No.482131

ハイスクールD×D~HSSを持つ転生者~ 第52話~第53話

あっくんさん

神様の悪戯で、死んでしまった俺―――神矢クリスはハイスクールD×Dの世界に転生した。原作の主人公、兵藤一誠らに会っていろんな事に巻き込まれる。

2012-09-10 02:31:12 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:8672   閲覧ユーザー数:8451

第52話~転校生は転生天使!?~

 

 

「えー、こんな時期に珍しいのですが、このクラスに新たな仲間が増えます」

 先生の言葉に俺を除く、クラスの男子のテンションが上昇していた。

 転校生は女子らしい。正直、あまり興味がない。

「じゃあ、入ってきて」

 先生に促されて入室してきたのは――

「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」」」

 クラスの男子のテンションが最高潮にまで達した。

 めっちゃうるさい。これじゃあ、静かにラノベも読めん。

 ていうか、こいつは――

 驚きを隠せない教会コンビと一誠に俺。

「紫藤イリナです。皆さん、よろしくお願いします」

 コカビエル事件のときに来日した、紫藤イリナ本人だったから。

 

 

 

 

 

 

 

 

「紫藤イリナさん、あなたの来校を歓迎するわ」

 放課後、部室には、部長に俺達グレモリー眷属、顧問のアザゼル、会長

 がいた。

「はい! 皆様! 紫藤イリナと申します! 天使様の使者として駒王学園にはせ

 参じました!」

 あ~元気だねぇ、イリナは。

 イリナは、天使側の使者としてきたらしい。ここには、悪魔と堕天使はいても

 天使がいなかったからな。天使長様が、送ってくれたのだろう。

 ちなみに、小猫は俺の膝の上に座っている。最近では定位置になっている

 たまに頭を撫でると、目を細めて気持ちよさそうにしているのが、可愛いんだ。

 まぁ、惚気話はこれくらいにして―俺はイリナに訊いてみた。

「イリナ、お前がここに来ているって事は―聖書に記されし神の消滅

 を知っているんだよな?」

「クリスぅぅぅぅぅッッ!! いきなりすぎるだろうッッ!」

 一誠のツッコミに俺は嘆息しながら言った。

「この年中発情期野郎が! ここにきているって事は、神の消滅を知っているから

 だろう」

 俺の言葉にアザゼルが続く。

「ここは、三大勢力のなかでも、重要視されている場所のひとつだぞ? ここに足を

 踏み入れるって事は、最低限の知識があるって事だ」

「……年中発情期って……」

 俺の言葉に、一誠は落ち込んでしまった。

 

 イリナは神の消滅を知ったとき、七日七晩も寝込んだらしい。それは… 

 信仰していた神が、実は消滅していたと知ってしまったら寝込むだろう。

 辛かっただろうな…イリナは。

「アーシアさん! この間は魔女とか言ってごめんなさい! ゼノヴィアも別れ際

 に酷い事をいってごめんなさい!」

 イリナの謝罪に二人は微笑みながら言う。

「気にしてません。これからは同じ主を敬愛する同志、仲良くできたら幸いです」

「私もだ。破れかぶれになった私も悪い。いきなり、悪魔に転生だもんな。

 でも、こうしてまた再会できて嬉しいよ」

『ああ、主よ!』

 教会三人娘(きょうかいトリオ)の誕生の歴史的瞬間だった。

 イリナはふいに立ち上がると、祈りのポーズをとり始めた。すると

 パァァァァァッッ!!

 イリナの背に、天使の翼が現れた。おお、神々しいな。

「――紫藤イリナといったか? 天使化したのか?」

「天使化? そんなことあるんですか?」

 復活した一誠が、アザゼルに訊いた。

「いや、実際にはいままでなかった。天使側と冥界の科学者の間では、話し合われ

 ていたのだが…」

「はい。ミカエルさまの祝福を受けて、転生天使となりました。何でもセラフの

 方々が悪魔や堕天使の用いていた技術を転用してそれを可能にしたと聞きました」

 今この場所に、三大勢力の面子がそろったな。

「四大セラフ、他のセラフメンバーを合わせた十名の方々は、それぞれ、A(エース)から

 クイーン、トランプに倣った配置で『御使い(ブレイブ・セイント)』と称した十二名

 作ることにしたんです。キングの役目が主である天使さまとなります」

 へぇ、悪魔はチェスで、天使はトランプか。人間界のボードゲーム、人気だな。

「それで、イリナはどの札なんだ?」

 一誠がイリナに訊いていた。イリナは胸を張りながら自慢げに言う。

 

