No.461158

真恋姫†夢想 弓史に一生 第三章 第八話 宵に見えた流星

kikkomanさん

どうも、作者のkikkomanです。

中途半端な時間に更新となってしまいましたが、それに関してはすいません…。すこし、忙しかったもので…。


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2012-07-28 17:19:40 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3068   閲覧ユーザー数:2703

~聖side~

 

 

「ナニヲイッテイルノカナキミタチ??」

 

「酷い!!」

 

そう言って、芽衣は泣きながら膝から崩れ落ち。

 

「聖様は私と交わしたあの約束、そしてあの夜のこと『わあ!!わあ!!』」

 

…爆弾を投げ込んできた…。

 

そして、同調するように奏と橙里が追い討ちをかける…。

 

「そうだぜ!! お頭が私に言ってくれたことは嘘だって言うのかい? それに、あの夜『わぁぁぁぁぁ!!!!!』」

 

「…何時になったら、私に手を出して『わあああぁぁぁぁ!!!!』」

 

「はぁはぁ…。分かった、俺も男だ。認めようじゃないか。確かに、君たちは俺が愛する人で、皆も俺を愛していると…。」

 

「なら、お嫁さんでも良いですよね~?」

 

「文句はないよな?」

 

「早く手を『わぁぁああ!!!!』」

 

何だろう…。何か釈然としないが…。まぁ、仕方ない…。

 

「…はぁ~…。 分かったよ…。俺もはっきり言わない所はあったからな…。 …お前たち三人は、俺が大好きな人たちだ。これからも、俺の傍に居てくれるかい??」

 

「…はいっ!!! …喜んで…。(ポロポロ)」

 

「お頭の事は、あたいが命に代えても守るからな。」

 

「早く『しつこい!!! しつこい女は嫌われるぞ。』あわわわっ、ごめんなさいです。この通り謝るです。だから見捨てないで欲しいのです。」

 

ナデナデ。

 

「捨てるもんか。 …橙里だって、俺の大事な人だからな。」

 

「はいです!!!! 私にとっても、先生は大事な人です…。」

 

「なら、悪いけどもう少し待ってな…。機会が訪れるまで…。(ぼそっ)」

 

「えっ!! …はいです!!!」

 

顔を赤くしながら答える橙里が、無性に可愛かった。

 

「あの~…。申し訳ないのですが…。うちの生徒たちの前で、そういう事されても困るのですが…。」

 

「「「「はっ!!!! …申し訳ないです。」」」」

 

「「「「「モジモジ( ///)」」」」」

 

見ると、水鏡塾生達は皆、顔を赤くしながらモジモジとしている。この空気に落ち着かないのだろうな…。

 

「まぁ、英雄は色を好むもの。あなたは英雄の器を持っているのでしょうね。なら仕方のないことではないでしょうか。」

 

「きょ…恐縮です…。」

 

「なんなら、うちの子達全員、貰ってあげてくださいな。(コソッ)」

 

「えぇぇぇ!!!!????」

 

「…なにやら、嫌な予感が~…。水鏡さん、そのお話は私が…。(コソコソッ)」

 

「あらっ?そういうことなの?? じゃあ…。(コソコソッ)」

 

なにやら二人で角のほうで話し始めてしまった…。何か、とてつもなく嫌な予感しかしない…。

 

「徳種様。もしよろしければ、また質問を始めたいのですが…よろしいですか?」

 

「あぁ、なにやらあっちはあっちで話してるみたいだし、授業はやりきらないとね…。」

 

「はいはい!!!じゃああたしが質問する!!!」

 

「どうぞ、馬謖ちゃん。」

 

「あのね…その…徳種さんってそっちの方凄いの?? 凌統さん!!」

 

「ぶふっ!!!」

 

それ系統は終わったんじゃないのか…?

