No.473831

~少年が望んだ世界と力~

第十五話 止まらぬ戦い、現れたΧ(カイ)とΔ(デルタ) 前編

2012-08-22 17:46:48 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:8707   閲覧ユーザー数:8083

先程までクロノ達と戦い、別働隊がアースラの通信室と発令所を占拠し、クロノ達に戦闘を停止させ、武装解除を要求しようとした。

その時、銀色のオーロラが出現し二人の仮面ライダーが現れた。

 

「人が疲れているときにまた厄介なのが現れたな」

 

「そうですね、マスター」

 

そう言いながらオーロラから現れたライダー、「仮面ライダーカイザ」と「仮面ライダーデルタ」を見た。

 

「ハロー、貴方が仮面ライダーフェニックスね」

 

俺がカイザとデルタを見ているとカイザが俺に話しかけてきた。

声からして、あのカイザの装着者は女性だ。

 

「そうだ。お前達は何者だ?」

 

「あら、聞かなくても貴方はよく知ってるでしょ?でも、まぁいいわ。後ろにいる人達は私達のことを知らないだろうし、自己紹介してあげるわ。私はスマートブレイン第一特務部隊隊長、仮面ライダーカイザ!」

 

「俺はスマートブレイン第二特務部隊隊長、仮面ライダーデルタだ!」

 

カイザとデルタ(男性)は自分達の正体をなのは達に教えるのも兼ねて自己紹介をした。

その中で俺は気になることがあった。

 

「スマートブレイン特務部隊隊長だと?」

 

俺が気になったのはカイザとデルタがスマートブレインに所属していたことだ。

 

「別におかしな話しじゃないでしょ?っというか、さっきも言ったはずだけど貴方が一番よく分かっているはずよ。私達ライダーは一つの世界に存在せず、様々な世界、並行世界(パラレルワールド)に存在する者。例え他の世界のカイザがスマートブレインに敵対していても、私のようにスマートブレインに所属しているカイザがいてもおかしくないでしょ?」

 

確かに彼女の言う通りだ。

ライダーの世界はオリジナルのライダーの世界があればディケイドが行ったような別の世界のライダーの世界がある。

更に「仮面ライダー555」の世界ではオルフェノクの王「アークオルフェノク」を倒し、人間とオルフェノクが共存した世界。

世界のほとんどがオルフェノクになり、人間が僅かしか生き残っていない世界。

そしてディケイドが行ったファイズの世界では大企業であるスマートブレインが高校になっていたりと様々な世界がある。

他にも龍騎やカブトでも同じような世界がある。

だから、彼女の言う通り、スマートブレインに所属しているカイザやデルタがいても不思議ではない。

 

「成程。では質問を変えよう。そのスマートブレインの特務部隊の隊長二人が俺に何の用だ?」

 

「簡単よ。貴方を排除しに来たのよ」

 

俺の質問にカイザは堂々と答える。

 

「貴方は本来は存在しない仮面ライダー。貴方というイレギュラーがいると計画の邪魔だから排除しろって私達の上司とその関係者達から言われたけど、チャンスをあげるわ」

 

「チャンスだと?」

 

俺は再びカイザに質問をする。

 

「えぇ、そうよ。内容はとっても簡単、私達の仲間になりなさい」

 

チャンスの内容は俺の勧誘だった。

 

「貴方の力は敵だったらかなり厄介だけど、味方ならとても役に立つわ。貴方自身の身体能力、射撃の腕、他のライダーに限らず他の世界のロボット等への変身に召喚なんて、あのディケイドやディエンドですら持っていない最高の能力を持っている。私達の仲間になれば「ちょっと待て!」っんん?」

 

俺とカイザの会話にクロノが割って入ってきた。

 

「スマートブレインとかイレギュラーとかディケイドとかディエンドとか一体なんの話をしている!それにあのオーロラはなんなんだ!我々時空管理局にも詳しいことを聞かせてもらおうか!」

 

「・・・あぁ、もう」

 

カイザは腰のベルト「カイザドライバー」から携帯型トランスジェネレーター「カイザフォン」を抜き取った。

 

「あんたさぁ。今人が大事な話ししてんだから・・・」

 

カイザはターン式携帯であるカイザフォンを開き、コードを入力していく。

 

−103

 

「邪魔すんじゃないわよ!!」

 

−ENTER

 

コードを入力し終え、カイザフォンのENTERキーを押した。

 

『SINGLE MODE』

 

カイザフォンを光線銃「フォンブラスター」に変形させ、光線を単発で発射する「シングルモード」に設定し、

クロノに向け二発発砲した。

 

「くっ!」

 