「私はA(エース)よ! ふふふ、ミカエルさまのエース天使として光栄な配置を

 いただいたのよ! もう死んでもいい! 主はいないけど、私はミカエルさま

 のエースとして生きていけるだけで充分なのよぉぉぉぉぉ!!」

「いや、死んではいかんだろう」

 と思わずつっこんでしまった。

 イリナの手の甲にはAの文字が…。

「あー、新たな人生の糧はミカエルさんか」

 一誠が嘆息しながら呟くと、隣にいたゼノヴィアも応じる。

「うん。自分を見失うよりはマシさ」

「確かに」

 ゼノヴィアの言葉に頷く。

 イリナの話によれば、天使長のミカエルさんは将来的に、悪魔側との

 レーティングゲームをやりたいというのだ。

 三大勢力が和解して、争いが激減したからどちらも鬱憤がたまるのだろう。

 そこで、天使側と悪魔側で五輪のような事をしたいらしい。

 因みに、部室にいる祐斗や会長、部長までも興味を持った。

 俺も楽しそうだと思うけどな。

「その辺りの話はここまでにして、今日は紫藤イリナさんの歓迎会をしましょう」

「悪魔の皆様! 私、いままで敵視してきたし、滅したりしました。でも、これ

 からは仲良くしていきたいです! よろしくお願いします!」

 こちらこそよろしくな、イリナ。

 俺は心の中で返しつつ、皆で歓迎会をやった。

 

 

 

 

第53話~体育祭の練習とアーシアの気持ち~

 

 

イリナが転校してきてから数日が経った。

「はいはい! 私、借り物レースに出まーす!」

 すっかりクラスに馴染んだイリナは、元気いっぱいに挙手していた。

 ホームルーム中で体育祭でやる種目を決めているところだった。

 俺はラノベを見ているから、黒板なんて見ていない。

 そういえば、イリナも一誠の家に住むことになった。何気に、ハーレム

 を作っている一誠は、きっと大物だと思うときがある。

 オカ研のほとんどのメンバーが一誠の家に、移住しイリナまでもが

 住みはじめ、兵藤家の人口の七割ぐらいが、女性になっている。

 昔の言葉で、女三人集まれば姦しいというのがあるが、それは本当だった

 その言葉を作った人、素直に尊敬できます。会ったら、サインください

 

 会話に入りずらくて、俺はずっと一誠と話している。

 主な内容は、神器の使い方やゲームの事、たまにラノベのことを話して

 いる。

 頑張れ一誠。お前はきっと試されている。

「兵藤、脇のところ、破れている」

「え? マジか?」

 と、一誠は手をあげて破れていないか確認していた。アホか、お前。

「はい! 決定ー」

 一誠は二人三脚をアーシアとやることになった。

 因みに俺は、障害物競走だとさ。面倒なのを押し付けられた気分だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日から体育祭の練習が始まって、男女合同でグラウンドで練習していた。

「勝負よ! ゼノヴィア!」

「望むところだ! イリナ!」

 悪魔と天使が駆けっこをしていた。文字だけみたら、想像できんな。

 てか、ふたりとも速いなぁ。二人は人間のときも、速かったよな。

「……しかし、高速で動かれると、おっぱいの動きが把握しづらいな」

「そうだな」

「やっぱ、運動のときの揺れは適度な速さが一番だ」

 なんて、隣で変態三人組が言っていた。何言ってんだ、こいつらは

 まぁ…とりあえず、しばくか。

 スパァァァァンッッ!!

