No.498563

SAO~黒を冠する戦士たち~ 第百八技 聖魔と閃光

本郷 刃さん

第百八話です。
お昼寝のあとは・・・?

では、どうぞ・・・。

2012-10-21 09:33:12 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:13342   閲覧ユーザー数:12457

 

 

 

 

 

 

 

第百八技 聖魔と閃光

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトSide

 

彼女…アスナが眠ってから数時間。既に日は傾き夕方になっている。

 

俺はというと、彼女から少し離れた塀に座りこんで瞑想している。

 

脳内で何ども戦闘状況を仮想して、剣を振り、敵を倒し、時にはどうなれば負けてしまうかなども仮想する。

 

あらゆる状況を想定しておくのだ、どんな場面に遭遇しても迅速に対応できる為に。

 

時々、他のプレイヤーが側の道を通っていた。

 

傍らで眠るのは攻略組の鬼であり【閃光】と名高い美少女。

 

片や攻略組でも悪名高い俺だ(本人は知らないがSAOきっての人気男性プレイヤー)。

 

道行くプレイヤー達は驚愕していたり、笑っていたり、記録結晶で姿を収めようなどとする者もいた。

 

俺がそちらをみれば何故か体を震えさせて逃げて行ったのだが…。その時、

 

「ふや~~~ん……ぁれ? ここ…(バサッ)、ん…コート…?」

 

可愛らしい欠伸をしながら彼女が目を覚ました。なんとも愛らしいと思う。

 

ちなみに夕方になる頃には少し冷えてきたりもするので俺がコートを掛けておいた。

 

まだ少し寝ぼけた様子の彼女が俺を見た。

 

「(クスッ)よく眠れたか…?」

 

「ぁ……な、あぁ…ッ//////!?」

 

どうやら状況を理解したようで顔を紅潮させた。

 

寝ている姿を見られた事への羞恥心からなのか、いきなり自身の持つ細剣に手を添えた。

 

安全圏内なので俺は特に動揺もせず、そのまま彼女の行動を見据える。

 

なにかしようものならば無手でも対応はできる。

 

しかし、彼女も少しは落ち着いたようですぐに武器から手を離した。

 

「ご飯一回……」

 

「は…?」

 

そんなことを言われても、さすがの俺も意味が分からないので疑問形で返してしまった。

 

「ご飯、なんでもいくらでも一回奢るから……それで貸し借りはなし。どう?」

 

ふむ。貸しを作った覚えはないし、俺的には彼女の寝顔が見れたので十分なのだが、言わぬが花ともいうし。

 

「わかった、それなら57層の『マーテン』にあるレストランにしよう。

 NPCがやってるんだが、中々美味いと評判らしい」

 

「決まりね」

 

俺はそそくさと歩いていく彼女の後を追う。やれやれ、距離を縮めるのは大変そうだ。

 

 

 

レストランに着いたはいいが盛況のようで席が埋まっていた。

 

「多いね…」

 

「だな…」

 

店の中に入ってみるもやはり席は埋まっていた。誰か席を立たないか少し待っていると、

 

「あれ、血盟騎士団のアスナじゃないか?」

 

「うわ、ホントだ」

 

「【閃光】のアスナ様…」

 

「あの黒ずくめの奴誰だ?」

 

店内にいる客達からそんな声が聞こえてきた。

 

さすがは【閃光】の異名を持つ最強ギルドの副団長だな、周囲がざわめいている。

 

それに対して俺はそんな大層な人間じゃないからいいほうだな。

 

「あの黒ずくめ……キリトじゃないか」

 

「まさか【黒の聖魔剣士】!?」

 

「俺、初めてみた……」

 

「『黒衣衆』の一人…」

 

「攻略組トップクラスの実力者…」

 

「俺失礼な事言っちまったよ…」

 

「おい、キリトが居るってホントか?」

 

「おま、どけってみえねぇよ!」

 

前言撤回、俺の方が大変なようだ。外に居た奴らまで店の中に入り始めた。そこに、

 

「あ、あの!」

 

「ん?」

 

一人の男性が話しかけてきた。どうやらアスナにではなく俺に用があるらしい。

 

「よ、よかったら座ってください。俺達もう食べ終わったんで」

 

「いいのか? 休憩とかあるだろ?」

 

「いいんです、もう休憩しましたし。 それに俺、この前助けてもらいましたから! なぁ?」

 

「もちろんです!」

 

「は、はい」

 

友人らしいもう一人の男性は元気よく、女性の方は緊張気味に答えた。

 

「それならお言葉に甘えようかな。ありがとう」

 

「い、いえ、そんな! こちらこそありがとうございました! いこうぜ!」

 

「おう!」

 

「あ、あの、私達も頑張りますので…その、頑張ってください! 失礼します!」

 

「ああ、それじゃあな」

 

俺が礼を述べ、意気揚々と去っていった三人を見送ってから俺とアスナは席についた。

 

「人気あるんだね……」

 

「俺のは大概が興味だ。君ほどじゃないさ…」

 

「そうは思えないけど…」

 

彼女の言葉に少しだけだが嬉しいと思ったのは間違いじゃないと思う。

 

キリトSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

本作のキリトさんは大人な人で、人気者なんですw

 

次回は食事風景と事件発生というところです。

 

お楽しみに・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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