No.482036

魔法少女リリカルなのはStrikerS~二次創作~ 第20話 「戦湯!海鳴市より」

4mさん

続きです

2012-09-09 23:32:35 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4413   閲覧ユーザー数:3930

「八神部隊長の料理凄く美味しいです!」

 

「ほんまか?おおきにな」

 

「あ!ヴィータさん、それ俺のっす!」

 

「ふふふ、甘いなダンテ。戦場では油断が命取り・・ ・ってシグナム!」

 

「そう言っているお前も、まだまだ甘いな」

 

食事が始まり、それぞれがそれぞれの場所で、それぞ れの話題を振りながら賑やかに行われていた

 

「ダンテ君ってかわいいよね〜」

 

「すずかちゃん?」

 

「さっきからきかないのよ、この子は」

 

すずかさんは、自分の感想が周りと少しずれたものだ ったためか、なのはさんやフェイトさん、アリサに疑 問の言葉を掛けられていた

 

「あれ?いつの間にか肉が無くなってる」

 

俺はというと、フォワード陣とシグナムさんとヴィー タさんと八神さんというちょっと珍しい組み合わせの 中にいた

 

「あ、それなら私のあげるよダン兄」

 

「え?いいよいいよ、自分で食べて?」

 

スバルさんが、自分のお皿に入っている肉を取り俺に 差し出してきた

 

確かにスバルさんのお皿には、これでもかというほど 色々なものが山積みになっているけど、女の子にそう いうことをしてもらうのはちょっと・・・

 

「もう・・・じゃあダン兄、目を閉じて口を開けて」

 

「こ、こう?」

 

俺は言われた通りに目を閉じて口を開けた

 

何をしてくるんだろうと思った次の瞬間、口の中に何 かを入れられた感じがした

 

それを味わってみると、とても美味しい肉の味が口の 中に広がり、それと一緒にスバルさんが一体何をした のか一瞬でわかってしまった

 

「ス、スバルさん!」

 

「えへへ、美味しい?ダン兄///」

 

スバルさんも自分が何をしたのかわかっているようだ

 

顔を少し赤くして、少しうつむいている

 

こんなイベントが俺に起こっていいのだろうか・・・ !

 

もちろん、こんなイベントが起きてしまっては周りの ギャラリーが黙っているハズがなく・・・

 

「これは・・・思わぬ伏兵だったみたいね・・・」

 

意味深に腕を組んでいるアリサ

 

「う〜、私だってダンテ君と仲良くしたいのに〜!」

 

「なのは・・・一緒に頑張ろう?」

 

なのはさんとフェイトさんはというと、子供のように 頬を膨らませているなのはさんをフェイトさんが慰め ていた

 

「うふふ、慌てるダンテ君もかわいい」

 

一方、すずかさんはまだ少しずれた考え方をしている のだった

 

「お兄ちゃん!私のもあげる!」

 

「ほら!どんどん食べろダンテ!アタシに遠慮なんて いいんだからな!」

 

「あ、ありがとうございます・・・」

 

俺たちのテーブルでは、スバルさんをきっかけにキャ ロちゃんやヴィータさんといった方々が、どんどん俺 の皿の上に野菜やら肉やらが乗せられていった

 

「ふふふ、ダンテ君人気者やね?」

 

「そんなもんなんでしょうか・・・」

 

ーーーーーーーーーー

 

そうこうしているうちにあっという間に食事会は終わ り、現在は皆で後片付けをしている

 

「ふう・・・久しぶりにバーベキューやったなぁ」

 

俺はお皿洗いを任され、せっせと仕事に励んでいた

 

バイトで鍛えた腕がこんなところで役に立つとは・・ ・

 

これも八神さんのおかげか・・・

 

「で、どうやった?感想は」

 

噂をすれば隣に八神さんがやってきてお皿を洗い始め た

 

「あ、八神さん。ええ、最高に楽しかったです」

 

「そっか、連れてきた甲斐があってよかったわ」

 

そうして一緒にお皿を洗い始める

 

「・・・」

 

「・・・」

 

おかしい・・・何で無言なんだろう?

