仲間の思いを秘めてネプギアは最後の土地、『リーンボックス』へと向かおうとしている。

 

だが、ネプギアはリーンボックスで思いもよらぬ展開が待ち受けていることに気づくことはなかった……

 

また……プラネテューヌでも戦ったあのハリネズミ……

 

奴の謎は深まるばかりである……

 

そして、ソニックの最終目標であるカオスエメラルドの捜索……

 

彼が帰れる日はいつになるのだろうか……?

 

 

 

 

 

次回、『リーンボックス編』。

 

ルウィーまでは原作寄りでストーリー進めましたがリーンボックス編からオリジナル要素を多めにしたストーリーが展開する予定です。

 

そして、ソニックシリーズからはお馴染みの彼が登場します。

 

乞うご期待ッ!

 


 
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