クロノはフォンブラスターの光線を防ぐためにラウンドシールドを展開しようとした時、誰かがクロノの前に立ちフォンブラスターの光線を防いだ。

 

「なっ!」

 

「えっ?」

 

カイザとクロノが驚きの声を出す。

カイザのフォンブラスターの光線を防いだのは先程までクロノ達と戦っていた仮面ライダー、黒いドラグシールドを持った暗黒の龍を従えし騎士「仮面ライダーリュウガ」だった。

 

「お、お前・・・・何で?」

 

「・・・」

 

クロノはリュウガが自分を守ってくれたことが理解出来ず混乱しながらリュウガに質問をするが、リュウガは無言のままだった。

 

「・・・・どういうつもりかしら、フェニックスさん?」

 

カイザが俺に問いかけてきた。

 

「何のことだ?」

 

「とぼけたって無駄よ。そこにいるリュウガとライア、そして召喚されるライダー達は貴方の命令に忠実に従うお人形、自我を持っていないライダーが貴方の命令も無しにその子を守ることなんてありえない。

つまり、リュウガがその子を守ったのは貴方が守るように命令を出したからよ。違うかしら?」

 

「・・・・正解だ」

 

「貴方はさっきまでその子達と戦ってた、つまり敵でしょ?だったら別に護る必要なんてないのに何で護ったのよ?あんな護る価値もないのを護ったってなんの得も(バンッ!)っ!!!」

 

「・・・・・・」

 

俺は無言のままフェニックスドライバーを向け、カイザの足元に発砲していた。

 

「な、何よいきなり!」

 

突然撃たれたことでカイザが動揺している。

 

「てめぇー、今なんてゆうた?」

 

「はっ?」

 

「今なんてゆうたって聞いてんねん」

 

カイザが言った一言で、俺はキレた。

 

「護る価値がないやと?ふざけたこと言うのもたいがいにしぃや!」

 

「あっ、えっ、あの、えっ?」

 

「フェ、フェニックスの喋り方が・・・」

 

「変わった・・・」

 

「でも、なんで関西弁なんだろう?」

 

「さ、さぁ?」

 

俺がキレたことでカイザは混乱し、リンディ、クロノ、なのは、ユーノは俺の喋り方が変わったことに驚いている。

 

「ほんまに護る価値が無い奴ってのはなぁ。お前みたいに他人の命を軽く見てるような奴のことゆうねん!!」

 

・・・あれ?

なんだか自分で言ってなんか胸が痛いような気が。

 

「くっ!ああぁ、もういいわよ!交渉は決裂よ!!本当に気に入らないわっ!私の思い通りにならない者、私を好きにならない奴は全て!こうなったら一人残らず、灰も残らず殺してやるわよ!(パチンッ)」

 

カイザは指を鳴らすと再び銀色のオーロラが出現し、カイザとデルタの後ろに量産型仮面ライダー「ライオトルーパー」達が現れた。

 

「あ、あの一団は一体?」

 

「あれはライオトルーパー。ある世界の大企業が開発した量産型の仮面ライダーだ」

 

冷静を取り戻した俺は、リンディの問に答えた。

 

「量産型って、あんなのがまだ大量にいるのか!?」

 

クロノが驚いている。

 

「可能性はある。それとお前達は手を出さずに俺達の後ろに隠れてろ」

 

そう言うと俺の右側にリュウガが列び、左側にライアが列んだ。

 

「ちょっ、ちょっと待て!どういうことだ!!」

 

クロノが俺に突っ掛かる。

 

「あいつらが、いや、俺達仮面ライダーが使っている武器は本来、怪人やライダーと戦うことを前提に開発、つまり相手を倒すために使う。君達魔導師のように非殺傷設定など存在しない。下手をすれば死ぬぞ」

 

「でも、さっきまでの戦いで死者は誰も!」

 

「それは、俺がこの銃『フェニックスドライバー』で呼び出したライダー達は非殺傷設定にしてあるからだ。そして唯一このフェニックスドライバーだけが君達と同じ様に殺傷設定と非殺傷設定の設定が出来る。非殺傷設定にしてなければ君達なんて簡単に倒せる」

 

「ちょっと!いつまでごちゃごちゃと話してんのよ!!今は戦いの最中でしょうがっ!!あんた達行きなさい!!」

 

「「「「はっ!」」」」

 

いつまでも戦わずにリンディ達に説明をしている俺に対しカイザは痺れを切らし、カイザの命令でライオトルーパーが4人、アクセレイガン・ブレードモードを構えて向かってくる。

 

「・・・・アポロン、非殺傷設定から殺傷設定にモードチェンジだ」

 

「イエス、マスター」

 

ガシャンッ!

