No.476274

楽しく逝こうゼ?

piguzam]さん

第22話~萌え型決戦兵器、その名はリィンフォース?

遅くなってすいません…スランプとJOJOのHDに時間を食ってしまいました。

今回、リィンフォースの口調がおかしいかも知れませんがご容赦下さい

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2012-08-27 18:30:03 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:22257   閲覧ユーザー数:19191

おはようございます……禅です。

 

真っ黒に染まったフェイト様とアルフ様が恐ろしくて逃走を図ったとです。

 

……禅です。

 

……一瞬でバインドされてドナドナされたとです。

まさに神業でした。SM女王も真っ青の速業でした……

 

……禅です。

 

親のことをダシに逃げようとしたら先手を打たれてたとです。

 

禅です…禅です……禅です…(フェードアウト)

 

…スマネェ、のっけからやらかしたぜぇ…でも、現実逃避もしたくなるっつの。

 

図らずもアースラへトンボ帰りすることになっちまった俺は未だにバインドを解いてもらえず無言の圧力を浴びせてくるアルフに片足持って引きずられてます。

擦れ違うスタッフさん達の好奇と奇異の視線に晒されてる俺の気分はさながらテレビカメラにより世間に顔を晒され護送されていく犯罪者の如し。

まぁ、犯罪者みてえにコートとか被せてもらえるわけも無く顔を隠してもらえてないからあれよりヒデェけどな。

 

ズルズルズル……

 

しかも俺が引きずられっぱなしなせいで大事な一張羅のジャケットに少々汚れがついていく。

ちくせう、一番お気に入りのコートだってのに。

なぁんで俺がモップ代わりにアースラの廊下を掃除しなくちゃいかんのよ?

つうか、俺達ゃ一体どこに向かってんですかね?

この公開羞恥プレイの終わりは何処?誰でもいいから哀れな子羊の俺に教えてくれません?

フェイトとアルフ以外の女性メンバーは和気藹々といった感じでお喋りしてて俺のことなんざ見向きもしてくれねぇし。

数少ない味方の筈の男性メンバー3人(二人と一匹?)は俺から必死に目を逸らして歩いてる。

 

なるほど、触らぬ神になんとやらってやつですね。わかります。

 

…あれ?扱いの酷さに目から汗が……

 

 

「だ、大丈夫ですか?タチバナ……」

 

と、俺の扱いが掃除用具と同格な件について悲しんでると横からリィンフォースが覗き込んできた。

さっきまでは天井しか映っていなかった俺の視界いっぱいに心配そうな表情をしたリィンフォースの顔が広がる。

このメンツの中で唯一、俺の事を心から心配してくれる彼女は正に女神、いやヴィーナスすら霞む程の存在だ。

あぁ……溢れるその優しさに目から更に汗が吹き出そうだぜ。

 

「あ~……まぁ、大丈夫だぜ?……つうか、リィンフォースさんの方こそ体の方は大丈夫かよ?」

 

ズルズルズル……

 

俺は引きずられながらリィンフォースと会話を続け、気になっていた体の調子を聞いてみる。

実際『クレイジーダイヤモンド』には融合騎の機能以外は100パーセント治させたがそれでも弊害が起きねえとは限らねえからな。

 

「は、はい…私の機能は取り除かれた融合騎の機能以外は正常に作動しています……私がこうして生きていられるのもタチバナのおかげです……」

 

そう言ってリィンフォースは自分の胸に手を置いて優しく微笑む。

ま、この笑顔が見られるようになったんだしそれで充分か。

 

ズルズルズル……

 

「そうかい…まぁ、リィンフォースさんに何も問題がないならそれでじゅうぶ……ん?……」

 

だが、俺が笑いながらそう答えていくと段々とリィンフォースの顔は曇っていき仕舞いにゃ悲しそうな顔になっちまった。

 

……あ、あれ?なんで?どこで選択肢ミスった?

 

しかもそれに気づいたフェイトとアルフ以外の女性陣から非難の眼差しが俺をターゲットインする始末。

アンタ等こんな時だけ俺に熱っつい視線浴びせんで下さい、そのまま井戸端会議続けといてつかぁさいや。

 

というよりなんでそんな泣きそうな顔すんのっ!?

俺なんか変なこと言ったかっ!?

