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魔法少女リリカルなのはmemories 第四章 覚醒する末裔の記憶(メモリー) 第五十一話

J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。

その青年はなのはに関わりがある人物だった。

だがなのはにはその記憶が消されていた。

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2012-08-18 23:36:44 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1503   閲覧ユーザー数:1457

「っ!? シグナム三等空佐、ヴィータ一等空尉の付近の山にてかなり強力な魔力反応!?」

「な、何やって!?」

 

 

 突然の事態にはやては驚き、そのすぐに画面にその場所の映像が映された。

 そこからは一本の光の柱が空に向かって光っており、その魔力量はフェイトやはやてに比べ物にならないほどの魔力であった。

 一体なのは達は何をしようとしていたのか分からず、今起こっているこれもなのは達が原因であることはなんとなく推測できた。

 だが、無暗にその光の柱がある場所へ、また何が起こるか分からないところに向かわせても、下手したら死ぬという可能性もあった。それほどの魔力量だったのである。

 

「……何があっても良いように総員備えておいてくれな。これは、何が起こってもおかしくない状況や……」

 

 はやての言葉に全員が頷き、今は唯様子を見るだけでいるのだった。

 結局、はやてが出した命令も様子を見るだけしか出せなく、迂闊に近づかない方がよさそうだと思ったのであった。

 その命令を出したはやてに、フェイトは近づいて話しかけていく。

 

「あれ、ひょっとしたらなのはもあそこに居るのではないの?」

「そうかもしれへんが、何も分かっていない私たちが動いて、それで何かあったよりはここで待機させておいた方がええやろ? それに、なのはちゃんはあれがどんなものか分かっているから大丈夫だろ」

「それもそうだね。それにしても、あんな量の魔力なんて始めてみたよ」

「それは私もや。あの魔力がもし人間が持っているのならば、私たち管理局では到底敵わない敵になるという事やな」

 

 そうなってしまえばどうしようもなくなるのであるが、それでも今誰かをそこへ動かす事は危険を伴う可能性があるとはやては思ったのである。

 正直言えば、それほど何ともないことが良いとはやては思うのだが、そんな事の為にフィルノやなのは達が動いていたとは思えなかった。

 

 

「……何事もなければええんやけどな」

 

 

 だがはやてはそうならないと思っていながらも、そう思うのだった――

 

 

----

 

 

「……なんなんだあの光は?」

 

 その光の柱みたいなものは結界を張っていたヴィータやシグナムにも見えており、バトルを中断してそちらを見ていた。

 もちろんその光景にはヴィータやシグナム以外の二人、フィルノとアリシアにも見えており、フィルノに関しては笑いを堪えていた。

 その笑いをこらえているのに気付いたヴィータとシグナムは一度振り向いて言いかけるのだった。

 

「なんで笑っているんだ!! 一体、テメェらは何を企んでいる!!」

「ヴィータの言うとおりだ。何をしようとしているのだ」

 

 だが、ヴィータとシグナムの言葉にも、フィルノは笑いを堪えていたままだった。

 

「笑いを堪えていないでさっさと答えろよ!!」

 

 ヴィータはその笑いを堪えているフィルノを見ていて苛立ちが増して、フィルノに攻撃を仕掛けようとした。

 だがすぐにアリシアが割り込んできて、ヴィータの攻撃を防ぎ切ってしまう。

 その事につい舌打ちをしてしまうが、アリシアがヴィータの代わりにフィルノに言うのだった。

 

「ねぇ、少しは二人の言葉の答えを行ってあげても良いんじゃないの?」

「……まぁ、それもそうだな。どうやら知りたがってるようだし」

 

 アリシアに言われて、フィルノは少し落ち着くのだった。

 

「それで、あれは一体何なんだ?」

「そう焦るな。今は教えないがもう時期にわかるさ。あの光の正体が何なのかをな――」

 

 だがフィルノは結局ヴィータとシグナムの二人にそう言うだけだった。

 

 

----

 

 

 そしてその光の柱みたいなものは結界を張っているわけでもないので、海鳴市内に居る一般人にも見えていた。

 もちろんそれは月村家に居たアリサやすずかにも見えていた。

 

「あれが、なのはが会いに来た理由?」

「そうかもしれないね。なのはちゃんはきっと何かを変えるためにかなり大事な事をするんじゃないかな?」

「そうだよね。そうでなければなのはが友達と敵対してまで戦う事なんてしないから」

 

 あの光は多分なのはとその仲間たちが起こしたことなんだろうと、アリサとすずかは思っていた。そうでなければなのはがこんなことをするとは思わないし、ここに来た理由も何かここでするためではないかと思い、ついでで来たのだろうと思っていたのである。

 

「……でも私は、なのはもフェイトもはやて達全員が無事に生きて終わるのならば何でもいいや」

「私も同じ意見。たとえなのはの目論見が外れて管理局に捕まろうともね」

 

 アリサとすずかには分からないが、もしなのはが管理局に捕まったら永遠に出れないだろうとは知らなく、それほどの事をなのはがしている事は二人に知らされていないのである。

 だから二人はそう思い続けるのだった。全員が生きていればそれだけでいいと思ったのだった。

 

 

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 その光の柱みたいなものの発生場所であり、なのはとシルフィア姉妹が居る場所では光の輝きで尚も全く見えないでいた。

 デュナとリィナの二人も自分がどこに立っているのか分からず、近くの岩の壁や柱にそれぞれ見つけてそこによっかかっていた。

 そして、光の輝きがだんだんだと弱まり始め、完全に消えるとその中央にはなのはらしき人物は見当たらず、姿が変わった別の人物が立っていた。

 騎士甲冑を全身に着ており、髪型は金髪で目は右目が翡翠で左目が紅玉のオッドアイであった。

 だが、顔立ちには見覚えのあるような顔で、なのはと全く同じだったのである。

 顔立ちからみてなのはではないかと思ったシルフィア姉妹は、恐る恐るだがその彼女に聞くのであった。

 

「あの……なのはさんで良いのですよね」

「……一応そうだけどね」

 

 なのはの声は全く変わっていなかったのだが、なのはの言葉にシルフィア姉妹は変に感じていた。

 

「あの、なんかあったのですか?」

「……あったと言えばあったかな? 今の私には聖王オリヴィエ様(・・・・・・・・)の生まれてから死ぬまでの記憶がすべて頭の中にあるの。頭が混乱しているいる訳じゃないけど、聖王オリヴィエ様の記憶を見ているとちょっと思ったことがあったから」

「……性格は今までと変わってないのね」

「一応ね。でも、これから私は聖王オリヴィエ様の意志の通りにすると思う。誰もが平和を求めるような世界を手に入れるために」

 

 なのはの言葉はだんだんと変わり、そして命令するかのように言い放つ。

 

「さぁ、行きましょうか現代のシルヴェルンの末裔よ。この世界を変えるために――」

 

 その言葉を高町なのは……いや、ナノハ・ゼーゲブレヒトはシルフィア姉妹と一緒に上空へと上がるのだった――


 
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