No.486664

真・恋姫無双 刀蜀・三国統一伝 拠点:桃香 初めての・・・

syukaさん

何でもござれの一刀が蜀√から桃香たちと共に大陸の平和に向けて頑張っていく笑いあり涙あり、恋もバトルもあるよSSです。

2012-09-21 00:32:18 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:11531   閲覧ユーザー数:9270

まえがき コメントありがとうございます。さて、今回は桃香のターンですね。恋姫内で好きなキャラダントツ1位です。あの天然でほのぼのとした雰囲気が好きです。胸も大きいですしw真にしろ萌にしろ、にやにやがノンストップだったのは言うまでもありません。思わず追加シナリオ見たさにPSP版も買ってしまったほどです。それではごゆっくりとお楽しみください。

 

俺は昼食を食べ終えた後、桃香と二人で街に出かけた。街にもすっかり俺たちのことが広まったようで街の人たちも俺たちに親しげに話しかけてくる。この雰囲気が長く続けばいいな。桃香の人の良さと人懐っこさで俺がいなかったらたくさんの人たちに引っ張りだこだろう。二人で歩いていると桃香がおもむろに口を開いた。

 

「ご主人様、ごめんね。その、昨日酔っぱらった時にちゅーしちゃって・・・//」

「あー・・・」

 

そういえばキスされたな。頬だけど。俺に抱きついたまま寝てたけど記憶はあるんだな。

 

「気にすることはないよ。それに口と口じゃなかったし。初めてされたから驚いたけどね。」

「そ、そうなんだ。じゃ、じゃあ、もし次があったらちゃんと口にしてあげるね。」

「///」

 

そういうのはあまり口にしないでほしい。恥ずかしくて堪らないから。とりあえず気を取り直して俺はどこに向かいたいか聞いてみる。

 

「桃香、どこか行きたいところとかある?」

「えーとね、まずは服を見たい!」

「了解。」

 

まずは服屋に向かった。向かう間に自然と手が繋ながっていたが気にしない。

 

「こんにちは~。」

「いらっしゃいませ。おや、今日は御使い様と一緒ですかい?」

「うん♪久しぶりにご主人様と二人っきりだから可愛いやつを探しに来たの。」

「そうですか。ごゆっくりしていってください。」

 

店主は店の奥に引っ込むと桃香は目を輝かせながら服を物色し始めた。

 

「ご主人様、どんなのが似合うと思う?」

「そうだね。桃香は色で言うと桃色、白かな。服の種類までは俺も詳しくないから何とも言えないけど。」

「分かった。じゃあちょっと選んでくるね。」

 

女の子っていつの時代もウィンドウショッピング好きだよな。俺も母さんや婆ちゃんに何度付き合わされたことか・・・。そんなことを考えていると桃香が何か決めたようでちょっと待ってね。と一言残して試着室に入っていった。そして一人残される俺。現代にいた頃の下着店でこの状況に置かれたときは周りの目が痛いことこの上なかったなー。そんなことを考えていると試着室が開かれて桃香がそこから出てきた。白地のワンピースを身に纏った桃香はいつもの正装とは違い現代にいてもどこも違和感のない可愛い女の子になっていた。

 

「どう、似合う?」

「あぁ。可愛いよ。」

「えへへ、ありがとう。じゃあこれにするね。」

 

桃香がまた正装に着替えワンピースを持って会計に向かった。ここは俺が払ってあげよう。これまでのお礼を形として渡しておくのもいいかな。俺は桃香がお金を出すのを制して自分の財布からその分のお金を出した。

 

「いいの?私が持ってるお金は愛紗ちゃんから預かってきたものだからご主人様が出さなくてもいいのに。」

「いいのいいの。これは俺から桃香への贈り物だから。これまで何もあげられるものがなかったからね。」

「それだったら私だって何もご主人様にあげてないよー。気持ちはありがたいけど。むしろ私の方がお礼しないといけないくらいだよ。」

「俺は桃香たちに会えてこうやって一緒にいさせてもらえることに感謝してるんだ。どれだけ感謝してもしきってもしきれない。だから、受け取ってくれる?」

「うん。大事に着させてもらうね。」

 