いやでもその泣き顔も大変そそられ、ゲフンッ!!ゲフンッ!!ゲフンッ!!ゲフンッ!!ゲフンッ!!ゲフンッ!!ゲフンッ!!ゲフンッ!!

お、俺次長…じゃなかった、俺自重しろッ!?

 

「あの……タチバナ……その……あ、厚かましいことは重々承知していますが……ひとつ……一つだけ……私のお願いを聞いて頂けませんか?」

 

リィンフォースの悲しそうな顔の意味が解らずテンパっているとリィンフォースは小さな声でぼそぼそと話し出した。

小さな声で呟くリィンフォースの顔は本当に申し訳なさそうな顔で、恐る恐るといった感じだ。

 

「お、お願い?……え、ええっと……なんでせう?」

 

俺は意味が解らずリィンフォースにそのまま問い返す。

そうすると、リィンフォースは頬を赤く染めながら真剣な表情で俺を真っ直ぐ見つめてお願いの内容を語ろうと口を小さく開く。

そんな覚悟決めないといけねえお願いなのかッ!?な、なんだか知らねえがドンとこいやっ!!

 

「どうか……私の事は呼び捨てで呼んでいただけませんか?」

 

「……ぷへ?」

 

なんか肩透かしを食らうお願いに俺が間の抜けた顔で返事をするとリィンフォースはまた目尻が下がって涙が溜まっていく。

 

「だ、駄目……でしょう……か?……」ウルウルウル

 

げぇッ!?

やっば、返事してなかったから誤解させちまったかッ!?

そ、そんな捨てられた子犬みたいなつぶらな瞳で見ないでッ!!

胸がキュキュキュッとトルクレンチで締付けられるぅううううッ!!?

ダメェ、規定値こえちゃうぅぅううううッ!!

お、おおおお落ち着け橘禅ッ!!こんな時こそCOLLに逝こうジャカルタッ!!?

 

「い、いやっ!!駄目ってこたぁねえけどよ…えっと…理由を聞かせてくんね?」

 

なんでリィンフォースは俺に呼び捨てオンリーで呼んで欲しいんだ?

俺の問い返しにリィンフォースは恥ずかしそうな顔で頷いてたどたどしく理由を語り始める。

 

ズルズルズル……

 

つうか、引きずられながらこんな会話続けるってなんつうシュールなんだよ、おい。

 

「そ、その………さん付けだと……タチバナとの距離が………………遠い感じがして……」モジモジ

 

国宝級のダイナマイトバディをモジモジさせながらそれだけ言ってリィンフォースは顔を俯かせて押し黙ってしまう。

あん?そんな風に感じてたの?

俺としては年上にさん付けしただけなんだけどな……

 

そして、リィンフォースは少しだけ顔を上げて俺をチラチラと見てくる。

リィンフォースの意志の強さを表す様な切れ長な目の真紅の瞳はまだ不安そうに揺れていた。

その仕草は小動物みたいで大変、ブラボーに可愛いんですがその一尺玉級に凶悪なお胸様を寄せるように腕を組まんで下さいや。

どうしてもむにゅむにゅと形を変えるその桃源郷に目がいってまうやないですかッ!!?

ブラボーッ!!おお、ブラボーーーーッ!!……しょうがないじゃない、男の子だもの。

信じられるか?あ・の・プレシアさんに並ぶ戦闘力(デカさ)なんだぜ?

そんなグレートに世界遺産級な『お宝』に目がいかないほうが漢としておかしいべッ!?

 

だが、俺の意志は彼女には伝わらなかったようで(当たり前)リィンフォースはその体勢のまま引きずられる俺と並んで歩いてる。

 

…んまあ、別にいいんだけどよ…俺だけだとちょっと不公平だよな……よし、こうしましょ。

 

「ん~……じゃあよ、俺が出す条件を飲んでくれんなら呼び捨てで呼ばせてもらうぜ?」

 

ニヤリと笑う俺の言葉にリィンフォースの顔が疑問に染まっていく。

 

ズルズルズル……

 

なんつうシュー(ry

 

「条件……ですか?」

 

「そーそーそ…んでその条件ってのはな……アンタも俺のことを名前で呼ぶことと敬語をやめることの二つだ」

 

「なっ!?そ、それはっ!?……」

 

俺の出した条件にリィンフォースは茹蛸のように赤くなりながら驚く。

いや、そこまで驚くことかね?