 

最初にフェニックスドライバーの中で何かが外れる様な音が聞こえ、

 

ジャキンッ!

 

次に何かが装填される音がし、

 

ピーッ!

 

最後に完了を知らせる音が鳴った。

 

「モードチェンジ、コンプリート」

 

「よし。・・・よく見ておけ」

 

俺は後ろにいるリンディ達に語りかけ、カードケースからカードを取り出す。

 

「これが俺の、仮面ライダーフェニックスの・・・」

 

『ATTACK RIDE!』

 

そして、取り出したカードをドライバーに入れ、

 

「・・・本来の力だ」

 

『BLAST!』

 

フェニックスドライバーのトリガーを引いた。

トリガーを引くとフェニックスドライバーから無数の弾が勢い良く放たれた。

 

「「「「!!!!!」」」」

 

フェニックスドライバーから放たれた弾は、先程までクロノ達と戦っていた時よりも多く発射され、弾のスピードも倍の速さでライオトルーパーに放たれた。

 

「「「「がああぁぁぁっっ!」」」」

 

4人のライオトルーパーはフェニックスブラストを全弾食らい爆発、消滅した。

 

「す、凄い・・・」

 

「さっきよりも弾のスピードが速かった」

 

「それに僕達と戦っていた時と弾の威力も違う」

 

「あれがフェニックスの本来の力なの?」

 

「あっはははははっっ!!」

 

なのは、ユーノ、クロノ、リンディが俺の殺傷設定の威力を見て驚いている中、カイザは笑っていた。

 

「いやぁ、やっぱり凄いわ。ブラストだけで四人のライオトルーパーを纏めて倒すんだから。・・・・だから、貴方の力をもっと見せてよ!!」

 

シュウウウゥゥゥゥン

 

「むっ!」

 

カイザの言葉の後、再び銀色のオーロラが今度は俺達の後ろに出現し、ライオトルーパーが40人程現れた。

前にはカイザとデルタとライオトルーパーが26人程、後ろにもライオトルーパーが40人程と挟み撃ちにされた。

 

「っち!こりゃあ鬱陶しいな。(ピーッ!ピーッ!)っん?」

 

不意にフェニックスドライバーが鳴った。

 

「マスター、ウルズ1より緊急通信です」

 

「繋げ」

 

「イエス、マスター」

 

『ウルズ1よりHQへ!聞こえるか!?』

 

通信の向こうからファルケが焦っている声が聞こえる。

 

「こちらHQ、どうかしたのかウルズ1?」

 

『先程、銀色のオーロラが出現し、その中から我々と同サイズのサベージ8機、シャドウ4機、ジン5機が現れ、現在攻撃を受けている!なお、発令所のスタッフに怪我人はいない』

 

「なんだと!!」

 

サベージ、シャドウ、ジンだと!?

何故ASとMSが!?

 

ピーッ!ピーッ!

 

「マスター、今度はウルズ2からも緊急通信です」

 

『こちらウルズ2!HQ、応答願う!』

 

「こちらHQ、ウルズ2状況を報告しろ!」

 

『さっき変な銀色のオーロラが現れ、その中からサベージ4機にジン3機程出現。現在こちらは攻撃を受けている。なお通信管制官に怪我はない』

 

「そっちもか!!」

 

ウルズ2の所にもASとMSが、しかし一体どうやって動いているだ?

 

「どうやから上手くいったみたいね」

 

「何っ?」

 

俺はカイザの言葉に反応した。

 

「どういうことだ?」

 

「簡単なことよ。単にあっちの世界の傭兵や脱走兵、テロリスト達を勧誘してこっちの世界に連れて来てたのよ」

 

「じゃあ、あのサベージ達は!」

 

「そっ♪それぞれの世界のから連れた来た連中が変身したのよ。確か、こっちの世界のバリアジャケットだっけ?それに近い状態の物だそうよ?ちなみに貴方が出した他のライダー達の所にも私の部隊を送ったわ。さて、お喋りはここまでにして、今度こそ戦いましょうか?」

 

カイザがそういうとライオトルーパー達が構える。

 

「お、おい!どうするつもりだ!?」

 

明らかにこちらが不利な状況に対し、クロノが俺に聞いてくる。

 

「・・・・・リンディ提督、後でちゃんと直しますので本気を出してよろしいか?」

 

「えっ?」

 

俺の突然の質問にリンディは戸惑った。

 

「このまま本気で戦わなければ俺達全員が殺られる。だから、頼みます」

 

「・・・それは、私の部下とこの艦を護るためですか?」

 

「勿論そのつもりです」

 

