No.509676

恋姫†無双~私だけを見てください~ 第3話

マットさん

これから小説の投稿を頑張りたいと思います。

出来れば毎週土日に……

2012-11-18 15:58:33 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:2861   閲覧ユーザー数:2547

 

「……んっ……ん~…」

 

 

窓から差し込んできたお日様の光が顔に当たって、私は目を覚ましました。

 

 

そ、そう言えば昨日は一刀様と一緒に眠っちゃったんでした///……緊張の為に、あんまりよく眠れませんでした……

 

 

私は横で眠っているはずの一刀様を起こそうとしていたら……

 

 

「あっ……おはよう、零里……」

 

 

一刀様は先に起きていました。……それも目の下に隈を作って……って!?

 

 

「ど、どどどどうしたんですか、一刀様!?……め、目の下に、く、くく隈が出来てますよ!?」

 

 

私は慌てた様子で一刀様にどうしたのかを聞きました。……だって、一刀様に何かあったら私……もう生きていく事が出来ませんもん!!

 

 

「お、落ち着いてよ、零里。……俺、ただ昨日は眠れなかっただけなんだから……」

 

 

「……えっ?どうして眠れなかったんですか?」

 

 

どうやら一刀様は、昨日眠れなかったみたいなので、私はその理由を聞き出しました。

 

 

「いや、俺……女の子と同じ布団で寝ることなんて、今まで経験したことが無かったから……緊張しちゃってさ……」

 

 

この一刀様は、女の人との交流は全く無かったんですね……天の国では、男女に対する差別などがあるのでしょうか?

 

 

「一刀様は、今まで女の人と付き合ったことが全く無いのですか?」

 

 

私がそう聞いたら一刀様は……

 

 

「別にそこまでじゃないよ。……ただ『女の子とこうして同じ布団に入って寝ることが初めてだった』ってだけだよ。」

 

 

と、そう仰ってきました。……私は更に質問をしてみます。

 

 

「じゃあ、一刀様の世界では……男女の間で差別が起こっているですか?好きな人同士が一緒に居られなかったんですか!?」

 

 

「へっ!?す、好きな人って!!?」

 

 

「……あっ///」

 

 

私は勢いの余りに漏らした言葉を、一刀様に聞かれてしまって私は思わず顔を真っ赤にしました。

 

 

「///ご、ごごごごごごめんなさい!!い、いいいい今のは……そ、その……」

 

 

私が慌てふためくと一刀は……

 

 

「い、いや///その、あの……あっ!?昔は確かに差別もあったみたいだけど、俺の世代じゃそう言うのは無くなったよ。」

 

 

と、慌てながらも天の国には、差別が無い事を教えていただきました。

 

 

「そ、そうなんですか///」

 

 

「……うん、そう///」

 

 

「…………///」

 

 

「…………///」

 

 

……それから暫くの間は、私と一刀様はお互いに背を向き合わせて、一言も会話をしないまま暫く経っちゃいました。うぅ、もしかしたら嫌われちゃったでしょうか…私……

 

 

そんな風に考えていると、一刀様が話しかけてきました……

 

 

「…えっとさ……お、俺もその……零里の事が好きだよ///」

 

 

「ふへっ!?///」

 

 

一刀様の言葉を聞いて、私はまた変な声をあげちゃいました。……あぁ、何だか頭がクラクラしますぅ~///

 

 

『一刀様が私の事が好き』って///こ、こんな事を……い、いきなり言われて、どどどどうしよう///

 

 

「…はわわわわ///じゃああの、く、口付けなどは……」

 

 

…って、い、いきなり何を言ってるんですか、私は!?///……こ、こんな事言ったら、一刀様に迷惑が掛かっちゃいますよ///

 

 

「え、えっと///……そ、それは流石に///」

 

 

当然の事ながら、一刀様は慌てていらっしゃいました。……はぅ~何でこんな事を言っちゃうんでしょう///……私は大馬鹿ですぅ……

 

 

「そ、それよりも下に行って御飯食べよっか?」

 

 

「…は、はい。そうですね。」

 

 

一刀様は話題を変えようとして、私をお食事に誘っていただきました。……でも『キス』……したかったです///

 

 

……………………

 

 

 

 

「それで、今日は一体どうするんだ?零里。」

 

 

私達はお部屋から出てきて、下の階でお食事を済ませた後、一刀様がこう聞いてきました。

 

 

「そうですね……街の人達に『天の御遣いと神が現れました。』と、大々的に発表をするのが一番なのですが……それには、ある状況の中での方が一番効率的なのです。」

 

 

「??……『ある状況』って何なのさ?」

 

 

一刀様は私に、どの状況が効率的なのかを聞いてきました。

 

 

「その状況とは……『一度街の人達が、絶望感を感じた瞬間』です。」

 

 

「……えっ?それってどう言う事なの?」

 

 

一刀様は、まだ分からないみたいです。……もう少し詳しく話す事にしましょう。

 