 

「ふふふっ。 あぁ、そりゃあもう…。」

 

「奏も答えないの!!!!」

 

「じゃあ、合ってるってことなんだ…。いや~ん、徳種さんのケ・ダ・モ・ノ♪」

 

「何で話がそっちの方ばかりになるのやら…。」

 

「そっ…そうだぞ、馬謖。あまり人の事に口を突っ込むな…。徳種さんだって困ってるだろ。」

 

「じゃあ、簡擁ちゃんだけ聞かなきゃ良いじゃん。他のみんなは聞きたいみたいだし♪」

 

後の三人の方を見ると、顔を真っ赤にしながらも、真剣に話を聞く態度になっている…。女子高に行く、新任の男の先生ってこんな感じなのかな…。 怖いな…。

 

「さぁさぁ、授業ももう直ぐ終わりよ? 聞きたいことは済んだ?」

 

何時の間にやら、芽衣との話が済んだ水鏡先生が皆に告げる。何故、その顔がほくほくなのかは、聞かない事にしよう…。

 

「えぇ~もう終わり~…。まだまだ聞きたいことがあるんだけどな~…。」

 

「聞きたいことがある人は、後で『直接』本人に聞きに行きなさいね。その時、無礼がないようにしっかりと気をつけること。よろしいですね、皆さん?」

 

「「「「「はい。」」」」」

 

授業が終わり、俺は自室に一度戻った。

 

橙里は、水鏡先生と話があるからと機嫌良さげに出て行き、芽衣はなにやら頭が痛いらしく、しばらく休むといっていた。

 

と言うわけで、暇な俺は、陽華の散歩がてら、奏と遠乗りに出かけることにした。

 

「なぁ、お頭良いのか?? 遠乗りなんてして。 体はまだ治ってないんだろ??」

 

「まぁ、傷は塞がってるし、多少運動しないと、肉がついて大変なことになっちゃうからな…。」

 

「ふ~ん。まぁ、お頭が行くって言うなら止めはしないけどさ。」

 

「ありがとう、奏。よしっ、じゃあ行こうか!!」

 

二人は馬を駆けて林道をひたすら走っていく。

 

目的地は近くの町にして、本当に散歩としておいた。近くといっても、水鏡塾は森の中にひっそりと立っているので、近くの町までおよそ五十里。馬で飛ばして片道二刻半って所である。

 

俺は馬上で奏と話しながら、近くの町まで一気に駆けていった。

 

二刻半後、俺たちは町に到着した。

 

この町はそれほど大きいわけではない。今まで訪れたことのある町に比べれば小さいのだが、村よりは大きいという程度である。市の賑わいもそこそこ…。何か掘り出し物でもないか、奏と一緒に市を見て回った。

 

ふと、装飾品の店の前で売られている商品に目を奪われる。

 

ここは、大きな中国でも真ん中辺り。そのせいか、北から南からの文化が入り混じり、独自の文化を形成している。その為、装飾品は見たことのないような物ばかり。しかし、一つ一つ凄く繊細に作業されていて、匠の技を感じるような仕上がりである。

 

とりあえず、物色していると。

 

「旦那、隣の彼女さんへのプレゼントですかい??」

 

「ん?? まぁ、そんなところかな…。」

 

「えっ、そんな…。あたいに…。( ///)」

 

「だったら、こんなんはどうですかね?」

 

「これは…指輪か??」

 

「へぇ、これは方角の四神を模して作られた指輪でして、白、青、緑、赤の色の玉をはめ込んであるんですよ。対の方角を表す指輪で、二人で対にしてはめても良し、四人の絆を確認するため、四人ではめても良しの優れもの。今日たまたま手に入ったお値打ちもんですよ!!」

 

「成程、青龍・朱雀・白虎・玄武をあしらってるのか、なかなか良い意匠の指輪だな。 …気に入った!! 店主、これをくれ!!」

 

「へいっ毎度!!お二つでよろしいですね??」

 

「いやっ、四つくれ。」

 

「四つ!? 彼女さんにあげるんじゃないんですかい??」

 

「他にも渡す相手が居るんだよ…。(コソコソッ)」

 

「かぁ~…。旦那も色男ですねぇ~。(コソコソッ)」

 

「そう言うな…。俺だって大変なんだぞ…。(コソコソッ)」

 

「羨ましい限りですよ。よっしゃあ、その苦労を考えて少しまけて、これぐらいで売りやしょう!!(コソコソッ)」

 