会計を済ませると桃香はワンピースに着替え正装は俺が袋に畳んで入れて持ち運ぶことにした。

 

「お次はどこに行きたい?」

「甘いものを食べたい!」

 

「さっき昼飯食べたばかりだろ?入るのか?」

「甘いものは別腹だよ~。さっきね、月ちゃんに美味しい杏仁豆腐があるって噂のお店えを教えてもらったの。恋ちゃんもよくそこを利用してるらしいし。」

「それは興味があるな。よし、そこに行くか。」

 

そこは一人の男が経営しているらしく、老舗のような雰囲気ものらしい。何でも、味には人一倍頑固で自分が認めたものしか店で働かせる気は無いらしいなどなど。料理する身としてはそんな話を聞けば是非とも行ってみたくなるというものだ。桃香に案内してもらうとそこは歴史を感じる建物で外装は決して綺麗とは言えないが、店内に入ると内装はとても綺麗で客のことをよく考えていると一目で分かった。テーブルも椅子も木で作られているがちゃんと磨かれていて光沢まで出ていた。

 

「いらっしゃいませー。」

「いらっしゃい。」

 

店の中には一人の男だけでなく女の子もいた。店主のお孫さんとかかな?店主と思われる人物は椅子に座ってただただ野菜や果物の皮を剥いたり水洗いをしていた。

 

「こちらのお席にどうぞ。」

 

俺たちは案内された席に座ると献立表を手渡された。この女の子は鈴々と同じくらいの年齢だろう。けどしっかりしてそうだ。

 

「ご注文が決まりましたらお呼びくださいね。」

「うん、ありがとうね。」

 

その女の子は厨房に下がった。すると桃香はすでに注文するものを決めていたようでどこかそわそわしながらも俺の顔をにこにこと見てくる。

 

「俺の顔に何かついてる?」

「ううん。ご主人様と二人でこんな風にゆっくりするのって久しぶりだから、何だか楽しいな~って思って。」

「そういえばそうだな。黄巾党討伐中はこうしてゆっくりする暇もなかったし。」

「そうだよ~。だから、今日はいっぱい楽しもうね。」

「おう。」

 

俺は桃香と会話しながらもどれを注文するか悩んでいた。噂どうりならここで一番の当たりを引いておきたい。ここで味を覚えてみんなにもっと美味しい料理を作ってあげたいからな。というかどれも当たりに思えてならない。記されている料理数が少ない分、それぞれに自信を持っているのだろう。俺は悩みに悩んだ結果、エビチリと炒飯に決めた。正直、昼飯のすぐあとで腹は減っていないのだがここで食べないのはもったいない。

 

「すみませーん。注文良いですかー?」

「はーい。今向かいまーす。」

 

女の子はぱたぱたと少し駆け足でこちらに向かってくる。

 

「私、杏仁豆腐と点心を一つずつ。」

「俺はエビチリと炒飯をお願いします。」

「かしこまりました。少々お待ちください。」

 

女の子は再び厨房に戻ると座っていた店主らしき人がこちらに近づいてきた。

 

「お客さん、すまんね。本当は店主の俺が料理してあんたたちに振る舞いたかったんだが。腰をやられちまってな。」

「大丈夫なんですか?」

「あぁ。さっきの子、典韋ちゃんが手伝ってくれているから大助かりだ。」

「あれ?店主が認めた人じゃないと店で働かせないみたいなことを聞いたのですが?」

 

 

そう聞くと店主はあぁ。と言って少し笑いながら淡々と話しだした。

 

「典韋ちゃんは御使い様たちが来た日にうちにひょっこり来て昼飯を食べるついでに人を探しているんですって俺に訪ねてきたんだ。そんときに食べたのがどうも気に入ったみたいで。この街に滞在している間、ここで働かせてくださいって言ってきたんだ。そん時のあの子の目がキラキラしてて。まるですごいものを見つけて嬉しそうにしている子供のような目だった。即採用にしても良かったんだがな、俺にも誇りがあるから典韋ちゃんに一品作らせて俺を満足させたら働かせてやるって言ったんだ。」

「それでどうだったんですか?」

 

