No.512869

戦極甲州物語 拾陸巻

武田菱さん

戦極甲州物語の17話目です。

2012-11-27 23:19:16 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2902   閲覧ユーザー数:2581

 この時代、分家の数は多い。信濃国高遠氏もまたその1つだった。

 信濃国伊奈郡に勢力を持つ高遠氏は、東に隣接する諏訪郡を治める諏訪氏の庶流である。しかし諏訪氏と高遠氏は対立し、現在こそ高遠氏が諏訪氏の傘下に下っているものの、高遠氏は虎視眈々と諏訪氏惣領の座を狙っているというのは両氏の人間なら誰もが聞いたことのある話である。

 その遠因と言えば、高遠氏の祖に当たる諏訪貞信にあり、彼は諏訪氏総領の出であったことが、高遠氏が自らの家系こそ諏訪氏総領なのだと主張する理由だ。もちろん諏訪氏はこれを受け入れない。だが高遠氏は信濃守護の小笠原氏と同様に諏訪氏が内紛に揺れている間に着々と勢力を拡大し、伊奈郡を治めるまでになった。危惧した諏訪氏が高遠氏を何とか傘下に収めたものの、高遠氏の現当主である高遠頼継は野心も勇気もあり、諏訪氏に続けて危機感を抱かせるには充分な人物であった。

 

「……では、参ろうか」

 

 信濃国伊奈郡、高遠城。高遠氏の居城である。その正門の前でしばし門を見上げていた勘助は静かに足を踏み出した。門番の兵たちが彼を見て怪訝そうな顔を浮かべている。自らの風体が冴えないものであることは勘助自身、自覚しているが、彼は別にそれを悲観してはいない。

 

――見かけで判断するような家に命をかけて仕える気など毛頭ない。

 

 その態度が多くの士官希望先で『威圧的』『横柄』と思われて断られてきたが、勘助は気にしていなかった。元々流浪の浪人が主家となるべき士官先を値踏みするなど、何様のつもりだと思われても当然だ。外見が冴えないなら尚のこと。

 

 

 それでも武田信繁は、そんな勘助の中身を真っ先に見ていた。

 

 

 外見などに捉われず、態度の裏に隠された『試し』を、信繁は見抜いていた。

 

――『某の態度に何も思われませんで?』

――『ん? よいではないか。そも武骨の田舎者揃いの武田。それが近隣の評価であろう。そこに外見や態度が多少気になる者が現れようが、今更のこと。武田は元よりこの甲斐の人間の気質は荒くれで自己主張の強い者が多い。その中では貴殿のそれも特に珍しくはない』

 

 信繁はそう言って笑い飛ばした。むしろ外見も中身も平々凡々な自分の方が目立たなくて困っていると。

 

――『それにな、山本殿』

 

 勘助は信繁に感謝している。信玄に出会わせてくれたことも、自身が信繁ではなく信玄に忠誠を誓ってもそれを受け入れてくれることも。だから勘助にとって信繁は主ではなくとも、恩人であった。信玄とは別に、この恩義を返さねばならない相手。年齢が一回りどころか二回りに近いほど年の離れた信繁の一言が、勘助の在り方に自信を持たせていた。

 

――『貴殿の在り様はその能力に見合う者が持つ自負の表れであろう。私よりはるかに長きを生き、世を見てきた山本殿にいちいち言う必要はないことであると思うが……貴殿のそれは横柄でも尊大でもなく、『威風堂々』というものであろう』

 

 恩人の一言は勘助に大きな感激を齎した。武田が誇る軍師として威風堂々と在れるように振る舞う。だから勘助は昔よりも一層他人の視線など気にしない。この外見が気になるなら気にすればいい。馬鹿にするならすればいい。むしろそうしてくれればこちらを舐めてくれる。舐めてくれれば油断が生まれる。驕ってくれれば隙が出来る。そこを突けばよい。

 

「武田家臣、山本勘助入道道鬼。我が主君より高遠頼継殿にお言葉を預かっておる。お目通りを願いたい」

 

 槍を向けてくる門番たちに、怯むことなく勘助は言い放つのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「日が傾き始めましたな……」

「ええ……」

 

 寒くなり始めたこの時期、雪こそ降っていないとは言え、じっとしているのはさすがに身に堪える。悴んではいないものの、手を擦っていないとそうなってしまいそうだ。日が暮れればこの寒さはより強くなることだろう。信廉は兵たちに暖を取らせてやりたいのだが、まさかここで焚き火をするわけにもいかず、耐えてもらうしかなかった。

 

「信廉様はお下がりになられれば如何ですか? 私たちは鍛えておりますが……」

「いえ、そういうわけにもいきません」

 

