No.463676

魔法少女リリカル的ななにか 第二章 出会い、早すぎる再開 その2

天文さん

小説を大量に読みふけってました。二次創作は個人によって発展の仕方が変わるので面白いですよねー

2012-08-02 01:55:40 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2176   閲覧ユーザー数:2001

 

 

 

 

 

  Side 神楽 悠斗

 

 

右よし

左よし

上よし

下よし

 

下は確認する必要がないような気がしたが・・・・・・、何が起きるかわからないのがこの世界だ

転移と同時に砲撃に飲み込まれることなんてきっと稀に良く有ることなんだ

 

《心配しすぎであるぞ、我が主》

 

どこからともなく渋い声がした

 

「やめろ、俺は心霊的な現象は苦手なんだ。今なら出てきたそいつらを発狂しながら祓うことができそうなくらいに苦手なんだ・・・・・・」

 

《落ち着かぬか、自分の手元を見るが良い》

 

手元?言われて見ると何かを握っている・・・・・・『真柄切兼元』がその手にはあった

確かに神からもらったのだが

 

「え、お前しゃべってるってことはデバイスなの?」

 

《いや何、儂は元々はただの刀であるぞ。しかしこの世界に転移するときに儂の存在も組み替えられたまでよ》

 

思いがけない形でデバイスを手に入れたでござる

しかもインテリジェンスデバイスとか俺得にも程がある、神様ありがとう

 

「なるほどねぇ・・・・・・。取り敢えずこれから頼むぜ相棒」

 

《こちらこそよろしく頼むぞ我が主よ》

 

軽く挨拶をし現状の確認をする

 

「さて周りには木しかないわけだが・・・・・・兼元、場所の特定を頼む」

 

《しばし待たれよ・・・・・・。主、特定よりも何者かがこちらに向かって飛んできておる》

 

まじか、転移してすぐエンカウントとか・・・・・・。最初と同じか、あの時と違うのはまだ命の危機がないってことかな

 

「わかった、兼元セットアップだ」

 

《了解した》

 

同時に白い光が一瞬だけ俺を包み込む

光が消えると同時に俺の体はBJに包まれていた

 

「おぉう、初めて自分の魔力光見た希ガス。白ってのは意外すぎるぜ」

 

BJはクロノのBJを白に変えたようなもの

まぁそこまでBJに思い入れはないし変更もする必要はないな

 

「さてと兼元、遭遇はどれくらいになりそうだ?」

 

《すぐである主よ。5、4・・・・・・来たぞ》

 

「こちら時空管理局機動六課所属の高町なのはです!そこの人止まってください・・・・・・え?」

 

そこにいたのは懐かしき顔、完全なる魔王と化したなのはちゃんの姿がそこにあった

 

 

 

 

 

  Side 高町 なのは

 

 

(落ち着け、落ち着くの私・・・・・・)

 

今私の目の前には、約10年近く行方がわからなかった悠斗君がいる

 

私は微弱の次元震を観測したという報告を受けその場所に向かった

はやてちゃんが設立した機動六課。次元震が起きた場所は、他の局員が向かうには少し遠く私達には近く、ちょうど休憩中だった私に白羽の矢が立ったのだ

 

新しく入ってくるフォワードの分の訓練メニューも作成し終わり、ちょうど手持ち無沙汰だったので軽い気持ちでOKを出した

 

だが、これは何が起きているのだろう

目の前にいるのは間違いなく彼だ。・・・・・・いや、確証を持つのはまだ早いかもしれない

次元震を起こした人物の幻術かもしれない、私が知る限りじゃ悠斗君はデバイスを持っていなかった

だが、目の前の彼はデバイスを持っている、深い闇のような黒い刀

油断してはならない、私の心がそう告げる

 

「お~なのちゃんか!随分とでっかくなったなー」

 

笑いながら彼が喋る

久しぶりに聞いた元気そうな彼の声に私は泣きそうになるが・・・・・・

 

《落ち着いてくださいマスター、皆に連絡をするのがいいかと思います》

 

レイジングハートに言われて私は慌てて念話を飛ばす、いけない、彼が本物なのかわからない以上隙を見せるのは危険だ

 

(皆聞こえる?今次元震が起きた現場にいるんだけど・・・・・・悠斗君がいるの・・・・・・)

 

真っ先に返事が来たのはクリスちゃんだった

 

(なのはちゃん、その人が本物の悠斗だって証拠はあるかい?)