 

八神さんならいつも話し掛けてくれて、会話が無くな るなんてことないのに

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「・・・?」

 

「・・・///」

 

八神さんの方を見てみると、何かを言いたそうな表情 をしてこちらをちらちら見てるけど、それに気づいて 八神さんの方をみると顔を少し赤くして俺から目を反 らした

 

「な、なあダンテ君?」

 

「はい?」

 

八神さんがおもむろに話し始めた

 

「い、今な?地球におるんや」

 

「まぁ・・・そうですが」

 

「そしてな?今・・・任務の休憩中なんや」

 

「・・・はぁ」

 

一体八神さんは何を言いたいんだろう?

 

「だからな?部隊長としてじゃなく、八神はやてとし てちょっと・・・お願いというか頼みがあるんや」

 

「・・・はい」

 

八神さんは、そのまま言葉を続けた

 

「私のことな・・・その、名前で呼んでほしいんや」

 

「な、名前で?」

 

「そ、そうや。何か皆のこと見てたら羨ましくなって もうてな・・・」

 

八神さんは顔を赤くしたまま言い切り俺から目を反ら した

 

この質問も何度目なのか・・・

 

「うーん・・・どうしよっかな〜」

 

「や・・・やっぱりダメなんか?」

 

「いや・・・というよりは、こんな八神さん滅多に見 れないんで」

 

俺はニコニコしながら八神さんにそう言った

 

八神さんはそんな俺に納得いかないのか、なのはさん のように頬を膨らませて俺の腕をポコポコ叩いてきた

 

「そんなこと言わんといてや〜。言い出すのめっちゃ 恥ずかしかったんやで〜?」

 

「その分俺はいいものが見れました」

 

「もう・・・ダンテ君、イジワルや・・・」

 

ちょっとやり過ぎたのか、八神さんがしゅんとなって しまった

 

もっと見ていたいけど、さすがにこれ以上やると本気 で怒られそうだな

 

「すいません。・・・はやてさん」

 

「あ・・・ダンテ君。おおきにな・・・」

 

そう言ったはやてさんの顔には、本当に純粋な、心か らの笑顔が浮かんでいた

 

ーーーーーーーーーー

 

「どうやら・・・上手くいったみたいだね」

 

「ふふふ、はやて嬉しそう」

 

二人のやりとりを片付けの中こっそり見ていたなのは とフェイトは満足そうな表情を浮かべていた

 

「さてと、大体片付けも終わったことだし、皆でお風 呂済ませておこうか」

 

「「「「はい!」」」」

 

片付けが一段落したところで、なのはが皆に号令を掛 けた

 

「だったら・・・」

 

「あそこしかないわね」

 

なのはの魂胆がわかったかのようにアリサとすずかは お互いの考えが一致していることを確認する

 

もちろん向かう場所は、あそこである

 

ーーーーーーーーーー

 

「あれ?ヴィータ副隊長は?」

 

「アタシは大人だ!な?ダンテ」

 

「ええ、もちろんですよ」

 

後片付けが終わった後、皆でお風呂に行くと言ってな のはさん達に連れてこられたのは、小さいころよく行 ったという日本の伝統を受け継ぐ銭湯であった

 

入場するときの受付の際に、ヴィータさんに関するお 約束が行われたことは言うまでもない

 

「広いお風呂だって!楽しみだね!エリオ君!」

 

「うん、そうだね。フェイトさんたちと楽しんできて ?」

 

ちょうど男女の暖簾に別れているところでキャロちゃ んがエリオ君にそう言った

 

大きなお風呂で皆で入るのは初めてなのだろう

 

「え?エリオ君は一緒に入らないの?」

 

「え?」

 

ああ・・・キャロちゃん

 

楽しみだねっていうのはそういうことだったのか・・ ・

 

「で・・・でも、ほら!僕男だし・・・」

 

「エリオ君。あれ」

 

そう言ってキャロちゃんが指差した先には、『男女の 混浴は11歳未満の方に限ります』と書いてある紙が貼 ってあった

 

「で・・・でもでも!他の方々も居ますし!」

 

