No.474548

ガンダム学園で僕と握手 007 ユニコーンの日後編<UC・W>

レイガンさん

宇宙暦0093.シャアはアクシズの光に包まれ意識を失った。だが、気がつくとシャアは見知らぬ世界にいた!その世界は、歴代のガンダムのキャラクターたちが学園を中心に生活している世界だったのだ!シリアス成分は少な目で、ほぼギャグのバカコメディ。キャラ崩壊なんて日常茶飯事!作品は1stなどの宇宙世紀作品を始め、平成4作品とSEEDや00などオールです。<>内に主な登場作品を記載しています。

2012-08-24 01:55:59 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2097   閲覧ユーザー数:2072

「新入生の諸君、事は全てエレガントに運びたまえ」

バナージ・リンクスは少し困惑していた。

この生徒会長、頭がおかしいのではないのだろうか?

あまりにも分かりにくい言葉回しだ。

「ねえバナージ、あの人何言ってるの?」

「分からない…分からないよ…」

ミコットも同じことを思っているらしい。

「え、お前ら分からないのか?」

「タクヤ?」

タクヤはバナージを見る。

「タクヤは分かるのか?」

「あぁ。つまりはエレガントに学園生活を過ごせってことだろ?」

「…」

そのまま過ぎる。

「礼節を失った戦争は、悲しみしか生まない…常にエレガントに…」

演説はまだ続く。この後ギレン校長の演説もあると言うのに。

そのとき、バナージは講堂の外から何かの気配を感じ取った。

「…これは」

バナージはキョロキョロと辺りを見回した。

「…よし。すいません」

「ん?」

バナージは近くにいたジンネマンを呼んだ。

「トイレに行きたいんですが」

「ああ。そこの扉から出て…」

「ありがとうございます!」

バナージは最後まで言葉を聞かずに、講堂を出ていった。

何かに突き動かされるように。

「外の方か?」

バナージは外へ駆けだした。

「危ない!」

「え?」

同時に上から声が聞こえてきたので、上を見る。

「あ」

バナージの頭上から女の子が落ちてきた。

「わぁっ!」

バナージは咄嗟のことで反応できず、そのまま彼女の下敷きになった。

「うっ!」

「ごめんなさい…大丈夫かしら?」

「あ、はい…」

バナージは顔を上げて少女の顔を見る。

「き、君は…!」

「…あなた、私を知ってるの?」

女の子はバナージを疑うような眼で見る。

「い、いや…今朝見かけただけ…」

バナージは目を逸らす。

「…そう」

「ところで君は何で上から?」

「…ごめんなさい。追われているの」

「え」

彼女はそう言ってそこから立ち去ろうとする。

「待って。俺、バナージ・リンクス。俺も手伝っていいかな?」

「…オードリー・バーンよ」

「何か聞いたことありそうな名前だなぁ」

「…気のせいよ」

オードリーはバナージを置いて先へと急いだ。

「待って! 何で追われてるの?」

「貴方には関係ないわ」

オードリーはバナージを置いてやっぱり先に行く。

「…ダメだ。そっちは行き止まりだよ」

「え?」

「一人じゃ無理だ。俺も行く」

「姫様」

「!?」

そのとき、バナージ達の背後から声が聞こえた。

「マリーダ…」

「姫様、お戻りください。妙に長いお手洗いだと思ったら…まさか抜け出していたとは」

「いやです。私は戻らないわ」

「しかし…」

バナージは即座に理解。オードリーを追っているのはマリーダというこの女性。

「もう嫌なのです。どこへ行くにも絶対誰かが付いてくるという生活は!!」

「え?」

バナージはオードリーを見る。

「買い物、食事、お風呂、果てはお手洗いまで…」

「オ、オードリーとお風呂…」

「そこの少年、貴様今破廉恥なこと考えていただろう」

「わわっ!」

マリーダに見抜かれてバナージはあたふたする。

「お、俺は別に…」

バナージはそう言いながらハロを操作した。

「…オードリー、走れ!」

ハロをマリーダの目の前に転がし、オードリーに指示を出すバナージ。

そしてそれを瞬時に理解したオードリーはバナージにしたがって走りだした。

「ま、待ってくだ…」

対して、マリーダは目の前のハロに躓いてしまう。

バナージはそのままハロを持ち、オードリーを追った。

だが…

「待って下さい…姫様!!!!」

マリーダは常人では考えられないスピードでバナージを追いかけた。

「ええ!?」

バナージはおろか、それよりも足の遅いオードリーは簡単に追いつかれそうになる。

「こ、このままじゃオードリーが…」

バナージはそこで一つの考えを思いついた。

「オードリー! 男子トイレに駆け込むんだ! さすがの追っ手も撒けるはず…」

だが、バナージの思惑通りにはいかず、二人の女性はバナージを無言で睨む。

「え? ど、どういうこと…?」

「貴方は必要ない、帰って」

「死にたいらしいな」

マリーダは間髪いれずにバナージに腹パンをした。

「うぐぅっ!」

「帰りましょう姫様」

「え、ええ…この人といるよりは安全ね」

「ま、待って…」

薄れゆく意識の中、バナージはオードリーに完全に惚れていった…

 

 

 

 

 

「よう」

「え?」

保健室のベッドで眼が覚めたバナージに話しかけてきたのは、金髪の女…ではなく男だった。

「あ、あなたは?」

「俺は保健委員のリディ・マーセナス。お前が女子トイレ前で倒れていたのを発見したのさ」

「ええっ!? そんなところで倒れていたの!?」

「あと一歩で変態だな」

「うわあああああ!! というか俺完全に嫌われたあああああああ!!」

「?」

バナージはリディの胸の中で泣いた…

「…ホモホモしい」

リディは複雑な表情をしていた。

 

 

 

 


 
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