 信廉の下には他隊からの情報は来ていない。来るとすれば作戦失敗の報だけ。それ以外の情報は完全に封鎖状態。

 今ここにいることを敵に悟られてはいけないのだ。何しろ信廉は今、一揆勢に囚われている――そういう話になっているのだから。

 けれど今この時も、信繁と信龍は敵と戦っているかもしれない。信玄はおそらく信州勢と接触していないだろうからまだ大丈夫だろうが、より寡兵で対陣している信繁と信龍はそうもいくまい。特に信繁は僅か500で城も砦もないところで北条軍3000を抑えなくてはならない。これに比べて自分はただじっと時を待っているだけなのに根を上げるわけにはいかない。

 

「私たちが失敗すればこの作戦全体に及ぼす影響は大きい……絶対に失敗はできないんです……!」

「信廉様、気負われませんよう……と言っても気負わないわけにもいかないでしょうけれど」

「ここで気を張りすぎていざというときに体が動かなくなっては元も子もありませぬ。休まれませ」

「いえ、結構です」

「やれやれ……これ、信廉様に粥を持って参れ。うんと熱いものを」

「はっ」

 

 控えていた兵が声を抑えて返事をし、身を低くしながら後方へ走り去っていく。この奥には小さな洞窟があり、その中で兵たちは代わる代わる暖を取りつつ、食事を取っていた。煙が立ち上ると敵に気づかれかねないため、火もあまり強くしないよう、そして煙が目立たないように抑える必要もあり、洞窟の中はかなり煙で充満していることだろう。不便をかけるが、今しばらくの辛抱だ。

 しばらくすると兵が戻ってきて、器が熱くて持てないほどに熱い粥が渡される。手ぬぐいを手に巻いて信廉は受け取った。兵は諸将の分も持ってきており、同じようにして受け取る。1人だけなら絶対に口にしなかった信廉を見越してのことだろうか。山県家の兵は気が利いている。

 

「あふっ……!」

 

 特に猫舌というわけではないが、さすがに熱いので冷まそうとするも何だかそれがもったいないような気がして、一思いに口に入れる。が、やはり熱すぎた。口の中ではふはふと冷ます。

 それを見て諸将達から笑いが零れた。ろくに冷ましもせずに食いついたので、断りはしながらもやはり腹が減っていたのかとでも思われたのかもしれない。信廉は顔を赤らめながらようやく平気な熱さになった粥を飲み込んだ。

 

「どうでございますかな、信廉様? 我が領内で取れた米の味は?」

「美味しいです、やっぱり」

「そうでござろう。八ヶ岳の湧水で育った米は一品じゃ。我が山県の領内で農民たちが丹精込めて作ったこの米を食さねば1日が始まりませぬ」

「山県家の方々は民衆も含めて食い意地が張っているからな」

「そちらに言われとうないのう、馬場の」

「まあまあ」

 

 山県・馬場・内藤。

 信廉はこの3人の将たちを見ていて温かい気分になった。

 信虎が斬り捨てた亡き4将の一族。それが彼らだった。だから彼ら3人は正式な当主たちではない。家を何とか守るために仮初の主として在るだけだ。本来なら主家の当主から許可を得ていない者たちが当主になることはできない。当然ながら信虎は家ごと断絶させるつもりだったので認めるわけもなかった。それでも彼らの家が何とか形を保っていられるのは、偏に信繁が水面下で働きかけていたからだ。

 工藤の家は現在、信繁と昌景たちにより甲斐から脱出させているため、ここにはいない。工藤の領地は召し上げという形になっているが、実質的には内藤の家が預かって管理していた。工藤と内藤は家ぐるみの付き合いがあり、信繁の提案と工藤・内藤両家の了解を得ての措置だった。

 だが今の彼らは一揆の首謀者たる立場。その彼らに面会するために向かった信廉が何故彼らとここ――信州勢に占拠された笹尾砦を間近に控える森の中にいるのか。

 簡単なこと。

 

 

 

 

 

 一揆は、ただの芝居だっただけだ。

 

 

 

 

 

 4家は領民たちと非常に良好な関係を保っており、また甲斐の領主たちはそれぞれに非常に強い独立意識があるため、ある意味で独特の統治体制が敷かれていた。だから4家が形式上は取りつぶしの憂き目にあっても、すぐに武田家が彼らの領地を代わりに治められるわけではない。信繁は早くから内政に関わっていたことでそのことをよく知っていた。当主であった4将こそ死んでしまったが、彼らの一族はまだ健在だ。彼らに治めさせた方がうまくいくのは明らかだった。

 

――『芝居って……どういうことですか、兄上?』

――『4家は武田の家に恨みを持っていても何らおかしくない事情がある。これを利用した」

――『……なるほど。兄上の狙いがわかりました。要するに、信州勢に彼らの領内である七里岩の北側ではなく、南側の台ヶ原口を通過させるためだったのですね』

 