つうか、お顔真っ赤にして慌てふためくリィンフォースは可愛いすぎるぜぇ。

 

「なんつうかよ、俺が呼び捨てで呼んでんのにアンタが俺のこと苗字で呼ぶってのはおかしいだろ?

 おまけにそっちはいつの間にか敬語で話してるしよ……それこそ俺もアンタとの距離が遠い気がするしな…」

 

うん、これは間違いねえ。

こっちが親しげに呼んでも向こうは苗字で俺を呼び、かつ敬語で話してくる……やべ、悲しすぎるお。

 

「し、しししししかしッ!?それはその、いきなりすぎるというかっ!!こ、心の準備が……ごにょごにょ」

 

リィンフォースは予想していなかった交換条件にアタフタしている。

いやいやいやいや、いきなりすぎるのはあなたもですぜ?

つうか、ほんの15分前まであなた普通に敬語無しで話してましたやん?

それが無理ってどんな心境の変化だよ?

しかもそんな可愛いすぐる反応見せられたら……いぢめたくなるジャマイカッ!!

 

「まぁ、この条件が飲めないってんならこの話は終わりってことでいいよな、リィンフォース さ ん ?」

 

わざと強調するようにさん付けをして俺はリィンフォースから視界を外して再び天井に目を向ける。

さあて、どう出るかねぇ?

 

「えッ!?……う…ううぅ…」

 

ちらりと横目で見てみるとリィンフォースは可愛らしい声で唸りながら俺をチラチラと盗み見てくる。

目尻に涙をちょっと溜めながら恥ずかしそうに俺を盗み見るそのお顔はパプリカみてえに真っ赤に染まってら。

 

↓女性陣の会話(小声)

 

(くう~~~ッ!!なんや、リィンフォースのあの反応ッ!?可愛すぎると思わんか、シャマルッ!!?あんなん『私、アナタに恋してます』て言うてるようなもんやでッ!?)

 

(ええ、ええッ!!ああやってチラチラと恥ずかしげに禅君の顔を盗み見る仕草とか小動物っぽくかつ乙女チックで凄い可愛いですね、はやてちゃんッ!!)

 

(まったくもってシャマルの言うとおりやッ!!さっきまでのクールな表情なんか微塵もあらへんッ!!このON/OFFの落差はポイント高いでえーーッ!!)

 

(しかも私達守護騎士の中でシグナムを超えて一番こうゆう事にはお固そうなのに……実は一番恋する女の子してるだなんて♪!!)

 

(いつもはクールな表情のリィンフォースの照れが生み出す普段とのギャップ…こ、これが…これがモノホンの『萌え』なんかッ!?私は今、まさに歴史的瞬間をこの目で見とるでぇッ!!)

 

(あらあら♪可愛いさならうちのフェイトとアルフも負けてないわよ?禅君との付き合いもリィンフォースさんより長いし♪)

 

(確かにフェイトちゃんとアルフさんは強敵です……せやけど、私は絶対にリィンフォースと禅君をくっつけて見せますよ、プレシアさんッ!!)

 

(ええッ!!頑張りましょう、はやてちゃんッ!!)

 

(私もフェイトとアルフの幸せのために頑張らせてもらうわ……どっちが勝っても恨みっこ無しね、はやてちゃん)

 

(うぅ~ん……フェイトちゃんとアルフさんにリィンフォースさん…私は誰を応援すればいいのッ!?3人とも幸せになって欲しいし……もうッ!!禅君は女の子に見境無さ過ぎなのッ!!)

 

(……なぁ、シグナム……あれ……)

 

(見るんじゃない、ヴィータ……私達も巻き込まれるぞ……)

 

そんな萌えの塊と化したリィンフォースを見てはやてとシャマルさんはなんかキャーキャー言って騒いでる。

かくいう俺も表面上は冷静にするよう努めてるが内心はキュン死しそうだ。

ちっくしょうッ!!

その仕草は可愛すぎるだろっ!!?

反則ッ!!レッドカードッ!!レギュレーション違反だッ!!

是非にもTAKE OUTしてじっくり味わ………落ち着け、落ち着くんだ俺ッ!!

素数を数え………あれ?1ってどっちだったっけ?