「・・・・・分かりました。お願いします」

 

リンディは少し考えた後に承認をしてくれた。

 

「ありがとうございます。アポロン、全ライダー及びAS、MS隊の非殺傷設定を殺傷設定に変更しろ!」

 

「イエス、マスター。・・・・・コンプリート!」

 

アポロンによってライダー、AS、MS達が殺傷設定に変更された。

 

「あと全部隊に通達しろ」

 

「なんと?」

 

「この艦のスタッフを全力で守り、敵部隊を殲滅せよってな。あと、龍騎ライダーズはファイナルベントの使用も許可と伝えろ」

 

「イエス、マスター」

 

「それじゃあ、ライア、リュウガ、後ろのライオトルーパー達は任せるぞ?」

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

ライアとリュウガは無言のまま頷いた。

 

「さぁ、楽しませてもらうわよ!」

 

カイザはカイザドライバーの右側のハードポインターに装備されているΧ(カイ)を模した形状の剣・銃一体型マルチウェポン「カイザブレイガン」をホルスターから抜いた。

 

『BURST MODE』

 

手前にあるレバー<コッキングレバー>を引き、濃縮フォトンブラッドの弾丸を放つガンモードを起動させる。

 

「ほら、デルタ。あんたもちゃっちゃとしなさい」

 

「・・・・」

 

「・・・・ん?」

 

デルタは返事も返さず、ボーっと突っ立っている。

 

「ちょっと!どうしたのよ!!」

 

そんなデルタにカイザは怒った。

そして、デルタはこんなことを口にした。

 

「・・・・・あのさぁ、俺って仮面ライダーだよね?」

 

「・・・・・・・・・・は?」

 

デルタの突然の質問にカイザはおろか、俺やなのは、ユーノ、リンディ、クロノ、ライオトルーパー達とこの場にいる全員がポカンっとしていた。

 

「えっと、何?いきなりどうしたの?」

 

意味不明の質問をするデルタにカイザは質問をする。

 

「いや、なんか俺って本当に仮面ライダーのかなぁ~って思って」

 

「はぁ?何を言ってんのよ?」

 

「だってさぁ~!!俺一番最初に自己紹介してからずうぅぅぅぅぅっっっっっっっと一言も話してないんだぜ!!??」

 

『・・・・・・・・あ』

 

この場のライオトルーパーを除くカイザ、俺、なのは、ユーノ、リンディ、クロノの全員が今思い出した。

 

「普通さぁ~!仮面ライダーって凄いスポット当たるはずじゃん!?それなのにカイザやフェニックスばっかりスポット当たって、俺は全然当たんねぇ~じゃん!!会話に参加しようとしても隙間がねぇし!フェニックスの質問に答えようとしても俺が言う前にカイザが全部言っちゃうし!俺影薄いじゃん!!これじゃあ俺ただの空気じゃん!!」

 

いつの間にか体育座りの状態であまりの台詞のなさと空気っぷりにデルタがキレた。

 

「あ、あんたが早く言わないのがいけないんでしょうが!!」

 

「ねぇ、俺もう帰っていい?帰ってギャルゲーの続きしたし」

 

「駄目に決まってるでしょうが!!」

 

ついにデルタは仕事をボイコットしようとするがカイザがそれを引き止める。

 

「「「「「・・・・・・・・・」」」」」

 

この様子を見ていた俺となのは達は全員同じことを思っていた。

 

(なんでこいつがデルタに選ばれたんだ?)

 

(どうしてこの人が仮面ライダーさんに選ばれたんだろう?)

 

(何故この人が仮面ライダーに選ばれたんだろう?)

 

(どうしてこの人が仮面ライダーに選ばれたのかしら?)

 

(何故こいつが仮面ライダーに選ばれたんだ?)

 

皆がそう思っている時に

 

「ヘタレですね」

 

「ガハッ!」

 

アポロンが容赦のない一言を口?にした。

その結果、デルタは更に落ち込んだ。

 

「機械にヘタレって言われた。機械にヘタレって言われた」

 

「ちょっと!余計に落ち込んだじゃない!!」

 

「申し訳ありません。私は・・・正直!!っなことしか言わない主義なので」

 

「グフッ!」

 

アポロンは正直のところだけを強調し、またまたデルタは落ち込んだ。

 

「ふっ、滑稽ですね」

 

「アポロン、そのへんにしてやれ」

 

流石にこれ以上はキリがないので俺はアポロンを止めた。

 

「機械に鼻で笑われた。機械に鼻で笑われた。機械に鼻で笑われた」

 

「落ち着きなさい!あの機械に鼻なんてないでしょうが!!」

 

落ち込むデルタをカイザは懸命にフォローしている。

 

((((あのデバイス、容赦ない!!))))

