No.480946

緋弾のアリア~一般校の転校生~

昼夜神殿さん

~武偵殺し編~
一般校から武偵校に転校してきた瑞樹。
初心者なのにSランクになったり、事件に巻き込まれてしまう。

2012-09-07 18:04:43 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1369   閲覧ユーザー数:1295

18弾

 

 

「キンジ、もう気付いてると思うけど、理子はこの飛行機を操ってる」

 

「ああ。おかしいとは思っていたよ。理子に都合よく揺れすぎているからね」

 

ああもう!このキンジキモすぎる!さて、ここは飛行機の中、どこにも逃げられない。それなのにどこに行くんだ?どんどん高度を下げてはいるみたいだけど…墜落させようとしてる?いや、それだと自分も危ない。

 

そう考えながら階段を下り、一階まで下りる。そこで理子は、壁に背をつけて立っていた。

 

「狭い飛行機の中、どこへ行こうって言うんだい?仔リスちゃん」

 

ぞぁぁああああ

 

気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い。

 

「キンジ、吐き気するから顔を完全に隠して窒息してくれないかな?」

 

「ははっ。冗談きついなぁ瑞樹」

 

結構本気なんだけどな。

まぁ完全に無視することにして、理子の方を見てみた。壁には理子を囲むように、粘土のようなものが貼り付けられていた。

 

「あ!瑞樹気付いた?ご存じの通り武偵殺し(ワタクシ)は爆弾使いですから。もちろん周りにあるのは爆弾だよ」

 

「どうでもいい。お前を逮捕する」

 

「くふふ。やっぱり面白いね瑞樹。ねえ二人とも、この世の天国に……イ・ウーに来ない?キンジ達なら連れて行っても大丈夫だからさ…。それにキンジ、イ・ウーには……お兄さんもいるよ?」

 

「理子…これ以上怒らせないでくれ。あと一言でも兄さんのことを言えば、きっと俺は衝動的に9条を破ってしまうかもしれない。それはお互いに嫌な結末だろう?」

 

「そっかぁ、それはまずいなぁ。じゃあ瑞樹は?かんなに会えるよ?」

 

ダダンッ

 

「よかった、当たらなくて。次は抑えられる自信がないから…余計なこと言わない方がいいよ」

 

これが俺の答え。守る力は欲しいが、犯罪者になる気はない。

 

「そっか残念。二人とも武偵で居てもらわないとね」

 

理子は自分の体を抱き締めるような姿勢をとった。

 

「じゃあ、アリアに伝えておいて。イ・ウーは、いつでも三人を歓迎するよ」

 

「伝えないから安心しろ」

 

ドウッッッ!!

 

理子は背後にしかけた炸薬を爆発させた。壁に丸い穴があき、そこからパラシュートもなしで外に飛び出て行った。空気が一気に引きずり出されたように窓に向かい吹き荒れる。

 

そうかこうして外に逃げるつもりだったのか。でもこれじゃあ理子は…

 

そう思い、窓の方を見ると理子は背中のリボンをほどき、スカートとブラウスが不格好なパラシュートになる。

 

「くっそ逃がしたか…。……?」

 

この飛行機に向かってくる二つの光を見た。それは目で追いきれなくて…何なのかを理解したのは、それが飛行機にぶつかった後だった。

 

ドドオオオオオオオオオンッッ!!!!

 

ものすごい轟音とともに、飛行機が揺れる。そのまま墜落してしまうかと思うほどだった。

 

「キンジ…今のってミサイル?」

 

「ああ。そうだ」

 

「どこにぶつかった?墜落しなくてよかった」

 

「そんなに楽観してられないぞ。エンジンの内側二つが破壊された」

 

「そうか、じゃあ急ぐか。操縦室に」

 

取り逃がしちゃっても、残った仕事があるもんな。

 


 
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