No.487756

超次元ゲイムネプテューヌ 魔法を司るもの

ユキさん

仕事を終えたネプテューヌとコンパとアイエフ。
そんな三人が宿に帰ると、
そこには見知らぬ美少女(ノワール)とソウジがいた。
今回はいろんなキャラからの視点を試します!

2012-09-23 21:10:14 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:966   閲覧ユーザー数:922

第7話 新たな仲間

 

ねぷside

 

「....プラネテューヌ以外にもこれほど多くのモンスターがいるのね。

 倒し甲斐があるわ......!」

 

私は最後の1体を切り捨て、満足げにそう言う。

戦ってるときは本来の自分が出せるって感じがするわね。

 

「なんかねぷねぷ、その格好だと強気です。

 それにしても...やっぱり女神様の守護が弱まってるから、モンスターさんも現れるんですか?」

 

「私に聞かれても分からないわ。

 でも、仮にも女神様と呼ばれている存在よ。その守護が弱まるなんて、ありえるの....?」

 

「女神様の力が弱まるっていうか

 .....そもそも、その力の源は大陸の人々の信仰心よ。モンスターが人を襲えば自然と弱まるの」

 

私の問いにあいちゃんが答えてくれる。

 

「守護が弱まってモンスターが現れる。

 モンスターが人を襲って守護を弱める。堂々巡りなんだと思うわ」

 

「なるほど、分かりやすいわ。

 でも、だとしたら時間が経過すればするほどモンスターは増えるかも知れない....」

 

私がそんな極当たり前の発言をすると

こんぱが目を輝かせ「こっちのねぷねぷは頭がいいです!」と言われてしまった。

あっちの姿の私って....

 

「でも、どうするです!だとしたらキリがないですぅ!?」

 

こんぱが慌てているので私はさらりと言ってやった。

 

「安心して、私がいるわ。....誰かに言われたの。世界を救えるのは、私だけだって」

 

「私なら救えるのよ。なら救って見せるわ!」

 

私は思ってることをそのまま口にしてみた。

....これ、かなり恥ずかしいわね....

 

「せ、正義感はそのまんまですけどこっちのねぷねぷは、

 安心感が違うですね.....!?すっごく頼れるです!」

 

こんぱ、それ以上は言わないであげて!

何か私までそれを聞いていたら立ち直れなさそうになるから!

 

 

 

 

アイエフside

 

私たちは報酬の1000クレジットをシアンから貰い、ソウジのいる宿を目指していた。

時刻は夕刻を過ぎたくらいだろうか、空が茜色だった。

数分歩いたところでねぷ子が報酬について不満を漏らし始めた。

 

「まだまだ序盤だからかなぁ?

 何かモンスターを倒したときの報酬がコトのほかさみしいよーな....」

 

「景気があんまり良くないらしいですなんでも....アヴニールて言う大きな会社さんが

 お仕事をみんな持ってちゃってるらしいですよ?」

 

私もその「アヴニール」という単語に反応して話に参加し始める。

 

「確かに。中小の工場がそのアヴニールのあおりで潰れてるってのは、あるみたいだけど。

 ...別にそのせいだけじゃないんじゃない?」

 

「でもそれって悪い会社だよね!?

 お仕事全部独り占めしちゃってるんでしょ?それはすなわち、悪だよね!?」

 

私はねぷ子のやる気満々な顔に苦笑いしながら答える。

 

「....そこでウンって言ったら襲いかかりそうね。

 でも別に世界征服してるワケじゃないんだし。そもそも会社を善悪で分けるのはどうかなー」

 

「でも、その会社のせいで困ってるなら放っておけないよ!

 そこを倒せば、景気も良くなるんでしょ!?」

 

やけにまじめな表情をしてそんなことを真剣に訴えてくるねぷ子。

 

「一般的に会社は倒す物じゃないんだけど。

 ....そういう時は武力じゃなくて協会や女神様に、相談するのが普通なの!」

 

「でも、協会も追い出されて間もないですし、アヴニールさんにお仕事はとられるですし」

 

「まあ、私たちはとりあえず、街の困っている人たちを助けてあげましょう」

 

私の意見に賛成なのか二人は頷いて、「宿に行こう!」とねぷ子が張り切ると歩くペースが

急に速くなり、それに追いつこうとする私とこんぱは自然と走り出していた。

 

