No.500688

IS-インフィニット・ストラトス ネクサス 若き戦士ーA young fighter ー

ザルバさん

宇宙を飛ぶ一人の若き戦士。彼はワームホールに入ってしまう。

2012-10-26 23:17:34 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4303   閲覧ユーザー数:4099

 とある宇宙。そこで青い怪獣を紅い巨人が追っていた。紅い巨人は怪獣に距離を詰める。その時であった。突如異次元ホールが開き怪獣と巨人は吸い込まれた。

 

 IS学園第二アリーナ。一夏達は昼食を取っていた。

「一夏さんは料理がお上手ですのね。」

「そうか?」

「そうだな。この味付けは真似しようにも真似出来ないな。」

「アンタはどんだけ料理のジャンルがあんのよ。」

「ホントだね。この前は中華。その前はイタリアン。」

「流石私の嫁だな。」

「「「「「だから嫁じゃない!」」」」」

「むう。」

 そんな賑わっているときであった。どこからか変な音が聞こえてきた。

「?なんでしょう、この音は?」

「どこからだ?」

 皆はあたりを見渡す。

「!あれ!」

 シャルロットは空を指差す。皆は指差す方向を吹く。そこには水に不規則的な円を描いた破門状のものが空にあった。そしてそこから光の何かがグラウンドに降りる。

「あれは・・・・・・」

「一体・・・・・・・」

 光が晴れ、そこには一人の男性がうつ伏せで倒れていた。一夏達は駆け寄った。

「大丈夫ですか!しっかりしてください!」

「う・・・・・あ・・・」

 

 保健室。グランドにいた男性はベットに寝かされていた。

「まったく。あの空に変なものが出たと思ったら今度は男が振ってくるなんてな。」

「そうですね~。」

 千冬と山田先生は一夏達と共に男性を見ていた。

「山田先生、どうだったんですか?この人の身元?」

「それが無かったんです。また別宇宙から来た人ですかね?」

「山田先生・・・」

「どうしました、織斑君?」

「そんなこと言うとまた・・・・」

 そのときだ。突然衝撃音と地震が発生する。

「「「「「「キャアアアアアアアアア!!!!」」」」」」

「!これは!」

 どういうことだ!エボルトラスターが反応しないなんて!

「山田先生、状況は!」

「は、はい!学園外れの森に青いビーストが出現しました模様です。今教員達がISで出撃しています。」

「生徒の避難は!」

「着々と進行しています。」

「わかった。お前達もISで出撃しろ!織斑はこいつを運んでおけ!」

「「「「「「はい!」」」」」」

 

 学園外れの森。そこには青い外骨格を身にまとった怪獣・ディノゾールの姿があった。

「なにあれ!」

「なんか今までのビーストと違う!」

「あれはビーストなの?」

 教員達は不思議に思っていた。箒達も合流しディノゾールの攻撃を仕掛ける。

「キイイイイイイイイイ、ギャキイイイイイイイイイイイ。」

 ディノゾールが声を上げた瞬間であった。突如ISがダメージを受けたことを感知する。

「!ウソ!」

「でもこいつどうやって!」

 皆何が起きたのかわからないままディノゾールに攻撃をしていく。

 

「一体どうことだ!」

 モニタールームで千冬はディノゾールの攻撃に困惑していた。その時であった。突然扉が開く。

「落ち着いてください!今その身体で動いたら!」

「でもあの怪獣に近づくと!」

 そこには一夏とグランドに落ちた男性がいた。

「!織斑、どういうことだ!」

「それがこの人急に起きたと思ったらすぐに走り出して!」

「それより早くあの怪獣から離れてください!」

「貴様何か知ってるのか!」

「あの怪獣・ディノゾールは自身が持っている舌を目に見えない速さで動かしているんです。その速さのあまりビルをも切ります。」

「なんだと!山田先生、聞こえますか!」

『はい!どうかしましたか?』

「すぐに全員をその怪獣から離してください!」

『え!どういうことですか!』

「話は後です。早く!」

『わ、わかりました。すぐに怪獣から離します。』

 