「「「いったぁぁぁぁぁ!!!」」」

「こ、この変態! し、しばかれたいのですか!」

 と、最近男子に人気になっている、俺の裏声で三人を罵倒した。

 何でも、俺の裏声は女みたいでいいらしい。

「「もっと、罵ってください!」」

 と、松田と元浜が食いついてきた。一誠は二人を見て、嘆息していた。

「アーシアー、練習しよう!」

「あ、はい!」

 一誠とアーシアは二人三脚の練習しに何処かへ行った。

 

「次! 神矢クリス!」

「はい」

 俺は面倒くさそうに、レーンに入る。隣には、祐斗がいた。

 そういえば、今日は祐斗達がいるクラスと合同体育だったな。

「やぁ、クリス」

「祐斗か」

 祐斗は挑戦的な視線を向けた。

「クリス、勝負しようよ。負けた方が、放課後の修行で二対一で、一の方を

 やるってどうかな?」

 おぉ、これはやるしかないな。

「やってやるさ。俺も本気でいかせてもらうさ」

 最近、放課後の修行のお陰で神速級の速さを身につけたんだ。

 それを祐斗に見せるいい機会だ。

「位置について! よーい!」

 パァンッ!

 その音に、俺と祐斗は同時に飛び出した。

 さすが祐斗だ、とても速い。また速くなっていないか? お前。

「速いなぁ、祐斗は」

 俺の皮肉も爽やかな笑顔で受け流す。

「ははっ。クリスだって、僕と同じぐらいってすごいよ」

「そうかい」

 ほかの人達は、呆然としていた。

 で、ゴール。ほぼ同時にゴールしたから誰が1位かはわからん。

 ゴールにいた、先生がタイムを見て言った。

 

「1位、木場祐斗。記録、7秒62。2位、神矢クリス。記録、7秒63」

 おぉと歓声を上げる周りの人たち。因みに、100m走だ。

「くそっ…負けちまったなぁ。約束通り、俺が一の方をやるよ」

「やったね。クリスも速かったよ。油断していたら、確実に負けていたよ」

「祐斗に勝つためにもっと精進しないとな。じゃあな」

 俺達は自分達のクラスのほうへ帰っていった。

 まぁ、後で陸上部の顧問からスカウトされた。断ったけどな

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後。教会三人娘と一誠と一緒に来た部室で、部長や他の人達も

 顔をしかめていた。

「どうかしたんですか?」

 一誠が部長に訊いてみた。

「ええ、次の対戦相手が決まったのよ。次の相手は――ディオドラよ」

「――――っ!!」

 なんとまぁ、神の悪戯としかいえない事だ。神は消滅しているけどな

 

 

 

 

 

 

 

 早朝。俺は一誠とアーシアの二人三脚の練習風景を見ていた。

 てか、お前らよく頑張るなー。すごいよ、まったく。

 アーシアも初めの頃よりも、進歩しているし。

 そうそう忘れていたけど、俺の障害物競走は四人一組でやるらしく、俺は

 アンカーらしい。何をするのかは、本番まで内緒だとか。

 知っているのは会長と先生方らしい。

 ふと一誠の顔を見ると、難しい表情をしていた。

「……イッセーさん?」

 アーシアも気づいたようで、一誠に話しかけていた。

「難しい表情をしていました。……悲しい表情にも見えて…」

「…なぁ、アーシア。もし、元の生活に戻れるとしたらどうする?」

「―――っ!」

 まぁ、一誠はアーシアの事を大切に思っているから言ってしまうんだよなぁ。

 アーシアが幸せなら…いいって。

 でも、アーシアはこう答えるよな

「戻りません」

 アーシアは迷いのない笑顔で答えた。

「私、ここがすきなんです。この駒王学園も、オカルト研究部も。ここで始めた

 新しい生活は私にとって、本当に大切で大事で、大好きな事ばかりでとっても

 素敵なんです。毎日楽しくて、皆と暮らせるのがとても幸せなんです」

 

 アーシアは…本当にいい子だ。聖母の生まれ変わりじゃないのか?

「うぅぅぅ、良い話よねぇ」

 声がした方へ振り向くと、涙目のイリナがいた。

「ん? イリナも来ていたのか」

「うぅ、ええ、ゼノヴィアに誘われてね…早朝の駒王学園はいいものだぞー

 って。ここに来てみたら、美しいものがみれたじゃない。これも主と

 ミカエルさまのお導きだわ…」

 そうですかい。

「そういや、イリナってオカ研じゃあないよな? 創部でもするのか?」

「さすが、クリスくん! 鋭いわね! 私は自力でクラブを作ることにしたのよ!

