No.477999

乱世を歩む武人~第三十三話~

RINさん

稟の鼻血克服作戦。

2012-08-31 19:47:45 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:4542   閲覧ユーザー数:3792

主人はそっと稟に近づきこうささやきかける。

 

華琳

「ふふっ、稟・・・本当に面白い子。くだらない経過報告なんかより、あなたを構っている方がずっと面白いわ。」

 

「お・・・お戯れを。っ!?どこに触っておいでですか!華琳さま」

 

華琳

「まだ私の抱擁を拒むの?・・・憎らしい子ね。」

 

先ほどまで二歩はあろう距離にいた主人は気づけば完全に稟を抱き寄せる位置にまで近づいていた。

 

「コレ以上・・・私を呆れさせないでいただきたい。」

 

華琳

「ふふっ。それよ・・・私の気を惹こうと誰より声をはるくせに、腰に腕をまわそうとするとそのように怯えて身を引いて・・・震えながらまた声を張り上げる。その瞳・・・たまらないわ。」

 

主人はともすれば唇がふれそうな距離まで近づきまっすぐに稟の瞳をみていた。

 

「は、離れ・・・離れて。」

 

華琳

「稟、私はいつでもあなたを閨に招きたいと思っているのよ。・・・早く私に身体を委ねなさい。」

 

そっと耳元でささやくように主人はそう告げた。

 

「か・・・体を委ねるなどとっ!」

 

華琳

「たっぷりいじめてあげるわ・・・泣いても許してあげないから。あなたに「私を華琳さまのものにして」といわせてあげる。」

 

「た、たっぷりと・・・はっ、はっ、はっ、はぁ・・・っ!」

 

まぁ・・・なんだ。主人が本人の同意を得て誰を閨に誘っても文句はない。それこそ当人同士の問題というやつだろう。

 

華琳

「・・・稟?」

 

しかしできることなら・・・

 

「ぶーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」

 

 

往来のある廊下の真ん中で、人を連れ添っているときにくらいはご遠慮願いたいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐー」

 

桂枝

「・・・風、終わったぞ。」

 

そういって肩をトントンと叩いてやる。

 

「おおっ、終わりましたか。結果は・・・」

 

桂枝

「見ての通りだ。」

 

そう言って血だまりの中にいる稟を見る。アレ全部鼻血だというのだから大した物だ。

 

華琳

「全く・・・これじゃあ閨に呼ぶのは当分先になりそうね。」

 

主人は肩をすくめてそう言い放つ。流石に血だまりの中愛を囁く趣味はないようだ。

 

ちなみにこのやりとり。既に数回行われておりそれらすべてに同じ結果がでていたりする。

 

桂枝

「昔は気づかなかったんですけどねぇ・・・いつの間にこんな体質になっていたのやら。」

 

「稟ちゃんが華琳さまの存在を知った時からですねー。評判を聞けば聞くほど憧れが高まりそれによって妄想が加速していって・・・」

 

桂枝

「気がついたらこうなっていた、と。」

 

華琳

「私への愛の一種だとはいえしかしこれでは何も出来ないわね・・・」

 

とりあえず血は止まったみたいなので稟を抱えてやり少し横に移動させてあげた。流石にこの血だまりの中、いつまでもほうっておくのはよくないだろう。

 

桂枝

「さて、どうしようかな。主人が寵愛を授けたいと言うのならばできるだけその意向に添わせてやりたいとは思うんだが・・・」

 

「まさに血の防壁。これじゃあ何時まで経っても不可能でしょうねー」

 

華琳

「それは困るわ。風、桂枝、あなた達でなんとかならないの?」

 

「ふむ・・・想像が強くなり過ぎでどうにもならないこの現状。いっそ現実を思い知るというのはどうでしょうかねー」

 

桂枝

「それは反対しておこうかな。」

 

「おや、どうしてですか?」

 

桂枝

「そうなると相手は主人以外を選ぶのだろう?それは稟にとってもいい結果とはいい難い。そして他の相手とやるということはその体験を生かして主人への妄想を強める結果になる可能性が非常に高い。」