 

(見た目は悠斗君だけど・・・・・・持ってなかったはずのデバイスを持ってる・・・・・・)

 

「ふむ、見た目は完璧に悠斗だね・・・・・・」

 

心臓が止まると思った。隣には転移してきたのだろう、いつの間にかクリスちゃんがいた

お願いだから連絡なしに転移してくるのはよしてほしいの・・・・・・

 

(ほんまなんかなのはちゃん!?仕事してる場合とちゃう!うちもそっちに行くから待っといて!!)

 

(なのは!私も行くから落ち着いて待っててね!)

 

はやてちゃんにフェイトちゃんからも返事が返ってくる

 

「クリスもいんのか。お前は相変わらず女を楽しんでるなー」

 

「悠斗は久しぶりだってのに変わっていないみたいだね、そのデバイスはどうしたんだい?」

 

「おぉ、これか?神様にお願いしたらもらったんだ」

 

「もう何があっても僕は驚かない自信を持てた気がする」

 

クリスちゃんは何時も通り接している、もしかして本物なのだろうか

 

「なのは(ちゃん)!!」

 

振り向くとフェイトちゃんとはやてちゃん、それにヴォルケンリッターの皆もいた

 

「皆が俺を出迎えるために集まってくれるとか・・・・・・泣けてくる・・・・・・ッ!!」

 

クリスちゃん以外は彼が本物か判断つかないのだろう、それぞれがデバイスを構えている

 

「機動六課部隊長の八神はやてです!そこの人、大人しく投降してください!」

 

はやてちゃんがデバイスを突きつけ威圧している

 

(彼が本物なんてわからんなら捕まえて話を聞き出せばええねん)

 

割と強引な結論だが今はそれ以外の方法が思い浮かばない

私達は顔を見合わせ頷くと自身のデバイスを突きつけた

隣でクリスちゃんが笑いを堪えているのが気になった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

  Side 神楽 悠斗

 

 

今の状態はM(マジで)K(Killされる)5(5秒前)だ

なのちゃんに続きクリスも来て、その後すぐにはやてやフェイトそれにヴォルケンの皆も来てくれた

俺を歓迎するためにここまでしてくれるなんてッ!

 

今すぐにでも泣いて再開を喜びたいと思っていたが

 

「機動六課部隊長の八神はやてです!そこの人、大人しく投降してください!」

 

こんな言葉をかけられるなんて思っていなかった、デバイスまで突きつけられる始末である

 

(クリスさんよ、説明をたのます)

 

余りにも状況が飲み込めない、何故こんなにデバイスを突きつけられなければならないのだ・・・・・・

 

(単純なことだよ、君がこちらに来たと同時に次元震が起きたんだ。その現場には君がいたけど・・・・・・行方不明だった君がここにいるはずがない。皆はそう思っているんだろうね)

 

笑いを堪えながら念話に答えてくれるあたり腹が立つ。こいつは絶対にこの状況を楽しんでいる

10年経っても性格ってのは変わらないんですね。むしろ更に歪んでいる気がする

 

当然俺に戦う気はない。誤解を解こうと一歩踏み出したところ

 

「皆気をつけるんだ!来るよ!!」

 

クリスが満面の笑みを崩さぬまま叫んだ

 

「クリスてめぇ覚えてろよ!!」

 

俺の叫び声は届くことなく六課主力が殺到した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィータとシグナムがそれぞれ俺を切り裂こうと、叩き潰そうと上段から襲いかかる

 

バックステップで躱し、そのまま俺も空に浮かぶ

 

(兼元、勝率はわかるか?)

 

《主の今の状態なら、五分がいいとこであろうな。どれだけ善戦してもクリスとやらに引き分けで終わるであろうよ》

 

確かに、クリスの特典は驚異的だ。俺があいつの目の前で大技を出せばアイツは一部の狂いもなく学習し同じ技をぶつけてくるだろう

 

(まぁいいさ、クリス以外は話を聞いてくれるか不安だし・・・・・・)

 

「倒させてもらうぞ、機動六課!!」

 

叫びながら俺は刀を構える。少し離れたところで笑いながら観戦しているクリスに軽く殺意が湧いた

 

「ハァアアアアアア!」

 

目にも止まらぬスピードでフェイトが近づく、魔法で速度を上げているのだろう

 

《ソニックムーブ》

 

彼女の動きに対処するために俺も速度を上げる

 

白と黄色の軌跡が空を彩る

 

「ディバイーン・・・・・・」

 

凄く不吉な単語が聞こえてきている気がする

 

「バスター!!」

 

