No.514954

SAO~黒を冠する戦士たち~ 第百五十二技 身内会議

本郷 刃さん

第百五十二話です。
今回はキリトの仲間達による会議の風景です。

どうぞ・・・。

2012-12-04 09:45:08 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:11014   閲覧ユーザー数:10251

 

 

 

 

 

 

 

 

第百五十二技 身内会議

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトSide

 

対策会議が終わり、俺とアスナとシャイン、クラインとエギルはシンカーとユリエールさんと一緒に、

みんなが待つ1層の教会へと向かった。

 

そのあと、いつものメンバーで『隠の家』に移動し、そこで今回の対策会議での内容を話した。

 

「………とまぁ、こんな感じだ」

 

俺の話しを聞いた皆の表情は真剣そのものだ。

 

「でも、なんでまた、あいつらは出てきたんだろう…」

 

「だよな。俺はてっきり、クリアまで隠れてると思ったんだけどな~」

 

「討伐戦であんだけ被害が出たのにな…」

 

ヤマト、テツ、ロックが言うことは尤もだ。

 

「……だが、ついこの間起きた脱獄事件もラフコフの仕業だった」

 

「もしかしたらあれはザザを解放させる為だったのかもしれないっすね…」

 

「加えて、混乱を招くことも視野に入れていたのでしょう」

 

ハジメ、ルナリオ、ティアさんの意見も的を得ている。

 

シリカはあの時のことを思い出したのか、苦悶の表情を浮かべている。

 

俺の考えとしてはやはり…。

 

「報復よりも、奴等自身が楽しみたいんだろうな…」

 

「楽しみたいって、そんなこと!」

 

「でも、そういう奴等なのよね…」

 

サチは憤慨、リズはどこか納得した様子だ。

 

「あいつらの考えなんてどうでもいいだろ? ていうか分かりたくもない」

 

「同感ね」

 

シャインの言葉にカノンさんが答え、俺も含めて全員が一斉に同意するように頷いた。

 

たしかにあんな奴等の考えなんぞ分かりたくないな…。

 

「とにかくよ、俺達もなんか対策決めた方がいいんじゃねぇのか?」

 

「そうだな。ほぼ全員が攻略組とはいえ、なにかしら考えておいたほうがいいだろう」

 

クラインとエギルの言う通りそれなりに考えておいた方がいいな。それならばと、一つ頭で考えてみんなに提案する。

 

「ギルド『月夜の黒猫団』にカノンさん、ギルド『風林火山』にルナリオ、エギルのガードにハジメをつけようと思う。

 当然ながらアスナには俺、シリカにはヴァル、リズベットにはハクヤが行動を共にする形になる」

 

いつもなら後半を話した時点で誰かがなにかしら空気が緩くなるような言葉を発するが、

今は俺がそれを許さないように、真剣に喋っている。

 

その為、みんなもそれを察してくれているようだ。

 

「それと……シャイン、ティアさん…」

 

「分かってるって」

 

「お任せください」

 

二人は俺の言葉を聞かなくても察してくれている。黒衣衆のみんなも察しているみたいだ。

 

「キリト、二人には何を頼むんだい?」

 

「二人には俺と共に、殺人(レッド)ギルド『笑う棺桶(ラフィン・コフィン)』の

 トップであるPoHとジョニー・ブラック、並びに残党に関する情報収集をしてもらう。

 場合によっては、『黒鉄宮』に捕まっている奴らとの接触も計るつもりだ」

 

「「「「「!!!!!」」」」」

 

訊ねてきたケイタに答えた俺の言葉を聞いて、黒衣衆を除くメンツが絶句した。

 

当たり前だろうな。俺も頼むのは気が引けるのだから。

 

加えて捕まっている奴らに素顔を晒すのだから、リアルに戻った時に何を仕掛けてくるか分かったものじゃない。

 

「そ、そんなのダメだよ、キリトくん!」

 

「そうですよ、危険すぎます!」

 

アスナとシリカに思いっきり止められた。

 

「いや、元々情報収集はティアさんが主でシャインがその護衛、俺が囮役を行っているんだが…」

 

「囮役って、お前…」

 

「マジかよ…」

 

なおこれは狩人としてもだが、普段の黒衣衆としても同じ役割である。

 

だからこそ、隠れ蓑には丁度良い…エギルとクラインは呆れているが…。

 

「とにかく、ダメったらダメ!」

 

「悪いけど、いくらアスナが言ってもこればかりは譲れないな」

 

「ダメ! 絶対にダメ!」

 

「なら、二人に任せておけ、と?

 リーダーである俺が安全な場所で待っていて、仲間二人に危険なところに行って来い、と言えばいいのか?」

 

「う、……で、でも、他の攻略組の人に任せても…」

 

否定し続けるアスナに俺は畳み掛けるように話す。

 

「他の攻略プレイヤーのレベルは、ほとんどが安全マージンを取ったレベル87が限界に近い。高くても90ほどだ。

 それに対して俺のレベル、みんなに知られてもらってもいいから言ってくれ」

 

「……118、です」

 

「「「「「はいっ!?」」」」」

 

さらにみなさん絶句、これまた当然の反応だな。

 

まぁ、安全マージンを40も取っていたら当たり前か。

 

「そういうわけで、他のプレイヤーよりもレベルが高い俺が囮をした方が安全ということだ。

 それに、奴らからもそれなりに目を付けられているから接触もしやすい」

 

「だ、だけど…」

 

アスナは目尻に涙を浮かべている。けれど、今回ばかりは俺も引くことはできない。

 

「アスナさん、いまは引いてくれませんか?

 私達は大丈夫ですし、キリト君とのことはお二人でゆっくり話してみてください。

 キリト君もそれでいいですね?」

 

「「はい」」

 

ティアさんの提案で俺もアスナもこの場は引くことにした。家に帰ったらゆっくり話すとしよう。

 

「他には何かあるか?……よし、とりあえず今日は解散にしよう。外に出る時はみんな注意するように」

 

俺の言葉を聞いて各自解散した。俺もアスナと共に家へと帰る。

 

彼女の非常に不機嫌な様子が窺える。家に着いたら、説得だな…。

 

キリトSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

今回はこんな感じでした。

 

次回はキリトがアスナを説得?して、その後は・・・・・・恒例の甘々タイムですw

 

それと、人によっては予想していた展開もあると思います、予想外だと思う方もいると思いますが。

 

それでは次回で・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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