 

「……わ、わかりま……い、いや、わかった……これからよろしく頼む……ゼ………ゼン」

 

と、俺がリィンフォースの恥ずかしがりように萌えまくってーのパニクッてーのしてると小声ではあるがやっと俺の名前を口にしてくれた。

リィンフォースは目尻に涙を貯めたまま不安そうに返事の無い俺を見つめてくる……こりゃあ俺もちゃんと約束を守らにゃいかんな。

 

「へへっオーライ、これからよろしくなッ!!『リィンフォース』!!」

 

「あっ……ああ♪」

 

俺が笑顔でそう答えるとリィンフォースは一瞬ポカンとしてから頬を赤く染めたままに満面の笑顔を浮かべる。

あのクールなリィンフォースがこうも花が咲いたような可愛い笑顔を見せてくれるたぁな……

 

「……あ~…あれだ…これからよろしくって言っておいてなんだけどよ……今、リィンフォースの事で一個だけわかったことがあんぜ…」

 

俺は普段は滅多にしない真剣な顔でリィンフォースと視線を交わす。

 

「?……なんですk…な、なんだ?」

 

まだ切り替えきれてないようで、リィンフォースは言い直しながら俺の言葉を聞き返してくる。

 

「それはな……」

 

「そ……それは……?」

 

リィンフォースは息を呑んで俺の言葉を待つ……ここで、俺はさっきまでの真剣な表情を崩して、ニヤリと笑う。

 

「リィンフォースは……もう滅茶苦茶『可愛い女の子』ってことだよーんッ!!」

 

俺の突然すぎる表情の変化と発言にリィンフォースはポカンとした顔になった。

うん、この表情、間違いなくリィンフォースは可愛ええぜ。

 

「……え?……っ!?(ボォンッッ!!)な、な、な、なななななななな何をををををっ!!?」

 

うおッ!?顔がトマトみてえになったッ!?

つうか何今の爆発音ッ!?

リィンフォース、アンタどっから出したんだよ今の音ッ!?

エコーズACT1でも持ってんのかッ!?

 

「わ、わわわわわ私がか、か可愛いなどとッ!!そ、そんなことッ!!」ボオォッーーーー!!

 

顔が真っ赤に爆発したリィンフォースは視線を色んな所に彷徨わせながらアタフタしてる。

……こーゆう仕草が男心をくすぐるってわかってやってんのかね?

 

「いやいやいや、アンタ今、間違い無くグレートに可愛いぜ?なあ、はやて?」

 

俺一人じゃ納得出来ないってんなら証人を呼びましょか。

はやては俺の呼びかけにニヤリと笑いながらサムズアップを向けてくる。

 

「うんうんッ!!禅君の言う通りやッ!!今のリィンフォースはすっごく可愛いッ!!安心しぃ、私が保障したるッ!!」

 

まぁ、当たり前だな。後、はやてさんや?

リィンフォースが滅茶苦茶可愛いのは解ってるからその口からダラダラ出てるヨダレ拭きんしゃい。

 

「あ、あああ主ッ!?そのようなこ……」

 

まさかの肯定にリィンフォースは驚きながら後ろを向く。

するとはやて以外の女性陣もスッゴイ微笑ましい笑顔を浮かべながらリィンフォースを見てた。

 

「あ、あぅ…………」

 

自分がどうゆう視線で見られてるか理解したのか、リィンフォースは顔から蒸気を炊きながら俯いてしまう。

まぁ、周りの視線から逃れたかったんだろうが……俺ァ今、不本意ながら床を引きずられてんだぜ?

当然、リィンフォースが俯いた視線の先にゃ俺がいるわけで……

 

「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!!!?」

 

俺とバッチリおめめが合ったリィンフォースは声にならない悲鳴を上げ、バッと凄い風切り音をだしながら顔を横に向けた。

……あぁ、もうッ!!その女の子らしい恥じらいの仕草ッ!!グレートに萌え尽きちまうじゃねえかよッ!?

俺を萌え殺す気かッ!?そいつぁ是非も無しだぜッ!!

 

ズルズルズル……ピタッ

 

ありゃ?