「私達は別に大丈夫よ?」

 

「そうだよ、前から頭洗ってあげるって言ってたじゃ ん」

 

そう言って、口々に大丈夫だということを告げる女性 メンバーたち

 

エリオ君も必死の形相で答える

 

「そ、それに!兄さんが一人になってしまいますし! 」

 

「さーてと!久しぶりの銭湯だし、楽しむぞー!」

 

俺は少し意地悪して、さもエリオ君の声が聞こえない フリをして男湯の暖簾をくぐった

 

「ダンテは大丈夫そうだね」

 

「さ、エリオ君。行こう?」

 

呆然としているエリオ君の手を引っ張り女湯へ行こう とするキャロちゃん

 

さすがにエリオ君も耐えきれなくなったのか

 

「ま、待ってください兄さん!やっぱり僕には無理で すー!」

 

そう言って、逃げるように男湯へと入ってきた

 

〜男湯、脱衣場〜

 

「た、助かった・・・」

 

「あはは、ごめんねエリオ君。なんだか凄いモテモテ だったから」

 

「さすがに僕でも困りますよ・・・」

 

脱衣場で服を脱ぎながら、俺はエリオ君に謝っていた

 

さすがにエリオ君でも恥ずかしかったみたいだ

 

「ごめんごめん。悪かったよ」

 

「もう・・・」

 

「エリオくーん!」

 

「キャロ!?」

 

声がしたほうを見てみると、入り口のほうからタオル を巻いたキャロちゃんが入ってきた

 

「キ、キャロ!こっち男湯だよ!?」

 

「えーとね、エリオ君が来ないなら私が行ってもいい かなーって思って。受付の人もいいって言ってたし」

 

なるほど・・・押してダメなら引いてみたってことな のかな?

 

ちょっと意味が違うけど

 

まぁどちらにせよ、キャロちゃんはエリオ君と一緒に 入りたいみたいだ

 

「ダメですか?お兄ちゃん・・・」

 

「いや、俺は別にいいけど・・・」

 

「やったー!じゃあ行こう?エリオ君!」

 

「あ、キャロ!」

 

キャロちゃんは戸惑っているエリオ君の手を掴み、風 呂の中へ行ってしまった

 

「さてと、俺も行くとするか」

 

完全に置いてきぼりをくらった俺も、二人を追い掛け て風呂へと向かうのだった

 

〜浴場〜

 

「うわ〜」

 

「広ーい」

 

中に入ってみると他のお客さんはいなく、キャロちゃ んとエリオ君が感動の声をあげていた

 

こんなに広いお風呂は初めてなのだろう

 

「じゃあエリオ君、さっそく・・・」

 

「ちょっと待った」

 

浴槽へ向かおうとするキャロちゃんとエリオ君を俺は あることを教えるため引き止めた

 

「いきなり入っちゃダメだよ。まずは・・・」

 

俺はかけ湯の場所まで行き、その使い方を教えた

 

郷に入っては郷に従え

 

さすがにルールは守らないといけない

 

「なるほど・・・そんな決まりがあったんですね?」

 

「ま、そういうこと」

 

よし、これで準備万端だ

 

「じゃ、早速行きますか」

 

「「はい!」」

 

そう言って、三人で湯船に浸かった

 

ーーーーーーーーーー

 

「「「はぁ〜・・・」」」

 

他の髄を許さない圧倒的な癒しに、ついついため息が 出てしまう

 

お風呂が気持ちいいのは、どの世界も共通なんだなぁ

 

「こうして入ってると・・・妹と弟を思い出すなぁ」

 

「仲がよかったんですね」

 

「うん、ちょうどエリオ君とキャロちゃんくらいでね ?」

 

「僕たちと・・・」

 

「同じくらい・・・」

 

エリオ君とキャロちゃんはお互いに顔を見合わせてい た

 

「よくゲームして遊んだりしてね、レースゲーム大好 きだったから」

 

「レースゲーム・・・ですか?」

 

「そう、ドリフトが出来るのは俺だけでね?たまに手 加減してあげないと・・・ってどうしたの?」

 

エリオ君とキャロちゃんは、今度は頭の上に?を浮か べて顔を見合わせていた

 

「あの・・・レースゲームまではわかるんですが・・ ・」

 

「ドリフトって何ですか?」

 

「へ?あ、もしかして・・・ちょっとわかんなかった ?」

 

「はい・・・レースゲームをやったことないので・・ ・」

 

もしかして、ああいう危険なドライビングするゲーム は教育に悪いから、フェイトさんが自粛したとか?