 台ヶ原の北側、逸見筋を始めとした地は甲斐においては米の一大生産地。今はほぼ稲刈りも済んでいるとは言え、ここら一帯を焼き討ちにでもされたら一大事だ。事実として信州勢は分岐点そばにあるあたりを脅しのつもりか火を放っている。民衆にしても自分たちの田畑や家々に放火されてはたまったものではない。かと言って信州勢に立ち向かっても数でも武装でも勝ち目は薄い。だから信繁は4家による武田家への一揆を起こさせることで、信州勢に一揆勢とわざわざ戦う必要性を感じないように仕向けた。これから武田と戦うのに余計な被害を出すわけにはいかないだろうし、武田が一揆勢に対して兵力を分散させれば、その分信州勢としては有利な状況で戦える。それに、民衆と戦って小笠原・諏訪に対する民衆感情を悪くさせれば、武田を滅亡させた後の甲斐統治において面倒なことになる。これだけの利点とその後の負担を鑑みれば、一揆勢とぶつかる必要など信州勢にはない。

 

(元々信州勢が踏み込んできた場合は一揆を起こす手筈になっていたとは言え、兄上が一度は捕まったのに計画そのままに一揆を起こすなんて……1つ間違えたら父上によって討伐されていたのに)

 

 それなのに4家は一揆を起こした。予想通り信虎は怒り、兵を差し向けて武力で鎮圧しようとしたほど。

 信廉は虎泰たちと共に一揆勢が本拠を構えた白山神社にて4将遺族たちと面会し、そのことを問うた。

 しかしながら彼らの答えは実に簡潔なもので。

 

 

 

 

 

 信繁様に頂いた御厚情に報いるため。

 

 

 

 

 

 彼らは口を揃えてそう言ったものだ。

 計画通りに一揆を起こしただけではない。彼らは信虎と敵対して信繁を救出するつもりでさえあった。

 兄がどれだけ水面下で彼らの家が取り潰れないように奔走していたか。それだけではない。それ以前から兄は彼らの領内における度重なる災害への対策として私財さえも投資して堤の構築や技術者の育成を行っていたのだ。まだ当主でなかったから私財といっても大した額ではない。

 だが額の問題ではない、と彼らは言った。

 長くその地に根を張り、領民たちと共に守ってきた。信繁はそこまで理解していたからこそ、彼らの家と領地を存続させようとした。それは引いては武田家のためである。それでも信繁が4家のためにもと奔走した事実は変わらない。4家としても、信繁なり信玄なりが当主となった暁には、4家を名実ともに復帰させるために相応の継承者を用意してもらうこと、元の領地を保証することを条件にしている。信繁の武田家のためという打算は4家の打算で相殺される。残るのは信繁が4家のために奔走した事実。ならばこれに応える働きをするのは臣下として当然のこと。

 

(兄上。私は兄上を、誇らしく思います)

 

 忠義の士たちからここまで慕われるのが自分の兄であることが、信廉にはとても誇らしかった。同時に兄と深く繋がっている彼らが羨ましくも。そしてそんな彼らが自分についてきてくれていることが頼もしい。

 

「信州勢が中山砦へ向かってかなり経ちまする。もう敵は中山砦に達していることでございましょうな」

「姉上のこと。表向きはどっしりと構えていそうですが、内心はもどかしい気分でしょうね」

「信玄様が、でございますか?」

「ええ。何しろ兄上と信龍はすでに寡兵で北条を抑えているのです。信州勢に時間などかけていたくないでしょうから」

 

 早く行かねば早く行かねばと内心では思っているのではないか。どっしりと床几に腰掛けながらも眉のあたりがピクピクとしている信玄が容易に想像できる。諸将には想像しづらい絵面のようだが。

 

「信廉様!」

 

 そのとき、一際大きな声を出して近付いてくる兵の姿があった。山県の将が「これ、静かにせぬか!」と小声で、しかし威圧を持って彼を叱りつけた。兵は跪いて詫びたが、信廉は謝罪よりも何よりも、まず報告を求めた。情報封鎖状態の中で得られる情報はすべて自前のもの。せめてその情報はきっちりと把握しておきたい。

 

「笹尾砦の門の見張りをしていた者から、諏訪の旗を背負った早馬らしき者が出て行ったとのことです」

「――笹尾砦の様子は?」

 

 すぐに内藤の将が望遠鏡を手にして草木の間から笹尾砦を確認し始める。結果としては何か目立った動きはないようだが……強いて言うなればやや諏訪の旗がうろうろとしているというところか。

 ただの定時報告だろうか? それならばここで下手に動けば敵にこちらの動きを感づかれてしまう。それに、せっかく信繁が用意した『罠』まで無駄になりかねないのだ。悠長に議論している暇はない。その早馬らしきものが抱えている情報が何なのか。それによって形勢が変わる。

 すでに見張ってからかなりの時間が経っている。定時報告をしているとしても、これまでそんなものは見受けられなかった。もしかすると一見して信州勢の者とわからないように変装でもしていたのかもしれない。何しろここは彼らにとって敵地なのだから。だが仮にそうであったとしたら、変装さえすることなく旗さえ指したまま出てきた者は、変装などしている余裕さえないとも考えられる。

