No.468076

IS−インフィニット・ストラトス−黒獅子と駆ける者−

トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!

2012-08-10 09:13:47 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2356   閲覧ユーザー数:2273

 

 

episode43 本当の真実

 

 

 

 

 

それから数日後・・・・・

 

 

 

 

「さてと・・・どうしたものかな」

 

隼人は頭を掻いて、公園のベンチに座っていた。

 

(一応必要最低限のものは手に入れたけど・・・・ぎりぎりだな)

 

そしてポケットから財布を取り出して開くと、中身はほとんど無かった。

 

「仕方が無い。後で銀行からおろすか」

 

隼人はため息をつき、財布を閉じてポケットに戻す。

 

「・・・・・・・・・」

 

そしてしばらく何をしようか考えていると・・・・

 

 

 

 

「・・・ん?」

 

そして公園の隅にある大きな木の影に少し怪しい格好をした誰かが居た。

 

するともう一人似たような格好の誰かが来ると、二人はなにやら会話をしだした。

 

「・・・・・・・」

 

隼人はしばらく様子を窺っていると、二人は何やら物品を交換して、札束を交換する。

 

 

 

(・・・・怪しいな・・あの二人・・・)

 

すると怪しい二人組みはそのままどこかに行こうとしていた。

 

隼人はベンチから立ち上がると、その二人組みの後についていく・・・・

 

 

 

 

 

(食いついたようね・・・姉さん)

 

(えぇ・・。まさかマスターの言うとおりにくるとはね)

 

と、怪しい二人組みはこそこそと会話をした。

 

(ここからは手発どおりね)

 

(分かったわ)

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・」

 

隼人はこっそりと二人の後についていくと、怪しい二人組みは路地裏に入っていった。

 

(何かお決まりのパターンだな・・・)

 

そうして路地裏に入っていくと、警戒しながら進んでいく・・・・

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

すると何かを感じ取って、とっさに前に飛び出すと、さっきまで居たところにさきほどの怪しい人物が降りて来る。

 

「今のを気が付かれただと!?」

 

そして怪しい人物はマントのような布を脱ぎ捨てて、身構えた。

 

「不意打ちとは・・・やってくれるじゃねぇか」

 

隼人も身構えて警戒する。

 

 

 

 

(・・・只者じゃない・・・。マスターがそれなりに評価するほどはある・・・)

 

と、怪しい人物・・・フィアは隼人を睨む。

 

「マスターが評価するほどはあるわね」

 

「マスター・・?何者だ」

 

「私の名前はフィア・シルバー・・・・バシリスタのマスターの側近だ」

 

「!?・・バシリスタだと!?」

 

「そうだ」

 

「・・・そんな海賊が俺に何の用―――――」

 

 

 

しかしその直後に隼人は背後から後頭部を殴られた。

 

「っ!?」

 

それによって視界が揺らぎ、地面に倒れる。

 

その後ろにはもう一人の妖しい人物が居た。

 

「まさかあなたの攻撃がかわされるとはね」

 

「申し訳ありません・・姉さん」

 

「気にすることは無いわ・・・。私が屋っても恐らく同じことになっていたわ」

 

「・・・・・」

 

「でも、目的は果たせたことだから」

 

そうしてもう一人の怪しい人物・・・フェイはマントを脱ぎ捨てた。

 

「・・・な、何を・・・」

 

隼人は何とか立ち上がろうとするが、その前にフィアによって取り押さえられる。

 

「マスターがあなたに会いたがっています」

 

「・・何・・だと・・?」

 

「ですので、私たちはあなたを迎えに来ました」

 

「多少強引な手でしたが」

 

「・・・・」

 

そうしてなす術もなく、隼人は頭に袋を被せられる・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

それからしばらくして、隼人は目を覚ました。

 

「・・・・・」

 

 

「気がついたようだな」

 

「・・・?」

 

すると前の方から声がして、隼人は顔を上げると、そこに一人の男性が居た。

 

「・・・お前は・・」

 

隼人は立ち上がるが、何か違和感を覚える。

 

「っ?」

 

そして手元を見ると、両手首には手錠が掛けられていた。

 

「暴れようと考えない方がいい。でないと、俺のガーディアンたちが黙っているわけには行かんぞ」

 

「・・・・」

 

そして両脇を見ると、そこにはさっきの双子の姉妹が居た。

 

