No.510805

俺と青春と召喚獣 第2問

本郷 刃さん

第2問です。
今回はクラス分けとFクラスにいくところになりますよ。

どうぞ・・・。

2012-11-21 22:07:23 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:9703   閲覧ユーザー数:8913

 

問題

『調理の為に火にかける鍋を制作する際、重量が軽いのでマグネシウムを材料に選んだのだが、調理を始めると問題が発生した。

 このときの問題とマグネシウムの代わりに用いるべき合金の例を1つあげなさい』

 

姫路瑞希の答え

問題点…マグネシウムは炎にかけると、激しく酸素と反応するため危険であるという点

合金の例…ジュラルミン

教師のコメント

正解です。合金なので『鉄』では駄目という引っ掛け問題なのですが引っかかりませんでしたね。

 

須川亮の答え

問題点…ガス代を払っていなかった事

教師のコメント

そこは問題じゃありません。

 

吉井明久の答え

問題点…マグネシウムは炎にかけると、激しく酸素と反応するため危険であるという点

合金の例…ステンレス鋼

追筆…そもそも鍋の材料にマグネシウムは使わねぇよ

教師のコメント

正解です。ですが問題点そのものへの指摘はやめてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第2問 俺とクラス分けとFクラス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明久Side

 

振り分け試験が終わり、春休みに入り、その春休みも終わり、新学期初日の朝。

 

「俺達も2年か…」

 

「試召戦争が楽しみだぜ」

 

「ボク眠いんだけど…」

 

「というか、早く行かなくていいのかなぁ?」

 

「そんなもの今更だろ?」

 

俺の呟きに威弦は楽しみを抑えきれ無さそうに言い、クロは眠そうに言った。

桐弥だけが真面目に言っているが俺はそれにツッコム。

現在、俺達は登校中なのだが思いっきり遅刻している。

俺と桐弥は剣の修行に熱中しすぎてしまい、威弦は早朝のアルバイトが長引き、クロは定番の寝過ごしだ。

少しの間、雑談をしながら歩いていると校門前に着いた。そこには見慣れた教師の姿があった。

 

「遅いぞ、お前達!」

 

それは生活指導と補習授業の担当をしている西村先生だった。

 

「おはようございます。あと遅れてすみません、西村先生」

 

「おはようございます、西村先生」

 

「おはようさんっす、鉄人」

 

「西村先生、寝たいんで帰ってもいいですか?」

 

「おはよう、織本。それと吉井、まずは遅れた事に対して言う事があるだろう。

 それから四津、教師をあだ名で呼ぶな。最後にヴァレル、今来たばかりで帰ろうするな」

 

おお、的確な返答とはさすが西村先生だ。

ちなみに西村先生は俺が尊敬し、信頼している教師の一人だ。

俺が尊敬と信頼をする教師には名字に先生を付けて呼び、それ以外には担当科目に教諭を付けて呼んでいる。

 

「まぁいい、これを渡そう。お前達のクラスが書いてある」

 

俺達は自分達のクラスが書かれている紙が入った封筒を受け取った。

だが俺達は誰一人として、その封筒を開かない。

 

「面倒くさい方法ですよね、これ?」

 

「そう言うな。決まりだから仕方あるまい」

 

封筒を開かない俺達を見てから、西村先生は口を開いた。

 

「吉井、他の生徒の為とはいえ、試験を途中で放棄したのは一生徒としては軽率な行動だ。

 それに四津と織本、教師に対して暴力と脅しをかけるとは何事だ。

 最後にヴァレル、自分の答案用紙を破くとは一体何を考えているんだ」

 

西村先生の言葉は至極当然なことだ。けれど、俺達にとってはそんなこと(・・・・・)はどうでもいい事なのだ。

 

「自分のやりたいようにやっただけなんで、別に後悔とかはないですよ」

 

「俺はダチをバカにされて、黙ってられなかったんすよ」

 

「僕も威弦君と同じです。それに、あの教師は問題がありそうでしたから」

 

「ボクはみんなと一緒の方が面白そうだったからです」

 

「まったく、お前達は」

 

俺達の返答に西村先生は苦笑を浮かべながらも少しだけ嬉しそうにしている。

 

「お前達がとった行動は生徒としては問題がある。

 だが、俺という一個人の人間はやり方はともかくお前達の行動は誇らしくも思うぞ」

 

「「「「ありがとうございます!」」」」

 

西村先生はこんな俺達でも真っ向から向きあってくれる先生だ。だからこそ、尊敬と信頼を持つことができる。

 

「そういえば伝え忘れていたことがあったな。

 織本、お前が提出した証拠によってあの教師の本学園からの免職と一年間の教員資格剥奪が決定した」

 

「随分と厳しい処分内容ですね」

 

「俺が殴った分を差し引いても、かなりのものっすよね?」

 

「確かにそうだね~」

 

西村先生の言葉に桐弥と威弦とクロは疑問に思ったのか、それぞれ口にした。

 

「実は匿名希望の一般生徒からあの教師の汚職問題が報告されたんだ……」

 

西村先生は困ったような表情を俺に向けている。

それに気付いた三人が今度は俺を見た。俺は口の端を少しだけ吊り上げる。

 

「まぁ、そういうことだ…」

 