 思考すること僅か。信廉は決断した。

 

「身を隠している武川衆の者たちに通達! あの早馬に接触しなさい!」

「はっ!」

 

 信廉の命を受け、兵は今来た道を一目散に馬で引き返していく。ここは七里岩の上。下に行くには回り道をしなければならない。だがその必要はない。少数ながら精鋭と呼ばれる者たちが、七里岩のとある場所に隠れて息を潜めているのだから。あの兵がすることは1つ。先んじて定めておいた見晴らしのいい場所から旗を振るだけだ。

 

「情報によっては直ちに行動を起こします。全兵に通達を」

「承知しました」

 

 夜の帳が下りてきた。ますます寒くなる中で、信廉は白い息を吐きながら逸る気持ちを抑え続ける。

 彼らの視線は闇夜に隠れて笹尾砦を窺い続ける。獲物を前に逸る獣のように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 諏訪の兵は本国より齎された報を持って、急ぎ先を行く本隊を追いかけていた。本国より笹尾砦まで報を持ってきた者は笹尾砦で休ませ、代わりに彼が指名されたのだ。

 

「やっぱりこうなるのか……殿の慎重ぶりも当たるとさすがだと思えてくる」

 

 彼の主君、諏訪頼重は、実に慎重な性格をしている。いつも難しい顔をしていて、彼は主君が柔らかい顔を浮かべているのを見たことがない。諏訪家の内紛を経験し、今も高遠氏との水面下での張り合いを続けているためかもしれない。此度の出陣に関しても、頼重は小笠原長時の誘いに最初は渋っていた。高遠氏との事がある中で領地の諏訪郡を留守にはしたくなかったのかもしれない。だが長時が信濃守護の地位を盾に、かつて武田と同盟を組んでいたことで信濃を武田に取られかねない切欠を作ったことをネチネチと言われては兵を出さざるを得なかったようだ。

 

「小笠原め……所詮、名ばかりの守護のくせにでかい顔しやがって」

 

 小笠原氏は確かに信濃守護を務める立場であるが、その実力は低く、内紛もあってその力は他の信濃の国人衆たちとようやく並ぶかどうか。長時もそれほど有能な人物ではなく、かと言って無能でもない。言わば一国人衆としての力量はあるが、信濃一国を治める器ではないというところだろうか。だが仮初だとしても『守護』の名が持つ意味は無視できない。守護の力が名目ばかりのものとなっても、大義名分として使うには充分な効力を持っている。なにしろ守護とは中央が任ずる職。例え権勢が衰えようとも利用するにはうってつけなのだ。その小笠原が諏訪を、信濃を乱す輩を手助けした不届き者と断じて号令を発せば、信濃国の多勢力がこれに応える可能性は多分にある。別に小笠原に従うのは形だけでいい。諏訪領を手にするのは自分たちだと領地と利権を求めて大挙してくるかもしれない。

 どちらかと言えば主家に忠義を尽くそうと考える程度には恩義もある彼は、長時のことは気に入らないが今はとりあえず思考から外し、とにかく頼重にこの報を一刻でも早く伝えんがために馬を走らせ続ける。

 

「ん?」

 

 慣れない甲斐の土地。すでに太陽も山の向こう側に沈んでしまった今、光源となるのは月と星だけ。迷わないようにするだけでも大変だった。

 そんな折、暗闇の向こう、横合いから何かが飛び出して来る。少し離れているが、道いっぱいに広がる様子からして複数。背が高い。どうやら向こうも馬に乗っている。

 ……嫌な予感がした。彼は馬を止めて目を凝らしつつ、腰の刀に手を伸ばした。

 

「何者だ!」

「何者? これはまたおかしなことを言いますね~。武田の領内で何者なんて聞くまでもないですよ」

 

 どこか挑発的、そして面白そうに弾んだ声だった。高い声。女のものだろう。

 その声の持ち主と思われる騎馬兵が1人、前へ出てくる。女だと思ったのだが、その兵の背は高い。正確に言えば座高が。その座高から考えれば身長は男と遜色ないだろう。つい怯んでしまい、彼は馬を引いて下がらせた。

 

「武田の手の者だと……!? ここ一帯は完全に制圧したはずだぞ!」

「ふっふ~ん。ところがどっこいなのです。七里岩にはちょこちょこと洞窟があるんですよ? 知らなかったですか?」

 

