No.461326

魔導師シャ・ノワール 無印偏 第三話 願望の形はいろいろ

ertiさん

神様などに一切会わずに特典もなくリリカルなのはの世界へ転生した主人公。原作知識を持っていた筈が生まれ育った厳しい環境の為にそのことを忘れてしまい。知らず知らずの内に原作に介入してしまう、そんな魔導師の物語です。 ※物語初頭などはシリアス成分が多めですが物語が進むにつれて皆無に近くなります。 ※またハーレム要素及び男の娘などの要素も含みます。さらにチートなどはありません。 初めて読む方はプロローグからお願いします。

2012-07-28 21:40:17 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2533   閲覧ユーザー数:2381

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海鳴市 ビル街 とある屋上

 

 

 

 

「うん・・・ノワールさんが取ってきてくれたデータで大分絞り込みは出来たよ」

 

「すまないな。探知や補助魔法の類は苦手でね」

「いえ、大分楽に探索ができました。ありがとうございます」

 

「今日はもう帰るか?派手に動けば他の魔道士とも遭遇しかねない」

「・・・もう少し探します。アルフも頑張ってくれてますし」

「そうか?高域探査は体力使うだろう、大丈夫なのか?」

 

「はい、問題ありません。私、強いですから」

 

「なら、別にいいが・・・な」

 

こんな年齢の子供が高域探査の魔法を使って。さらに使い魔まで持っている。

才能に溢れた子だな。それ故に加減を知らないような気もするが。

俺はあくまで雇われた側だ。大きな問題が出ない限りは助言するくらいに留める。

 

 

そして、それから数時間後、位置特定もかなり絞れた後でマンションに三人で戻る。

睡眠を取った後に更に特定をして回収に向かう手筈となった。

 

 

 

 

 

 

そして、物事は思いも寄らぬ出会いを生んでしまう。

 

 

 

 

 

 

広域探査も封印魔法もまともな精度で使えない俺は、常にフェイトの近くで警戒する形で、

ジュエルシードがあると思われる屋敷近くに二人で近づいていた。

彼女の使い魔であるアルフは別の場所に行って探査を行っている。

 

ドクンッ!

 

「なんだ・・・これ?」

「きっとジュエルシードが発動したんだと思います。急ぎましょう」

「あ、ああ・・」

 

途轍もない魔力の波動が体を通り抜ける。その感覚が妙な胸騒ぎを覚えた。そして...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ・・フェイトさん・・・あれがジュエルシードか?」

「・・・・封印します」

『ニャオオオン!』

スルーか・・・まあ、誰でもそうなるか。

というのもジュエルシードの反応を追って屋敷の塀を越えた先の森の中では巨大な。

そう、それはもう巨大な猫が大きな足音と鳴き声をあげて歩いている。

 

とても、シュールで可愛い光景だった。あれか?大きくなりたいとか思ったのか?あの猫は

ジュエルシードは願いを叶えるロストロギアだった筈だが。あんな形でも叶うのか・・・

末恐ろしいなジュエルシード。

 

 

 

 

「電撃・・フォトンランサーセミオート」

『フォトンランサー!セミオートファイア!』

 

《バシュン!》

フェイトがバルディッシュと呼ばれる武器と同じ形状で名前のデバイスから黄色い魔法弾を放つ。

直線に飛んで行く魔法弾は狙い違わず巨大猫に直撃して。衝撃と電撃が襲った。

『ミギャアア!!』

 

「へぇ、電撃属性持ちか。すごいな」

「べ、別にそれくらい普通です・・/// バルディッシュ、フォトンランサー」

 

『フォトンランサーフルオートファイア!』

《ドドドドドッ!》

『ミギィイイイイイイイイイイイイ!!!』

なにを照れたのか知らないが。やや顔を赤くして照れ隠しとばかりに魔法弾を連射し始めた。

猫が可哀相だ・・んっ?魔導師の気配が。

 

「客のお出ましのようだ。フェイトさん」

「魔導師ですか?」

「ああ、片付けて来ますよ。そっちはジュエルシードを」

「わかりました。あ、あの!」

 

「なんだ?」

「き、気をつけて」

 

「・・了解した」

 

自分の顔を手でなぞり、黒いマフラーを展開して顔を隠して森に侵入し。

既にガンブレードも展開済みで右手に構えて地面を這うように疾走した。

体を魔法で加速していたので十秒ほどで目標に辿り着く。

 

 

見えたのは、赤いデバイスコアの杖型インテリジェンスデバイスを持つ。白のバリアジャケットに身を包んだ子供?

 

 

ツインテールの栗色の女の子だが。魔導師相手に年齢は関係ない。

情報を聞き出すためにも無力化して捕らえるか。抵抗が激しいなら始末してしまおう。

 

 

「なのは!」

「え?『プロテクション!』きゃあああッ!?」

《ガキィン!パリィン!》

 

狙った魔導師を背中から斬りつけたにも関わらず。素早く使い魔らしき動物が声を掛けて障壁に阻まれてしまった。

咄嗟の展開したオートの障壁は容易く破れたが。その先に控えていたバリアジャケットが異様な防御力で硬い。

防御力は団長並みか?一応は斬り飛ばしたがダメージは殆ど通っていないだろう。

 

 

「やめてください!行き成りなんですか貴方は!僕たちと同じ魔導師がなんで!」

「痛てて・・ユ、ユーノくん。私は平気だから」

「・・・抵抗しないなら生命は保証しよう。投降してくれ。子供を殺すのは忍びない」

 

ガンブレードをなのはと呼ばれた子供に殺気と共に向ける。

 

「こ、殺すって!?」

「貴方はまさか非殺傷設定を外しているんですか!?」

 

「なにを甘いことを言っている?敵同士なら殺すか殺されるかだろう?

