No.495575

とらドラif 竜児×奈々子 33

平賀一刀さん

33です。
よろしくおねがいします。

2012-10-13 05:31:12 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2365   閲覧ユーザー数:2317

「そういえば香椎は将来の夢とかって決まってるか?とりあえずの進路とかでもいいんだけど」

 

「なんか学校でそういう話出たわね。うーん、竜児君のお嫁さんってのはどう?」

 

「ばっ、いや、そうじゃなくて、いやその気持ちはありがたいし俺もそうなったらって思ってるけど」

 

「ふふっ、分かってるわよ。ちょっとからかってみただけ。

 真面目な話をすると普通にどっかの大学行ければいいかなって」

 

「ずいぶん漠然としてるんだな」

 

「そりゃそうよ、竜児が大学行くなら私も同じ大学行きたいし。

 でも私文系だから勉強し直しなのよね。まあ最後は竜児に教わればいいから楽なんだけど」

 

「……」

 

「ん?どうしたの?」

 

「大学の話なんだけどな、俺就職しようかなって思ってるんだ」

 

「泰子さんのため?」

 

竜児はうなずく。

奈々子は竜児の家庭のことをある程度聞いていた。

自分も片親であるがゆえに考えそうなことは容易に想像がつく。

 

「先生にはいったの?」

 

「ああ、先生は俺を選抜に推薦したいって言われた。それを断ったけどもう一度よく考えなさいって」

 

「まあそう言うでしょうね」

 

「でもいくら考えてもこれ以外に出てこないんだよな。泰子にこれ以上無理させるわけにいかないし

 かといってバイトすら許してくれないし」

 

「香椎だったら分かってくれるか?俺の気持ち」

 

「分かるか分からないかって言うと、分かるわよ」

 

「私の家庭も似てるもの。泰子さんに無理させたくないって気持ちもわかる」

 

「だ、だよな!じゃあこのまま泰子を頑張って説得してm……」

 

「でもっ!」

 

竜児の言葉をさえぎってそれでも奈々子は言葉を続けた。

 

「それって結局竜児君の独り相撲じゃないのかな?」

 

「だって竜児の家庭がつらいのは今に始まったことじゃないでしょ?

 それでも高校卒業までやれそうじゃない」

 

「で、でもだな」

 

「泰子さんだって進学を望んでるんだし進学すればいいじゃない」

 

「そんな簡単に言うけどな」

 

「ただ、ただ私は竜児がどんな道を選んだとしてもそばにいたい。

 竜児がつらければ支えてあげたい。

 いまだってもっと早く相談に乗れたのにってちょっと怒ってるぐらい」

 

「……すまん」

 

「竜児はね、一人で何でも抱え込みすぎなのよ。泰子さんのことにしてもそう。

 母親なめちゃダメよ。子供のためだったら自分の限界なんて軽く超えられちゃうんだから」

 

「竜児はそれをいままで通り支えてあげればいいじゃない、ご飯作ってマッサージして。

 それが泰子さんの活力にもなってると思うよ」

 

「それに」

 

「辛かったらもっと私を頼ってよ、私はいつでも竜児の味方だよ。」

 

「香椎……」

 

「あ、でも竜児もちゃんと私の味方でいてね。大事にしてくれないと怒るからね」

 

「も、もちろんっ!それは約束する」

 

「じゃあこの話はこれでおしまい。これからは全部私に相談することっ。いい?」

 

「お、おう……なんか香椎って強引っていうかなんていうか真面目になると結構怖いんだな……」

 

 

「しょうがないでしょ!……だって私は大橋学園の番長、高須竜児の彼女なんだよ?」

 

「番長って、そんな…」

 

苦笑いする竜児と幸せそうにおなかを抱える奈々子。

これからも二人は様々な出来事を経験していくのだが

それはまた別のお話。                                   ~fin~ 続くかも?


 
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