 

「なるほどー・・・ならば桂枝さんはどうすればいいと思うのですか?」

 

桂枝

「ん~・・・とりあえず明確に条件を見つけるところから始めるのが良策かな。」

 

「条件ですか?」

 

桂枝

「ああ、鼻血を出す・・・限界点というやつか?稟を私の部屋に運んだ後準備に入る。少し手伝ってくれ。」

 

「はいはいー。」

 

さて・・・まずはありきたりなところから初めて見るのが一番かな。

 

 

 

 

 

 

~一刀side~

 

一刀

「報告書終わり。さて・・・あとは桂枝に渡しておけば大丈夫かな。」

 

 

最近はだんだんと仕事に慣れてきたということもあり色々と任されることが多くなってきた。

 

警備隊のことでも配備する兵士や新兵の振り分けなどは俺に回ってくることが多い。

 

まぁ大抵が最後に桂枝に回して予算やらを確認してもらうしか無いわけだがそれでも俺の中では随分と増えたほうだろう。

 

そうして執務室へと書簡を運ぼうと思っていたら数冊の本をもって歩く桂枝を見つけた。

 

一刀

「よう、桂枝。どこいくんだ?」

 

桂枝

「おう、北郷か。ちょっと色々とやることがあってな。」

 

一刀

「相変わらず忙しそうだな・・・それで、その本は何の本なんだ?」

 

桂枝

「これ?艷本だけど。」

 

一刀

「・・・は?」

 

なんか今桂枝に似合わない言葉ベスト3に入りそうな言葉を聞いた気がするぞ・・・?

 

桂枝

「色々な種類の艷本だよ。ちょっと入用でな。」

 

 

一刀

「エロ・・・艷本が入り用な用事って一体なんだよ!」

 

どうやら聞き間違いじゃなかったらしい。

 

桂枝

「稟の鼻血克服に使うんだよ。「彼を知り己を知れば百戦危うからず。」ってな。どのくらい耐えられるのかを知るために色々と準備してみた。」

 

一刀

「稟の鼻血対策・・・ああ。アレか。」

 

よく華琳に迫られては鼻血出してるもんなぁ。・・・なんだろう。すごく面白くなりそうだ。

 

一刀

「なぁ・・・俺も手伝っていいか?」

 

桂枝

「別に構いはしないが・・・その手の持った書簡はいいのか?」

 

一刀

「ああ、これはお前に届けて終わりってやつだったから大丈夫。」

 

桂枝

「ふむ、そうか。今執務室には姉貴がきっと寵愛を受けている頃だろうから・・・俺の部屋においておくか。どうせ風と稟も俺の部屋にいるしついでに来るといい。」

 

一刀

「ああ、わかった。」

 

そうして桂枝による稟の鼻血克服作戦がスタートしたのであった。

 

 

作戦その1 ~艷本で慣れてみよう~

 

 

桂枝

「というわけでだ。とりあえず本屋行って適当に種類を揃えてきた。どうせ今日が終わったら燃やすから遠慮無く見てくれて構わない。」

 

「なんというかその・・・すいませんでした。」

 

「むー・・・部屋を探しても桂枝さんの本は見つかりませんし面白く無いのですよ。」

 

一刀

「いや、勝手に漁るなよ・・・」

 

というわけでまずは多種多様なジャンルの艷本を見せることから始まった。

 

桂枝

「じゃあまずは・・・はい。一番きつそうなの。」

 

「どれどれ・・・って、こ・・・これは・・・!」

 

稟の後ろからチラっと見てみたら女同士の絡み合いが見えた。

 

一刀

「この時代にも百合があるのかよ・・・」

 

当然華琳に触れられただけでアウトなコイツにそんな耐性があるわけなく・・・

 

「ぶーーっ「っと!」」

 

鼻血が少し出た所で桂枝によって止められた。

 

一刀

「って止めた!?」

 

桂枝

「ツボ自体は聞いていたからな。ちゃんと狙って氣を込めれば本来なら一瞬で止まる。」

 