「言っておくが、ISの展開したとしても、お前にはどうすることはできないぞ」

 

「・・俺をどうする気だ・・・キャプテンアーロン」

 

「ほう・・。俺のことを覚えていたか」

 

「・・・・・」

 

「何もしやしない。ただ話を聞いてもらいたいだけだ」

 

「話しを・・?海賊の話なんか聞いてどうする」

 

「・・・お前にただ真実を伝えるだけだ」

 

「真実・・?」

 

「お前には知る権利がある」

 

「・・・・・・」

 

「話しは俺たちのアジトで話そう」

 

「アジト?じゃぁ、ここは・・・」

 

「俺のたちの潜水艦・・・『ドレッドノート』の中だ」

 

「何だと・・・」

 

「アジトまでは後数分といったところだ」

 

「・・・俺をアジトなんかに連れて行っていいのか」

 

「構わん。どの道どこから来たのかは知ることはないのだからな」

 

「・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらくして、隼人はアーロンに連れて行かれて、出口まで来た。

 

「フェイ」

 

「はい」

 

そしてフェイは手にしていた鍵を隼人の手錠に入れると、手錠を解除した。

 

「・・・いいのか?俺を自由にしても」

 

「艦を降りるときに両手が不自由では降り難いだろう。それに、お前は自由にはできない」

 

「・・どういうことだ」

 

「すぐにわかる」

 

そうしてアーロンは扉のハンドルを回していって、扉を開けた。

 

 

 

 

「・・・・・・」

 

そして隼人は外に出た途端、唖然とした。

 

 

 

そこにはたくさんの子供達がアーロンに近寄っていた。

 

「よぉちびっ子達。元気で居るようだな」

 

アーロンは微笑を浮かべて子供達と接していた。

 

 

「・・・・・・」

 

隼人は潜水艦を降りると、フェイとフィアに連れて行かれる間に、周りを見た。

 

恐らく海底洞窟を削って造られており、巨大な電灯で洞窟内を照らしており、壁の岩を削ってそこに様々な施設が設けられていた。海底洞窟もあって、若干湿っぽかった。

 

「・・・・・」

 

そして何より気になるのが・・・子供の数だ。

 

施設を進んでいっても子供がおり、幼い子供も居れば、中学ぐらいの子供もいれば、自分と同じぐらいの年齢の子もいた。

 

(なんで子供がこんなにも・・・)

 

 

 

 

 

 

 

そうして隼人はとある一室に入れられた。

 

「・・・・・・」

 

隼人は警戒しながら中央にあったテーブルに入れられていたイスに座る。

 

 

 

「そう固くなるな。強引に連れて来たとは言えど、お前は客みたいなものだ」

 

そうして少ししてアーロンが部屋に入ってきた。

 

「・・・・・」

 

「まぁ無理もないか」

 

アーロンは隅にあったコーヒーメーカーでコーヒーをカップ二つに入れると、隼人の前に一つ置き、向かい側に座る。

 

「そう警戒するな。何も入れてない・・・砂糖もな」

 

「・・・・・」

 

そして隼人はカップを持って一口飲む。

 

「話しはそう長くはしない。お前も遅く帰るのは面倒だろう」

 

「・・・・・」

 

 

 

 

「疑問に思っているようだな・・・。なんであんなに子供がいるのかを」

 

「・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「ここにいる子供達は全員・・・・戦争や事故で両親を失ったものや、親の勝手な都合で捨てられた、もしくは人身売買され、挙句の果てにはごみのように捨てられた子供達だ」

 

「っ・・・!」

 

「俺はその子供達を拾い、育てているんだ・・・。現に、潜水艦のクルーの中には俺が拾った子もいる。俺の側近のフェイとフィアも、幼い頃に俺が一番最初に拾って、娘のように育てたんだ」

 

「・・・・・・」

 

「ここに居る子供たちはそういう悲しい現実を受けた子たちだ・・・それは分かって欲しい」

 

「・・・・・」

 

 

 

 

「さて、本題に入るとするか」

 

「・・・・・・」

 

 

 

 

「・・・あんたは一体何を知っているって言うんだ」

 

「・・・神風隼人・・。お前は両親の死について何か思わなかったか」

 

「・・・?」

 

「たとえば・・・不自然な点が多かった・・・とか」

 

「・・・何が言いたいんだ」

 