 

なのは達は同じことを考えていた。

 

「落ち着きなさいデルタ!えーっと、ほら、あれよ!これからあいつらと戦うからさっきよりはあんたにも出番はあるわよ!っというより今まで空気だったのは戦闘であんたを輝かせるためだったからよ!なんてたって私達ライダーは戦ってこそ活躍できるんだし!」

 

「!!!そっか~!!そうだよねぇ~!!」

 

デルタが若干元気を取り戻した。

 

「そうよ!これからがあんたがスポットを浴びるの!これからがあんたのターンよ!!」

 

「よっしゃー!俺の出番が、俺のターンがやってきたぜー!!」

 

カイザの懸命な励ましによりデルタは復活した。

 

「ふぅ、よかった、単純で」

 

カイザがボソッと呟いた。

 

「ん?なんか言った?」

 

「別になんにも?」

 

デルタには聞こえていなかったようだ。

 

「さぁて、待たせたわね」

 

ようやくデルタが復活したのでカイザは俺のほうを向き、話しかけてきた。

 

「あぁ、かなりな」

 

それに対し、俺は若干嫌みっぽく言った。

 

「うっ!と、とにかくこれからが本番よ!いくわよ、デルタ!」

 

「おうよっ!」

 

さっきまで激しく落ち込んでいたはずのデルタはやる気を取り戻し、腰のベルト型トランスジェネレーター「デルタドライバー」の右側のハードポインターに取り付けられているデルタムーバーとデルタフォンが一つになった銃を取り外した。

 

「FIRE!」

 

『BURST MODE』

 

デルタがデルタムーバーに音声入力を行ったことで光線を発射する<ブラスターモード>が発動した。

 

「行きなさい!!」

 

「「「「「うおおおおおおお」」」」」

 

カイザの命令で前方のライオトルーパーが16人、後方のライオトルーパーが35人がアクセレイガンをブレイドモードにし駆け出し、カイザとデルタとカイザブレイガンとデルタムーバーを構え、残りのライオトルーパーもアクセレイガンをガンモードにし構える。

 

「来やがれっ!」

 

「ふっ!」

 

「はっ!」

 

俺の掛け声を聞き、リュウガとライアが後方のライオトルーパー部隊に向って駆け出し、俺も向ってくるライオトルーパーとデルタとカイザにフェニックスドライバーを向けた。

 

「撃たせないわよ!はっ!」

 

「くっ!」

 

フェニックスドライバーを放とうするがカイザ、デルタ、ライオトルーパーの攻撃で怯んでしまった。

 

「このっ!」

 

激しい銃撃に対抗するためカードケースからブラストのARを取ろうとした。

 

「はっ!」

 

「ちっ!」

 

しかしライオトルーパーがアクセレイガン・ブレードモードで斬りかかって来る。

それを避けるとまたカイザ達の銃撃が襲い掛かってきた。

 

「こいつら!」

 

中距離、近距離から攻撃でARを取り出すことが出来なかった。

 

「確かにあんたや龍騎のライダーは強いけどそれはあくまでカードの力を使った時、つまりカードを入れさせる隙を与えなければいいだけの話よ」

 

攻撃を続けながらカイザが俺の攻撃面での弱点を言った。

 

「本当にまずいな」

 

「ええ。これだと他の龍騎ライダー達も同じ状況になっている可能性もあります。このままだと危険です」

 

「何とかして援軍を送らないと」

 

「それでしたらスーパー戦隊を送りましょう。彼らなら1枚のカードで一気に5人呼び出すことが出来ますし」

 

「だがどうやって?」

 

「まずイリュージョンで数を増やし、カブト等にカメンライドして高速で龍騎ライダー達の元に行きましょう」

 

「それはいい案だがこの状況ではカードを入れる暇が・・・」

 

「ならこうしましょう」

 

シュウウゥゥゥゥッッ

 

アポロンがそう言うと初めてファイズに変身した時と同じ様にフェニックスドライバーに搭載されている「スモークディスペンサー」から煙幕が放出され煙幕に身を隠した。

 

「な、なんだ?!」

 

「こ、これは一体?!」

 

「これってファイズさんの時と同じだ・・・」

 

「う、うん・・・」

 

「煙幕?!」

 

「ドライバーにこんなものを仕込んでいるなんて。小賢しいことしてくれるじゃない」

 

スモークが噴射されるとクロノとリンディは驚き、ファイズの時に一度見ているユーノとなのははあまり驚いておらず、デルタはクロノと同じように驚き、カイザはうっとうしいそうに言った。