 そこに隠れていたと言うのだろう。

 だがそれでも彼はおかしいと思った。

 諏訪や小笠原は武田に何度も侵攻されているが、逆に信州勢が甲斐を侵すこともあった。そして以前、信州勢は現在信玄が陣を構える韮崎にまで攻め入ったこととてある。その際に進撃してきたあたりの地形は完全とは言えないまでも調べているし、何より今回、武田軍は戦うことなく笹尾砦・中山砦を放棄しており、相当慌てて逃げだしたのか、砦内には周辺の地図や帳簿などが綺麗に残っていたのだ。持ち去っていた跡もあったが、すべてを持ち出すことも焼き捨てることもできなかったのだろうと長時は大笑いしていた。頼重もそれを見てようやく武田が相当に慌てていると知り、今回出陣した判断は間違っていなかったと思ったらしいとも聞いたくらいなのに。そしてその地図を基に伏兵の可能性を消すべく長時と頼重は調査させながら進んでいたはずなのだ。よしんばいたとしても、1つ1つに隠れられる兵の数など限られている。2000の兵を笹尾砦攻略のために残したとはいえ、それでも6000で進撃する信州勢に攻めかかってどうにかなるものではない。運よくその伏兵狩りを逃れたということなのだろうか。

 

 

 

 ……と、そこまで考えたところで彼は気づいた。

 

 

 

「っ!? まさか、あの地図は……!」

「お馬鹿さんですね~。信繁様と信玄様の策にまんまとはまっちゃって。ふふ~、鬼美濃と呼ばれる原様までもが尻尾巻いて逃げた芝居をしたそうですが、それが効いたんですかね」

「くっ……!」

 

 まさか武田がこんな策を用いるなどとは……!

 彼もこれまで多くの情報を早馬として伝えてきた。だが武田がここまで罠を弄したという情報を運んだことはついぞない。武田の当主が突然の代替わりをしたことは驚いたが、彼にしてみればそれ以上の驚きだった。

 これはますます情報を頼重に伝えなければならない。下手をすればもっと多くの武田兵が隠れていて、韮崎に布陣している信玄の主力と伏兵による挟撃を狙っているのかもしれない。そう考えれば信玄が韮崎に陣を張って動かないのも理解できる。ただでさえ本国では高遠氏と武田が接触したという話があるというのに……。

 

(――まさかそれすらも罠なのか?)

 

 それを確かめるべきか。幸い目の前の相手はその声色からしてどうも調子に乗っているような節がある。こちらがもう逃げられないと思っているのかもしれないのなら、隙を突くことはできる。こちらも早馬ゆえに乗っている馬は上等なものだ。少しでも早く情報を伝えるためには丈夫な馬であるに越したことはないのだから。だったら逃げおおせることは可能だ。今は夜。この暗闇も逃亡にはうってつけだ。

 ……と彼が考えたことは、情報を扱う身としては度胸のある判断と言えよう。しかし彼がそんなことを考えずに一目散に逃げることを最優先していれば、逃げおおせることが、もしかするとできたかもしれない。

 馬の蹄の音が、彼の後方から聞こえてきた。複数。

 

「っ!」

「おっと。気づかれたか」

 

 今度は若い男の声。男を筆頭に数騎の騎馬兵の影が。先頭の若い男もまた座高が高い。兜なのか知らないが、妙に縦に長い。何となく馬のようにも見えるのは気のせいだろうか。

 

(くそっ……これだけの奴らが隠れていたとは……!)

 

 前も後ろも囲まれ、左側は釜無川。その先は七里岩の断崖。もはや逃げ道は右側、山の方だけ。だがこの夜中に知りもしない山に分け入って迷ってしまえば情報を伝えるどころではない。とは言え、そこしか逃げ道が無い。

 

「逃げても無駄だ。ここら一帯は我ら武川衆教来石の庭に等しい。例え山に逃げ込もうが、暗闇でも我らは目を瞑っていても問題なく追える」

「正直に答えれば生かしてあげますよ」

「……ふん、舐めるな。俺とて諏訪の武士。生き恥は晒さん」

 

 刀を抜き放つ。月光に鈍く光る刀身が軌跡を描く。

 

 

 

 

 

「高遠が謀反を起こした?」

 

 

 

 

 

 肯定すべきか否定すべきか。黙秘を貫くべきかそれらしい嘘をつくべきか。

 情報を扱う者として拷問に対する訓練も受けている。こうした状況も想定済みだ。さて、どうしたものか……と彼が瞬時に思考を巡らせていると。クスクスと女が笑っているのが聞こえた。女と言うより、少女のような色があるが。

 

「むふふ。いいのですよいいのですよ。私たちは別に強引に聞き出そうとして来たんじゃないですからね~」

「なに?」

「高遠が謀反を起こすことなど想定済み。そういう風に仕組んだんですから。私たちはその確認をしに来ただけなのです」

「待て、どういうことだ!?」

「あなたが答えないのと同様、私も答える気はないのですよ。さ、わかったらさっさと行っちゃうのです。逃げてもいいし本隊に行ってもいいし。好きなようにするといいですよ~。どうせ武田の勝利は見えているのですし」

 

 どういう気なのかわからない。だが女武者がそう言うのに合わせ、彼女とその周囲にいる騎馬兵が左右に分かれた。前に開けた道。

 後ろから刺す気か? だが武田はそういう手を好まない。とは言え、全員がそうであるとも限らない。

 

「何だ、行かないのか? すると何だ。俺に斬られるのが好みか?」

「っ! はあっ!」

 

 後ろで刀を抜く音。さらに蹄が足早にこちらに。彼は殺気を感じ、反射的に手綱を弾いて馬を走らせる。一か八か、前へ!