 

だとしたらまずかったかな・・・

 

「でも、ドリフトっていうの気になります!」

 

「是非私にも教えてください!」

 

二人は、聞いたことも見たこともない未知のテクニッ クに興味津々だった

 

もはや二人を止めることはできない

 

まぁ、少し危ない橋を渡るのも経験のうちか

 

俺もよくイタズラしたし

 

「よし、なら教えてあげよう」

 

「「やったー!」」

 

二人はハイタッチしながら喜ぶ

 

まさかドリフトを教えることになるとは・・・

 

「まぁドリフトっていうのは、すっごく簡単に言うと 車をわざと滑らせながら曲がるテクニックのことだね 」

 

「わざと滑らせるんですか?」

 

キャロちゃんが不思議そうな顔をしていた

 

まぁ確かに、わざと滑らせる意味がわかんないよね

 

「そう、こう・・・ギリギリのところで我慢して我慢 して、行くってこと」

 

湯船の上に手を浮かべて、手の向きを変えず半円の形 にスライドさせた

 

「なんだか難しそうですね」

 

「いや、慣れれば簡単だよ?」

 

「僕たちでも出来ますか!?」

 

エリオ君とキャロちゃんは期待を込めた眼差しで俺を 見てきた

 

「練習すればね。今度一緒にやってみる?ゲーム」

 

「はい!」

 

「私もやってみたいです!」

 

どうやらレースゲームにも興味を持ってくれたようだ

 

これで機動六課に来る楽しみが一つ増えた

 

「・・・ということは、実際にも出来るってことです か?」

 

「うん、練習すればね。でもやるなら大人になって、 ちゃんとした場所じゃないとダメだよ?」

 

「「はい!」」

 

たまに公道でやってる人がいるけど本当に危険だから 、やるならちゃんとした場所でやらないと

 

シャムにも言っておかなくては

 

「じゃ、そろそろ体を洗いますか」

 

「はい!僕も兄さんより上手くなれるように頑張るぞ !」

 

「私も!一緒に頑張ろうね?エリオ君!」

 

「ふふふ、そうだ二人とも。背中洗ってあげるよ」

 

本当に弟と妹にそっくりだ

 

なんだか嬉しくなっちゃうな

 

〜女湯〜

 

「はぁ〜」

 

湯船に浸かり、その癒しを全身に受けた私はつい、た め息が出てしまった

 

やっぱりこっちのお風呂も最高やな

 

「で、ダンテってそっちではどうなの?」

 

「どうって言われても・・・まだちょっと警戒してる って感じかな」

 

「なるほど・・・じゃあスタートラインは一緒・・・ ってわけね・・・」

 

あっちはあっちでダンテ君についてアリサちゃんとな のはちゃんが話しとる

 

ダンテ君かぁ・・・

 

名前呼んでもらって少し嬉しかったなぁ・・・

 

「ダンテって・・・彼女とかいるのかしら?」

 

「・・・ふぇ?」

 

アリサちゃんの言葉に、なのはちゃんがすっとんきょ うな声をあげていた

 

「なんやなんや、面白そうな話しとるやないか」

 

「私も、少し気になる」

 

アリサちゃんの発言に、私だけでなくフェイトちゃん も寄ってきた

 

女性が集まるとやっぱりこういう話になるのは必然な んやろうか?