 

「さぁマスター。今の内に」

 

「おう!」

 

『ATTACK RIDE! ILLUSION!』

 

煙幕で俺の姿が隠されているうちにARを取り出しドライバーに入れてトリガーを引いた。

トリガーを引き「フェニックスイリュージョン」を発動させ今回は多めの7人に増やした。

イリュージョンを使ってすぐに張られていた煙幕が晴れた。

 

『!!』

 

煙幕が晴れ数が増えた俺を見て全員が驚いた顔をしている。

 

「ふぅ」

 

「やっとイリュージョン使えた」

 

「実戦は初めてだったな」

 

「にしても数多いな」

 

「前は3人だったのにな」

 

「しょうがねぇだろう今回は行く場所多いんだから」

 

「無駄口たたくな。いくぞ」

 

「あ、あ、あ、な、ふぇ?ええええええぇぇぇぇ?!」

 

「フェ、フェニックスさんが7人?!」

 

「な、何がどうなってるんだ?!」

 

「げ、幻影魔法?!」

 

「ちっ!イリュージョンを使ってきたわね!」

 

7人の俺が現れたことでなのは達は驚き、カイザは舌打ちをした。

 

「じゃあ早速」

 

「行動開始だ」

 

別の俺2人がそう言うと7人中6人がライダーカードを取り出した。

 

「お前何処行く?俺は龍騎とナイトの所だけど」

 

「マジか?じゃあ俺はゾルダ達な!」

 

「なら俺は王蛇達にしよう。言っておくがカメンライドのライダーはカブるなよ?」

 

「いや、この数だからカブるだろう?あ、俺オーディンの所がいい」

 

「いいからお前ら早くしろよ」

 

「「「「「「はーい」」」」」」

 

どのライダーになり、どのライダーの場所に行くか言い合っている6人の俺に注意すると全員返事を返し、同時にドライバーにカードを入れた。

 

『『『『『『KAMEN RIDE!』』』』』』

 

「「「「「「変身!」」」」」」

 

『FAIZ!』

 

『BLADE!』

 

『KABUTO!』

 

『OOO!』

 

『FOURZE!』

 

『KABUTO!』

 

『COMPLETE』

 

『TURN UP』

 

『HENSIN』

 

『タカ・トラ・バッタ!♪タ・ト・バ!タトバ!タ・ト・バ!♪』

 

『HENSIN』

 

ドライバーのトリガーを引くと別の俺はそれぞれ「フェニックスファイズ」(以降 Pファイズ)、「フェニックスブレイド」(以降 Pブレイド)、以前トレーニングで変身した「フェニックスカブト ライダーフォーム」(以降 Pカブト)、「フェニックスオーズ タトバコンボ」(以降 Pオーズ)、「フェニックスフォーゼ ベースステイツ」(以降 Pフォーゼ)、そしてもう一体Pカブトに変身した。

 

「いくぜ?」

 

「とあるおばあちゃんが言っていた。俺は天の道をいき、総てを司る男だと」

 

「ウェイ!」

 

「はっ!」

 

「これが新しいライダーか。えっと台詞は・・・これか。宇宙キターッ!仮面ライダーフォーゼ!タイマン張らせてもらうぜ!」

 

「あぁ、結局カブッた。まぁとりあえず俺も。とあるおばあちゃんが言っていた。正義とは俺自身、俺が正義だ!」

 

ファイズ、ブレイド、カブト、オーズ、新ライダーのフォーゼに変身した俺の分身達はそれぞれのライダーの決めポーズをとった。

フォーゼに変身した俺は台詞を「次元の本棚」から調べたようだ。

 

「!全員姿が変わった!?」

 

「ファイズさんとブレイドさんになってる」

 

「でもあとの3つは見たことがない」

 

「あのカブトムシみたいなのは2人いるわね」

 

「さらに俺らはチェンジだ」

 

クロノ達が驚いているとPファイズがカードを取り出しドライバーに入れた。

 

『FORM RIDE! FAIZ! AXEL FORM!』

 

『COMPLETE』

 

コンプリートの音声の後にPファイズの胸のアーマーが開き肩の定位置に移動、黄色の複眼が赤色に、ファトンストリームが赤から銀の待機状態(アイドリングモード)に変わった。

トレーニングでサベージに使ったファイズの超高速形態「Pファイズ アクセルフォーム」(以降 PファイズA)にフォームチェンジした。

 

「その通りだ」

 

『FORM RIDE! OOO! LATORARTAR COMBO!』

 

『ライオン・トラ・チーター!♪ラト・ラタ!ラトラ~タ~♪』

 

