No.494850

(改訂版)真・恋姫無双 ~2人の飛将軍~ 第8話

cavalさん

烏丸との決戦を終えた一刀たちに新たな仲間が加わる。

作者)今回はいつもより短めです。また稚拙な文章は相変わらずです。生暖かい目でよんでくだしゃい。

第1話の変更はありません。

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2012-10-11 02:34:33 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:6172   閲覧ユーザー数:5241

改訂版第8話

 

翔蓮の指示の元、烏丸城へ入城する幽州軍の兵士たち。

大きなぶつかり合いがなかったとはいえ、罠等でケガを負った兵士は少なくない。そのため音々が再編成した救護部隊が慌ただしく、ケガ人を収容した広間を動き回っている。

 

 城外の哨戒に白馬隊を率いて出撃した翔蓮。ケガ人の治療に専念している音々、音々の手伝いとして広間に残った恋と風を除いた将たちは玉座の間に集まっていた。

 

「星、その子が楼班なのか?」

 

「私が突入した際に1人で挑みかかってきたところを考えるとそうかと、しかしいくら問いかけても『殺せ』としか言わず仕舞いでしてな」

 

玉座には手足を縄で縛られ、口には自殺防止用に布を咥えさせられた銀髪の少年が座らされている。楼班は気絶しているのか、顔は下を向いたまま、一切の言葉を発しない。

 

「星、白蓮。楼班を起こすぞ」

 

「それはかまいませぬが、暴れるのが関の山ですぞ?」

 

「起きてもらわないと話もできないだろ?」

 

もし暴れだしてもすぐに取り押さえられる位置に一刀が立ち、武の心得がない戯志才の傍に白蓮が立つ。目配せで合図を送った星が、楼班の肩を叩き起こし始める。

30秒ほど経過した頃、まったく動きを見せなかった楼班が反応をし始める。そのまま楼班の覚醒は進んだものの、状況が記憶から飛んでいるようで1度2度周囲を見渡し一刀や星、白蓮の姿を見た楼班は、自身が置かれた状況を思い出し暴れだそうとするが・・・

 

「落ち着け。楼班」

 

傍に立っていた一刀と星によってすぐさま抑えられてしまう。言葉にならない叫びを上げながら少しでも抵抗しようとする楼班の視界の中に、前もって一刀の指示を受けていた兵士が蹋頓を抱えて現れる。

 

「―――!!―――!!―――!!」

 

敵である幽州軍の兵士に抱えられているのにもかかわらず、まったく動きを見せない蹋頓の姿に、楼班は目元に大粒の涙を浮かべながら、一刀と星の拘束をなんとかして振り切って蹋頓の傍へ傍へと向かおうとする。

 

「蹋頓を楼班の前に下してやってくれ」

 

「はっ!」

 

白蓮の指示を聞いた兵士は蹋頓を足からゆっくりと丁寧におろしていく。それに合わせるように一刀と星も抑えていた手を楼班から離して、楼班を見つめる。

一刀のたちの拘束は無くなったとはいえ、手足を縛られた楼班は体をくねらせながら、ゆっくりと蹋頓の元へ向かう。蹋頓の傍に這い寄れた楼班は頭を蹋頓の胸に置き、すこしでも蹋頓の温かみを感じようとした瞬間、気が付いたことに目を見開いた。

「蹋頓は生きているんだ。楼班」

 

白蓮の言葉を楼班は耳を傾ける。蹋頓が生きているということが分かったことで、白蓮や星、一刀たちへの憎しみの炎が一気に消火されていくのを感じていた。

 

「本来ならば、君たち2人は幽州の地を恐怖に陥れた者たちとしてここで斬るのが、幽州を任せられた私の仕事・・・だけどな」

 

「私は、ここで君たちは斬らない。ここで君たちを切れば、残った烏丸の民衆は私にその憎しみを向ける。それだと、意味がない」

 

「だから、私は烏丸と同盟を結びたいと考えている。手を取り合えるかは、君たち次第だ、楼班」

 

白蓮の言葉を聞いていた楼班の目は先ほどまで憎しみの黒に染まっていたが、今、彼本来の色なのだろう、透き通るような水色の瞳を白蓮に向ける。すでに楼班から敵意が消えていると判断した、一刀は楼班の拘束を解いた。拘束を解かれた楼班は固まった筋肉を軽くほぐしたあと、白蓮の前に膝をつき左手で右手を包み頭上に上げる、拱手を取る。

 

「公孫賛殿、我が主蹋頓に変わりお礼申し上げる。同盟に関して受けるに当たり、2つお願いたいことがある。構わないだろうか」

 

楼班からの問いを受ける前に白蓮は1度一刀を見つめる。当初白蓮は自身でも言っていたように、蹋頓と楼班を捕えた場合処断するつもりであったが、入城直前に彼女を訪ねてきた一刀から「命は取らないでほしい」という進言があったのだ。最初は大反対をした白蓮であったが、今後のことを根気強く話す一刀を信じてみることにしたのだった。

 