「そこまで期待してなかったんだが正直、度胆を抜かれた。あの年であそこまで美味いものを作れるのかってな。味付けもしっかりしていたし先に俺の好みを聞いてきて、食べてもらう側への配慮もしっかりしている。それなら俺もあの子の頼みを了承せざるを得なくなってこうなったんだ。」

 

店主が話し終えるのとほぼ同時に典韋ちゃんがこちらに料理を運んできた。

 

「お待たせしました。エビチリと炒飯、杏仁豆腐に点心になります。」

「わぁ~、おいしそ~。」

「うん。確かに。」

 

これは腹が減っていなくても美味しく食べられそうだ。料理をテーブル上に並べると典韋ちゃんは店主の方を振り返ると少し困った顔をした。

 

「おじいちゃん、腰を痛めてるんだからじっとしてないと駄目だよ?」

「じっとしながら客と話しているぞ?」

「もう・・・。」

 

俺と桃香は二人のやり取りを見てくすっと笑うと出された料理に手を付けた。

 

「ん~!おいし~!」

「おっ、美味い!」

「ありがとうございます。」

「ご主人様、そのエビチリ一口ちょうだい。」

「いいよ。じゃあそっちの杏仁豆腐を一口もらえる?」

「うん。」

 

桃香は杏仁豆腐を掬うと俺の方にスプーンを向けてくる。

 

「はい、あーん。」

 

え?この状況で?めっちゃ二人がこっち見てるんだけど・・・。桃香のことだ、言っても聞いてはくれないだろう。これは観念するしかなさそうだ。

 

「ぱくっ。うん、美味しい。程よく甘みがあって、果物の食感もしっかりしている。じゃあほれ、あーん。」

「あーん、ぱくっ。おいし~。ちょっと辛いけど、エビの大きさも女の子でも食べやすい大きさにしてあるし。」

「・・・。」

 

隣で見ていた典韋ちゃんがぽかーんとした表情をしている。やっぱりこうなっちゃうよな。すると店主があははと声を上げて笑い出した。

 

「流石は噂の御使い様です。いつも女の子を側に侍らせているって聞いてましたが、あながち嘘でもなさそうですね。」

 

侍らせてって・・・。こうやって噂が広がっていくんだろうなーと実感した瞬間だった。そんなことを考えていると典韋ちゃんが御使い様?と呟いてこちらに視線を移してくる。

 

「あの、あなたがあの御使い様なんですか?」

「うん。北郷一刀です。」

「ご主人様、有名人だね~。」

「桃香も俺のこと言えないくらい有名のはずだよ?」

「そんなことないよ~。」

 

桃香、君も当主なんだからむしろ俺より有名のはずなんだけどね?口には出さないけど。

 

「あの、いきなりですみません。そちらに許緒って子いませんか?黄巾党討伐の陣営で姿を見たって言う話を聞いて。私と同じくらいの背の女の子なんですけど。」

「うーん、うちにはいないかな。そうすると多分曹操さんのところかな。」

「そうですか。ありがとうございます。」

 

それから少し時間が経ち、料理も空になったことで俺たちはお暇することにした。

 

「ご馳走様、美味しかったです。」

「とってもおいしかった~。また来るね。」

「はい。またいらっしゃってください。」

「今度は俺が料理を振るってあげますよ。」

「その前に腰を治してくださいね。」

「それもそうか。あははは!」

 

二人に別れを告げまた桃香と街を歩きだした。

 

「美味しかったね~。また来ようね。」

「そうだね。今度行ったときは店主も元気になってたらいいんだけど。」

 

そんなことを話しながら俺たちは街中を歩き回った。途中でセキトやその他諸々の犬やら猫やら鳥に遭遇しては懐かれて大変だったけど。それを見ていた桃香はご主人様、人気者だね~って言いながらあはは~と笑っていた。お陰で服はやつれるは顔は舐められるは持ち歩いていた桃まんは食べられるはで散々だ。これはこれで楽しかったから良かったけど。・・・動物たちよ、もうちょっと手加減してくれ。幸い、たまたま通りかかった恋がセキトたちにめっ!と言って動物たちを散らばらせてくれたから助かった。お礼に今度何かご馳走する約束をすると恋はどこか嬉しそうに来た道を戻っていった。俺たちはとりあえず落ち着けそうな場所を探して腰を下ろすと桃香にボサボサになった髪を直してもらうことにした。

 

「ご主人様、髪の毛ボサボサだー。」

「何で楽しそうなの?」

 

俺の髪を整えている桃香はニコニコしながら俺の髪を整えてくれている。そんなに髪を整えるのって楽しいのか?