引きずられんのが止まったってこたぁ目的の場所につい……た?…………

 

ガシャコンッガシャコンッガシャコンッガシャコンッガシャコンッガシャコンッ!!!(カートリッジロード×6)

 

前に視線を向けると何やら重厚な音を奏でバチバチとスパーク音を鳴らしてるブラックを基調とした物騒な物が掲げられていタ……金色の刃を放出しながら……

 

 

……あぁ……忘れてたぜ……直ぐ傍にいたんだよなぁ…

 

 

「うぅぅぅぅ~~~~~ッ!!!バルディッシュッ!!!」

 

『s、sir!!Please calm down!!?(サ、サーフェイト!!落ち着いてください!!?)』

 

もんの凄く焼き餅焼きで……

 

「GRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRR!!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………

 

怒っちまったら最後、例え最高にハイなDIO様でも手がつけらんねえ……可愛い女の子が……『二人も』……

 

視線を上げた先にはいつの間にか展開したバリアジャケットを羽織って涙目になりながらハムスターでもできねえぐらいに頬っぺたをぷっくり膨らましたフェイト様(バルディッシュ君装備)

それと……怒りで肩を震わせながら、ご自慢の牙を剥き出しにして今にも喰らいつかんと低く唸り声を上げて鋭く俺を睨んでいるアルフ様ですた。

 

……俺、終わったか?

 

引きずられるのが止まったのはあれですか?俺の人生の終着点ってわけですか、そうですか。

 

 

 

 

誰か助けて。

 

 

 

 

直ぐに視線を後ろに向けるも後ろのはやて達は既に数メートル離れた場所に退避してやがった。

リィンフォースはシャマルさんとシグナムに引っ張られて連れてかれたようで状況が解らないのか、オロオロしてる。

我が心の友の男性陣諸君は例の如くそっぽ向いて俺を視界に入れないようにしてた。

 

あれ?これ詰んだんじゃね?

 

↓男性陣(2人と一匹?)の会話(小声)

 

(……おい、ユーノ)

 

(……なんだい?クロノ?)

 

(……ゼンを助けてやれ)

 

(え?……ええぇっ!?ぼ、僕がかッ!?)

 

(あぁ、君は補助魔法が得意だったな?ならチェーンバインドでゼンを引っ張って逃がしてやるぐらいわけはないだろう?)

 

(……今、あそこにいるゼンは導火線に火がついて爆発寸前のダイナマイトそのものなんだよッ!?……つまり、今のゼンを助けるってことは……ゴクリッ……)

 

(……間違いなく、巻き込まれるな…それも特大級の大爆発に……守護を生業としている我が最強の盾でも防げんぞ…)

 

(……ぼ、僕も無理だよッ!!っていうか、嫌だよッ!!クロノが助けてあげればいいじゃないかッ!?お得意の話術で助けてあげなよッ!!一般人を守るのが君の仕事だろッ!?)

 

(…僕だって嫌だ、巻き込まれたくない)

 

(じ、自分が嫌なもの他人にやらせよーとするなッ!!?どーゆう神経してるんだよッ!?まったくッ!!)

 

(……我等は無力だ……今、目の前で散り逝こうとしてる若き戦友1人すら助けられん……)

 

(……とりあえず…)

 

「「「せめて……安らかに眠ってくれ」」」

 

「生きてるよーーッ!?まだ生きてるからッ!?勝手に殺してねーで助けてくれーーッ!!?」

 

アンタ等何を満場一致で見捨てようとしてんのッ!?

数少ない男友達だろッ!?つうか何気にザフィーラまで違和感無くそこに馴染んでんじゃねーよッ!!?

 

「ゼン……惜しい人を亡くしたね……」

 

「あぁ……彼のような優しき者を失うのは…心が痛むな…」

 

「……世界はいつだってこんなはずじゃないことばっかりなんだよ……」

 

ちょっと待てや、コラアァァァァッ!!悲痛な顔で窓の外見てんじゃねーよッ!!

そっちには何もないからねッ!?

窓の外じゃなくて室内の俺を視界に入れろやッ!!

 

「こ・ん・の薄情モン共があぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

もう既にアンタ等の頭ん中じゃ亡き者になってるじゃねーか畜生ッ!!

テメエ等3人とも覚えとけよおぉぉぉぉぉぉぉッ!!必ず復讐して……

 

「……ゼンは……いつも、いつも、いつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいっつもッ!!!、目を離すとすぐに他の女の子にちょっかいかけて~~~~~~~~~~~~ッ!!」バチバチバチバチバチバチッ!!

