第八十五技 不安
キリトSide
「…っん…朝か…」
そういえば昨日は75層のボス攻略戦に参加して、帰ってきてからすぐに眠ったのだ。
隣をみればアスナはまだ眠っている。起こすのもあれなので静かにベッドから出てリビングへと向かう。
キッチンで湯を沸かしてコーヒーを作り、ソファに座って新聞を読む。
さすがに疲れがあるので朝の日課は後にしよう。
新聞を読んでいると目に留まったのは昨日の事に関する記事だった。
『第75層、三人の犠牲者を払うも攻略成功』、『またまたユニークスキル持ち登場!しかも今度は二人』、
『【黒き閃光】と【黒き破壊王】がユニークスキル持ちだった!』などと書かれている。
大変だろうな、あの二人。
かくいう俺も今は隠れているんだがな。そんな時…、
―――パタパタパタパタッバタンッ!
「キリトくん……」
アスナが勢いよく扉を開けて入ってきた。その顔は今にも泣きだしそうな表情だった。
「っ~~~(ギュッ)」
「アスナ……どうしたんだ?」
アスナは俺に抱きついてきた。彼女の体は震えていて、嗚咽をもらしながら泣いていた。
「…(ンク)、めがさめたら…キリトくんがいなくて……(ヒッ)、きのうの…ボスせんのこと、
おもいだして…(ヒク)、こわくなってきて(グス)、キリトくんが……
いなくなっちゃったんじゃないかって……(グスン)」
「っ!…ゴメン、アスナ。不安な思いをさせて……」
彼女は再び目にした人の死を思い出して、不安になり怯えていたのだ。
なのに俺は側から離れてしまった。だから俺はその不安を消し去る為に彼女を強く、強く抱き締めてあげた。
「アスナ……んっ」
「んむ…ちゅっ、ぴちゅ……んぅ、ふぁっ…んん……キリ、んちゅ…キリトくん…//////」
アスナの顔を軽く上にあげさせてキスをする。
深く舌を絡ませていき、お互いの唾液を交換して飲み干していく。
時間にして2、3分ほどしてからアスナを解放する。
すると力が抜けてしまったのかして、ぐったりと俺に
「ふぁ…はぁ…はぁ…。キリトくんのキス……はげしい……/////////」
「すまない、大丈夫か…?」
アスナは必死に呼吸を整えている。しかしその顔はかなり満足げな表情をしている。
「うん……大丈夫だよ…。ありがとう……もう平気だから//////」
とは言っているが俺から離れようとはしないので俺もアスナを抱き締め続ける。
さすがにずっと立っているのもあれなので、二人でソファに座った。
「いきなりごめんね……」
「そんなことないさ。不安になったのなら、甘えてくれていい…」
「うん…」
アスナは俺の胸に頭をあずけてきたので、俺はアスナの頭を優しく撫でた。
しばらくの間俺達はそうしていた。
「ごはん遅くなっちゃったね」
「別にいいじゃないか。少しぐらい遅くなっても」
「そう…だね。うん、偶にはいいよね」
俺達は現在遅めの朝食をとっている。ゆったりとしていたら10時30分になっていた。
「そうだよ。アスナが休めたのなら俺は「ピピピッ」あれ? メッセージか…」
「誰だろうね?」
メッセージが二件ほど届いた。宛名を見てみると騒ぎの渦中の二人だった。
「ルナリオとヴァルだよ。ルナリオは……」
寸分先に届いたルナリオのメッセージはこうだ。
―――外に出れません(泣)。転移結晶を使って、少しの間『隠の家』に隠れるっす。
用がある時はメッセージでお願いします。迷宮攻略には夜行きますから、そこんところも容赦してくださいっす。
それではっす。
「だ、そうだ」
「大変だね、ルナリオ君…。ヴァル君はなんて?」
「ヴァルはっと……」
―――外を見てみたら大変な事になっていました(苦笑)。
避難も含めて35層にいるシリカに会いにいこうと思います。
御用がある時はメッセージを飛ばしてください。
では、また今度お会いしましょう。
「ということらしい」
「ヴァル君も大変そうだよね」
たしかに。ちなみに今の俺もそういう状況なんだが、二人の事があったから俺への火種は少なくなりそうだな。
それよりもシリカに会いに、か……。
「(ボソッ)なにも起こらないといいけどな…」
「? どうしたの、キリトくん?」
「あぁ、いや。なんでもない。ほら、はやく食べようか」
俺は自分の中に渦巻いた嫌な予感と不安を振り払って食事に戻った。
この不安感が気のせいであってほしいと願って。
キリトSide Out
To be continued……
後書きです。
今回は不安なアスナをキリトが癒す?話しでした。
といいますか、イチャラブってるだけですけどねw
次回からはヴァルとシリカの物語になります。
話し的には「黒の剣士」をヴァルが演じることになります。
オリジナルの話しもありますので、是非お楽しみに・・・。
では・・・。
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第八十五話になります。
え~、イチャラブ入りま~~~すw
どうぞ・・・w