No.498536

シンデレラ・プロデュース ~第一章・正義と悪は同じ(勇気的な意味で)

咲りゃんさん

おはんこんばんにちは!作品名つけるのが苦手な咲くりゃんですりゃん。モバマス小説SS?書こうと思います。ちょっと真面目というか、SSより普通のラノベ的に書きたいです。描写とかわかりにくかったりするかもしれませんが、細かいところまで書くので、細かいところまでペロペロできますよプロデューサーさん!やっほう俺得!今回は南条光ちゃんを主軸に、小関麗奈様とか色んなアイドル出したいですね!ええ!シリアスよりギャグパート多めで、プロデューススタートですりゃん☆

2012-10-21 05:30:39 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1113   閲覧ユーザー数:1093

 
 

恐ろしいことに、中学生をプロデュースすることになってしまった。自分でもびっくりである。まさか、自分の娘でもない女の子と、

「行くぞプロデューサ……じゃなくて悪の権化サラザウル!ファイヤーキック!」

「ぐはっ……南条、普通に痛い……」

ヒーローゴッコするとは。

「あっごめんなさい!大丈夫?」

「うん、まぁ……」

「わたしとしたことが、無闇に人を傷つけてしまった……これでは悪と同じ!うぐぐ、熱くなりすぎたぜ」

そんなことを恥ずかしげもなく言えるあたり、アイドルに向いてるのかもしれないなぁ、と思った。

変身ベルトと仮面ライダーのお面を被った彼女こそ、僕がプロデュースしているアイドル、南条光。中学二年の14歳で、趣味は察しの通り仮面ライダーや戦隊モノ。正義感が強くて、自分もヒーローになりたいと思っているらしい。僕も子供の頃は何とかレンジャーになりたいと思ったものだが、中学のときにはそんな夢すら忘れていた。

僕の話は置いておこう。ちなみに彼女をアイドルたらしめる理由はそのキャラもあるが、ルックスももちろんいい。低身長に加え童顔で、中二には見えないがそれがある層に人気。また仮面ライダーとかの宣伝の仕事もしているので、幼稚園児にも人気である。

だけど僕は、彼女の一番の魅力は『勇気』だと感じた。はじめてのliveも、はじめての撮影も、堂々とこなすその勇気。僕には無いものを見せてくれる。

「アイドルになって、みんなに勇気を分けてあげるんだ!」

その屈託のない笑顔が、みんなに勇気を与えてくれるんだ。

だから鳩尾に飛び蹴りを喰らっても、僕は彼女をプロデュースする。

 

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「アイドルを使った戦隊モノ?」

「そう。アイドルレッドとか、アイドルブルーとか」

「なんでもありですね」

「大人からも視聴率取りたいんだろう、夢のない話だがね」

僕や南条が所属する事務所の社長はそう言ってため息をついた。この人も仮面ライダー好きだからな、あんまり今回の企画は好かなのだろうが。

今回の企画というのは、さっき言った通りアイドルを使った戦隊モノ。子供向きばかりではなくアイドル好きの大人もターゲットにするのだという。南条にぴったりの企画である。日曜の朝にやるというのだからテレビ局も本気なのだろう。

そしてその企画のブルー役をやってみないか、と南条にお誘いがあったのだ。

もちろんその話を聞いた南条は、即座に首を縦に振った。でもブルーって言ったらちょっと不満げな顔したあとすぐ笑って「ブルーもいいよね!」と言っていた。健気である。

「ところで、他の役者は決まってるんですか?」

社長はパラパラと書類を捲りながら、

「いや、これからオーディションするそうだ。うちの事務所にも誘いがあった。ちなみに年齢層は10~18、女性のみ、アイドルのみ」

「固定されてますね……。南条以外に指名はあったんですか?」

「うむ。しかもうちの事務所だ」

「え、誰ですか?」

「聞いて驚け……悪ガキだ」

 

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「本番はいりまーすっ!」

スタッフの元気いい声に反応して、選ばれた戦士……もといアイドルたちが立ち上がった。

シンデレラレッド、島村卯月。

シンデレラブルー、南条光。

シンデレライエロー、本田未央。

シンデレラブラック、小関麗奈。

シンデレラホワイト、神崎蘭子。

南条と小関以外はオーディションを勝ち抜いた強者。そして例の悪ガキというのは、シンデレラブラック役の小関麗奈だ。

小関はイタズラ好きで手のかかる小娘、という言葉で説明がつく。とにかくイタズラ好きなのだ。しかしそのイタズラは毎回程度が小さいというか、微妙にずれているから、むしろ可愛くも見える。恐ろしい。でも財布に入っているポイントカードをトレカとすり替えるのは止めてほしい。コンビニのレジで召喚するところだった。

体格は南条と同じくらい。いつも小生意気な笑みを浮かべて、ファンのことを『愚民』と呼ぶ自称女王様。しかし、どうも女王様って感じがしない。どっちかといえば、偉そうにがんばってるお子様、といった感じか。

まぁ、その小物感がファンを呼んでいるのだけど。

うちの事務所からは南条と小関のみ。他は違う事務所なので、詳しくはわからない。しかし残りの三人も、最近テレビでちらほら見かけるようになってきた『期待の新人』であることは確かだろう。

僕は小関のプロデューサーではないので、今回は南条の世話に専念する。

「よし、張り切って行ってこい!」

セットに向かおうとしていた南条の背中を鼓舞する。

南条は、振り向いて笑った。最高の笑顔だった。

 

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『偶像戦隊 シンデレンジャー』という、ネーミングセンスが欠如したヒーローものの撮影は、順調に進んだ。

シナリオを説明すると、五人のアイドルは同じ事務所で仲良くアイドル活動をしていたが、ある日突然現れテレビ局を占拠し、マスコミやテレビ局の電波を使って世界を征服しようとする悪者と成行的に戦わなくてはいけなくなってしまった、といった感じだ。戦うことを強要するルックスが可愛い謎生物も登場しているあたり、魔法少女モノに近い雰囲気もある。女の子向けかもしれない。

でも衣装の露出が多かったり、触手が生えたモンスターが出てきたりするので、やっぱり大きいお友達を狙っていると思う。ちょっと露骨に狙いすぎな感じもするが。

 
 

 
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