 馬が走りぬける。武田の騎馬武者たちの間を。斬りつけられることも覚悟したが、そのようなことはなく、しかも追いかけてくる様子すらない。

 彼は途端に恐ろしくなった。この不気味な武田の動きが。

 彼はその恐怖を押し隠して、ただただ無心で馬を走らせる。走り抜ける際に見えた、何やら変な被り物を被った女武者――少女の笑みが、やけに脳裏に残っている。その影から逃げるように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「姉上もなかなかに趣味が悪い」

 

 諏訪兵が駆け去っていく姿を見ていると、背後から声が掛けられる。先ほど殺気を込めて諏訪兵を脅したとは思えないほど軽々しいからかい口調。月が少し移動したか、僅かに月光が漏れ入ってその声の主の顔を映す。やはり年若い。皺の1つもない張りのある顔。そして少女――教来石景政が被るものと同じ馬の被り物。

 ちなみに背後にいる兵たちはいずれも被り物は普通の兜である。これを被ればいいのにと言っているのだが、弟以外、誰も被ろうとしない。これの良さを理解できないとは、と景政としてはつくづく残念で仕方ない。いっそ嘆かわしい。

 

「失礼ですね。これのどこが趣味が悪いと――」

「そうではない、姉上。この俺が! 馬を! 小馬鹿にするわけがないだろう!」

「それもそですね! 疑った私を許してください、信頼!」

「はっはっは! これくらいで怒るほど俺は狭量ではないぞ、姉上!」

 

 唯一良さが分かっているのはこの弟、信頼だけ。まったくを以って世知辛い世の中である。幼い頃から教育してきた甲斐があるというものだ。

 ……お互いの背後で「趣味の悪さでこの姉弟にだけは呆れられたくないな」と思われているなど、2人の頭にはない。

 

「さて姉上、ふざけるのはここまでとして。本当に高遠が動くかな? けだし、山本とかいう者が使者として向かったとは聞いているが……」

 

 不安なわけではないのだろう。元々期待していないという口調だった。そもそもにしてこんな回りくどい手を使うのは武田らしくないとでも思っているのかもしれない。正直に言えばそういう気持ちが景政にもないわけではない。仮にも精鋭として知られる武川衆教来石家の者として、早く戦で功を立てたいと思う。おそらくそれは信頼も他の武川衆、そして小尾衆の面々も同じことだろう。甲斐に在って武田に臣従する在地の武士団は他にもいくつかある。武川衆にとって彼らは戦友であると同時に好敵手同士なのだ。どの武士団が武田の中で最も精強か、最も功を立てられるか。

 

 

 だが今の景政にはそれ以上に興味のあるものがある。

 

 

「難しいことはわかりませんよ。ま、高遠が動く可能性はそんなに高くないと私は思いますけどね」

「おいおい、教来石の姉ちゃん。高遠が動くと慎重な諏訪はとっとと引き上げるって寸法なんだろ?」

「おうよ。だからこそ逃がしてやったんじゃねえの?」

「さあ。何かお考えがあるんじゃないですか?」

「ちょっとお~、大丈夫なの、景政ちゃん?」

 

 一族の兵たちが口々にわめき立てる。これでもいざそのときとなれば景政の統制はしっかりと届くから、景政も信頼も特に咎めはしなかった。景政はとりあえず彼らを宥め、結果をすみやかに信玄と信廉へと伝えるべく、信頼を信廉の下へ向かわせ、景政自身は信玄の下へと馬を走らせる。一番の近道は突っ切ることだが、馬鹿正直に行ったら小笠原・諏訪連合軍にぶつかってしまうので、少々回り道となるが山から回り込んで向かう。だが問題はない。馬をこの上なく愛する景政がその中でも愛馬とする馬である。この馬は大陸で有名な彼の髭将軍が乗っていたという赤兎馬には敵わずとも、この身を韮崎まで運ぶのに多少の回り道など何のことはない。景政がその立派な鬣を撫でると、愛馬はくすぐったそうに首を揺らして景政を振り返ってきた。

 

「わかってませんねえ、みんな。まあ、私もまだわかっているとは言えませんけど」

 

 景政はずっと我慢していた――信頼たちや諏訪兵にしてみれば緩みっぱなしに見えたろうが――笑みを浮かべながら走る。配下は後ろを走っているので見えないだろうし、呟きも森を疾走する勢いで吹き抜ける風と蹄の音で聞こえまい。

 

