No.476756

恋姫†無双~私だけを見てください~ 第1話

マットさん

お待たせ致しました。完成版です。

この投稿方法は、またやると思うので……そこら辺も含めて、よろしくお願いいたします。

コメントの他、ご指摘もお待ちしています。

2012-08-28 20:58:40 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:3693   閲覧ユーザー数:3181

~??? SIDE~

 

 

果てしない荒野の中を、三人組の頭巾を被った男達が歩いていた。

 

 

「おいチビ……何かうまい話は無いのかよ。」

 

 

三人組の内の一人の男が、チビと呼ばれた小さい男に話しかけた。

 

 

「そんなの無いっすよ……オイ、デクはどうなんだよ……何かいい話は無いか?」

 

 

チビと言う男が、自分とは対称的な三人組の中で一番の大男……デクに話しかける。

 

 

「んっと……そうなんだな……この先にある街に、とっても旨いって噂のラーメン屋があるんだな。」

 

 

「そうゆう事じゃねぇ!!俺が言いたいのは、『何か金になりそうな話は無いのか』って事だよ!!」

 

 

デクの話を聞いて、三人組の最後の男がデクにツッコミを入れて殴りかかる。

 

 

「……アウゥ~、痛いんだなアニキ~」

 

 

デクが頭を押さえつけていると……

 

 

「……そういえば、『噂』って言葉で思い出したんですけど……」

 

 

チビがそう呟いた。

 

 

「前に居た街で聞いた噂で、こんな噂があったんです。……『流星と共に白い衣を纏う天の御遣いと、その御遣いを支えし神が乱世に降臨する。』っと……」

 

 

「はぁ~!?何だよその噂、そんな事起こる訳がねぇだろう!!……それに何だよ『白い衣を纏う御遣いを支える神』って……どう考えても立場が逆だろうが!!そんな馬鹿げた話は忘れろ。」

 

 

チビの噂の内容に、馬鹿馬鹿しく思えたアニキは噂を忘れろと言い出す。

 

 

「でもアニキ……この噂は街の中どころか、大陸中でかなり有名で、今ではその噂を生きる希望にしている奴も居るくらいなんですよ。」

 

 

チビの噂の凄さを聞いて、アニキは少し顔をゾッとさせる。たかが噂にどれたけ真剣に喰いこんでるんだと思ったのだ。しかし、それと同時に閃きが走った。

 

 

「……よし、ならその御遣いと神が降りてきたら俺達でそいつ等を倒して、俺達が新しい御遣いと神になってやろうぜ。」

 

 

「「エェェェェェェェェェ!!??」」

 

 

アニキの突然の言葉にチビとデクが驚いた。

 

 

「ほ、本気なんすかアニキ!?御遣いだったらまだ勝てるかもしれないっすけど、神なんか相手にしても勝てないっすよ!?」

 

 

「そ、そうなんだな……神様に逆らったら、死んじゃうんだな。」

 

 

チビとデクはアニキの無謀とも言える行動を何とかして諌めようとする。するとアニキは……

 

 

「うるせぇ!!……そんなのは、奴らが勝手に話を大きくしたにすぎねぇんだよ!!……それに、そいつ等を倒したら、俺達は街の中どころか大陸中に俺達は御遣いや神よりも強い……『真の救世主』として、名が知られる。そうなったら……英雄扱いされて、街のモンはタダで食えるだろうし、大陸中のいい女を俺達の物に出来ると言う……酒池肉林生活がおくれるんだぞ!!」

 

 

と自信満々に言った。チビとデクはその光景を想像し、思わず顔がにやけて……

 

 

「アニキ、俺も一緒に戦わせてください!!」「お、俺もなんだな!!」

 

 

あっさりと、御遣いと神と戦う事を決めた。するとその時……

 

 

「……アッ!!」

 

 

デクがいきなり大きな声を上げた。

 

 

「……ん?どうしたんだよ、デク。」

 

 

アニキがそうデクに聞くと、デクは空に指を向けながら……

 

 

「……りゅ、流星が落ちてきたんだな!!」

 

 

と言った。その言葉を聞いたアニキとチビは「何ィィィィ!!??」と声を上げながら空を見上げた。

するとそこには、昼間の時間帯だと言うのに流星が流れて地表に落ちたのだ。それも二つ……

 

 

「二つの流星だ!!きっと御遣いと神が一緒に降りてきたんすよ!!」

 

 

「よし、急いで落下地点に行くぞ!!……俺達の酒池肉林の為に!!」

 

 

「応ッ!!」

 

 

そう言って三人は流星の落下地点へと向かった。

 

 

しかし、彼等はまだ気付かなかった……この行動がどれほど愚かで無謀な行動だったのかを……

 

 

~零里SIDE~

 

 

「……着いたんでしょうか?」

 

 

于吉さん鏡の光に飲み込まれてから意識を失って、その間に私は新たな外史に飛んだことを辺りの風景を確認して、理解できました。

 

 

「(……それにしても一刀様はどこ……に…………!!?)」

 

 