「皆さん、すぐにその怪獣から距離を取ってください。」

「どうしてですか!」

「織斑先生からの要請です。」

 全員納得し、ディノゾールから離れようとしたときであった。ディノゾールは舌を動かす。それにより一人の女性教員が叩き落される。

「きゃあああああああああああ!」

 体制を崩した女性教員は真っ逆さまに地面へ。もうダメだと思い目を瞑ったときであった。紅い発光体が女性教員に接近する。女性教員はゆっくりと目を開ける。目を開けた先にはネクサスの顔が目に入った。ネクサスは片膝を突き、女性教員を地上に降ろす。ネクサスは立ち上がりディノゾールに向かって構える。

「シュア」

「ギャイイイイイイイ」

 ネクサスはディノゾールに向かい接近し右パンチを腹部に喰らわす。

「ヘヤッ」

ネクサスは右かかとを上げディノゾールの首の根元に入れる。

「デヤッ」

ディノゾールは悲鳴を上げる。

「ギュイイイイイイイイイイイ」

ネクサスは右回転で裏拳を喰らわす。

「ヒュアッ」

ディノゾールはネクサスに左つめを喰らわす。

「ジュアアアア」

 ディノゾールは尻尾を振りネクサスの頭部に攻撃する。

「グアッ」

 ディノゾールは舌を使いネクサスにダメージを与える。

「フアアアア」

 ネクサスを援護しようと皆はディノゾールの頭部に集中砲火する。ネクサスはその間に体勢を立て直しクロスレイ・シュトロームをディノゾールの頭部に向かい放つ。

「シュアアアア、フアアアアアアア」

「ギュイイイイイイイイイイイ」

 ディノゾールは頭だけ破壊され、残された体は前に倒れた。

 

 ディノゾールのことは日本政府が研究サンプルとして回収することが決定しひと段落ついたころ、千冬たちはグランドに落ちた男性に話を聞いていた。

「貴様、名前は。」

「僕の名はヒビノミライです。」

「ミライ・・・・・・漢字で書くのか?」

「いえ、全部カタカナです。」

「そうか。ではミライ、貴様はどうしてあの怪獣をよく知っていた。」

「それは僕の世界にいた怪獣だからです。」

「ほう。では貴様は別宇宙から来た奴だというのか。」

「はい。その様子ですと前にも会ったみたいですね、その人たちに。」

 全員驚いた。

「よくわかったな。そのとおりだ。前にも三人こちらの世界に来た。」

「そうですか。二つ聞いて言いですか?」

「何だ。」

 ミライはずっと気になっていたことを聞く。

「まずあの身に着けていたアーマーみたいのは何ですか?」

「あれはISだ。」

「IS?聞いたこと無い名前ですね。それがあの種類の統一した名前なんですか?」

「まあそうだな。だがISは略称した名で正式にはインフィニット・ストラトスだ。」

 そして千冬はこの世界のことをミライに話した。

「なるほど。力だけが正しいと思う人がいるんですね。」

「まあそうだな。」

「もう一つの質問もいいですか?」

「何だ?」

「あのウルトラマンは一体なんなんですか?」

「お前も知っているのか!」

「その言葉だと前に来た三人も・・」

「そうだ。三人ともウルトラマンになった。二人は地球の力で。一人は宇宙で手に入れて今は母星へ帰るために旅を続けているそうだ。」

「!その人ってまさか!」

 ミライが言おうとしたときだった。突然アラームが鳴り響く。

「これは一体!」

「山田先生、状況の確認を!」

「はい!」

 山田先生はキーボードを叩き、今何が起こっているのか確認する。

「わかりました。今モニターに出します。」

モニターには変化していくディノゾールの死体が出されていた。

「!どうして僕はこんな大事なことを忘れていたんだ!」

「どういうことだミライ。」

「ディノゾールは頭部が破壊されたことにより尾の先端の神経節が肥大します。それによって新たな脳幹が形成されるのです。その名もディノゾールリバース。」

「それがアイツの名か。」

「頭が二つに・・・」

「厄介なのがあの姿になると舌が二つになるんです。そのため接近は不可能です。」

「となると遠距離からの攻撃が有効か。わかった。山田先生、教員に射撃武器のみで対応するように指示をしてくれ。他のものは生徒の非難を!」

「「「「「「はい!」」」」」」

「僕もお手伝いします。」

「お願いします。」

 