 で、どうするんだ?投降するかここで殺されるか、どっちがいい?」

 

 

なのはという魔導師が戸惑うように口を開いた。

 

 

「は、話し合うことはできないんですか?」

「小娘、俺が聞いているのは投降か死ぬかどちらかだ。話し合いは無用、次の返答次第では殺すぞ」

「そ、そんな・・・」

 

この程度に怯えている魔導師なら命のやり取りはしたことがないのだろう。

 

しかしそんな事は俺には関係ない。強いものが生き残るただ、それだけだ。

 

 

「・・・返答無しか。なら..「待ってください!自分はどうなっても構いません!」「ユーノ君!?」はあ・・・」

 

「この子は僕が巻き込んでしまっただけなんです。お願いですこの子は」

「茶番に付き合うつもりはない。この場に居る時点で関係者だだろう?」

 

 

《ドドドッン!》

少し離れた位置で黄色い稲妻が雷鳴と共に空から降り注ぎ。念話が届いた。

 

【ノワールさんジュエルシードの回収は終わりました】

 

雷鳴を落とした雲の下に浮んでこちらを見下ろしているフェイトの姿が見える。

 

【そうか。こちらは見ての通り魔導師の子供とその使い魔と睨みあってる。相手は素人だ、始末したら帰るから先に撤退してくれ】

【し、始末って!こ、殺す必要があるんですか!?】

 

やや慌てた声でフェイトに質問される。

 

【殺さない必要はあるのか?】

【その・・出来れば穏便に済ませてくれませんか?あまり人に迷惑を掛けるのは・・あまり・・・】

 

【・・・。わかった、言われた通りにしよう】

 

優しい女の子だな。仕事がやり難くて敵わないぞこれは。

 

 

「彼女は殺しは好きじゃないらしい。命拾いしたな二人とも」

「「・・・・」」

 

沈黙する二人を無視してガンブレードを腰の鞘に戻し。その場から立ち去ろうとするが。

「なー!のー!はー!無事か!?怪我はしてないか!?」

 

 

突然、輝くような銀髪と赤と緑のオッドアイが特徴的な美少年がこれまた煌びやかな輝く大剣を手に空から現れ。

俺となのは達の間に降り立ち。俺に向かってその大剣を構える。

 

 

 

「え、え?グリント君?なんでここに?」

「愛しの女の子の前に来ることが不思議なことかい?それと僕のことはレ・オ・ンでいいって♪それでこいつはなんなんだ?」

 

なぜだろう・・目の前に現れた美形の少年の顔を無性に殴りたくなった。

 

「よ、よく分からないの。と、突然、現れてジュエルシードが」

「ははっ!僕が来たからには、怯えなくてもいいんだよなのは。こんなイレギュラーくらいすぐに僕が倒してあげるからね」

 

銀髪美少年がそう言いながら後ろに振り向いて・・多分、ウインクしている。

その仕草に思わずなのはが一歩二歩と後ろに下がって引いていた。かなり痛い奴のようだ。

 

「き、危険です!グリントさん!彼は闇世界の人間です!」

「大丈夫さユーノくん!僕に掛かればこんなや「フッ!」ふギュアあああ!!」

《ベキッ!ドサッ!》

 

俺が拳で殴りつけた少年は顔から鼻血を噴出しながらクルクルと体を回転させて地面に倒れ。

そして何度か痙攣したかと思うとそのまま気絶してしまった。

 

「すまん、隙が多すぎるからつい・・・・」

 

「「かっこ悪い」」

 

助けに入ったというのに一人と一匹から散々な評価をされた少年は些か可哀相だが。

敵の目の前で堂々と後ろを向いたり。女を口説いているような奴は早死にする。

これは団長が言っていた死亡フラグという物らしい。戦場では常識だとか。

 

 

「はぁ~・・・では、改めて失礼するよ。俺達の前にもう現れるなよ」

「あ、あの!名前を教えてください!」

「名に意味などあるのか?敵同士で」

 

「どうしたの?」

思わぬ足止めをされて居た為。フェイトが降りて来てしまった。

 

「いや、今から離脱するところだ」

「な、名前を教えてくれませんか!?」

 

「?」

 

「相手にするな。離脱するぞ」

「あ、はい。わわっ///」

 

このままだと話を続けるとお茶会にでも発展しかねないのでフェイトの手を取り、空に浮び始める。

 

「わたし!高町 なのは!聖祥小学校三年生!君の名前は!?」

「私はフェイト・・・フェイト・テスタロッサ」

「はあ・・・」

なんで名乗るかねぇ。お遊びの宝探しをしている競争相手じゃないんだぞフェイトさんよぉ。

現場上司にあたるフェイトの行動に溜息を付きつつ。比較的、楽にジュエルシードが回収できたのでまあいいかと自己完結した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それにしても高町か・・・この苗字は今居る海鳴市では多いのだろうか?偶然だとは思うが少しだけ気になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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