「こら、ねぷ子!早いわよ!!」

 

と、口元をほころばせながら先を走るねぷ子にいった。

 

 

ノワールside

 

私がこの宿に来てから数時間。

部屋の中にはソウジ、ネプテューヌ、コンパ、アイエフという見知らない人たちが目の前にいる。

描写としては、リビングの絨毯の上に正座の私、

目の前にいるのはちょっとイケてるソウジ、

その右隣には見たことがあるようなないようなネプテューヌという子。

ソウジの左隣にはすっごくふわふわした雰囲気のコンパ、

その隣にはいかにも頭のよさそうなアイエフ。

横並びというよりは、内側に丸くなってる感じかしら。

 

今はお互いの自己紹介(私は名前だけ)を終えて、今後私がどうするかについての話。

選択は二つ。一つは協会ってところに記憶が戻るまで預かってもらうか。

もう一つはソウジたちと一緒に大陸中を回る旅をするか。

 

「ていうか、ノワール戦えるのか?」

 

「たぶん大丈夫よ。戦闘のときの動きはなんとなくだけど身体が覚えてる気がするわ」

 

「だったら、戦力としては大歓迎なんだけどね」

 

アイエフは私の胸を見て小さくだが「ちっ」と舌打ちした。

 

「人の胸見て舌打ちは止めなさいよ!そしてソウジは見過ぎよ!!」

 

そばに転がっていたペットボトルでソウジの頭を軽く叩く。

 

「すまん。えっと....ノワールはどうしたいんだ?」

 

ソウジにそう言われ、私は考えを巡らせる。

ここで協会に預けてもらう=つまらない。

ソウジたちについていく=なんか面白そう。

 

「決めたわ!貴方達についてってあげる!」

 

「ねぷ?なんか立場違わない?」

 

「気にしちゃだめだ。これがいわゆるツンデレ(?)とか言うやつなんだと思う」

 

ソウジの指摘に私は慌てて彼を指差し

 

「べ、別にツンデレじゃないんだからね!!」

 

ほとんど考えのまとまっていない状態でそう告げた。

だって、ツンデレなんかじゃないんだから!

それにまだデレたことないわよ!!てことはツンデレじゃないわよ!!

 

「ねぷねぷ、そうじさん!ノワールさんが困ってるですぅ!」

 

ここで意外なところから助け舟が来たわ。

コンパって優しくていいわ。それに比べて、後の三人は私に対して少し失礼じゃないかしら?

 

「別に困らせるつもりじゃなかったが....」

 

「その、なんだ...ノワール、これからよろしく頼む」

 

そう言うとソウジが私のほうに手を差し伸べしてきた。

私は手を握るのを少し戸惑いながらもその手をなんとか握る。

 

「し、仕方ないから、これから面倒見てあげるわよ」

 

ソウジの顔を直視できずに私はそっぽを向いて言った。

無愛想に見えてないかしら?って違う違う!!あー、もう!!

 

「ど、どうした?ノワール?」

 

手を離して、ソウジがこちらを覗き込んで来る。

 

「ひゃんでもない!」

 

さらにかんでしまった。

もうなんなのよ!ソウジといると調子が狂うじゃない....

と、私が変にじたばたしているとコンパとネプテューヌが

私に見せ付けるようにソウジの両腕にくっつく。

 

「は、はしたないわよ!」

 

「ノワールにはこんな大胆なこと出来ないよね~」

 

「ノワールさんより、私たちのほうが出会いは先です!」

 

「あほか」

 

ゴン!

 

と、アイエフの一言と何か鈍い音が同時にした。

ネプテューヌとコンパは頭をさすって、

「あいちゃん、鬼畜だよ!」「あいちゃんが怒ってるですー」と文句を言う。

どうやら鈍い音の正体はやかんのものだったらしい。

天井からやかんがふってくるなんて、昔のコント劇ね。

 

「うるさいわね。ノワール、こんなのは無視しましょう」

 

「そうね」

 

「うー、ソウジ~。あいちゃんが厳しいよ~」

 

「このままじゃ見捨てられちゃうですぅ」

 

と、甘えてる二人をソウジが優しく頭を撫でているのを見て、

 

「私もされた―――されたくなんてないんだからね!!」

 