「・・はっきりと言っておこう・・・。お前の両親の死は・・・交通事故なんかじゃない」

 

「・・・え?」

 

「最も・・・その対象にされたのは・・・お前の父親・・神風淳一郎だがな」

 

「・・父さんが?」

 

「・・俺と淳一郎は親友だったんだ」

 

「なんだって?」

 

「淳一郎はかなりの腕の情報捜査員だった。俺もそれが自慢だったよ」

 

「・・・・・」

 

「そんなある日、あいつはとある組織の最重要な情報を掴んだ」

 

「・・・とある組織?」

 

「・・・影で暗躍する悪の組織・・・・『亡国機業(ファントム・タスク)』」

 

「亡国機業・・?」

 

「第二次世界大戦時に創設され、人種、宗教などの固定概念はなく、その存在目的は不明。ここ何十年の間は沈黙していたが、ISが現れてから活動を再開し始めた」

 

「・・・・」

 

「話しを戻すぞ。淳一郎は亡国機業に関する最重要な情報を掴んだ。だが、亡国機業も黙っているわけには行かなかった・・・だから、抹殺をしたんだ」

 

「っ・・・!」

 

「しかも、当時一緒にいた淳一郎の妻も・・口封じのために巻き添えになった・・・・。そして・・・交通事故として、捏造されたんだ」

 

「・・・・・・・」

 

「これが、お前の両親の本当の死だ」

 

「・・・・・・」

 

隼人は拳を握り締める。

 

「亡国機業は更に活動を広めている。最近では各国のいくつかから試作ISを奪取したという情報を掴んでいる」

 

「・・・なんで・・そこまで知っているんだ」

 

「俺たちはただの海賊じゃない。人脈には太いパイプを持っているのでな」

 

「・・・・・」

 

「それに、バシリスタは悪事を働くだけの組織じゃない」

 

「・・どういうことだ」

 

「俺たちの目的は・・・・未だに絶えない世界の不正の粛清だ」

 

「・・・・・」

 

「不正な取引や、賄賂による買収・・・・その他にも様々なものがある」

 

「・・・・」

 

「俺たちはその粛清のために・・・戦っている・・・。正義としてはなく、だ」

 

「正義・・・」

 

「・・・そもそも、この世界に明確な正義など無い」

 

「・・・・・・」

 

「お前にも分かるはずだ。正義の者達といっても、悪とされる者達からすれば正義の者たちも悪なんだ。そして悪とされる者たちは自身の行いを正義という・・」

 

「・・・それは・・・そうだが・・」

 

「そうであるのなら、本当の正義とは何だ?」

 

「・・・・・・」

 

 

「・・まぁ、俺達のやっていることは正義ではない。それは分かっている」

 

「・・・・・・・」

 

「・・だが、俺達はそれを行うと同時に、独自で亡国機業を追っている」

 

「・・・・?」

 

「俺は淳一郎の無念を晴らすために、亡国機業と戦っている」

 

「・・父さんの・・ために・・」

 

 

「・・淳一郎も悩んでいたんだ。危険な仕事をする裏の顔を隠していく自分にな。だが、家族を巻き込んでしまう可能性があるのであれば、言うことなどできない」

 

「・・・・・・」

 

 

 

 

 

「・・・これで、俺達のことはある程度分かった筈だ。そして・・・淳一郎のこともな」

 

「・・・・・・」

 

 

 

 

「・・・次はお前にも関係のあることだ」

 

「・・・・・・」

 

 

「バインドのことについてだ」

 

「・・!・・バインドを知っているのか!?」

 

「あぁ。俺達のもう一つの目的・・・それは、バインドの殲滅だ」

 

「・・・・なぜ・・バインドのことを」

 

「・・俺も・・お前と同じ転生者だからな」

 

「な、なんだって・・・?」

 

 

「気になっていなかったか・・・。バシリスタの運用しているISの形状に見覚えがあったことに」

 

 

「・・やっぱり偶然とかじゃないのか」

 

「そうだ」

 

「・・・・・」

 

「バインドはこの世界に集中して集まっている。憶測でも百体以上潜伏しているだろう」

 

「百体も・・・」

 

「そして討伐できた数も・・・たったの十体だ」

 

「・・・・・」

 

「それに加えてお前が倒したバインドは三体だ。つまり今まで倒してきたバインドは十三体だ」

 