「最初からコレを使えば稟ちゃんの鼻血問題も解決なのでは?」

 

桂枝

「・・・俺に主人と稟の閨に同行しろと言うのか?」

 

うわ、すごい微妙そうな顔をしている。

 

「むむ・・・ソレはいけませんね。しかたないので次行きましょうか。」

 

桂枝

「ああ、じゃあ次は・・・」

 

 

「・・・私で遊んでいるのではないのですよね?」

 

桂枝

「遊びで艷本なんざ買いに行くかよ。」

 

そうして色々と試してみることになった。

 

その結果・・・・

 

 

 

 

 

桂枝

「・・・じゃあこれ、官能小説。」

 

「フガフガ・・・ぶーーーーっ!!」

 

一瞬で鼻血を止める桂枝。もはや何度見た光景だっただろうか。

 

一刀

「もはや文字の羅列ですらダメか・・・」

 

濃厚なやつからただの恋人同士てやるようなやつ、はたまたBLまで一体どこから持ってきたのだと言わんばかりの各種ジャンルを取り揃えたエロ本の数々、その全てで稟は撃沈した。

 

「おやおや・・・まずは本くらいには慣れてもらわないとダメですかねー。」

 

桂枝

「とりあえずこれはこれで要対策だろうな。とりあえずこの本は全部渡し・・・ておいたら死んでる可能性があるか。北郷の部屋においておくとするか。」

 

一刀

「俺の部屋かよ!」

 

桂枝

「・・・俺の部屋だと姉貴が消し炭に変えるぞ?」

 

・・・それもそうか。

 

こうして艷本作戦は失敗に終わった。

 

 

 

 

作戦その2 ~接触の限界を調べてみよう~

 

 

 

 

桂枝

「さて、とりあえず見るだけで完全にダメだということは分かった。」

 

「うぅ・・・すいません。」

 

桂枝

「気にしなくていい。だから次はどの程度の接触まで大丈夫なのかを調べてみよう。・・・風」

 

「はいはいー。ちょっと失礼しますねー」

 

そういっておもむろに稟に抱きついた。

 

「ふ・・・風っ!?一体何を!?」

 

「まぁまぁ稟ちゃん。とりあえず今、華琳様を想像してみてください。」

 

そういって稟を見上げる風。すると・・・

 

「華琳さまが・・・私を抱き寄せて・・・そして・・・・唇を・・・!?「はいそこまでっ!」ひゃぁ!」」

 

いつものパターンになるまえに桂枝がねこだましをして稟を正気に返した。

 

「何するんですかっ!?」

 

一刀

「落ち着け稟、何もされてない。」

 

桂枝

「・・・なるほど、風でこの時間か。誰かが接触した状態で主人を想わせるとどのくらい耐えるのか・・・と考えていたが。」

 

「ものの数秒でしたねー。」

 

桂枝

「ああ・・・風でダメなら誰でもダメだろからな。」

 

そういって桂枝肩をすくめた。

 

一刀

「・・・ちなみに風で耐え切ったらどうするつもりだったんだ?」

 

桂枝

「そのままどこまで耐え切れるのかちょっとやってもらうつもりだったが?」

 

「まぁ本番までやるきはありませんでしたし。稟ちゃんなら多少はいいかな、と思ってたのでー・・・桂枝さんのことだからちゃんと見返りも用意してくれたでしょうし。」

 

最後の方は聞き取れなかったが・・・そうか。稟が耐えてたら眼福な展開が待っていたのか。もったいないな・・・

 

桂枝

「まぁ・・・しかたあるまい。ここまで重症だというのならば最終手段を講じるまで。」

 

そういって桂枝は一つの包みを取り出した。

 

 

 

作戦その3 ~薬を使ってみよう~

 

桂枝が開けた包みの中には糖衣された錠剤が入っていた。

 

一刀

「なにそれ・・・薬?」

 

桂枝

「ああ、鼻血というよりかは体全体の血圧を下げるための薬だな。血圧が低くなる分ちょっと体はだるくなるんだが・・・」

 