PファイズがフォームチェンジするとPオーズも黄色のオーメダル3枚を使った猫系の「ラトラーターコンボ」(PオーズR)にフォームチェンジした。

 

「俺はモジュールってやつを装備っと」

 

『ATTACK RIDE! ROCKET MODULE!』

 

『ROCKET ON』

 

PフォーゼはARでフォーゼの「モジュール」と呼ばれるものを起動させ、右腕にオレンジ色のロケットを装備した。

 

「あ!また変わった!」

 

「おぉすげぇ。ロケットだ」

 

右腕にロケットが付いたことにPフォーゼは感心し俺も少し面白そうだと思った。

 

「じゃあここは任せるぞ?」

 

「はいよ」

 

「行くぞお前ら!」

 

「「「「「おう!」」」」」

 

Pブレイドに言われて俺は返事を返し、Pファイズが指示を出すとPブレイド、2人のPカブトがARを取り出した。

 

『START UP』

 

『ATTACK RIDE! MACH!』

 

『MACH』

 

『『ATTACK RIDE! CLOCK UP!』』

 

「「クロックアップ!」」

 

『『CLOCK UP!』』

 

「はっ!」

 

PファイズAが左腕のファイズアクセルのスタートスイッチを押し、PブレイドがARで「ジャガーマッハ」をPカブト達が「クロックアップ」を発動させ、超高速で龍騎ライダーのところに向かい、PオーズRはスピード・瞬発力・俊敏性に優れ、全形態中最速のスピードを誇るチーターレッグを使って同じく龍騎ライダーのところに走って行ったのだが。

 

「うわああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

約1名、Pフォーゼは悲鳴を上げながら右腕のロケットを使ってPファイズA達同様、龍騎ライダー達のところに向かうため艦内を飛んで行った。

Pフォーゼが飛んで行った方を俺だけでなくなのは達やカイザ達までも唖然と見ていた。

 

「大丈夫か、あっちの俺は?」

 

「多分大丈夫でしょう」

 

俺が別の俺を心配するとアポロンから相変わらず軽い答えが返ってきた。

 

「それよりもマスター、早くスーパー戦隊を」

 

「おっとそうだった」

 

アポロンに言われて、すぐにスーパー戦隊カードを取り出した。

 

「似たもの同士でいくとするか」

 

そう言って取り出したスーパー戦隊のカードを入れた。

 

『HERO RIDE! GOKAIGER!』

 

トリガーを引くと俺の前に赤、青、緑、黄色、ピンク色の5人の戦士「海賊戦隊ゴーカイジャー」が現れた。

 

「!!こ、こいつら!?」

 

「まさか!」

 

ゴーカイジャーを見たカイザとデルタが驚いているとゴーカイジャー達が動いた。

 

「ゴーカイレッド!」

 

「ゴーカイブルー!」

 

「ゴーカイイエロー!」

 

「ゴーカイグリーン!」

 

「ゴーカイピンク!」

 

「海賊戦隊!」

 

「「「「「ゴーカイジャー!!」」」」」

 

驚いているカイザとデルタ、そしてなのは達にゴーカイジャー達は登場の際の名乗りを行った。

 

「か、海賊・・・戦隊?」

 

「ゴー・・・カイジャー?」

 

「今度はなんなんだ?」

 

「5人。それも色とりどりねぇ」

 

「ゴーカイレッド、ブルー、イエローは俺と前方を、グリーンとピンクはリュウガ達と後方を頼む」

 

なのは、ユーノ、クロノ、リンディがゴーカイジャー達を不思議そうに見ていると俺はゴーカイジャー達に指示を出した。

指示を受けたゴーカイジャー達はゴーカイジャーの武器「ゴーカイサーベル」を取り出し、俺の右側にゴーカイレッド、左側にゴーカイブルーとゴーカイイエローが立ち並び、リュウガとライアを挟むように右側にゴーカイグリーン、左側にゴーカイピンクが立ち並んだ。

 

「さぁ。反撃だ!」

 

俺がそういうと俺とゴーカイレッド、ゴーカイブルー、ゴーカイイエローが前方のカイザ、デルタ、ライオトルーパー達に向って走り、リュウガ、ライア、ゴーカイグリーン、ゴーカイピンクが後方のライオトルーパー達に向って走りだした。

 

 

 

 

 

後書き

 

 

ARXー7アーバレスト 「連続投稿、完了!」

 

健悟「馬鹿な!連続投稿だと!?つか作者復活してる!」

 

アポロン「十五話目はやけに早かったですね。落ち込んでいると思っていたのでもう少しかかると思っていましたが」

 

ARXー7アーバレスト 「?別に落ち込んでないけど?」

 