「ツンデレも中々大変ね」

 

今度はアイエフに同情されてしまった。

うー、ホントになんなのよ~。

そんな混乱状態の私を見てか、ソウジが急に立ち上がり

 

「みんな、あんまりノワールを困らせるなよ(自分が困らせていたのは既に忘れている)。

 それに明日は若社長ところに行くんだろ?」

 

「若社長?」

 

その今までの話で出てこなかった単語に私が疑問符を浮かべているとアイエフが説明を始めた。

それにあわせてソウジは自然と私の隣に腰を下ろしてくる。

 

数分後

話しの内容を聞き終わると私は自分なりの考えをみんなに話してみた。

 

「たったの一企業が大陸中の仕事をほとんど貰い受けるなんて、

 そんなの後ろからの何かしらのフォローがあるはずよ」

 

私の意見を聞きアイエフが顎に人差し指を当て

 

「フォロー....なるほどね。それならその裏を掴んでしまえば、完璧ね」

 

と私に「ナイス」と親指をぐいっとこちらに向けてくる。

よかった、私の意見が役に立てて。

 

「でも、そんなのどうやって探すんだ?」

 

ソウジがそう言ってそれ以上はなんにも考えていなかった私は思わず押し黙ってしまう。

それをフォローしてくれたのはアイエフだった。

 

「私たちがラステイションで活躍すれば、あちら側から近づいてくる。そのときを狙うのよ」

 

「「「おおー!!」」」

 

他の三人はテンション高めの感激の声を上げる。

これは私の身体持つかしら?

 

 

ソウジside

 

今は飯も食い終わり、風呂にも入り、就寝の時間だ。

ノワールという記憶喪失なツンデレ美少女を

パーティーに向かい入れたので、俺は残念ながらベッドではなく、ソファーで仰向けになっている。

電気は消してあるので天井は真っ暗なのは当然。

 

「俺ってこれからずっとソファーなのか?」

 

そう考えると少しばかりだが悲しくなってくる。

だが、そんな気持ちを帳消しにするほどの劇的美少女が四人も俺と一緒に旅をしているのだ。

 

「いやしかし、思春期なだけあって

 あんなに可愛いやつらがいるのに手を出せないってのは中々きつい」

 

「寝室に行ってみるか?...いやそれはあいつ等に見つかったら怒られるな」

 

しかしそう考えると妹のコトネは全然怒らなかったな。

むしろ俺にくっついてばかりだったな。

どこ行くにしても「おにいちゃん」って言ってついてきていたからな。

 

「コトネのやつ、元気にやってるかな?」

 

そんなことを考えていると妹のことが急に心配になってきてしまった。

飯はちゃんと食えてるかな?ちゃんと毎日起きれてるのか?

 

「うーん、大丈夫だな。あいつは俺と違ってしっかりしたやつだし...しかも、あいつはそれなりに 今でも可愛いからな。次ぎあったときはきっと美少女になってるんだろうな」

 

コトネの未来の姿を想像して思わずにやけてしまう。

すっかりと俺の頭からは「心配」の二文字は消去されていた。

そればかりか次には「期待」という二文字が頭の中に浮かんできた。

 

「ぬあ!!まだ続くのか~!」

 

そんな考えをどこぞの神が「やましいな」と判断したのか、またもや頭痛らしきものが俺を襲う。

しかも怪我している場所に起こるものだから、余計に痛い。

 

「ぐぁぁ!?」

 

さらに強い痛み。

歯を食いしばり頭を両手で押さえ必死に我慢するが、よもや限界。

 

「き、期待なんかしてないっす!妹の未来に期待なんかしてないっす!!」

 

頭を抑えながらそんなことを静かに、しかし力強く言っていると徐々に痛みが治まってきた。

ごめんな、コトネ。お兄ちゃん情けないやつで....

痛みが完全に治まり「はぁ、はぁ、はぁ」と肩で息をして、

俺は寝転びながら額の汗を拭うために手の甲で拭こうとして―――額の異変に気付いた。

 

「いつのまに額に包帯が....コンパよ。

 心配してくれるのはいいけどせめて緩く出来るくらいの強さに巻いてほしいもんだ」

 

寝室で寝ているであろうコンパにそう言って、俺も深い眠りに落ちていった。


 
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