「副作用は大丈夫ですか?」

 

桂枝

「そこは保証しよう。これでも身内に出す可能性のある薬は全部自分で一度試してある。大丈夫だ。」

 

一刀

「・・・おまえ本当にイイヤツだよな。」

 

現代の医者ではありえない気配りだわ。

 

「体がだるくなる程度で華琳さまの寵愛を受けられるというのならば・・・!」

 

そういって稟は桂枝の薬をつかみとり・・・

 

桂枝

「ほれ、じゃあ水な。」

 

一気に飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

そして数分後・・・

 

一刀

「・・・何も変わってないぞ?」

 

強いて言うならちょっと顔色が悪くなったくらいで特に何かが変わった様子はない。

 

桂枝

「そりゃあな。血圧変わった程度で見た目変わったら俺が驚くわ。・・・で、稟。体調はどうだ?」

 

「はい、先ほど桂枝さんが言った通りにちょっとだるいですかね・・・。あと指先が冷たいです。」

 

桂枝

「どうやら効いているようだな・・・さて、風。」

 

「はいはいー。じゃあ・・・えいっ。」

 

そう言って風は先程の艷本(百合)を稟の目の前で開いた。

 

「・・・っ!こ・・・これはまたなんと過激な・・・!」

 

一刀

「おぉ・・・そう言いながらも鼻血は出てないぞ!?」

 

「これはひょっとすると・・・?」

 

そのままペラペラと本をめくる稟、このままうまく行けば成功か・・・!

 

「ああ・・・そんな、こんなことまで・・・いや・・・っ!こことここをこんな風にこするなんて・・・!」

 

・・・とおもったのだが先ほどまで悪かった顔色は既に赤みがさし始めた。だんだんとエスカレートする妄想。そして・・・

 

「・・・ぶはっ!」

 

やはり盛大に鼻血を吹き出してしまった。

 

桂枝

「・・・はぁ。コレでもダメか。」

 

そういいながらも稟をテキパキと介抱する桂枝。

 

「まさか薬の効果すら貫くとは・・・稟ちゃんの血の防壁はもはや誰にも突き崩せないのでしょうか。」

 

桂枝

「いや、薬という防壁を崩している以上もはや血の槍というべきか・・・?」

 

「うぅ・・・もういいです。色々してくれた桂枝さんには悪いのですが私は鼻血と共に生きていきます。」

 

一刀

「鼻血と共にって・・・」

 

まぁ実際もう打つてもないといったところなのだろうか。難儀な体質だよなぁ・・・

 

桂枝

「すまんな・・・今日すぐだったんで思い立った策はコレしかないんだ。」

 

「ちょっとの思いつきでここまでやってくれれば稟ちゃんも本望ですよ。ね?稟ちゃん。」

 

「はい・・・桂枝さん、それと一刀殿も色々とありがとうございました。これから先も私はこの鼻血とともに生きていきます。」

 

一刀

「いや、鼻血とともにって・・・」

 

そのうち出血多量で死なないだろうな?

 

桂枝

「まぁ・・・なんだ。とりあえずもう日も暮れるし食事にしようか。稟、今日は飲もう。一晩中でも付き合ってやるからさ。」

 

「うぅ・・・ありがとうございます。桂枝さん。」

 

「おや、稟ちゃんだけなのですか?」

 

桂枝

「まさか。ここにいる4人分ちゃんと準備するよ。少し待っててくれ。」

 

こうして稟の鼻血克服作戦は失敗に終わったのだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ですから~・・・私は華琳さまのためを思って様々な献策をしているのれすよ~。それなのに・・・ひっく。華琳ひゃまはいっつも私を・・・」

 

桂枝

「ああ。稟が主人を思っているのはちゃんとわかっているよ。」

 

「でもれすね・・・華琳ひゃまがわらしを愛しいと思っているからこそいじめてるっていうのはわかっれるんれすよ?」

 

桂枝

「そうか・・・主の心を使いがわかるっていうのは軍師にとって大事なことだもんな。」

 