 その名も『紫藤イリナの愛の救済クラブ』よ!」

 …なんとまぁ、いやなクラブだな。俺だった入部したくないぞ。

「……まぁ、頑張れ」

 適当に相槌を打つ俺。一誠も嘆息していた。

「でも、まずはソーナ会長を説得しないといけないわねー。それまではオカルト

 研究部に籍を置いとくのよ」

 ……騙されているだろ、それ。

 一誠は気分を取り直して、言った

「練習再開しようぜ」

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅー、ちょっと疲れましたねー」

 俺達はグラウンドの隅にある体育倉庫でライン引きなどの片付けをしていた。

 俺は、一誠とアーシアの練習を見ていただけで、何もしていないけど

 まぁ、いいものが見れただけで充分だけどな。

 さて、部室に行こうかなとしたとき――

 ガラガラガラ…ピシャ。

 ゼノヴィアがいきなり扉を閉めた。

「………」

 何故か、嫌な予感しかしないんだが…。

「アーシア、私は聞いたんだ。この時期、私達の同年代の女達は乳繰り合っている

 らしいぞ」

 ………………

 …………

 ……

 何言ってんの!? こいつ!?

「ち、ちちくりあう?」

 アーシアも首を傾げていた。

「男に胸を弄ばれることだ」

 …誰だ、ゼノヴィアにこんな間違った知識を植えつけるのは。見つけ出して、

 きつく注意してやる!

 

「ゼ、ゼノヴィア! いきなりこんな話をするんじゃない!」

「そ、そうだ! ここはそんな話をする場所じゃないんだ」

 ま、まぁ…体育倉庫も憧れるけれどもと一誠が付け加える。

 憧れるな! お前は特殊な趣味の持ち主かよ。そんなの俺は知らんけどさ…

 俺の必死の叫びも虚しく…ゼノヴィアの一言でかき消された。

「クリスも一誠も、少し黙ってくれないかな? まずはアーシアと話す。

 そのあとにイッセーとクリスの出番だ」

「えっ!? 4Pですか! 俺、そんな事…憧れるけれども!」

 一誠がそんな事を言っている。…4P? ゲームでもするのか?

 ゼノヴィアが体操着の上を脱ぎ捨てる。

 ギリギリのところで、目を逸らしたことでヒスらなかった。

 ていうか、ここでヒスったりしたら…ダメだ。アーシアも言葉巧みに

 言いくるめて、無双しかねん。それだけは、阻止しなければならない!

「クリスに目を逸らされるほど…私には魅力がないのか?」

 ゼノヴィアが落胆している。

「い、いや! そんなわけじゃな――って、お前…!」

 ゼノヴィアに視線を向けると、下着も取っていたらしく形の綺麗な乳房が

 目の前にあった。

 ――ドクンッ!――

 ヒステリア性の血流が…! 無心だ! 無心になるんだ。

 無心になる為に目を瞑り、全身の力を抜いた。

 その時、誰かが俺を押し倒した。

 

 ふよん♪

 な、何だ? このやわらかい感触は…? この感触は…マシュマロ?

 おそるおそる目を開けると――俺がゼノヴィアの胸を触っていた。

「ク、クリスもいきなり大胆な事をしてくるな…。わ、私はいつでもいいぞ…」

 恥らっているゼノヴィアの表情を可愛くて――

 ――ドクンッ――

 あぁ、なってしまった。今は絶対になってはいけないのに…

「あぁ、済まないな。お礼といっては何だが…俺を好きにしていいぞ」

「そ、そうかっ!」

 俺の言葉にゼノヴィアは頷いて、俺の顔――否、唇に自身の唇を重ねようとする。

 チラっと一誠のほうを見てみると、一誠はアーシアの胸を触っていた。

 俺とゼノヴィアの顔が重なりかけたとき、いきなり体育倉庫の扉が開いた。

「……なかなか出てこないから心配して来てみれば、な、な、な、なんてことをっ!」

 入ってきたのはイリナだった。

「べ、ベッドでしなさい! ここは不潔で衛生的に良くないわ!」

 とイリナに怒られた。

 そんなことよりも。イリナ、ナイスタイミングだ。お前は俺の恩人だよ。

 


 
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