瞬間桃色の光の奔流が襲いかかる・・・・・・。フェイトとつばぜり合いの形で拮抗していた俺はなんとか直撃は避けるが、バランスを崩し隙が生まれた

 

「紫電、一閃!!」

 

その隙を逃してくれる訳もなく、シグナムの追撃が入る

 

《プロテクション》

 

兼元が即座に防御魔法を発動してくれるがそのまま吹き飛ばされてしまう

 

「轟天、爆砕!」

 

吹き飛ばされた場所に待ち構えるはヴィータだ。彼女のデバイスであるグラーフアイゼンが数十倍ほど巨大化しまるで野球でもするかのように構え・・・・・・

 

「ギガントシュラーク!!!」

 

轟音と共に俺を叩き潰そうと振り抜いた

 

「野球じゃねぇんだぞロリっ娘ぉ!!」

 

振り抜かれたアイゼンを躱すのを諦め、巨大化したアイゼンに足を乗せ反動でシグナムに斬りかかる

彼女も最早こんな行動は予想していなかったのだろう、驚きでその身は固まったままだ

 

「もらったぶら!?」

 

その隙に兼元を振りぬこうとしたら横からザフィーラに殴り飛ばされた

吹き飛ばされ木を巻き込み停止する

 

「彼方より来たれ、やどりぎの枝。銀月の槍となりて、撃ち貫け!」

 

「それは洒落にならないからやめんかぁ!!」

 

はやての周囲に石の槍が数本現れる、それに対し俺も同じ本数光の矢を出現させ向かい打つ

 

「石化の槍、ミストルティン!」

 

「ホーリーランス!」

 

2種類の矢がぶつかり、衝撃で砂煙が立ち上る

 

それを切り裂くように二つの黄色い光刃がブーメランのように回転しながら挟み込む形で襲い来る

 

直撃する瞬間にしゃがみ回避する

 

 

 

 

というかこの人たち容赦なさすぎ、特にヴィータとはやて

ヴィータお前のギガントシュラークこんなホイホイ出していいもんじゃないだろ

そしてはやて、お前は俺を殺す気なんだな、違いない

 

(クリスさん見てないで助けてください。早くしないと俺の髪が新天地を求めて飛び立ちます)

 

(ストレスで禿げるのかい?それはそれで見てみたいな)

 

(笑い事じゃねぇから、洒落になってねぇから!)

 

(まぁ皆君が何も言わないで消えていったからね、色々と言いたいことがあるんだろうけど言い出せないんだよ。それを受け止めて上げるのも男ってもんだよ?)

 

受け止めたら俺が塵と化すのでNoThankYou

 

(それに君ならこれくらいなんとかできるだろう?)

 

(・・・・・・お前後でフォロー手伝えよ?)

 

(フォローするような状況だったら喜んで)

 

念話を切り目の前の事に集中する

念話で動かなかった俺を警戒していたのだろう、皆動かずにこちらを見ている

 

(取り敢えず厄介な砲撃娘から堕とす、サポートは任せるぞ兼元)

 

《任された》

 

心強い相棒の返事を受け、俺は飛び出す

俺の意図に気づいたのだろう、フェイトにシグナム、ヴィータにザフィーラがそうはさせまいと進路上に立ちふさがる

 

ならば俺の取るべき手段は

 

《フラッシュムーブ》

 

音よりも早く光速に

ソニックムーブの上位版で更に速度を上げ通り過ぎる

 

「「「「え(な)!?」」」」

 

背後で驚きの声が上がり、俺の方に追いつこうと動き出している

はやては詠唱を中断し俺にバインドを発動させてくる

なのはは闇の書に使ったエクセリオンバスターA.C.Sで俺がバインドに捕まった所を攻撃するつもりだったのだろう

 

俺の周りにバインドが展開されたと同時に俺は速度を上げはやての眼前に現れる

 

「「!?」」

 

声にならない驚きの声が二つ聞こえた、片方は眼前のはやてから、もう片方はバインドに捕らえられたなのはだろう

 

動きが固まったはやての頭に手を乗せ独自のバインドをかける

 

「お前はもう少し近距離に対応できるようになったほうがいいけど・・・・・・スタイル的には無理な話だな」

 

ポンポンと頭を叩いているとはやてが「あうあう」という言葉と共に顔を赤らめていった

相変わらずこういう時だけお持ち帰りしたくなるものである

 

「なのちゃんはあれだな。・・・・・・怖い」

 

「怖いって何!?」

 

なのはのテンションが沈んでいっているが気にしない、そりゃ怖いだろう。A.C.Sでイキナリ突撃しようとしてくるんだもん

 

