No.477627

魔法少女と竜と漆黒の狂戦士と StrikerS編 第一話

やっと本編です

2012-08-30 21:56:18 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:5913   閲覧ユーザー数:5333

     新暦75年 4月 第44管理外世界

 

 

??? (こちらドラゴン2ですわ。A区画の潜入が完了しましたわ。)

 

 

??? (こちらドラゴン3。B区画もOKよ。)

 

 

??? (ドラゴン4ッス。C区画も大丈夫ッスよ。)

 

 

??? (こちらドラゴン5。外部も異常ありません。イレギュラー発生率は低いと思われます。)

 

 

??? (ドラゴン1だ。こっちも中央区画へ潜入が完了した。)

 

 

     ここ第44管理外世界にある研究施設に5人の男女が潜入していた。

 

 

??? (しっかしアレだねぇ。よくもまあこんな辺鄙な場所に造るもんだわ。)

 

 

??? (ドラゴン2から4へ。ちょっとキール!念話で話す際はコールサインを言いなさいと何度言えば分かりますの!!)

 

 

キール (ドラゴン4から2へ。悪かったから大声出すなよエリス。姑じゃあるまいし。)

 

 

エリス (な、な、・・・・誰が姑ですってーーーーー!!!)

 

 

??? (ドラゴン3から2へ。エリス、ちょっと落ち着きなさい。キールがコールサインを忘れるのはいつものことでしょ?)

 

 

エリス (バライカ!そんな事を言ってますから何度も忘れるのですわ!)

 

 

バライカ(まぁ。それもそうかもしれないけど・・・。ヘンリーはどう思う?)

 

 

ヘンリー(こちらドラゴン5。何度言っても無駄だから俺はもう諦めた。)

 

 

エリス (ちょっ!?ヘンリーまで!?)

 

 

零冶  (・・・・はぁ。お前等・・・任務中だってのを忘れているだろ?)

 

 

     零冶は溜息をついて言った。そう、潜入していた男女は零冶達DOG隊だったのだ。

 

 

     零冶達は数年前からこの様な任務を受けていた。今まで極秘だった部隊、DOG隊がつい先日に公式に発表された。表向きは

     捜査及び突入困難な状況、通常では対処できない状況等を専門とする伝説の三提督が新たに立ち上げたエリート部隊である。

 

     しかし、それはあくまでも表向きである。本当の目的は管理局の闇の部分。違法研究や汚職を取り締まる為の部隊だ。

 

 

     この裏を知っているのは零冶達含めたDOG隊、伝説の三提督、管理局地上本部本部長のボース少将。そして管理局の

     闇に気付き、それを正そうとしている優秀な提督達だけである。

 

 

エリス (っ!?ど、ドラゴン2から1へ。申し訳ありませんわ、隊長。)

 

 

     エリスが零冶に注意されて少し落ちこんんだ。

 

 

零冶  (いやまぁ、ちゃんとやれるなら構わないんだけどな。それとドラゴン4。ちゃんとコールサインを言えよ?)

 

 

キール (へーい。)

 

 

     このように多少巫山戯て見えるが、今まで一度もミスしたことは無い。

 

 

零冶  (さて、作戦無内容を確認する。今作戦の目的は質量兵器を無断で製造及び研究開発している研究施設の破壊と研究員の逮捕だ。)

 

 

     零冶が作戦内容を説明すると騒いでいた4人が静かになった。

 

 

零冶  (次に作戦行動を確認する。先ず始めに俺が中央区画の発電機を破壊して電源を落とす。恐らく電灯がが非常灯に変わるはずだから

     それを合図に全員が一斉に制圧する。その間に俺はコントロールルームに潜入。CRの端末を操作して隔壁を封鎖、研究員が

     逃げられず、通路が一本道になるように操作する。端末は発電機とは別の電源になっているために操作は問題ない。最後に、

     ドラゴン5は施設の外で待機。研究員が逃げ出してきたらヒューノと一緒にその場で捕獲せよ。死ななければどんな魔法を

     使っても構わん!確実に捕獲しろ!以上だ!何か質問はあるか?)

 

 

零冶  (ヒューノ、準備はいいか?)