 

「いつもご主人様に寝癖なおしてもらってるでしょ?だから、私も髪の毛整えてあげたいなーって思ってたの。だけど私が起きた時には既にいつもどうりだから。こんなときじゃないとご主人様の髪触らせてもらえないもん!」

「まぁ、桃香みたいに長くないから早く済ませられるのもあるけど基本的に俺って寝癖つかない方なんだ。寝癖で思い出したけど今日の寝癖はどうしたの?いつもより相当酷かったけど・・・。」

「えーとね。ご主人様とお出かけするのが楽しみで明日はどうしようかな、何をお話ししようかなって考えてたらいつの間にか明け方になってて・・・。だからあんまり寝てないの。たぶんそれが原因だと思う。」

 

翌日の遠足が楽しみで寝付けない子供みたいな理由だな。けど俺と出かけるのが楽しみで寝付けなかったって言う理由は正直嬉しい。そんなに楽しみなら俺ももう少し計画を練っておくべきだったな。

 

「ごめんな、もうちょっと俺もおすすめのお店とか聞いておくべきだった。」

「私はご主人様と一緒にいるだけで楽しいし嬉しいから行く場所なんて関係ないんだよ。行く場所がないなら二人でお部屋やお庭でまったり過ごすのも良いかなーって思うし。」

「そうだな。二人で日向ぼっこしながら過ごすのもいいね。俺が軽く食べれるものを作って、ご飯食べたらお茶飲んでお菓子食べて。暖かくなったらお昼寝するのもありでだね。」

「いいね~。その時は私が膝枕してあげる♪」

「そうだね。楽しみにしておくよ。」

 

そういう時間も取れたらいいねと二人で話しながら城に戻っていると、道の端に宝石をあしらった装飾品を売っている行商人を見つけた。へぇ、この時代にもこういうのってあるのか。桃香は俺の手を引っ張って商人の元に駆け寄っていく。

 

「はわ~、きれ~。」

 

桃香は目を輝かせながら陳列されている装飾品を眺めている。それに気づいた主人はいらっしゃい。と言うやいなや、

 

「おや、御遣い様と劉備様ですか?」

 

とこちらに話しかけてきた。

 

「ん?どちらかでお会いしましたか?」

「2ヶ月ほど前に黄巾党の被害から救っていただいた村のものです。お二人は村の治安回復などに励まれていたので覚えられていなくても仕方ないでしょう。」

「いろんな場所を回っているからはっきりしたことはあまり覚えていないんだ。ごめんな。」

「いえいえ、とんでもございません。あれ以来、村の皆は賊に恐れることなく自由に商売できるようになったのですから。ところで、お二人はもしかして逢引の途中だったりします?」

「ただ一緒に買い物をしていただけなんだけど・・・。やっぱりそう見える?」

「むしろそのようにしか見えませんよ。御使い様と劉備様、お似合いだと思いますよ?」

「それは嬉しいな。」

 

ちらっと桃香の方に視線を移してみると、はわ~。とかきれ~。とか言いながらまだ商品に目を釘付けにされていた。あはは・・・。俺が苦笑いしていると主人が俺に話しかけてくる。

 

「良ければ一つどうですか?」

「うーん。桃香がこんな状態だから買ってあげたいのは山々なんだけど、今の所持金では無理かなー。」

「いえ、私たちの村を救っていただいたお礼ですのでお代はいただきません。もらっていってください。」

「村を救ったのは俺たちが勝手にやったことなんだからそこまでしてもらうわけにはいかないよ。それに、ほいほいともらえるほど安いものじゃないんだから。」

 