(諏訪頼重は慎重に慎重と聞きますからね。諏訪を留守にする間に高遠が……なんて当然考えているはずです。武田やそれ以外に内通したり呼応したり、その程度の可能性には対策していて然るべきと考えるのが適当なのです)

 

 仮にも武田信虎という戦好きと領地を接しておきながらこれまで諏訪の地を守り抜いてきた男。無能とはとても言い難い。信濃守護の地位を笠に着ている長時はともかく、頼重は甘く見るべきではない。

 ただ諏訪頼重は、一度は盟約を反故にした男でもある。諏訪の家は古来より代々諏訪大明神の総本山とも言える諏訪大社を守る家でもあり、歴史もある。その家を守るためならば、という傾向が強い。

 対して高遠頼継はそんな諏訪氏の惣領を志向している。そのためなら使えるものは使ってくるだろう。狡猾な男だ。

 

(その高遠が動いたとあっては、例えどんなに綿密に策を張り巡らせていたとしても心中穏やかではいられないでしょうね~)

 

 まず間違いなく、武田征伐・甲斐侵攻とは言っていられまい。そもそもが小笠原長時によって強引に連れ出された身。諏訪の地に危機迫るとあって悠長に侵攻を続けられはしないだろう。懸念としては、撤退ではなく早期に躑躅ヶ崎館にまで侵攻して武田を早期に叩き潰してから諏訪の地へ取って返すという可能性があること。となればもう一手必要かと景政は思うのだが……。

 またそれ以上に問題なのが、今の武田の誘いに高遠が乗る可能性は残念ながら低いと言わざるを得ないということ。

 

(信虎様であったらわかりませんけど……)

 

 こんな状況でも信虎なら、と思えたかもしれない。信虎の過激さと甲州兵の強さを鑑みればもしやということもある。しかし今回は信繁である。信繁はこれまで大した功績はなく、信玄にしても多少はあるにしても出家してからは当主の座からその身を引かせていた。他から見れば大した能力のない新当主とその妹……低く見られても仕方がない。

 加えて兵力差で大きな開きがあるこの状況で、なお頼継が武田と手を組んで利があると考える可能性はやはり低いと言わざるを得ないだろう。

 

 

 

 何かしら、可能性があると思わせるでもなければ。

 

 

 

――『信玄。一揆勢のこと、そして笹尾砦に打っておいた布石は先に話した通りだ。だが時間がなくてな。これを使っての策も当然考えてはあったが、北条にまで同時侵攻を受けた状況を想定していたものではない。ゆえ、私の策を使っても不利な状況だが……』

――『ふふ、ご心配には及びません。一から十まで兄上の助けを受けていては、この信玄が真に次代の当主に相応しいのかという話になります。もう充分です。後は私に考えがありますので。信廉もいます。そうでしょう、信廉?』

――『姉上の仰る通りです。私たちの心配は無用です。兄上こそお気をつけて。兵力こそ信州勢ほどではないとは言え、相手は北条綱成……信龍も大変ですが、兄上は城も砦もない場所で彼が率いる軍を迎え撃とうというんですから』

 

 景政には軍議への参加権限はない。だからどういう作戦が立てられたのか、その全貌はわからない。

 だがこの状況で、信繁は勝つ気でいた。

 そして信玄と信廉も、まるでこの後のことを憂いている様子はない。自分たちより信繁の心配ばかりしていたくらいだ。ある意味で余裕とさえ言えよう。

 

――『教来石景政と言いましたね。貴女にはやってもらいたいことがあります』

 

 その理由が、この不可思議な任務にあったというのだろうか。

 

――『七里岩の洞窟に身を隠し、通り過ぎる諏訪の伝令と接触するのです。ただし誰でもいいのではありません。そこは信廉の指示に従いなさい』

――『お任せですよ! ふん捕まえて洗いざらい吐かせてやるです!』

――『誰が捕まえよと言いましたか』

――『へ?』

――『私はあくまで『接触せよ』と言ったのです。いいですか、貴女がすることは――』

 

 そうして命じられた通りに先ほど振る舞った。

 高遠が動いている確率は低いだろうし、仮にそうだとしても何の情報も来ていない。現状、何もあの諏訪兵からは聞き出しておらず、むしろこちらから情報を提供してやったようなものだ。

 

「…………なるほど。それが狙いですか」

 

 嘘と言えば嘘。しかし決してすべてが嘘と言うわけでもない。少なくとも山本という武田の使者が高遠と接触しているのは事実なのだ。

 高遠頼継を狡猾と称されるが、この策もなかなかに狡猾だ。聞く者によっては卑怯・法螺吹きと言った風評は免れまい。だが景政はそうは思わない。

 

「武略のための虚言は正当な戦術ですからね。平時につく嘘とは区別すべきなのですよ」

 

 嘘も方便と言うではないか。そう景政は考えている。味方を生かし、活かすための嘘。これを批判する方がおかしい。

 何という兄妹だろうか。これが齢20になるかどうかという者たちが考える策とは恐れ入る。末恐ろしいとはこのことよ。

 そして自分はそんな重要な策の一部を任された。これで燃えないわけがない。

 