私は第一の目的である一刀様を探していると、私のすぐ隣に一刀様がねむっていました。

ずっと私が会いたがっていた私の大好きな人、それが今……ううん、これからもずっと、私だけの一刀様になるんです。

でも、これで安心してはいけません。

 

 

「(この『私だけの一刀様』を……他の女達から守っていかないと……)」

 

 

そう、この外史には私から一刀様を盗んだ女達もこの外史に居る。私は一刀様を奪っていった他の女達に復讐をして、一刀様を守っていかないと……

 

 

それが私……司馬懿仲達……『零里』の役目ですから……

 

 

それにしても……

 

 

「(可愛らしい寝顔です♪)」

 

 

こんな事を思ったら思ったら怒られるかもしれませんけど、こうして見てみると本当に可愛らしいです。こんな風に無防備な一刀様の寝顔を見るのは、凄い久しぶりに感じちゃいます。……無防備な一刀様……

 

 

「(い、今なら……//)」

 

 

私は顔を真っ赤にしながらも、自分の顔……もとい、唇を一刀様の唇に近付けようとしたその時……

 

 

「よっしゃあぁ~!!酒池肉林までもうすぐだぁ~!!」

 

 

聞こえてきた声に反応して、口付けを断念しました。

 

 

……せっかくの機会だったのに、邪魔をするなんて許せないです。

 

 

……空気も読めない下衆ですね……そんな下衆は死に値します。

 

 

そんな事を考えていると、三人組の男達……もとい、下衆達がやってきました。

 

 

「おうおう、なかなかの別嬪な姉ちゃんに、白い服を纏った男か……するとこの二人が噂の御遣いと神様ってやつか。」

 

 

髭顔の下衆が私と一刀様を見て、何かを呟きました。

 

 

「ねぇ、アニキ……神様は殺さないで、御遣いだけを殺しちまう事にしましょうよ~……ケケケ」

 

 

「そ、そうなんだな……そして俺達のお楽しみにするんだな……グヘヘ」

 

 

背の低い下衆と大きいくせに太った下衆が、私に向かってイヤらしい視線を送ってきました。と言うかこの小さい下衆……今、一刀様を『殺す』とか言っていましたよね……こいつは、ただ単に『殺す』だけでは済ましません。

 

 

「へへ……そうだな、じゃあまず御遣いの服を剥ぎ取ってから御遣いを殺して、こっちの神様は俺達のお楽しみの女神様になってもらおうか」

 

 

髭の下衆がそんな事を言い出しました。……一刀様を殺すなんて私がさせません!!

 

 

「貴方達はこの人が御遣い様だと分かって、どうして殺そうとするんですか!?」

 

 

こんな下衆を相手に、こんな口調で話す私はまだ甘いのかもしれません。

すると髭の下衆が……

 

 

「そんなモン決まってるだろう!!俺達がその御遣いを殺して、俺達が新しい御遣いになって、重要な生活を送る為だよ!!」

 

 

……こいつは、自分の欲望の為に一刀様を殺して、自分が御遣いとして成り上がろうとしていたのです。

まさしく、この下衆のようなのを……『人間のクズ』と言うんでしょうね。

もう私、我慢出来ません。……一刀様の事をここまで馬鹿にしたクズ達に、『お仕置き』をします。

 

 

「だが安心しな……俺達はあんたには手に出さないから、その代わりに俺達のお楽しみに……「幻竜拳!!」……なっ!?……ゲェッ!!」

 

 

私は髭のクズが言葉を言い終わる前に、大きく踏み込んで間合いを一気に詰めて、氣を込めた拳の一撃を相手に決める「幻竜拳」と言う独自の技を髭のクズのお腹に放ちました。

 

 

「……ゴフッ!?……ゴフッ!?」

 

 

髭のクズは胃の中の物を全て吐き出しただけでなく、血も混ぜて吐いています。気持ちの悪い物を吐くなんて、やっばりクズですね。

 

 

ついでに……私はそのクズが差していた剣を盗んで髭のクズの首を落として始末しました。……私の初めての『人殺し』でした。

 

 

「「ア、アニキ!!??」」

 

 

残りのクズ二人が、髭のクズの死体に近寄ります。……私はそのクズ二人組を異物を見るような目で……

 

 

「気持ちの悪い言葉や物を吐かないで下さい。……私はこの御遣い様に全てをササゲルト決めたのです……その御遣い様を『殺す』なんて言う貴方達のようなクズは、生きている意味すらありません。だから私が今ここで……『殺します』。」

 

 

……一刀様が眠っていて良かったです。こんな私の姿を見たら、私の事を嫌いになっちゃいそうです……でもこのクズ達は、私が大好きな一刀様の事を『殺す』なんて言いましたから、一刀様を守る為には仕方ないですよね。

 

 

……それにこんな私でも、きっと一刀様なら愛してくれるって信じています。

 

 

 

「……よ、よくも…ア、ア、アニキを……ゆ、ゆゆゆゆ、許さないんだな!!」

 

 

……また空気を読めないクズが、私の時間を台無しにしました。

 

 

声の様子と剣を持っている手の震えからして、私の事が恐いみたいです。……恐いなら恐いで素直に逃げたら、クズとしては可愛いげがあるのに……まあ、どの道逃がしませんけどね。