 

「やっぱり、今は一緒に住んどるシャムが優勢やろう な」

 

シャム綺麗やし・・・、まんざらでもなさそうな様子 やったしなぁ

 

「そっか・・・、私も何か手を打たないと・・・」

 

「う〜ん、どうやったら仲良くできるんだろう・・・ 」

 

フェイトちゃんは何やらぶつぶつ言っとるし、なのは ちゃんはもっとダンテ君と仲良くなりたいようや

 

たまに夜、食堂でダンテ君と話しとる姿も見るし

 

よき相談相手なんやろうなぁ・・・

 

「もしかしたら・・・エリオ君やキャロちゃんに今そ ういう話してるんじゃないかしら?」

 

「え?エリオとキャロに?」

 

「ええ、こういうリラックスできる場所だからこそ、 口が緩むものよ」

 

たしかに、その可能性は否定できへん

 

ふっふっふ、待っとったでアリサちゃん・・・この時 を!

 

「こんなこともあろうかと・・・ダンテ君がバーベキ ューでコートを脱いどる隙に、コートに盗聴用のデバ イスを忍ばせておいたんや!」

 

「ええ!?」

 

「は、はやて!いくら何でもそれは・・・!」

 

「八神部隊長!いいんですか!?」

 

私の発言に周りのメンバーが集まってくる

 

「なんや・・・皆知りたくないんか?ダンテ君があの 二人とどんな話をしとるか」

 

「気になります!」

 

「スバル!?」

 

ほほう・・・スバルもか、これはライバルが多そうや なぁフェイトちゃん

 

「それじゃ、広域モードにセットして・・・じゃあい くで?」

 

私は遠隔操作でデバイスのスイッチを入れる

 

元々ここは、こちらの声もあちらの声も聞こえない仕 組みになっとるはずやから、こちらの声が漏れること はない

 

「さあ、いよいよやで!」

 

あっちの声に、一同が耳を傾けた

 

あのシグナムまでもや

 

「まぁダンテ君のことだから、そんな変な話はしない と思うけど」

 

なのはちゃんの言葉に皆が頷く

 

まぁたしかに、ダンテ君ならそんな変な話するとは思 えな 『わざと滑らせるんですか?』

 

「・・・キャロ?」

 

向こうで一体どんな話をしているのか、キャロのそん な声が聞こえた

 

い、一体どんな話をし 『そう、こう・・・ギリギリのところで我慢して我慢 して、いくってこと』

 

ななな何の話をしとるんやダンテ君!

 

周りのメンバーも顔真っ赤にしとるやつもおるし、し かもそれを今キャロに実践しとる!?

 

って!

 

「ちょっと待ってフェイトちゃん!どこ行くんや!」

 

どこかに行こうとするフェイトちゃんを私は慌てて押 さえた

 

「離してはやて!私はエリオとキャロを助けに行かな きゃいけないの!」

 

「それこそお縄についてまうで!?と、とりあえず落 ち着くんやフェイトちゃん!誤解ってこともあるやろ !?」

 

そ、そうや!ダンテ君がそんな話するはず 『なんだか難しそうですね』

 

『いや、慣れれば簡単だよ?』

 

ど、どんだけ経験豊富なんやダンテ君!

 

まさか・・・まさか、キャロを狙っとる!?

 

「ダンテ・・・いいやつだと思っていたが、やはり貴 様も男だったというわけか・・・!」

 

シグナムもわなわなと怒っとる

 

こ、ここまで来たら認めざるを得ない状況や・・・!

 

最悪の場合そうだとしても、まだエリオがいる!

 

エリオなら止 『僕たちでも出来ますか!?』

 

「エリオー!」

 

「ダンテ君・・・あとでお仕置きなの」

 

フェイトちゃんがとうとうなのはちゃんに泣きついて しまった

 

「ダンテ・・・アタシのことを大人だって言ったのは こういうことだったのか」

 

「まさか・・・ダンテさんが」

 

で、でもまだ決まったわけやない・・・!