「・・少なすぎる」

 

「確かにそうだ。だが、やつらの居場所すら分からないのであれば、どうすることもできない」

 

「・・・・・・」

 

 

 

「それに、最近になって特殊な個体が現れだしている」

 

「特殊な個体?」

 

「あぁ。俺は今までバインドの動きを見てきて、バインドは恐らく目の前に来るものを破壊するという行動がほとんどだったが、それとは違う行動を見せるバインドが最近になって確認された」

 

「違う行動をするバインド・・」

 

「これを見ろ」

 

そしてアーロンは懐より端末を出すとテーブルに置いて作動させると、宙に投影してデータを表示させた。

 

「このデータに表示しているのは世界各地にあるパワーポイントと呼ばれる場所だ。このパワーポイントに決まった個体たちが現れている」

 

 

「・・・これは」

 

隼人はそこに映るバインドを見て息を呑む。

 

(・・サンドロック・・・ヘビーアームズ・・・デスサイズ・・・シェンロン・・・それにウイング・・・のEW版だと・・・黒いけど)

 

 

「お前にも見覚えのあるものばかりだろう・・・。その他にも、この個体が最も特殊でな」

 

と、別のデータを表示させた。

 

「・・・デスティニー・・」

 

それは福音との第一戦で現れたバインドが映っていた。

 

「このバインドは前途の五体を従えて行動していることが多い。そして動きにも人間らしさが見られる」

 

「人間らしさ・・・」

 

「・・・隼人・・・お前はバインドがなぜ存在していると思う」

 

「存在している・・・?」

 

「・・俺を転生させた神は憶測だったが、バインドは人間の闇が原因で生まれたと言っていたな」

 

「人間の・・・闇」

 

「バインドの目的はその闇を喰らうことと俺は推測している。特にこの世界では強い闇を持つものが多いのだろう」

 

「・・・・・・」

 

 

 

 

「・・まぁ、俺がバインドについて知っているのはこれだけだな」

 

そうしてアーロンは端末の電源を切ると、手に持った。

 

「・・・・・・」

 

「これで分かったことが多いだろう。お前の両親の死・・・バインドの詳細・・・・そして・・・俺たちの目的を」

 

「・・・だから、俺はお前達の行動を認めろって言うのか」

 

「そうではない。ただ、知ってもらいたかっただけだ」

 

「・・・・・・」

 

 

 

「・・・あぁそうだった。一つ大事なことを言っておこう」

 

「・・・・?」

 

「お前がいるIS学園・・・そこに亡国機業より送られたスパイがいる」

 

「っ!?・・す、スパイだと!?」

 

「そうだ」

 

「・・なんでそんなことを知っているんだ」

 

「こっちもやつらのところにも俺たちの内通者を送っているのでな」

 

「内通者・・・?」

 

「あぁ。最近じゃ情報は来なくなったが、それでも的確な情報を送ってくれるのでな」

 

「・・・・・・」

 

「まぁショックなのは分かる。だが、事実だ」

 

「・・・・・・」

 

 

「・・さて、これ以上だとお前に迷惑がかかる。IS学園の近くまで送っていこう」

 

「・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうしてバシリスタの潜水艦はIS学園近くの海岸に近づき、隼人はそこに降り立った。

 

「・・・・・・・」

 

隼人は一瞥してから、IS学園に向かっていった・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「しかし、よろしいのですか?」

 

「何をだ?」

 

そうしてアーロンがハッチを閉めると、フェイが聞いてきた。

 

「彼を簡単に帰してしまっては――――」

 

「下手をすれば我々のアジトの場所が知られてしまうのでは?

 

 

「心配はない。あいつは口外したりなんかしないさ」

 

「なぜ・・・分かるのですか?」

 

「・・・分かるんだよ・・・。あいつの顔を見ればな」

 

「・・・・・・」

 

「まぁ、気にしなくて良い。どの道あいつは場所を知らない」

 

「そうですか」

 

 

 

そうして三人はブリッジに戻っていった・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

後書き

今回はある意味説明回になりましたね・・・バシリスタのことや、バインドの事などなど・・・。さて皆さんにお聞きしたい事がありますが・・・ガンダムシリーズの可変機の中でISサイズでもその機構が生かせそうな機体って思いつきますか?書いていただければ参考になります。一応作者も考えていますが・・・・コメントお待ちしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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