「そうれすっ!ひゃんと桂枝しゃんもそのあたりをわきまえて・・・」

 

桂枝

「ああ、すまない。そのあたりに疎いよな。俺は。」

 

桂枝が持ってきた酒とツマミでゆっくりと飲み初めて既に2時間はたっただろうか。

 

やけ酒気味にハイペースで飲んでいた稟はすぐ出来上がってしまい、延々と日頃の鬱憤を晴らすように愚痴り始めた。

 

ちなみにあの話も俺が聞いた中ではすでに3回目だった気がする。

 

一刀

「俺が相手じゃなくてよかった・・・。あれじゃあ食事してる気にならないだろうに。」

 

「こういうとき真っ先に狙われるのが桂枝さんなんですよねー。」

 

そんな愚痴を真正面からきいているのが桂枝だ。料理全般を配膳した後、率先して壁になってくれた。おかげで俺たち二人はゆっくりと料理と酒を楽しむことができる。

 

更にいうと今回持ってきた酒もすごい。どうやらこっそり作っていたらしく、焼酎を完全に再現しているようなのだ。

 

一刀

「飲み口も良くていいお酒だよなぁこれ、稟は一気に飲んじゃったけど・・・」

 

「まぁまぁ。お酒の飲み方は人それぞれですから。今日の稟ちゃんには質より量が大事だったのですよ。きっと」

 

「いいでふか桂枝しゃん。わらしは華琳さまの寵愛を受けるために常に体のていれもかかひてないのれす。◯◯を丁寧に洗い◯◯を◯◯して・・・」

 

桂枝

「あのなぁ・・・それを俺に言ってどうする。」

 

「女性には色々と準備が必要だということをひるべきなのれす!風だってきっと桂枝ひゃんに◯◯して◯◯ひゃれながら◯◯な◯◯を・・・」

 

「稟ちゃ~ん。風を巻き込むのはやめて欲しいのですよー。」

 

話が自分に及んだことに気づきのんびりとだが風が止めに入った。その顔は心なし赤くなっていたりする。

 

桂枝

「・・・む?」

 

そしてそれを聞いたからかどうか。さっきまで静かに聞いていた桂枝が急に止まって何かを考えこみ始めた。

 

「おや、どうなさいましたか桂枝さん。黙りこんじゃって・・・ついに呆れちゃいましたか?」

 

桂枝

「いや、違う。なぁ稟ちょっといいか。」

 

「なんれふか~桂枝さ~ん。」

 

桂枝

「お前さ・・・もし今主人が来て◯◯◯して◯◯◯になって◯◯◯したらどう思う?」

 

一刀

「おま・・・!せっかくの料理を血まみれにする気か!?」

 

稟の噴火秒読みカウントスタート!、とおもったのだが・・・・

 

「そうれすね~・・・うぅ・・・華琳しゃま・・そんなところは。やら・・・ダメ。・・・はぁ華琳しゃまとのそんな爛れた一夜を送りたい・・・」

 

あれ?今妄想したのに鼻血が・・・でていない!?

 

「おぉっ!これはひょっとして・・・?」

 

桂枝

「よし、今だ。コイツを主人の閨に放り込むぞ!」

 

「ちょっと桂枝しゃん。何をするちょっと・・そんなところしゃわらないでくだしゃいって~」

 

言うやいなや桂枝は稟をおひめさまだっこ状態で抱えて持って行ってしまった。

 

 

 

 

 

その結果・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとかなったようだ。

 

 

 

 

 

~一刀 side out~

 

 

 

 

 

華琳

「至福の一時だったわ・・・」

 

朝、いつも通りに食堂にきた主人の顔は非常に瑞々しくなっていた。

 

桂枝

「おはようございます華琳さま。昨夜は突然押しかけてしまい申し訳ありませんでした。」

 

華琳

「許すわ。ちょっとお酒臭いのが玉に瑕だったけれど、あなたのおかげで稟を味わうことができたのだもの。好機を教えてくれたことに逆に感謝するくらいよ。」

 

桂枝

「そう言っていただければなによりです。」

 