 

ってキャーーーッ!!?

フェイトの帯電率がヤバイ事にーーーッ!!?

もうなんか電気強すぎて刃の形なんか保ててねーよッ!?

雷光鞭みたいになってるじゃねーかッ!!?どこの女王様だよッ!?

 

もはや雷神の化身と化した涙目のフェイトの周囲にはとんでもない勢いで電気が尾を引きながら奔ってる。

バルディッシュから溢れ出る魔力刃も出力が高すぎるのか、さながら鞭のようにしなり、不安定に揺らめきながら辺りに放電してる。

 

「ほ~んとさぁ……いっつでも、どっこでも、チョーシいいことばっか言っちゃあ手当たり次第にメスを誑しこんで……終いにゃあ何だい?約束してたアタシ達より先にリィンフォース新しいメスのお願いを聞くってぇ?………今日という今日は、もう勘弁しないよッ!!!!!」バキゴキバキゴキバキゴキゴキッ!!!!

 

あっぴゃぁーーーッ!?

こっちもこっちで戦闘準備万端かよおぉぉぉッ!?

なんだよその両手に迸るオレンジ色の揺らめきはッ!?

魔力の塊かッ!?それで俺をブン殴るつもりかッ!?そうなんですかッ!!?

フェイトが雷神と化して、方や地獄の番犬の如きオーラを纏うアルフは口の端を持ち上げてニヤリと笑いながら掴んでいた俺の片足を離して拳を盛大にバキバキと鳴らして握り締める。

つうか、アルフ様?今まで勘弁してくれた日がありましたっけ?

俺の記憶にゃそんな日、欠片とてございませんよ?

それに人聞きの悪いこと言うなっつの、こちとら女を誑しこんだ覚えなんざ微塵もねえよッ!!

ってそんな思い返してる場合じゃねえッ!!

な、なんとか二人を鎮めねえとッ!!

 

「ま、待て待て待てッ!!落ち着こうやベイビーッ!?まずはゆっくりと話し合おうぜッ!?何も得物出す必要はねぇーだろーよッ!!?」

 

相互理解を深めるにゃこれ大事よッ!!人間のコミュニケーションってのはまず、互いを語り、知るとこから……

 

「だから、今からゼンといっっっっぱいO☆HA☆NA☆SHI☆するんだよ?なのはともO☆HA☆NA☆SHI☆して解りあえたんだもん、私がどう想ってるか知って欲しいし……ゼンともしっかりO☆HA☆NA☆SHI☆シナキャ……」

 

それだけ言ってバルディッシュを大上段に構えるぷっくり顔のフェイト様。

フェイト、それお話しやない、O☆HA☆NA☆SHI☆や。

会話的コミュニケーションやない、肉体的コミュニケーションや、痛い方の。

 

「フェイトの言う通りさね……今からたぁっぷりO☆HA☆NA☆SHI☆してちゃぁんと躾けてやんなきゃねぇ♪」

 

チャームポイントの八重歯を見せるように笑うアルフはその笑顔のままオレンジ色に光る拳を体ごと大きく後ろに逸らす。

躾けるってなんだよ、躾けるって。

仕方ねえじゃん、可愛いものは可愛いんだよ、口が勝手に動いちゃうんだよ。

 

アースラの廊下に寝そべる俺の両手両足は未だにフェイトのバインドに縛られてて自由が利かない。

目の前のお二人は既に殺る気満タン、準備完了、もう逃げ道はどこにもない。

 

 

 

……グッバイ、現世。

 

「こ~~~~ん~~~のぉ~~~~~~~~~ッ!!」

 

「……ゼンのぉ~~~~~~~~~~~~~~~ッ!!」

 

死を覚悟した俺の視界を埋め尽くすは、金と橙色の光の奔流。

2人の戦乙女の、抑えきれない程に迸るジェラシーの塊。

 

 

「「女(メス)ったらしーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!」」

 

 

ハロー、あの世。

 

 

「ヘ、へヴンズドッア゛ッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!???」

 

俺の魂の断末魔はアースラの先っちょからケツまでトコトン響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……余談だが死を覚悟した禅の断末魔の絶叫はアースラ中に響き渡り、仮眠中だったリンディとエイミィを叩き起こす目覚まし代わりになったそうだ。


 
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