 

 

「声が震えてますよ。そんなに私が恐いんですか?」

 

 

「ち、ちち違うんだな!!……こここ、恐くないんだな!!」

 

 

そう言う気持ちを『恐い』と言うんですが……それが分からないとは、本当にクズですね。

 

 

……この太ったクズで少し、遊んであげましょう……

 

 

「……でも貴方は、一刀様の事を『殺す』とは言わなかったので、今から言うことをやれば……特別に許してあげる事も考えます。」

 

 

「「……エッ!?」」

 

 

二人のクズは「本当に!?」と言う表情を浮かべました。……と言うか小さいクズ、何で自分も助かるような顔をしてるんですか?貴方はもう決まってるんですよ。……まあ、その事は置いといて、私は手を合わせてこう言いました。

 

 

「『どうかこのクズに……今一度、今一度……生きる機会をお与え下さい!!』……と言えば、考えてあげましょう。」

 

 

言うや否や……太ったクズは即座に持っていた剣を捨てて、土下座まで行いました。……『土下座をしろ』なんて一言も言ってないのに……このクズには男としての威厳は無いんでしょうか?……無いんでしょうね、だってクズですから。

 

 

「ど、どうかこのクズに……今一度、今一度生きる機会を……」

 

 

私はそこまで言葉を聞くと、剣に自分の氣を溜めて土下座をしているクズに一気に近づいて……

 

 

「襲爪雷斬!!」

 

 

土下座をしている太ったクズを瞬時に飛び上がるようにして切り上げ、私の氣によって発生した、落雷をお見舞いして、さらにクズの頭上から剣を振り下ろして切り捨てました。

 

 

太ったクズは断末魔をあげる間も無く、絶命しました。

 

 

 

「な、なんで……」

 

 

残った小さいクズは、訳も分からないと言った表情をして地面にへたりこんでいました。……ふと下半身を見ると、凄く濡れていました。

 

 

……もしかして、『おもらし』ですか?

 

 

この歳になっても治らないなんて……もう『クズの中のクズ』ですね。

 

 

「さっきも言ったじゃないですか。……『御遣い様を殺すなんて言った、貴方達のようなクズは生きる資格はない。』と……」

 

 

私は冷ややかな目をしながら、そう言いました。

 

 

「だ、だけど、デクはそいつを『殺す』って言わなかったから、助けるって言ったじゃないか!?」

 

 

……このクズは、ちゃんと私の話を聞いていなかったみたいですね……

 

 

「私は『許すことを考える』と言っただけで、『ちゃんと助ける』なんて一言も言っていませんよ。……それに、貴方達のようなクズと一緒に居たら、問答無用でクズの仲間なんですよ。」

 

 

私の話を聞いて、小さいクズの顔が一気に青ざめていくのが分かりました。

 

 

「それより、貴方はどうしましょうか?……始めに私に向かってイヤらしい視線を送って、一番初めに御遣い様を『殺す』と言って、私の話を勝手に勘違いをした『馬鹿』なのに加えて、いい歳をして『おもらし』をした『クズの中のクズ』である貴方は、さっきの二人のクズよりも痛く、『お仕置き』をしないといけませんね♪」

 

 

私がそう笑顔で言うと、小さいクズは……

 

 

「う、うわあああぁぁぁぁ!!!!」

 

 

そう叫びながら、逃げていきました。

 

 

 

 

 

……ニガシマセンヨ……

 

 

私は自分の体内の氣を解放して、小さいクズを上回る速度で、追いかけました。

 

 

「はあああぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

私は小さいクズに追いつくと、剣で連続で切り裂きました。

 

 

「ギャアアアァァァァ!!!…………」

 

 

それだけで小さいクズは絶命をしましたが、そうなっても私は攻撃を止めるつもりはありませんでした。

 

 

クズが絶命をした事を確認すると、私は一旦クズから距離を取り、剣にまた氣を溜め込みその剣を大きく振り下ろしました。

 

 

「この一撃で、沈みなさい……魔王獄炎波!!」

 

 

私がそう言うと、クズの地面の下から私の氣で作られた闇の炎が噴き上がって、その炎がクズを覆い、その全てを灰にしました。

 

 

「私の目の前で『一刀様を殺す』なんて言ったからですよ……」

 

 

私は、首を落とされた髭のクズと、落雷を受けて丸焦げになった太ったクズと、今はもう、影も形も無い小さいクズに向かって言いました。

 

 

「さて、ここでじっとしていても仕方がありませんね……」

 

 

そう呟くと私は、一刀様の所へと戻りました。一刀様はあんな事があったのに、全然起きませんでした。……まあ、起きない方が良かったですけど……

 

 

「……仕方がありませんね、近くの街まで運びましょう。こんな所に居たら、また見つかるでしょうから……」

 

 

私はそう呟くと、一刀様を背中におんぶをしました。

 

 

「(まさか、一刀様よりも凄く小さかった私が、一刀様をおんぶするなんて思いませんでした……///)」

 

 

……因みにおんぶをしている間、一刀様の掌を私の胸に当ててたのは言うまでもありません。//

 

 


 
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