一先ず二人の砲撃娘の無力化に成功

残りの近接特化も早く片付けないとまずい、後にはクリスが控えているのだ

 

「シグナム!」

 

「わかっている、遅れるなよテスタロッサ!」

 

シグナムとフェイトが呼吸を合わせ斬りかかる

 

《コンセントレイション》

 

右に左、上から下に、時には背後から、時にはその武器の形状を変化させて。襲いかかるすべての攻撃を集中力を高めギリギリで回避する

 

「飛竜!一閃!」

 

痺れをきらしたシグナムが距離を取り連結刃を振り抜く

 

「――・・・・・・フッ!!」

 

それに対し俺は兼元を正面に構え、光速で突進していく。その姿はさながら彗星の如く光の尾を発しながら突き進む

それにより生じた突風が連結刃を弾き飛ばす。吹き飛ばされた連結刃はそのままフェイトに向かって伸びていくが、プロテクションによって阻まれる

 

「何!?」

 

俺はそのままシグナムの胸に向かって突きを放つ

しかし突きはシグナムに当たってもダメージは入らない、目的は意識を奪うことではない

兼元が触れたと同時にシグナムをバインドが包む

 

「あと3人・・・・・・」

 

しかしこれ以上手数を晒すのは正直嫌だ、学習馬鹿に覚えられるのも少なめにした方がいいだろう

 

《フラッシュムーブ》

 

更に魔法を重ねがけし、速度を上げる

 

向こうに俺の姿は見えているだろうか?

俺が消えると同時にヴィータとザフィーラに小さな刀傷が浮かぶ

俺はひたすらに繰り返す、繰り返す、繰り返す、繰り返す

 

「漸毅、狼影陣!!」

 

切り終わると共に2人は堕ちていくがバインドをかけゆっくりと下ろす

 

「ヴィータは最初から飛ばしすぎだ、もう少し落ち着いて戦え。ザッフィーはそのなんだ、楯の守護獣超頑張れ」

 

地面に下ろし上空を見上げる、残るはフェイトのみだが彼女も肩で息をしている状態だ

 

「よく今のを捌ききったなー。やっぱり速度じゃフェイトの方が上なのかな?」

 

「そんなことないよ、正直目で追うのが精一杯だったし・・・・・・。いくつかバルディッシュで防いでもらってたからね」

 

途中プロテクションに防がれた感覚があったのはフェイトだったのか

 

「なるほど納得、まぁでもそろそろお前も休め、疲れただろう」

 

「休みたいけど・・・・・・管理局員として犯罪者の可能性があるあなたを放っておくわけにはいかない・・・・・・」

 

などといっているがその顔は笑っている、内心俺が本物であると分かっているのだろう

 

「ならしゃーない、無理にでも退場してもらおう」

 

空が暗雲に包まれる、皆が何事かと頭上を仰ぎ唖然とする

そこにあるのは雷で象られた紫色の巨大な剣、俺のお気に入り『サンダーブレード』だ

それがフェイトに狙いをつけている

 

「悠斗・・・・・・?非殺傷設定でもさすがにこれは・・・・・・」

 

顔をヒクつかせこちらに語りかけるが

 

「何安心しろ、峰打ちにするから」

 

現実は非情である

 

「いや峰なんてないから―――!!」

 

フェイトに向かって放たれ、響く轟音。

煙が晴れるとそこには空中に座り込むフェイトがいた

 

「ごめんな、ちょっとやり過ぎた・・・・・・」

 

言いながらフェイトに近づきバインドをかける

 

「さて終わらせたぞそこの鬼畜女装女」

 

クリスを睨みつける、元はと言えばあいつが余計なことを言わなければこんなことにはならなかったのだ

 

「女装女ってのもおかしな言葉だね。それは置いといて悠斗は本当に強いね、リミッターかけられてるとはいえ皆倒しちゃうんだもの」

 

「げ、こいつらまだ強くなんのか・・・・・・。偉そうに講釈たれちまったぞ・・・・・・」

 

リミッターについては素直にわすれていました

 

「さてと悠斗、僕も少し踊りたいんだけどご相手頼めるかな?」

 

笑いながら眼帯を外しBJを展開するクリス

 

「断ってもきかないんだろうどうせ、野蛮なお姫様もいたもんだ」

 

互いに笑いながらデバイスを構える

 

「それじゃあ踊ろうか王子様!」

 

「応よ!かかってこいおてんばお転婆姫!!」

 

―――そして、転生者は激突する


 
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