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ゼロの使い魔 ~魔法世界を駆ける疾風~ 第十七話

十七話です。お楽しみいただければ幸いです。

2012-11-08 23:16:33 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:15269   閲覧ユーザー数:14391

「旦那様。水メイジの方が到着されました」

 

「おおそうかジェローム!ではカトレアを診てもらわねば。カトレアの部屋に向かおうか」

 

あのあとすぐに水のメイジさんが到着し、カトレアさんの部屋に向かった

う~ん。俺がカトレアさんとエレオノールさんと婚約?

正直実感がわかない

 

「カトレア。入りますよ」

「はい。お母様」

 

そんなことを考えながら歩いていたら、どうやらもう着いていたらしい

水のメイジさんも、診察を終えていた

 

「ちぃ姉さま!病気は治ったのですか?」

 

ルイズが水のメイジさんに慌てた様子で聞く

 

「…信じられませんよ。体にあった淀みが消え失せています」

 

まさに信じられないと言う表情を顔に浮かべ、メイジさんは呟く

 

「と、いうことは。娘は、カトレアは?」

 

公爵様が震えた声で問う

 

「ええ。完治しております」

 

その言葉を聞いた途端、公爵様とルイズは泣き崩れ、カリン様とエレオノールさんも涙を浮かべている

 

「わ、わかった。今夜はもう遅い。泊まっていきなさい。ジェローム、彼を客間へ」

「心得ました。さあ、こちらへ」

 

ジェロームさんがメイジの人を連れて、部屋の外へ出て行った

 

「婿殿。ありが、とう(ぐじゅ」

「公しゃk(ギロッ!)義父上。涙をお拭きください」

 

器用ですねえ義父上!泣きながら睨むって!

 

「ありがとうございます。婿殿」

 

そういいながらお二人が頭を下げ…ってちょっと!それはまずいでしょ!?

 

「お、お二人とも!頭をお上げください!」

「いや、諦めかけていた娘の体を治してくれたのだ。礼くらいさせろ」

「その通りです。婿殿」

「…分かりました。もうお礼は十分受け取りました。頭をお上げください」

 

お二人が頭を上げて、カトレアさんに話しかける

 

「カトレア。体はどうだ?」

「辛くはないですか?」

 

メイジがああ言ったものの、やはり不安は残るらしい

 

「ええ大丈夫ですわ。お父様、お母様。もうすっかりいいみたい。体がとても軽いの」

「そう、か。よかった…本当によかった…!」

 

そう言ってまた泣き崩れる義父上

 

 

 

 

 

数分後

ようやく泣き止んだ義父上と義母上がまじめな顔でカトレアさんに話しかける

 

「さて、カトレア。お前を治してくれた方にお前の婿になってもらう。という話を覚えているか?」

「ええ。覚えておりますよ。と言う事はミスタ・ナミカゼと婚約することになるのですね?」

「いや、まだそうと決まったわけではない」

 

カトレアさんが頭に?を浮かべながら首を傾げた

 

「どういうことですか?」

「確かに私たちは、ハヤテさんにあなたの婿になってもらえたら。と言う話を彼にしました。しかし、彼は『カトレア様が嫌でないならば』と言いました。つまりあなたが嫌と言えば、この話しはなかった事になります」

「まあ。いいんですか?」

「あなたが望まない結婚など、私たちだって望みません。ちなみにエレオノールは彼との婚約を了承しました」

「…ミスタ・ナミカゼ。一つよろしいですか?」

「ええ。いいですよ」

 

カトレアさんが真剣な目で俺を見据えてくる。この目は見極めようとしているのかな

いいだろう。俺は嘘はつかないさ

さて、何を聞いてくるんだろうか?

 

「ミスタ・ナミカゼは私が…いえ私たちが『ヴァリエールの娘』だから婚約したいのですか?それとも『カトレア』と『エレオノール』という個人と婚約したいのですか?」

 

…どっかで聞いたことあるなあ。というか前回まんまの問答した覚えがあるよ

 

「先ほどエレオノールさんにも同じ事を聞かれましたよ。『ヴァリエールの家名が目的なのか?』とね。しかしそんな事はありません。もしあなたが『ヴァリエールの娘』でなくても、たとえ病弱でも。私は『カトレア』と言う一個人と婚約したいと考えております」

 

しっかりとカトレアさんの目を見据えながら答える

しばらく見合っていると

 

「ふふ。面白い人ですね。嘘は言ってないみたいです。分かりましたわお母様。私は彼との婚約を了承いたします」

「…いいのですか?」

「ええ♪さっきも言ったとおり嘘はついていないみたいですし…何より彼を気に入りました♪」

「そうですか♪それでは今日のところはこれで戻ります。後は若いもの同士で…(サササッ」

「そうだな!(サササッ!」

「姉さま。ちぃ姉さま。おめでとうございます!でもあんたは私の使い魔なんだからね!(サササッ!」

 

そんなことを言いながら義父上と義母上、ルイズが立ち去っていく

お~い。どこへ行くんだ~。特にルイズ。君前回殆ど喋らなかったろ!?

 

「ではハヤテさん♪婚約したことですしこれからは『あなた』と呼びますね♪」

「わ、私も『あなた』って呼ぶわ。あなたが嫌じゃなければ…」

「嫌なんかじゃありませんよ。エレオノール」

「エレオノールじゃなくって、『エレン』って呼んで?」

「…わかりました。エレン」

「あ。あと、言葉遣いも普通にしていいですよ?」

 

あ~、貴族相手とか世話になってる人相手だとデフォで敬語だからなあ

 

「わかったよ。それじゃ、改めて…」

「「?」」

 

二人が首を傾げる

 

「私、波風ハヤテは生涯をかけてエレンとカトレアを愛する事を誓います。どうか私と婚約してくださいませんか?」

 

意味を理解した途端二人は顔を真赤にしながらも、綺麗な笑顔で

 

「「喜んで」」

 

と答えてくれた

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、カトレア。聞きたいことがあるんだけど」

「なぁに?あなた」

「カトレアに義母上が説明するとき、『エレオノールは彼との婚約を了承しました』って言ってたけど、なんでそこは質問しなかったの?」

「そうね。私もおかしいと思ってたわ」

「う~ん。そうねぇ…。だってエレオノール姉さまがあなたの事をずっとちらちら見てたし…」

「…そうなの?エレン」

「ッ!?そ、そうよ///」

「後は…治療のとき一目見たときに『ああ、この人はたくさんの人から好かれてるな』って思ったの」

「…そうなの?あなた」

「う~ん。正直、人から向けられる好意ってよく分からないんだ。だけど、助けた人ならいるよ」

「(…エレオノール姉さま。どうします?このままだと彼、たくさんの人に惚れられますよ?)」

「(…でも、私たちも人のこと言えないわよ。私も心を救ってもらったし)」

「(じゃあ、もう一夫多妻を認めちゃいましょう♪彼なら平等に愛してくれるし♪)」

「(そうね。そうしましょうか♪)」

 

なにをこそこそ話してるんだろうか?

なんか俺の将来に直結しそうな…

 

 

ちなみに流石に夜寝るときは、ジェロームさんに頼んで部屋を貸してもらいました

さて、カトレアファンの方々お待たせいたしました。

とうとう!カトレアさんが完治ア~ンド婚約でございます!!

そして、ハヤテに二人目の嫁が誕生いたしました。…チッ、リア充爆発しろ(ボソッ

次回の『魔法世界』の更新は恐らく来週の土曜日になります。

次回も読んでいただければ幸いです


 
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