食器を並べながらそう答えた。

 

華琳

「そうね、ただ質問があるとすれば一つ。何故昨日私が誰も閨に呼んでいないということを知っていたのかしら?私は誰にも話をしていないのに。」

 

桂枝

「ああ・・・華琳さまのことですから。閨に稟を呼ぶ予定だった以上、稟以外の者は呼ばないでしょうと思っただけですよ。どうやら執務室では姉をかわいがっていただいていたようですけれどね。」

 

完璧主義である主人が一度決めた獲物が逃げたからといって代役を呼ぶとは思えなかった。なのであの時、強行して閨に放り込むという手段をとったのだ。

 

華琳

「なるほどね。よく私のことを理解しているようでなによりだわ。」

 

そんな話をしていたら稟がフラフラと食堂にやってきた。

 

桂枝

「おはよう、稟。朝食ができているから食べるといい。」

 

「お・・・おはようございます桂枝さ・・・!」

 

華琳

「おはよう稟。昨日は・・・楽しかったわね?」

 

そう主人が話しかけるやいなや・・・

 

「ぶーーーーーーーーーっ!!!」

 

盛大に鼻血を吹き出してしまった。

 

桂枝

「・・・む?」

 

防ぐものがなかったためとっさに外套で鼻血を遮る。・・・しかし今、目を合わせただけで吹き出したな。

 

華琳

「ありがとう桂枝。しかし・・・また盛大に吹き出したわね。」

 

桂枝

「はて、彼女の妄想を刺激するものはなかったと思うのですが・・・」

 

食堂にそんなものがあるわけがなし。

 

「おはようございまーす。おや、華琳さま、昨夜はお楽しみのようでしたね。」

 

風がゆっくりと食堂にやってきた。いつも寝ている風だが朝食時を外すことは滅多になかったりする。

 

華琳

「おはよう、風。ええ、昨晩は存分に楽しませてもらったのだけど・・・朝になったらこれなのよ。」

 

「ああ・・・華琳さま・・・」

 

「どれどれ・・・あーこれはしかたありませんね。夢にまでみていた華琳さまの寵愛を受けてしまったわけですから。お酒が入っているうちは大丈夫だったのでしょうけれどお酒が抜けた今、きっと昨夜の思い出が蘇ってしまったのでしょう。」

 

桂枝

「そうか・・・もとより妄想ですら鼻血吹き出すやつだったもんな。」

 

本当に面倒な体質を抱えているよなこいつ・・・

 

華琳

「ちょっと待ちなさい。それじゃあ何?これから先この娘は私と顔を合わせる度鼻血を出し続けるとでも言うの?」

 

「そうなりますかねー。」

 

・・・やはり無理やりやるべきではなかったのかもしれないな。

 

華琳

「コレでは仕事にならないわ・・・桂枝、なんとかしなさい。」

 

呆れ顔でそう言い放つ主人。私としても原因の半分以上を担っているため無視をするわけにも行かなった。

 

桂枝

「・・・御意に。さて、薬の調合始めないとな・・・」

 

こうして稟の初体験後の初日は、やはりというかなんというか血染めの幕開けとなってしまったのだった。

 

 

 

その後血圧を下げる薬をもう一度使うことでなんとか被害を最小限にとどめることには成功した。

 

 

 

 

 

 

しかし主人を見る度に鼻血がでそうになる状況はこの後半月にわたって続き、その間私はずっと薬の調合をさせられていたという・・・

 

 

 

というわけで稟はちゃんと華琳のものになりました。

 

自分で書いてから気づいたけどもしかしてこれってすごいレアケースか・・・?

 

 

 

 

この後についての質問です。

 

そろそろ本編を動かそうと思っております。

 

おそらく5~6話くらい使うものだとおもっているのですが連日投稿ができるまで溜めてから一気に放出するのとちまちまとできた先から放出していくのとどちらがいいですか?

 

自分は基本続き物を待たされるのがいやな人間なので他の方意見を聞いてみたいなと思っております。

 

他にもご意見・ご感想がありましたらコメントお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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