健悟・アポロン「「は?」」

 

ARXー7アーバレスト 「アンチの人たちが言ってることは間違ったことじゃないし、元々アンチ来るのはある程度想定してたし、そんなに落ち込むことじゃないよ。あ、アンチの人が間違ったこと言ってないと分かっていてもこの小説は辞める気はさらさらないから安心して。もちもんファンの皆さんもご安心下さい」

 

健悟「じゃあなんで十四話はあんなに遅れたんだよ?」

 

ARXー7アーバレスト 「いや、十五話編集するのに時間掛けすぎて投稿するの忘れてただけ」

 

健悟「なんじゃそりゃー!!」

 

アポロン「心配して損しましたね。そういえば前回のに比べると十五話の内容が少なくなったり変わったりしてますね?」

 

ARXー7アーバレスト 「うん。前回の文を見直して流石に長すぎると思って十五話を分割することにしたんだ。その分前よりも2話分増えることになったけど。それで余裕が出来たから新しい内容にしました!」

 

健悟「それでその結果がイリュージョンを使っての6人に増えてのカメンライドとゴーカイジャーなのか?」

 

ARXー7アーバレスト 「その通り!実はゴーカイジャーはPIXIV、TINAMIと結構色んな人からリクエストが多かったから加えてみました!!」

 

健悟「話が更にカオスになっているな」

 

アポロン「全くです」

 

ARXー7アーバレスト 「これはこれで色々と盛り上がると思うけど?それにこのライダー祭に加え、次はスーパー戦隊祭だ!スーパー戦隊はPIXIVでのリクエストがあった戦隊3つに加え、残りは俺個人が勝手に選択した!」

 

健悟「また色々言われそうだな」

 

ARXー7アーバレスト 「大丈夫!頑張っていくぜ!」

 

健悟「・・・・まぁ、頑張れ。しょうがないから俺も付き合うよ」

 

アポロン「一緒に頑張りましょう」

 

健悟「ちなみにこの続きは?」

 

ARXー7アーバレスト 「それはまだ出来てないのでこれ以降の投稿はしばらく先だね」

 

健悟「出来てないのかよ」

 

アポロン「そっちも頑張ってください」

 

ARXー7アーバレスト 「うん。さーて、そろそろ次回予告いこうぜ!」

 

健悟「次回『第十六話 止まらぬ戦い、現れたΧ(カイ)とΔ(デルタ) 後編』です」

 

アポロン「みなさまのご意見とご感想をお待ちしています」

 

ARXー7アーバレスト 「次回もお楽しみに!!」

 

 

 

 

ライダー、スーパー戦隊紹介

 

仮面ライダーカイザ

「仮面ライダー555」の世界の仮面ライダー。

前に俺がオルフェノクと戦った時に変身したライダー「仮面ライダーファイズ」と同じ「仮面ライダー555」の世界の大企業「スマートブレイン」が開発したライダーズギアの一つ。

ギリシャ文字のΧ(カイ)を模したデザインに紫色の複眼、全身にライン状に行き渡る黄色のフォトンストリームはファイズと違い<ダブルストリーム>と呼ばれる高出力フォトンブラッドを安定供給させるために2本に分かれてマウントされている。

オルフェノク又はオルフェノクの記号を埋め込まれた人間の一部を除き、不適合者は変身解除後に灰化・死亡することから「呪われたベルト」っと呼ばれる。

 

仮面ライダーデルタ

カイザと同じ「仮面ライダー555」の世界の仮面ライダー。

ファイズとカイザ同様「スマートブレイン」が開発したライダーズギアの一つで最初期に開発されたライダーシステム。

ギリシャ文字のΔ(デルタ)を模したデザインにオレンジ色の複眼、ブライトカラーのフォトンストリームをしている。

デルタのフォトンストリームはフォトンブラッドを全身に循環させるために<ビガーストリームパターン>という一体のストリームを要所で三股に分けることで逆ボトルネック効果を生み出す特殊な形をしている。

デルタにはガンマ脳波の周波数を強制的に引き上げる特殊な電気信号「デモンズイデア」を発生させ、カイザ同様、オルフェノク又はオルフェノクの記号を埋め込まれた人間の一部を除き、不適合者を極めて攻撃的な性格に変貌させる闘争本能活性化装置「デモンズスレート」が装備されている。

 

海賊戦隊ゴーカイジャー

地球を守る戦隊、スーパー戦隊シリーズ第35作目。

宇宙最大のお宝を求めて地球に訪れた5人の宇宙海賊が過去の34のスーパー戦隊達の力が宿った鍵「レンジャーキー」を使って戦う。


 
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