No.502825

ゼロの使い魔 ~魔法世界を駆ける疾風~ 第十六話

第十六話です。

2012-10-31 23:04:37 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:13959   閲覧ユーザー数:13239

ハヤテSide

 

あのあと場所を大広間に移して、報告をしている

 

「では、ハヤテさん。カトレアの病気は治ったのですか?」

「ええ。カトレア様は完治しております。心配なのであれば、水のメイジを呼んで診察させれば良いと思います」

「う、うむそうだな!ジェローム!水メイジを呼べ!!」

「ハッ畏まりました」

 

公爵様がジェロームさんを呼びつけて大声で指示をする

よっぽど心配なんだな。仕方ないか。諦めかけていた病気が治ったと言われてるんだから

 

「では、ハヤテさん。少しよろしいですか?」

 

少し目をぎらつかせたかリーヌ様が声をかけてきた

ん?カリーヌ様何の用だろ?

 

「なんですか?カリーヌ様」

「いえ少しお話を、と思いましてね。まずいいですか?わがヴァリエール家ではカトレアの病気を治したものをカトレアの婿にする、と言うのは知っていましたか?」

「いえ、初耳ですが…」

 

初耳だ。ルイズからはそんな話は聞いていない

ルイズに目を向けると苦虫を噛み潰したような顔をしていた

なんだろうな?この話の流れだと…

 

「そうですか。そして、あなたがカトレアを治してくださいました。つきましてはあなたをカトレアの婿に、としたいのですが…」

「え?」

 

なんだ!?この超展開?!

 

「あなたにカトレアを護れる力があるかどうか。を知りたいので水メイジが来るまで模擬戦をしていただきたいのですが」

 

完全に目を狩人のそれにしたカリーヌ様が言う

いや、模擬戦は別にいいけども…

 

「私がカトレア様の婿。というのはいささか無理があるのでは?私の社会的立場はルイズ嬢の使い魔で、爵位も持っていませんし」

「そのあたりはどうとでもなりますわよ。公爵家の娘を救ったと言う功績がありますし。なにわたくしが叙勲申請すれば、臆病な宮廷雀たちはすぐに申請を通しますわ」

「し、しかしですね…」

「それとも、カトレアがいやだ。と言うつもりですか?」

 

カリーヌ様の目が『キラーン』と光ったように思えた

…ああ、これはもう断れないな

自分としてもカトレアさんは前世から好きな人だったけど…

 

「そんなことはありませんよ。わかりました。カトレア様が嫌でないなら、その話受けさせて頂きます」

「そうですか。では外にある模擬戦場にお越しくださいな」

 

 

 

…なんか公爵様とエレオノール様、ルイズが置き去りにされているな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

模擬戦場

 

 

「待っていましたよ」

「ええと、模擬戦って話でしたけど」

「そうですわ。特にルールなどは設定いたしません。まあ相手を殺すことは禁止ですけれど」

 

確かカリーヌ様の二つ名は『烈風』だったな

とすると…風属性のメイジか

一応使っておくか…『写輪眼(しゃりんがん)

 

「では行きます!二つ名は『烈風』。カリーヌ・デジレ・ド・マイヤール」

「二つ名はありません。異世界の忍。波風ハヤテ」

「「行きます!!」」

 

 

カリーヌ様が開始と同時に詠唱を始める

そうはさせじと俺が近づき、デルフで袈裟懸けに切りかかるがあっさり避けられてしまう

そして体勢が崩れた俺に

 

「エア・ハンマー!」

 

エア・ハンマーが放たれた

しかし何とか体を立て直し、瞬身の術で離脱する

 

「さすがですね。今のは完全に当たるタイミングでしたのに」

「伊達に修行していませんよ」

 

そう軽口を叩き、今度は印を結ぶ

さて『烈風』遠距離はどうだ!

 

「『火遁・豪火球(ごうかきゅう)の術』!!」

 

俺はうちは一族が好んで使う、火遁の術を使用する

俺の豪火球は直径が15メートルはある

さあコレをどうする!