     

 

ヒューノ『ピュイ!ご主人様、ヒューノは準備オッケーなのね!』

 

 

     このヒューノとは嘗て零冶が前に居た世界で仲間になった眠鳥ヒプノックだ。ジンに襲われそうになっていた所を助けたら

     ナルと同様に懐いたのだ。

 

 

零冶  (無いなら始める。・・・生き残れよ。)

 

 

DOG隊(了解!!)(おう!!)(了解ですわ!!)

 

 

ヒューノ『ピューイ!!』

 

 

     零冶は念話を切った。そして目の前にある発電機を見据えた。

 

 

零冶  「ルナ、やろうか?」

 

 

ルナ  [はい!ライフルモード!]

 

 

     そうして零冶はルナをバレット82A-1INに似た大きな銃を構える。そして撃った。

 

 

零冶  「デモンズバスター!」     

 

 

     ドッカァァァン!!

 

 

     発電機は粉々に砕け散って跡形も無くなった。すると電力供給が絶たれて電灯が非常灯に変わった。すると研究施設の所々で

     爆発音が聞こえたり振動したりしている。恐らくDOG隊メンバーが作戦を開始したのだろう。零冶は駆け抜けた。

 

 

零冶  「ルナ、CRの状況は?」

 

 

ルナ  [目標ポイントに生命反応が1。魔力反応が感じられなかった為、ただの監視員だと思われます。]

 

 

零冶  「了解・・・っと、ここがCRか。」

 

 

     零冶はCRの前に着くとバレットを構えて、

 

 

零冶  「デモンズバスター!」

 

 

     ドガンッ!!

 

 

     ドアを吹き飛ばした。中に入ると監視員お男が一人尻餅をついていた。

 

 

監視員 「な!?ど、どうやってここに!?い、一体誰なんだ!!」

 

 

零冶  「黙れ。・・・グングニール。」

 

 

監視員 「がはっ!?」

 

 

     零冶は監視員を問答無用で撃ち抜き、端末を操作した。

 

 

零冶  「これをこうして・・・あ、これも閉じて・・・ほいっと、完了。」

 

 

     画面を見ると、そこには迷路のような通路は隔壁で封鎖され、一本道が出来上がっていた。

 

 

零冶  「さて、後はあいつらに任せるか・・・。っと、コイツを連れて行かないとな。」

 

 

     零冶は後ろで伸びていた監視員に漆黒のバインドを掛けて、引きずりながらその場を後にした。

 

 

     この5分後、エリス達によって研究施設は制圧され、外へ逃げた研究員も待機していたヘンリーとヒューノに捕まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒューノ『ピュイ!?ヒューノの出番これだけなのね!?もっと出すのねーーーーー!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     ミッドチルダ中央区画 管理局地上本部 本部長室

 

 

ボース 「ご苦労だったな、黒澤三等陸佐。」

 

 

     ボース少将は零冶は先の作戦終了を報告しに来た零冶に労いの言葉を贈った。

 

 

零冶  「いや、大した事は無かったよ。それに、優秀な部下がいるもんでね。」

 

 

ボース 「はっはっは!その優秀な部下を育てたのは君自身だろうに。」

 

 

     ボースは愉快そうに笑った。そして、少しすまなそうな表情になる。

 

 

ボース 「彼らには悪い事をしたな。今までの功績を評価してやりたいが、極秘だったため、表だった事はできんのだ。彼らに

     私が謝罪していたと伝えてくれ。」

 

 

     実はエリス達の階級は二等陸士のままだ。本来なら一曹や曹長にもなっていてもおかしくないのだが、正式にDOG隊が発表されるまでの

     任務は極秘であり、功績にはならなかったのだ。

 

 

     だが、本人達はあまり気にしていないみたいだった。エリス曰く、

 

 

エリス 「隊長と一緒に戦えられれば階級なんてドブに捨てますわ!」

 

 

     ・・・らしい。

 

 

零冶  「その言葉だけでも彼らは十分だと思うさ。」

 

 

ボース 「そうか・・・。おぉ、そうだった。忘れるところだった。」

 

 

     ボースは何か思い出したらしい。

 

 

零冶  「・・・?」

 

 

ボース 「以前言っていたDOG隊の隊舎の事なんだがな・・・目星は付いた。」

 

 

零冶  「本当か!?助かる!今までラボで作戦を立てたり、交通の便が悪かったりで不便だったんだよ。」

 

 

     零冶はかなり嬉しそうにしていた。

 

 

零冶  「で、場所は何処だ?それと何時、使用できる?」

 

 