「しかし原様はともかく、私にまで芝居を求めるなんて……いや~、御館様も信玄様も難しいことを言うのです。ま、私の手にかかればお茶の子さいさいですけどね~」

 

 舞い上がっている。

 景政も自分がどのような状態なのかは自覚していた。だが止めようと思わない。いや、正確にいえば止められないのだ。止められないなら止めたところで無駄。だから止めない。

 

「さあさあ、飛ばすですよ!」

 

 部下たちにも聞こえるように、そして自身を叱咤激励することで鼓舞する。景政は馬上で立ち上がって前屈みになり、手綱を振るった。愛馬がより一層加速する。視界の脇を流れる木々がまるで景政たちを避けているようにさえ見える。そう、誰にも止められはしない。邪魔する者は蹴散らすのみ。

 精鋭たちが、甲斐の地を走り抜けていく。その様、まさに、風の如く――。

 

 

 

 

 

――続く――

 

 

 

 

 

【後書き】

 ほんっと筆が進みます。いつも書いてるとだれるのに、しばらく書かないと書きたくてたまらなくなり、そういう時に書くと進む進む……もうちょっとバランスよくできないもんかなあ……。

 

 ここまで拙作をご覧頂いた皆様、ありがとうございます。

 今回は前回の信繁と綱成の戦いの続きにしようかとも思いましたが、全ての戦線が同時進行していることを示すには視点を変える方がいいかと思い、再び対信州勢サイドへ。まだ信廉視点で描いていないというのもありましたので。

 一揆がただのブラフでしかなかったというのは、何だそりゃと思われたことかと思います。おそらく、肯定的に受け止めてくださった方も、否定的に受け止めてくださった方もいるかと。

 農民を兵として扱うのは戦国時代では別に珍しくありませんが、農民を悉く駆り出すのは本当に切羽詰ったようなときです。それも強引という形が多いですね。現状で強引に駆り出したら武田に対する民衆感情はさらに悪くなりますが、そこは信繁、きちんと民衆が自ら立ち上がるという形を整えています。単に民衆に人気があって彼らが立ち上がってくれたというわけではなく、上手く4家を使っているあたり、信繁も狡猾と言えば狡猾です。この民衆を利用したあたりは、韮崎合戦で甘利虎泰が民衆を武装させ、まるで大軍が押し寄せてきたように見せかけて信州勢を怯ませたという話を基にしています。

 民衆を利用している辺りは褒められたものではないかもしれませんが、民衆が汗水たらして切り開き、生活の基盤としている家や地を信州勢に荒らされてたまるものかという気持ちがあるのも事実です。悪になろうとしてなりきれないあたりは、私自身が信繁公が好きなためにどうしても美化したくなっているというところでしょうかね。

 

 信繁と信玄の策。

 笹尾砦を放棄しても、ただでは敵に渡さない。諸葛亮公明の『空城の計』という作戦がありますが、それを応用したようなものです。信玄が少し前の話で原虎胤たちに逃げ回る芝居をさせたのも、笹尾砦に残したままの地図や計帳簿などを本物と信じさせるためのものだったというシナリオです。

 景政の回想からわかるかと思いますが、信繁が行ったのは上記の通り、偽の地図などを残したこと、勘助や昌景をとある場所へ向かわせたこと、そして一揆という芝居をさせたことです。これらを以って本来なら信繁が全軍を率いて信州勢と当たる予定だったのが、北条まで来たためにそうもいかなくなったという状態ですね。そこで信玄が信繁の策をさらに強固にするために景政(信春)を派遣した、というところです。

 この策の全貌やその結果がどうなるかは以降で。

 

 お気づきかと思いますが……景政(信春)は女性です。つまり戦極姫3の信春です。なんですが……それまでの男の信春も捨て難い!(笑)

 ということで、景政には弟がいたそうなので、男の信春はその弟という形で登場させることになりました。少し調べたところ、弟は信頼という名だそうで。『信春』と『信頼』なら『信』繋がりなんですが、『景政』と『信頼』では繋がりがないので、信頼にも旧名があるのかもしれません。御存知の方がいらっしゃいましたら、お教え頂けるとありがたく思います。

 

 最後にコメントへの返事を。コメント、ありがとうございます!

 >夜の荒鷲様

  大将同士の一騎打ちはどうしても実現させたかったんですよね。鎌倉時代じゃないんだから、という意見もあるとは思いますが。せっかくの猛将ですし、拙作では『好敵手』に位置付ける2人ですから。

 

 >通りすがりのジーザスルージュ様

  予想通りでしたか。そりゃそうですよね。(笑)

  ありがたいお言葉……舞い上がらずに励みにして精進していきます!

 

 それでは今回はこれにて失礼いたします。

 


 
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