 ディノゾールリバースは海に向かい足を進めていた。

「ギイイイイイイイイイイ、ギュオオオオオオオオオオオ」

 教員達と箒達は射撃武器で対応する。

「こういうときに私の紅椿が役立たないとは・・・」

「箒、僕のアサルトライフルを使って!」

「すまない。」

 シャルロットは箒にアサルトライフルを投げ渡す。箒はそれを受け取りディノゾールリバースに向かい攻撃する。

「まったく効いていませんわ!」

「こいつ硬い!」

『お前達聞こえるか!』

「「「「「織斑先生!」」」」」

『ミライから聞いたのだがそいつは水のあるところに向かうらしい。主にダムとかの豊富なところにだ。なんとしてでもそいつを食い止めてくれ!』

「「「「「了解!」」」」」

 全員全身全霊で止めようとする。ディノゾールリバースは二つの舌を使い攻撃する。全員叩き落される。ディノゾールリバースが海に向かおうとしたときであった。赤い光の柱がディノゾールの前に現れる。ディノゾールは驚く。そこにはウルトラマンネクサスがいた。ネクサスは構える。

「シュアッ」

「ギイイイイイイイイイイ」

 ネクサスはディノゾールリバースに向かい接近するがディノゾールは二つの舌を使いネクサスを牽制する。

「ジュアアア」

 ディノゾールリバースはネクサスに近づき二つの顔を使いネクサスの身体に攻撃をする。ネクサスは苦しむ。

「グアアアア、フ、ヂュアアアア」

 

 ミライは森を駆けていた。

(早く、早く彼を助けないと!)

「ミライさん!」

 突然声をかけられたミライは足を止めた。声のするほうを向くとそこには箒達と山田先生率いる教員達の姿があった。

「皆さん、大丈夫ですか!」

「ええ。でもミライさんはどうしてここへ?」

 山田先生が尋ねた。

「あのウルトラマンを助けるためです。」

「でもどうやってですか!武器も無いのに!」

「僕にも力はあります!守るための力が!」

「どういう意味ですか?」

「今からお見せします。」

 そう言ってミライはディノゾールリバースの方を向く。左手にはメビウスブレスが現れていた。

「!まさかあなたは!」

 全員気付いた。彼が何者なのかを。

 ミライは右手をメビウスブレスのクリスタルサークルにかざし、右手を左横に持っていき、右手を戻すと同時に左手を天に突き出し叫ぶ。

「メビウーーーーーーーーーーース」

 その途端、光が溢れる。全員目を掠める。光が消えるとそこには赤と銀の巨人の姿・ウルトラマンメビウスの姿があった。メビウスはディノゾールリバースに向かい構える。

「シャッ」

「ギイイイイイイイイイイ」

 メビウスはジャンプしディノゾールリバースの腹部にキックを喰らわす。

「ギイイイイイイイイイイ」

 メビウスはネクサスに手を差し伸べる。ネクサスはその手を掴み立ち上がり、メビウスの顔を見る。二人は頷き構える。

「シュアッ」

「シャッ」

 ネクサスは左手を胸にかざし振り下ろす。ネクサスはジュネッスに変わる。

 二人はディノゾールに接近する。ディノゾールリバースは二つの舌を使いネクサスとメビウスを捕まえる。メビウスはメビュームスラッシュを、ネクサスはパーティクルフェザーを使い舌を切る。ネクサスとメビウスは側転しディノゾールリバースに近づきキックを叩き込む。ディノゾールリバースは悲鳴を上げる。ネクサスとメビウスはディノゾールリバースの顔をそれぞれ一つずつ持ちパンチを喰らわす。ネクサスとメビウスはディノゾールリバースの顔をぶつける。ディノゾールリバースは互いに互いを攻撃する。ネクサスとメビウスは距離を取る。

「シュアッ、ヒュアッ、ハアアアアアアアア、フッ、フィアアアアア」

「シュアッ、ハアアアアアアアアアア、シュアアアアアアアア」

 ネクサスはオーバーレイ・シュトローム、メビウスはメビウムシュートを放つ。ディノゾールリバースは光の粒子となり姿をなくした。

 