 

「要するに……私の聞いた占いは、例え国中で有名になっていると言っても、あくまで噂の範囲内なので、住民の皆さんが危機感を持っていない時に『天の御遣いと神が現れた』と言ったとしても皆さんは、半信半疑の気持ちで一刀様の事を見るでしょう。……そんな風に考えている人達は、一刀様の為に尽力を尽くそうとはしないでしょう……

だから、一度死の瀬戸際に立たされたような状況の中で、『天の御遣いと神が現れた』と言えば皆さんは、『ああ、この街を守る為に御遣い様と神様が現れてくれた。』と、思います。そうすれば御遣いと神の魅力に惹かれていく人達も現れるようになり、他の国からも助けを求めてやって来る人が増えていきます。

そうした人達と共に、力を付けていくことが世を混迷から救う手立てだと、私は思うんです。

……あ、あの、お分かりいただけましたか?一刀様……」

 

 

私の長くなってしまった説明を、ちゃんと一刀様に理解をして頂けたか心配になった私は、一刀様に聞いてみました。

 

 

すると一刀様は……

 

 

「…えっ!?う、うん。分かったよ……ハ、ハハハ……」

 

 

と答えました。……このお顔は絶対に分かってはいらっしゃいませんね。……でも、それでも私は怒ったりはしません。……むしろ、嬉しいです。一刀様は何も出来ない方が、それだけ私に相談をする事があると言うことです。……ああ、私は本当に幸福者です~

 

 

「えっと……つまり私達が動き出す為には、まずは事件が起こらないといけないのです。……例えば、『この街に賊が襲い掛かって来る。』と言う事ですかね。」

 

 

私は要点だけを一刀様に詳しく教えました。……すると一刀様は、ようやく理解が出来たようなお顔をされました。

 

 

「…でもさ、いくらなんでもそんな都合良く襲い掛かってくるのかな?」

 

 

一刀様がそう私に質問をしてきた、その時……

 

 

 

 

「た、大変だ!!…賊徒の大軍が、この街を襲いに来るぞ!!」

 

 

と、男の人が宿屋に入って叫んできました。

 

 

この知らせを聞いた宿屋の中のお客さん達は大混乱を起こし、どうしていいか分からずに、右往左往し始めました。

 

 

「れ、零里……どうしよう?本当に賊が襲ってきたぞ!?」

 

 

一刀様も賊の突然の襲来に、落ち着けない様子でした。……それはそうでしょうね。この一刀様は、こんな経験は初めてでしょうから。

 

 

私はそんな一刀様に微笑んで……

 

 

「大丈夫です。一刀様は何が何でも私が守ってみせますから」

 

 

と言うと、私は宿屋に叫んで来た人の所に向かいました。

 

 

「すみません。」

 

 

私は叫んだ男の人に声を掛けました。

 

 

「な、なんだよ……俺は今、忙しいんだよ。用なら他に……」

 

 

男の人は喋っていましたが、私は遮る形で……

 

 

「貴方は、その賊を確かに見たんですか?」

 

 

と、聞きました。

 

 

「当たり前だろう!!そうじゃなかったら、こんな風に慌ててる訳が無いだろう!!」

 

 

男の人は、半ば苛立ち気味で言葉を返しました。

 

 

「そうですか……じゃあ、その賊の数はおよそどれくらいだったんですか?」

 

 

私は賊の数を聞き出しました。

 

 

「は?……えっと、1000人位だったぞ。」

 

 

男の人は賊の数を思い出しました。そして私は、立て続けに……

 

 

「それじゃあ、この街での女子供を除いての人口はどれくらいになりますか?」

 

 

と質問しました。すると、男の人は……

 

 

「えっと……600人程だと思うぞ。」

 

 

と、答えてくれました。

 

 

「分かりました。……あの、それと……出来るだけ多くの人達をこの宿屋の前に集めてくれませんか?」

 

 

私は宿屋の前に、人を出来る限り集めるように男の人に依頼しました。

 

 

「はぁ?……まあ、そんな事ならやってもいいけど、そんな事をやってもあんまり集まらないかもしれないぜ?」

 

 

男の人はきっと、あまり集まっては来ないだろうと私に警告をしました。

 

 

「構いません……集まるだけで良いんです。」

 

 

私はそれだけを言いました。

 

 

「分かった……じゃあ、伝えに行ってくるぞ。」

 

 

男の人はそう言って、宿屋を飛び出しました。

 

 

「お、おい零里……一体、どうするつもりなんだ?」

 

 

一刀様、状況を確認をしにやって来ました。

 

 

「……それは後でお話をします。……今は宿屋に居る人達を落ち着かせましょう。」

 

 

私はそう一刀様に進言しました。

 

 

「えっ?あ、うん……そうだね。」

 

 

一刀様の了解もあって、私達は宿屋の中に居るお客さん達を落ち着かせに向かいました。

 

 

 


 
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