 

「ふふふ、とても凄い火の術ですわ♪ですが…」

 

火球が近づいていると言うのに、余裕を感じさせる

そんな声が聞こえた

 

「エア・ストーム!!」

 

巨大な火球は、それよりも巨大な竜巻によってかき消された

 

「この程度では私は倒せませんわよ♪」

「…上等ですよ!」

 

再び近づき、大量のクナイを投げる

しかしそのクナイは普通のものとは形が違った(・・・・・)

 

「あらあら?こんな短刀を投げるだけですか?」

 

目に見えるように失望の念を顔に浮かべるカリーヌ様

その顔を驚愕に染める出来事が起こると言うのも知らずに

 

「そんなわけないでしょう!」

 

その言葉を残し、俺はカリーヌ様の視界から一瞬にして消えた

そして次の瞬間にはカリーヌ様の背後から、クナイを突きつけようとしていた

 

「ッ!?」

 

しかしカリーヌ様は体を捻って避け、『フライ』で離脱した

流石に『烈風』だな。反応が早い

 

「…いまの術はなんですか?わたくしの目の前から消えたと思ったら、いきなり背後に来ていました。…いえ違いますね。さっき投げた、あの短刀の所に移動していましたわ」

 

洞察力も桁違い…か

 

「ご推察の通りですよ。今の術は『飛雷神の術(ひらいしんのじゅつ)』と言いましてね。特殊なマーキングを施した場所に高速で移動する術です。先ほど投げたのは、そのマーキングを施したクナイです」

「そんなことを教えてもよろしいのですか?模擬戦とはいえ、今現在わたくしは敵なのですよ?」

「いいのですよ。他にも手札はまだまだありますからね」

 

実際、『飛雷神の術』も全てを教えたわけじゃないしね…

 

「さて、どうするんですか?先ほど私が投げたクナイは20本はあります…。しかも1回使っても使用不可能などにはなりませんよ。それに、まだまだクナイはあります」

 

俺は新しく口寄せしたクナイを見せながら問う

しかしカリーヌ様は不敵な笑いを浮かべた

 

「それがどうかしましたか?そんなもの…」

 

そう言いながら、カリーヌ様は詠唱をする

そして詠唱が終わると同時に

 

「全部吹き飛ばせばよろしいじゃありませんか♪カッター・トルネード!!」

 

うぇ!?ここでスクウェアスペル使うか?!

しかもクナイは全て飛ばされるわ、なんか恐ろしい勢いで竜巻が来るわ

『カッター・トルネード』は確か真空を含んだ竜巻だったな

そんなことを考えながら、俺は竜巻に飲み込まれた

 

「あら?まさかこれで終わりじゃありませんわよね?」

 

カリーヌ様の言葉には、この魔法が破られる筈がないという自信と、終わってしまったという失望が感じられた

しかし竜巻が消え、中から見えたのは…

 

「ふう、今のはちょっと危なかったですね」

 

服こそボロボロだが、傷一つ負っていない俺だった

いや危なかった。相殺するまで我愛羅の『絶対防御』借りちゃったな

 

「な、ど、どうやってわたくしの『カッター・トルネード』を…!?」

「さっきした話、忘れちゃいました?俺の眼の事」

 

そう言うとカリーヌ様はハッとした顔で言った

 

「そう言う事ですか…。わたくしの『カッター・トルネード』を、あなたが放った『カッター・トルネード』で相殺したのですね?」

 

悔しそうに自身の推察を口にするカリーヌ様

しかし、その推理は少し間違っている

 

「ちょっと違いますね。俺が使用したのは『カッター・トルネード』ではありません」

「どういうこと…ッ!?」

 

「そうです。俺の眼は、相手の魔法が『トライアングル』なら一段階上の『スクウェア』に昇華することが出来る。さっき使った魔法はいうなれば『ヘキサゴン』。『カッター・トルネード』ではなく、『サーベル・サイクロン』とでも名づけましょうか。一応俺のオリジナルスペルってことになります」

 

ん?なんかカリーヌ様が震えてるぞ?

 

「ふふふふふ。あははははは!!素晴らしいですわハヤテさん!いえ『婿殿』!!いいでしょう。どの魔法もコピーされるのならわたくしに勝ち目はありませんね。降参です」

 

え!?婿殿って

 

「あの…カリーヌ様?」

「そんな他人行儀な呼び方はおやめなさい婿殿。義母上でいいのですよ」

「いえ、カリー(ギロッ!)義母上、話が早すぎませんか?カトレア様のお話も聞かずに…」

 

カリーヌ様と呼ぼうとしたら、即座に殺気を込めた視線で睨みつけられた

怖ぇ!!!綱手師匠とか、アンコさん並に怖ぇ!