「御使い様たちにしてもらったことに比べれば安いものです。私個人としてもいつかお礼がしたいと思っていましたので。」

 

うーん。そこまで言われるともらわない方が失礼だよな。俺は改めて陳列されている商品を見てみると、指輪にブレスレットにネックレス。日用品に宝石を散りばめられているものまで様々なものが用意されている。桃香の横に立って商品を選んでいると一つ、惹かれるものを見つけた。ピンクサファイアがあしらわれた指輪である。これなら石のパワーポイント的にも桃香にぴったりだ。桃香の髪の色と同じ色っていうのも選んだ理由の一つなんだけどね。

 

「じゃあこれをもらうよ。」

「はい。ありがとうございます。」

「こちらこそありがとう。今度はちゃんと独立してお金で買わせてもらうからね。」

「楽しみにしておきます。」

「ほら、行くよ。」

「あっ、もうちょっと見たかったのに~。」

 

まだ見足りないのか・・・。俺が会話してる間ずっと見てたのに。俺たちはもう一度お礼を言うと再び城に向かって歩き出した。店主は二人の姿が見えなくなるまで微笑みながら見送っていた。あなたたちなら今の大陸の情勢を良いものにしてくれると信じていますよ。

城に到着した俺たちを待っていたのはそわそわとしている愛紗だった。どうしたんだろう?

 

「愛紗ちゃん、ただいま~。」

「愛紗、ただいま。」

「ひゃわっ!あっ、ご主人様、桃香様どこに、行っていらっしゃっていたのですか!?」

 

・・・ ・・・

 

「?」

「?」

 

何か愛紗がすごい形相でこちらに駆け寄ってくる。心配していたのは一目で分かったがその理由が分からない。しかもちょっと涙目になってるし。

 

「ご主人様とお出かけしてたんだけど。愛紗ちゃん、どうしたの?」

「い、いえ、ご主人様と外出していただけなのですか。良かった。」

 

愛紗は安心したようにほっと胸を撫で下ろした。そういえば愛紗に出かけること話してなかったな。それで俺と桃香の姿が見えなかったので心配してくれたのだろう。今度出かけるときにたくさん楽しませてあげないとな。

 

「ごめんね、心配させちゃって。今度からちゃんと知らせておくから。」

「愛紗ちゃんは心配性なんだから~。」

 

愛紗を落ち着かせるために頭をポンポンと撫でてやると愛紗はありがとうございます。と呟いてはにかんだ。どうやら落ち着いてくれたみたい。良かった。やっぱり愛紗も笑ってる方が良いし可愛い。すると桃香も撫でて撫でて~と言ってこちらに近づいてくる。俺は桃香と愛紗の頭を撫でて、それからしばらく三人で談笑していると今日のノルマを終えた朱里と雛里が謁見の間に入ってきた。二人の様子を見るに相当疲れたみたい。うーっとかあーっとか唸ってる。

 

「二人ともお疲れ。」

「うー、疲れました。もう竹簡なんて見たくないー。」

「つ、疲れたです。けど朱里ちゃん。私も竹簡は一時みたくないけど、明日もやっておかないと次の日にはきっと山のように積まれた竹簡が・・・(ぷるぷる)。あわわわ・・・。」

「はわわ!雛里ちゃーん。嫌な想像させないでよー。」

 

二人は顔を青くしてうなだれていた。時間が空いたときにでも手伝ってあげよう。そう決めたとある昼下がりだった。

 

・・・

 

日も暮れみんなが集まったところで今日の成果の報告を済ませ食事の準備に取り掛かった。

取り掛かったのだが月と清羅が既に下準備をしてくれていたようでスムーズに食事にありつけることができた。昨日ほど豪華なものではなかった十分に美味しかったし量もあった。恋と鈴々は相変わらずの量を平らげていたが。あの二人の胃はドラ○もんの四次元ポケットか何かで出来ているんだろうな。なんて一人で結論付けているうちに今日も始まったじゃんけん大会。昨日は月が買ったので今日は参加しないみたい。明日は参加して勝ちますとぼそっと聞こえたのは言わないでおこう。

 

・・・

 

「やった~!ご主人様は私のもの~!」

 