     すると、ボースはニヤリッと笑みを浮かべた。

 

 

ボース 「それがば、立地条件がいい場所が限られていてな・・・。来週に新たに設立される部隊の隣に建てることにしたんだよ。」

 

 

零冶  「新しい部隊の隣?俺等はともかく、向こうがよく了承したもんだな?で、その部隊は?」

 

 

ボース 「ああ・・・古代遺失物管理部、機動六課だ。」

 

 

零冶  「機動六課・・・確か腕の良い高ランク魔導師が集めた精鋭部隊だったな?以前何日か前に噂できいたぞ?」

 

 

ボース 「ああ。まだ出来ていないがね。来週には発足する予定だ。DOG隊舎の方は少し遅れて出来上がる。まぁ、再来週には

     出来上がるだろうな。」

 

 

零冶  「そうか。じゃあ俺とDOG隊はラボに戻るよ。」

 

 

ボース 「ああそうだな。あまり引き留めていると恋人達に殺されかねんからな。はっはっは!」

 

 

零冶  「恋人なんかじゃねぇよ。大体、俺を好きになるなんてかなりの物好だよ。じゃあな。」

 

 

     零冶はそう言って部屋を出た。

 

 

ボース 「まったく・・・あれじゃ彼女達も苦労しているだろうな。」

 

 

     ボースは零冶の鈍感ぶりに呆れていた。

 

 

ボース 「さて・・・アレの準備を進めるか。」

 

 

     そうしてボースは何か端末を操作して何処かにメールを送信した。

 

 

 

 

     ミッドチルダ東部 スカリエッティのラボ

 

 

 

チンク 「お帰り、零冶。それとエリス達も。」

 

 

セイン 「あ、零冶!お帰り!」

 

 

ウェンディ「あ、零冶さん!お帰りッス!」

 

 

     零冶達がラボに帰ると、チンク、セイン、ウェンディが出迎えてくれた。

 

 

エリス 「ええチンクさん、ただいまですわ。」

 

 

バライカ「ただいま、チンク、セイン、ウェンディ。」

 

 

ヘンリー「今戻った。」

 

 

キール 「ウッス!」

 

 

     他の皆も挨拶した。

 

 

零冶  「ああ、ただいま。ジェイルは?」

 

 

ウェンディ「あ、博士ならラボに籠もってるッスよ。何でも、ノーヴェの武装を造っているみたいッス。」

 

 

零冶  「そうか。それじゃ、俺はジェイルの所へ行ってくるよ。」

 

 

チンク 「ああ。それとクイントさんにも挨拶をしておけ。」

 

 

零冶  「分かってるよ。」

 

 

エリス 「それでは私達は少し休ませて頂きますわ。」

 

 

バライカ「ええ。少し疲れたわ。」

 

 

キール 「少しじゃねぇよ・・・ま、俺達も休ませてもらうぜ。」

 

 

ヘンリー「ああ。」

 

 

 

     そう言うとエリス達は自室へ行き、零冶はダイニングルームへ行った。そこにはゼスト隊やオットー達が寛いでいた。

 

 

零冶  「ただいま、母さん。」

 

 

クイント「あら、零冶君。お帰り。」

 

 

オットー「・・・お帰りなさい、零冶兄さん。」

 

 

セッテ 「お帰り、零冶。」

 

 

ゼスト 「おう、随分早かったな。」

 

 

ゼスト隊「お帰りなさい。」

 

 

     零冶は皆に挨拶した。

 

 

零冶  「ああ。思ったより楽な任務だったからな。」

 

 

ゼスト 「おいおい、DOG隊の任務が楽なわけないだろう・・・。」

 

 

     ゼストは苦笑して言った。

 

 

零冶  「そ、そうか?・・・さて、俺はジェイルに会ってくるよ。」

 

 

     そう言って零冶は研究室に向かった。

 

 

零冶  「ジェイル、入るぞ。」

 

 

     零冶が入ると、そこには何やら色んなパーツらしき物が散らばっていた。

 

 

ジェイル「ん?ああ、帰って来たのかい?ちょっと待っててくれ。もうすぐ完成するんだ。」

 

 

     ジェイルは色んなパーツを組み合わせてナックルの様な物を作っている。恐らくウェンディが行ってたノーヴェの

     武装だろう。

 

 

ジェイル「・・・ふぅ。やっと出来たぞ。あぁそうそう・・・お帰り、零冶君。」

 