「明久、お前…」

 

「そ、そういうことなんだ…」

 

「あ、あはは、さすがのボクも同情しそうだよ…」

 

「なんのことかな~」

 

西村先生の言葉に、威弦はジト目で俺を見て、桐弥とクロは引き攣った表情をして言い、俺はとぼけた態度を取った。

十中八九、匿名希望の一般生徒とは俺だ。

学園長の依頼で、あの教師について調査していたわけである。そしたらたくさん出て来る汚いもの。

生徒への暴言はもちろん、脅迫紛いの発言。

どれも成績が下位クラスの生徒に対して行われていた。それを報告しただけだ。

 

「ところで封筒は開けないのか?」

 

「開ける必要ありませんよ。決定事項ですし」

 

西村先生が聞いてきたが俺は必要なしと答え、三人も頷く。

 

「はぁ、分かった。そろそろ教室にいってこい」

 

「「「「はい」」」」

 

俺達は西村先生に見送られながら校舎へと入った。

下駄箱につき、近くにあったゴミ箱に封筒を破いてから捨てた。封筒に書かれていたのは……、

 

『吉井 明久 Fクラス』 『織本 桐弥 Fクラス』

『四津 威弦 Fクラス』 『クロード・ヴァレル Fクラス』

 

この文字だ。

 

 

 

 

 

 

「ここは教室なのか?」

 

「いや、ホテルだろ?」

 

「………」

 

「お金が掛かっているね…」

 

俺達はFクラスの教室に向かっていた。その途中でAクラスの教室前を通ったんだが……Aクラスの設備に驚いた。

俺の疑問に威弦が答え、クロは沈黙、桐弥は呆れた様子だ。

威弦が言ったようにまるでホテルにあるような設備だ。

 

「んで、クロ。どうしたんだ?」

 

俺は先程から黙っているクロに聞いてみた。

 

「ソファが気持ち良さそうだなぁって思ったんだよ」

 

「結局寝ることかよ……ま、どうせどこでだって寝るだろ?」

 

「まぁね~」

 

クロは寝るのが好きだからな~。そこでAクラスの教室に目をやってみると、黒髪の美少女がいた。

あいつ(・・・)の幼馴染の霧島翔子だったか…。

確か、表向き(・・・)の学年主席だったはずだ。って、今はそんなことどうでもいいか。

 

「とにかく行こうぜ~」

 

「そうだね、大分遅れたみたいだし」

 

「だから今更だって」

 

威弦が言ったことに桐弥が真面目に答え、俺は改めて今更だと言った。俺達はFクラスの教室へと向かった。

 

 

 

「よし、学園長を殺そう」

 

「まぁ待て、まずは拷問にかけてからだな…」

 

「違うよ。先に裁判所に告訴しなくちゃ」

 

「現実逃避はやめようよ。それにどれも物騒だからね」

 

俺の言葉に威弦とクロが賛同にも似た言葉で返し、桐弥が突っ込んだ。

俺達が荒れている理由は簡単だ。Fクラスの教室と思われる廃屋に来たからだ。

Eクラスまでは普通の教室だったはず。なのになんだ、これは。壁が腐ってやがるし、キノコまで生えてやがる。

 

「とりあえず入ってみようよ」

 

「そうするか…」

 

―――ガラガラガラッ

 

桐弥に言われたので微妙に開き難い扉を開けて中へと入る。

すると教卓に見知った男子生徒が座っていた。

長身に赤髪、獣を彷彿させる雰囲気、坂本雄二だ。

 

「来たな、王様…」

 

「んな綺麗なもんじゃねぇよ、俺は」

 

教室に入った俺を確認して皮肉めいたように言った雄二に俺もまた皮肉気に答えた。

 

「それもそうだな、って、桐弥に威弦、クロード!? なんでお前らまで!?」

 

「そういえば知らなかったんだな。こいつら、俺が途中退席したのに便乗したんだと」

 

「ははぁ、なるほどな。だが、これはこれでいいカードになる」

 

驚く雄二に俺は理由を教えた。ちなみに雄二が言ったカードとは十中八九、あの事(・・・)についてだろうな。

 

「全力でやらせてもらうからね、雄二君」

 

「えっと、こういう時は……大船に乗ったつもりでいろ、であってるよな?」

 

「ん、正解だよ。まぁ、そういうことだからよろしくね~」

 

「それと今回の(キング)はお前だ。俺は将軍だよ」

 

「頼りにしかならね~っての、お前らは…」

 

桐弥、威弦、クロが順に言い、俺もそれに続いて言い放った。

少し呆れ気味に言った雄二だが嬉しそうだったとだけ言っておこう。

 

明久Side Out

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回『俺とFクラスと自己紹介』

 

 

 

前回の予習問題・古典

『冒頭が「春はあけぼの…」で始まる随筆と、その作者を答えなさい』

答…『随筆・枕草子』、『作者・清少納言』

 

 

 

予習問題・日本史

『戦国時代に『風林火山』の戦略を主に掲げていた戦国大名の名を答えなさい』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

さて、第2問でした。

 

雄二が良い奴、というよりかは本作の明久はこういう奴ですからw

 

予習問題の解答権は最初に答えた人ですので。

 

それでは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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