No.511026

真・恋姫†無双~不信の御遣い~ 第十四話

BLADEさん

第十四話です。

2012-11-22 15:22:21 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2657   閲覧ユーザー数:2406

嬉しかった。

 

恋のことを。

 

痛みを。

 

気持ちを。

 

分かってくれた。

 

何故だろう。

 

すごく。

 

ドキドキする。

 

 

 

「君は、違うんだから」

 

……本当?

「それを吹き飛ばせるような。

 

『力』があるんだから。

 

なにより。

 

 

 

君には、君のことを心配して、信頼してくれる人がいるんだから」

 

……信じて、いいの?

 

そう思った瞬間。

 

でも、と。

 

言葉がついて出た。

 

「……でも恋は、恋は……」

 

ダメ、こんなこといったら……。

 

「……それでも、『人』が、自分の『力』が、怖い……!!!」

 

ダメ、また嫌われてしまう……。

 

イヤ。

 

もう、嫌われたくない……。

 

でも。

 

「大丈夫さ」

 

そう言って、全く変わらない表情をこちらに向け、少年は言った。

 

 

「大丈夫さ」

 

アホ毛のお嬢ちゃんは、ハッとして僕を見る。

 

お嬢ちゃんは、一瞬嬉しそうな顔をしたけれど、すぐに顔を悲しそうな顔に戻した。

 

それを確認し、僕はお嬢ちゃんに言う。

 

 

 

「どんなに。

 

自分が辛い目にあっても。

 

人の幸せを願い。

 

人の不幸を悲しむことのできる君を。

 

嫌う人間なんていない」

 

 

 

それにね。

 

と、続ける。

 

ああ。

 

彼女は僕と。

 

似ているんだ。

 

だから。

 

こんなに。

 

似合わない事を、言っているんだなと。

 

ボンヤリ。

 

思った。

 

 

 

「『孤独』を知らない人間というのは魅力がない、って僕は思うから」

 

 

 

お嬢ちゃんは、何を言われたのか、わからないという顔をしている。

 

言葉を続ける。

 

 

 

「だから君は。

 

とても魅力的な女の子だと、僕は思うよ。

 

ね?

 

可愛らしいお嬢さん?」

 

 

 

そう言った瞬間。

 

何故か彼女は。

 

ぽっと。

 

頬を染めた。

 

はて?

 

僕はなにか。

 

おかしなことを、言ったのだろうか。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
7
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択