 

零冶  「ああ、ただいま。とりあえずあの研究所は潰しておいた。跡形も残っていないだろうよ。」

 

 

ジェイル「そうか。もうすっかり局員になっているではないか。いやはや・・・異常なほどまでの組織嫌いだった零冶君が

     随分変わったものだ。」

 

 

     ジェイルは笑って行った。

 

 

零冶  「・・・仕方ないさ。あいつらが管理局で働いてるのを知ってしまったからな。影であいつらを守れれば俺は

     それでいいさ・・・。」

 

 

     零冶は自嘲する。

 

 

ジェイル「・・・・そうか。それはそうと零冶君、二日後に最後の娘が出来上がるよ。」

 

 

     雰囲気が若干暗くなりつつあったのでジェイルは話題を変えることにした。

 

 

零冶  「ん?もう出来上がったのか?」

 

 

ジェイル「ああ。最後の娘はかなり高性能だぞ?まぁ、それは生まれてからのお楽しみという奴だ。」

 

 

零冶  「そうか・・・。」

 

 

     零冶とジェイルは少しの間沈黙した。そして、零冶は真剣な表情になって言った。

 

 

零冶  「それで・・・・・・何か分かったのか?」

 

 

ジェイル「・・・ああ。4年前の臨海空港火災事件。アレはレリックというロストロギアが原因だ。」

 

 

零冶  「・・・やはりレリックだったか。となると、やはりテロの可能性が強い・・・か。」

 

 

     零冶は腕を組んで考えた。

 

 

ジェイル「ああ、そうだな。それも恐らく、組織か組織をバックに持った誰かが・・・ね。」

 

 

零冶  「・・・なにか心当たりがあるのか?」

 

 

     ジェイルが何やら考え込んでいたので零冶が聞いた。

 

 

ジェイル「・・・これは確証があるわけでは無いのだがね。・・・零冶君、私は以前最高評議会に作られた存在なのは聞いているね?

     そして今では奴等を裏切り、行方を眩ましてここに居ることも。」

 

 

零冶  「ああ。それがどうした?」

 

 

ジェイル「解らないのかい?奴等の事だ・・・第二第三の私が作られていてもおかしくは無い。部品を失ったら換えの部品を

     用意すればいい・・・つまりそういうことだよ。」

 

 

零冶  「っ!?なら今度は確実に思考を操作して裏切らないようにするだろうな。・・・クズがっ。」

 

 

     零冶は怒りのあまり机を叩いた。

 

 

ジェイル「ああ。しかも私の存在を利用した上に抹殺、ということも考えられる。・・・零冶君。もしもの時は娘達を頼んで良いかい?」

 

 

     ジェイルがそう言うと零冶はジェイルの胸ぐらを掴んだ。

 

 

ジェイル「な、何を!?」

 

 

零冶  「・・・二度とそんな事を言うんじゃねぇ!」

 

 

ジェイル「零冶・・・君?」

 

 

     零冶は怒っていた。そんな風に言うジェイルが昔の自分に見えたからだ。冬の聖夜で・・・彼女達を悲しませた自分に

     似ていたからだ。

 

 

零冶  「ジェイル、お前が死んだらウーノ達が悲しむだろうが!それだけじゃない・・・ゼスト隊やルーや母さんも悲しむ!

     そんなことは俺が許さねぇ!皆お前を必要としているんだ!だから、俺が絶対にお前やあいつらを守ってやる!絶対にだ!!」

 

 

     零冶が俯きながら言葉を吐き出した。そしてジェイルを離した。

 

 

零冶  「すまん・・・。」

 

 

ジェイル「いや・・・私もすまなかった。そうだな・・・私が死んだら娘達も悲しむだろう。ふふっ・・・まさかこんな私が純粋に、

     誰かに必要とされるとはね・・・。世の中何が起こるか分からないものだな。」

 

 

零冶  「・・・そうだな。じゃあ、俺は少し寝るよ」 

 

 

     そうして零冶は研究室を後にした。

 

 

ジェイル「・・・ありがとう、零冶君。・・・だが、それは君も同じなんだよ。」

 

 

     ジェイルは天井を仰いで言った。

 

 

ジェイル「仕方ない・・・これも零冶君の為だ。」

 

 

 

     そう言うと、ジェイルは端末を操作し始めた。

 

 

 

 

 


 
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