 

「いいのですよ。もうわたくしも夫も、カトレアの婿をあなた以外考えられませんもの!ねえあなた!」

「うむそうだな!婿殿ならば安心して娘を任せられる。どうだね?いっそのことエレオノールも貰ってくれんかね?」

「お、お父様!?何を言ってるんですか?!」

「そうですわね。婿殿ならばエレオノールを任せても大丈夫でしょう。どうですか?婿殿」

 

いやどうですかって言われても…エレオノールさんは確かに魅力的だけれども

 

「先ほどのカトレア様のお話のときに言った答えと一緒ですよ。エレオノール様がお嫌でないなら。です」

 

まあエレオノールさんだったら断るだろうしね

 

「…そんなこと言って、みんな私から逃げていくんだわ。私だって結婚したいわよ!でも性格がキツすぎるとか、規則に厳しすぎるとか…(グスッ」

 

涙を目の端に浮かべて、すすり泣くエレオノール様。その姿をルイズが心配そうに見ている

うぇ!?え~っと…もしかして地雷踏み抜きました?(汗)

 

「いえいえ、別にエレオノール様との婚約が嫌。と言うわけではありませんよ?むしろ自分としてはエレオノール様はとてもお美しいと思います。今までの男性たちは見る目がなかったか、ヴァリエール家の財産目当てだったのでしょう」

「あなたはどうなの?結局ヴァリエールの家名が目的なの?」

 

泣きながら、上目遣いで俺の眼を覗き込んでくる。その瞳には『不安』と『悲しみ』が宿っていた

 

「そんなわけないでしょう。もしもエレオノール様がヴァリエール家の息女でなくても、とてもお美しいと思いますし、可愛らしいとも思います。可能であるなら、こちらから申し込みたいです。私にとって、家名など二の次ですよ」

「……っ!?」

 

あ、顔が真赤になった

 

「婿殿?両親の前で娘を口説くつもりですか♪」

「いえ、そんなつもりはございません。ただ自分の思っている事を正直に言ったまでです」

「……あなたは本当に私が可愛らしいと思っているの?」

「ええ。嘘偽りありませんよ。エレオノール様はおそらく人より、愛情表現が苦手なんですよ」

 

これも本当だ。実際ツンデレ?の人たちって愛情表現不器用だし

 

「……決めましたわ!婿殿は絶対カトレアともエレオノールとも婚約させます!」

「うむ!会って間もないのに、これだけ娘の事を分かってくれるものは他におらん!」

「カ、カリーヌさm((ギロッ!))…義母上、義父上。それは些か性急過ぎでは?カトレア様とエレオノール様の了解も得ずに…」

 

今度は夫婦で睨みつけられた…

なんだろう。火影様たちと最初に殺ったときを思い出したんだが

 

「大丈夫ですわ。カトレアはともかくエレオノールはすぐにでも了解を取れますから♪どうですか?エレオノール。彼と婚約しませんか?」

「お、お母様!お父様!私はまだ…」

「彼以上にあなたを分かってくれる男性はおりませんよ?」

「それに、ハヤテ君以上の男などこの先現れん!断言する!」

 

…なんかドンドン話が進んでいってる気がする

 

「…わ、分かったわ!お母様とお父様がそこまで言うのだったら婚約してあげるわ!か、感謝しなさいね!」

 

うわーい。なんかなし崩し的に婚約が決まっちゃった

 

 

 

…どうしてこうなった!?

え、てことは俺、公爵家継ぐの?!

 

 

さて、と言う事で記念すべきヒロイン第一号は『エレオノール』です

本当はカトレアを第一号に据えたかったのですが…。

治療の直ぐ後だし、これを逃すとエレオノールとの接点がほぼ無くなるので此処でヒロイン確定しました。あ、止めて!カトレアファンの皆さま、石とか空き缶投げないで!

 

 

 

 

一応今の段階からだと、ヒロインとかは読者の皆様の意見取り入れられるんですが…

アンケートとかやるべきですかね?


 
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