「1つ目。我が烏丸は現在、大規模な食糧危機に陥っております。その援助はいただけるかどうか。2つ目はボクからの勝手なお願いです。蹋頓に世界を見せてあげてほしいのです」

 

「1つ目の食糧援助に関してはできるだけ支援を行うが、幽州も北の地だ。そちらの希望通りの量を支援できるかは分からない。2つ目、蹋頓と関しては・・・」

 

楼班たちの処遇に関して言葉を詰まらせた白蓮に変わり一刀が続ける。

 

「それは蹋頓からも言われたよ。『世界は広いんだね・・・』って。まぁ、オレ達についてくるか、どうするかは蹋頓が目覚めてから2人で話すといい。蹋頓は戦いながらも君のことを常に想っていた。その彼の意志を無視するのはやめたほうがいい」

 

「分かりました・・・」

幽州軍が烏丸軍に勝利して2日後、烏丸が幽州の傘下に加わる形の同盟が結ばれる。これによって幽州と烏丸の長年の争いは終末を迎えることとなった。同盟を結び本拠地である渤海に凱旋した白蓮たちを民衆は英雄として称え、多くのお祝いの品が渤海城に運ばれた。お祝い分類分けや、戦後処理、戦いの間に溜まっていた政務に白蓮だけでなく一刀、音々、風、戯志才の目が回るような日々をしばらく過ごすことになったのだった。

 

 烏丸との戦争が終結してから1か月後、蹋頓だけでなく楼班も渤海城に現れたことに白蓮たちは仰天。彼らの話によると、烏丸の民衆への説得に苦戦していた彼らに、幽州からの約束の食糧支援が到着。幽州への信頼が築けた頃、彼らは民衆に大人である蹋頓が大人を辞し幽州の一刀の元に向かうことを話した。反対されると思っていた蹋頓と楼班であったが、民衆の反応は逆に「大きくなって帰ってこい!」と。それどころが「蹋頓だけでなく楼班もいって大きくなって帰ってこい!」という意見まで飛び出す。

後々、楼班が民衆から聞いたところによると、若い2人に重圧を背負わせ続けていたことに、罪悪感を持ち続けていたらしい。

 

 

玉座に通された2人は一刀の姿を見ると2人して腰に抱き着いた。そして子供らしいあどけない笑みを浮かべた後・・・

 

「ボクの名前は蹋頓!アニキこれからよろしくな!」

 

「ボクの名前は楼班です。兄様これからよろしくお願いします」

 

 

ちなみにその光景は他のすべての将や軍師勢も見ていたわけで、彼女(彼)たちの心の中はこんな感じ・・・

 

白蓮)どうせ・・・私に人望はないよーだ・・・悔しくなんてないもん・・・

 

翔蓮)あの少年たちが烏丸を率いていたのか・・・すごいな・・・うちの大将は・・・あぁ・・・ダメだ、落ち込んでるや・・・

 

星)白蓮殿がいい感じに落ち込んでいるようですな。これは後で酒でも誘って弄らなければ・・・

 

戯志才)可愛らしい少年2人に攻められる北郷殿・・・ブハッ!

 

風)稟ちゃんが鼻血を吹きましたね~お兄さんで何を想像したのでしょう~

 

音々音)む~・・・最近忙しくて音々は一刀殿と過ごせてないのに・・・

 

恋)・・・恋も後で一刀に抱っこしてもらお♪

 

 

そんなこんなで蹋頓と楼班が一刀たちの仲間に加わることになりました。

 

 

あっとが~き

想定よりも早めの更新になりました。まぁ、文章量がいつもよりも少ないっていうのが理由でもありますが・・・・。

 

さて改訂版第8話です。蹋頓と楼班仲間入りイベント回になりました。前話でもちょっと触れていましたが、蹋頓と楼班は、季衣・流琉の男の子verと考えていただけたらと思います。彼ら専用のイベントをいくつか考えているので、その時期になれば本編に組み込んでいこうと思います。(朱里や雛里が喜ぶイベントはありません)

 

さて本編であまり触れてない楼班について。

楼班は軍師兼呪術師という立場になります。とある戦国アニメの某H・Tちゃんと被ると思われる方は多いと思います。だって元ネタそれだもの(´・ω・`)イイノカソレデ・・・

 

こうなった経緯。

楼班を調べる→体が弱かったらしい→軍師だな→某戦国アニメを見る→H・Tちゃんの存在を知る→電撃走る→これだ!→楼班の設定構築開始

 

こんな勢いとノリで書いている作者でごめんなさい。

 

楼班と蹋頓の一刀への笑顔の後の心理描写に関して

恋と音々をちょっとでもいいから登場させたかった、以上。

 

次話以降に関して

次話から黄巾の乱編に入っていきます。

月たちとはまだ合流しないと公言し、風と稟がいるので、どこに所属させるつもりなのかは、予想がついてしまう人はいると思います。

 

さて今回はこの辺で・・・。

次回改訂版第9話で会いましょう(´・ω・`)ノシ

 


 
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