 

何か決定的な証拠は 『・・・もやるなら大人になって、ちゃんとした場所 じゃないとダメだよ?』

 

「うわぁぁぁ!」

 

「ダンテ君・・・お仕置きの後にお話もしなきゃダメ なの」

 

なのはちゃんから何だかオーラのようなものが見え始 めとる

 

これはもう取り返しがつかんな

 

ーーーーーーーーーー

 

「ふー、さっぱりした」

 

まだもう少し入っていると言っていた二人を置いて俺 は先にあがらせてもらい、服を着て暖簾をくぐる

 

「うんうん、どの世界でも風呂は気持ちよかったと」

 

ほんと今日はこれに尽きるな

 

お風呂に敵はない

 

究極の癒しはどの世界も変わらないんだなぁというこ とを学ぶことができた

 

「あれ?皆さんもうあがっていたんですね」

 

廊下に出てみると、女性陣が先にあがっていた

 

珍しいこともあるもんだなぁ

 

何で皆して仁王立ちなのかはちょっと気になるけど

 

「いやーいいお湯でしたよ、やっぱりお風呂は最高で すね」

 

「ダンテ君」

 

「はい?」

 

「そこに正座や」

 

「・・・はい?」

 

「いいから正座や」

 

「は・・・はい・・・」

 

はやてさんの今までに無いような気迫に何も言えず、 俺は言われるがままに正座した

 

「さてダンテ君、色々聞きたいことはあるけどまず・ ・・何でキャロとエリオにあんなこと教えたんや?」

 

「・・・え?」

 

「ダンテさん、見損ないました」

 

「え?」

 

「ダンテ君、帰ったらお仕置きなの」

 

「ええー!?」

 

待て待て待て!全く状況が読めない!

 

俺何かまずいことした!?

 

「フェイトからいいやつって聞いていたが、本当はこ んなやつだとはな!」

 

「ア、アルフさん!お、俺は!」

 

アルフさんまでもが罵倒の声を俺に浴びせる

 

本当に全く状況が読めない・・・

 

「いや本当に何の話ですか!?」

 

「あれだけのことをエリオとキャロに言っておいてよ くそんなことが言えるねダンテ。あんな・・・あんな ・・・うわぁぁぁ!」

 

「おーよしよしフェイトちゃん」

 

「ダンテ、外に行って頭を冷やしてこい!」

 

「えぇー・・・」

 

シグナムさんまでもが敵に!

 

「今すぐ!」

 

「は、はい!」

 

俺は言われるがままに銭湯を追い出され、外に一人で 立っていた

 

「うう・・・さむ」

 

一体俺が何をしたっていうんだ・・・

 

ーーーーーーーーーー

 

まさか・・・ダンテ君があんなこと言うなんて・・・

 

これはキャロとエリオにも事情を聞かなあかんな

 

「いいお湯だったねキャロ!」

 

「うん!凄く気持ちよかった!」

 

タイミングよく、暖簾をくぐり二人が出てきた

 

キャロは自分の服をあらかじめ持って行っておいたん やな

 

「エリオ、キャロ!」

 

「え?ど、どうしたんですか?フェイトさん!」

 

いきなり抱きしめられることに戸惑う二人

 

でも二人の心の傷を癒すにはこれが一番やな・・・う んうん

 

「二人とも大丈夫だった!?」

 

「はい!ダンテさんに色々教えてもらいました!」

 

あかん!あかんのやその知識は!

 

早く忘れてもらわんと!

 

「『ドリフト』って凄いんですね!今度一緒にゲーム しようって約束しました!」

 

キャロが興奮したようにそう言った

 

だ、だからあかんのやドリフトは!

 

・・・ってドリフト?

 

「キャロ・・・どういうことや?」

 

「はい!ダンテさんに教えてもらったんです!車をわ ざと滑らせて曲がるテクニックがあるって!」

 

「でも、やるならちゃんとした場所で。大人になって からじゃないとダメだとも言われました!」

 

キャロに続いてエリオもそう言った

 

「え?え・・・あれ?」

 

フェイトちゃんを始め、周りのメンバーも全く予想外 の展開に度肝を抜かれていた

 

あれ・・・もしかして、全部私たちの勘違い?しかも 恥ずかしいほうの

 

あ、あかん!ダンテ君に謝らないと!

 

だがその時、ロストロギアの反応をデバイスが捉えた

 

仕方ない、ダンテ君に謝るのは後や!


 
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