ディノゾールの件が終わりミライは再び千冬たちに尋問されていた。

「貴様はウルトラマンだな。」

「はい。僕の地球での名はヒビノミライ。ウルトラの星ではウルトラマンメビウスです。」

「ウルトラの星?どこかで聞いたような・・・」

 皆思い出そうとする。一夏が思い出す。

「思い出した!アスカさんのときに聞いた!」

「やはり彼が来ていましたか。」

「知っているんですか!」

「はい。僕よりはるかに年下ですが戦闘経験はそれなりに積んでいます。」

「年下って・・・・・あなたは何歳なんですか?」

「6800歳です。」

「「「「「「「え~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!」」」」」」

 全員驚いた。アスカから聞いていたけどほんとに実在し、目の前にいるのだから。そんな時ふと山田先生が気になることを聞く。

「あの聞いてもいいですか?」

「何でしょう?」

「ウルトラマンはどうして生まれたんですか?」

「それですか。僕が生まれる前の話なんですけど僕らの種族は皆さんと同じ姿をしていたとされています。この姿はウルトラマンの力を借りてなっているんです。僕らの星は太陽が死んだことにより生きていくことが困難になりました。そこで科学者達はプラズマスパークを作りました。プラズマスパークを起動させた瞬間に僕たちの身体に変化が起こり、そしてウルトラマンになったんです。僕らは力を手に入れました。僕らはこの力が何か意味があると想い、宇宙の平和を守るために戦っています。宇宙警備隊員、銀十字軍として。」

「そうなんですか。」

 ミライの話に皆感動をした。そんなときシャルロットがふと疑問に思ったことを聞く。

「あの一ついいですか?」

「何ですか?」

「どうしてその姿なんですか?」

「・・・・・・・」

「あっ、いえっ、別に嫌ならいいんです。」

「いえ、この姿は誓いの証です。」

「誓いの・・・・・・・・・証?」

「はい。僕が地球に着く少し前のことでした。僕は宇宙で貨物船の事故現場に遭遇しました。そこで僕は母の、親子のために自分の身を省みず一人船に残った青年がいました。僕が初めて救えなかった命なんです。だから僕は誓いました。もう誰も死なせない、と。」

「そうなんですか、すごいですね。」

「いいえ、僕はまだまだです。兄さん達はたくさんの侵略宇宙人や怪獣から地球を救いました。僕も兄さん達みたいにもっと誰かを守れるようになりたいと思っています。」

 ミライの言葉は全員の心に響いた。

 

 ミライと一夏は風呂に入っていた。

「は~、いいですね~。日本人の文化の風呂は。」

「わかりますか、ミライさん。」

「ええ。僕の星には無い文化ですから。」

「汗とかかかないんですか?」

「そうですね。僕らの場合は息が上がったり疲れるという感覚ですね。それより・・」

「?なんですか?」

「君はどうしてウルトラマンになったんですか?」

「!」

「大丈夫です。ここに入る前に隠しカメラは外しておいたので。」

「!あったんですか!」

「ええ。でも声は入らないやつでしたよ。それに人も今僕らしかいませんし。」

「はあ、そうですか。後でそのカメラ渡してもらえませんか。」

「どうしてですか?」

「どうしてもです。」

「そうですか。」

 ミライは不思議に思いながらも了承した。

「ところで何故俺がウルトラマンになったかですよね。」

「はい。」

「俺のこの力は受け継がれた力なんです。」

「受け継がれた・・・・・・・・・・・力?」

「はい。この力は俺が二年位前に偶然手に入れたんです。適合者だったので。」

「そうですか。でもこの話どこかで聞いたことがありますね。」

「え!」

「たしかウルトラマンキングに聞いたことがあるんですけど神と呼ばれたウルトラマンが異世界にいた・・・と。」

「そのウルトラマンは・・・」

「今はどこにいるかわからないそうです。」

「そうですか。」

「でも君はすごいですね。」

「え!」

「君はあの時、決して諦めなかった。それはウルトラマンが持っている思いみたいなもんです。」

「思い?」

「ええ。決してどんなことがあっても最後まで諦めない。それがウルトラマンです。」

「そうなんですか。わかりました。俺も頑張ります。どんなに絶望であっても皆に希望の光を届けて見ます。それが俺のウルトラマンとしての誓いです。」

 

 空にワームホールが開き、ミライはそれに目を向けていた。皆は見送りに来ていた。

「それでは皆さん、ありがとうございました。」

「こちらこそ。」

 千冬が礼を言う。

「いえ、僕の方も色々と世話になりましたし。」

「お元気で。」

「はい。」

 ミライはワームホールの方を向き叫ぶ。

「メビウーーーーーーーーーーース」

 ミライはメビウスとなりワームホールへ入っていった。宇宙に一刻でも早く平和をもたらすために、誰も傷つけないために。

 


 
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