桃香が勝って嬉しいのは分かったがそれだけ聞くと、俺って何かの景品みたいな扱いになっているような・・・。嬉しいような虚しいようなそんな微妙な気持ちになった。今回負けた面々は明日こそは・・・と俺の顔を凝視していた。そんな中、清羅は明日が楽しみね。と笑みを浮かべていた。見事に俺を勝ち取った?桃香は俺の腕を引っ張って自室に駆けて行く。そんなに急がなくてもと思いながらもやっぱり嬉しかったんだろうなと、くすっと笑いを堪えられなかった俺がいた。部屋の中に招き入れられた俺はとりあえず椅子に座ると俺の膝の上に桃香が座ってくる。

 

「今日はお昼からずーっとご主人様と一緒だったね。」

「そうだね。どう?楽しめたかな?」

「うん♪」

「そっか、それは良かった。」

 

俺は昼間にもらったピンクサファイアの指輪をポケットから出すと桃香に左手を出して。と促す。桃香は頭上に?マークを浮かべながらも左手を俺に差し出してきた。

 

「今日もらったものなんだけど、桃香にあげる。というか、桃香のために選んだものだから受け取ってもらえると嬉しい。宝石にはそれぞれ持ってる意味があるからそれが桃香にぴったりかなって思って。」

 

俺は桃香の薬指に指輪をはめた。桃香は指輪をまじまじと見るとご主人様、ありがとう!と言って俺に抱きついてきた。む、胸に挟まれて苦しい・・・。

 

「桃香、嬉しいのは分かったから。ちょっと離れて。苦しい・・・。」

「あーっ、ごめんね。」

 

桃香から解放されとひとまず深呼吸を一回。やっと落ち着いた。というか前にもこんなことがあったような・・・。桃香を指輪を見ながら俺に一つの質問を投げかけてきた。

 

「ご主人様、さっき言ってたこの宝石の持ってる意味ってどういうのがあるの?」

 

確かにああいう言い方をすればこう聞くのは必然だよな。俺はピンクサファイアのパワーポイントを思い出しながら口を開いた。

 

「豊かな愛情、守護、優しさ、正直、正義、誠実。他にももうちょっとあるけど。俺が渡した意味はまた別の意味があるんだ。」

「別の?」

「うん。愛する人を守りたいっていう意味もあるんだ。俺が桃香を守っていくから。その誓いも兼ねてっね。」

「ご主人様・・・。ありがとう。一生大事にするね。」

 

そう言うと桃香は大事そうに指輪を撫でた。ちなみに、左手の薬指につけたのが結婚指輪を意味するのは敢えて言わない。流石に言葉にするのは恥ずかしい。

 

「じゃあ、私もお礼をしないとね。」

 

桃香はこちらに顔を向けるとゆっくり顔が近づいてきて桃香の唇が俺の唇に触れた。そのことに俺の頭理解するのは数秒かかった。俺、桃香にキスされてる。頬じゃなくて、唇に。時間にしてほんの数秒のことだったのだがひどく長く感じた。驚きよりも嬉しさの方が大きかった。桃香は顔を離すとえへへっと顔を赤らめてはにかんだ。

 

「キス、しちゃった。」

「そうだね。少し驚いたけど、嬉しい。」

「うん、私も。」

 

そして俺たちはもう一度だけキスを交わすと二人で寝台に入り眠りについた。お互いに手を繋いだまま。部屋に差し込み二人を照らす月明かりはまるで二人を祝福するようかに優しく輝いていた。

 

あとがき 拠点:桃香 どうだったでしょうか?本当は昨日投稿したかったのですが家のルータの不調によりアクセスできず今日まで延びてしまいました。申し訳ありません。桃香、キスしてしまいました。これにより一刀争奪戦がヒートアップしそうな予感です。ピンクサファイアについてですが、この時代にあったのかどうかは分かりません←おいっ。 まぁ、原作の中で食べ物などが時代背景とあってなかった箇所があったのでこれも有りかなと思い採用しました。てへっ☆こんな変な人間ですみません。それでは次回 拠点:星 龍と刀、確かめ合う一戦 でお会いしましょう。 


 
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