「良いのか??」

 

「へぇ、男に二言は無しってやつですよ。」

「そうか…じゃあこれお代な!!」

 

「へぇ、毎度…って旦那!! これじゃあ、正規の料金よりも貰っちまってるよ!!」

 

「良いんだよ。俺がお前の心意気に差し出した金だ!! 男に二言は無し、だろ??」

 

「はははっ、ちげぇねぇ~。じゃあ旦那、これも持って行ってくだせぇ。これはその指輪たちの核。金色の玉がはめ込まれたやつで、四神の守る中央にある大事なものでさぁ。本当は売る気はなかったんだが、旦那の心意気に惹かれやした。貰ったお代と引き換えだ!! 持って行ってくれ。」

 

「分かった。ありがとな店主。大事にするよ。」

 

「旦那もお達者で!!」

 

俺は奏と店を離れた。

 

奏は、何か不機嫌そうに見えたが、先ほど買った青色の指輪を渡すと、直ぐに機嫌が戻った。

 

まったく、女の子っていうのは現金だね…。

 

その後も町をぶらぶらしていたが、そろそろ帰らないと真っ暗になってしまうということで、俺たちは帰路についた。

 

街を出る時には、日は既に傾きかけ、辺りは夕方と夜の間のような明るさとなっていた。所謂、宵と言うやつだ。

 

「なにキョロキョロしてんだ??お頭。」

 

「う~ん…宵の明星を探してるんだが…なかなか見つからなくてね…。」

 

「なんだい? その、宵の何ちゃらって言うのは?」

 

「宵の明星ね。このぐらいの時間帯に、東の空に見える明るい星だよ。恒星の金星じゃなかったかな…。」

 

「ふぅ~ん。あたいは天体なんてまったく知らないからねぇ…。お頭は占いもやるのか?」

 

「いいや。俺は星を見ることは出来ても、そこから何か分かるわけではないからね…。」

 

「そうか。 …んっ?? お頭、あの星がそうじゃないか??」

 

「どれだ~…あぁ~あれか…。 確かに明るいが方角が……って、あの星だんだん大きくなってきてないか!?」

 

「なんか…大きく、明るくなってる気がするね…。」

 

「あれ落ちてるのか?? 落ちる先は…ここから先の荒野っぽいな…。」

 

「お頭は流星に乗ってきたんだっけか?」

 

「あぁ…。行ってみれば何か分かるかもしれない。行ってみよう!!」

 

「あぁ。」

 

二人は馬を走らせて、その星が落ちる場所へと向かった。

 

~○○side~

 

「う~ん…ここは…。」

 

目が覚めて辺りを探ると、日暮れの夕焼けを一望出来るようなそんな広大な荒野にいた。

 

見渡す限り何も無く、地平線が遥か彼方に見える。

 

「こんなところ、日本にあったかな…。」

 

しばらく呆然と立ち尽くすしかなかった。まだ、思考の整理が追いついてない…。

 

 

「おい、兄ちゃん。悪いことは言わねぇ。金目のもん全部置いてきな!!」

 

「けっひっひ。痛い目見たくなければ大人しくしてな!!」

 

「大人しくするんだな。」

 

「へっ?? うわわわ…コスプレ?? …剣も持ってるし!!! これって本物?? ドラマの撮影かなんかじゃないよな??(キョロキョロ)」

 

「何、訳分かんねぇ事言ってんだ!! 命が欲しかったら早く金目のもん置いてけ!!!」

 

「っ!!! 分かった、分かったから…。 え~っと…財布に金あったかな…。 あぁ~…千円しかないんでこれで許してくれませんかね…。」

 

「何だこの紙切れ!? こんなんで俺たちを騙すつもりか!? おちょくってんのかお前は!!!」

 

「やっぱり駄目ですよね…。でも、今本当に手持ちが無いんですよ…。」

 

「金がねぇならその服を置いてきな!! こんな暗がりで、それだけ光ってんだ…良いものに違いねぇ。」

 

「たっ…ただのポリエステルですけど…。」

 

「ぽりえすてーるだ??」

 

「ポリエステルですって!!」

 

「だぁ~もう、そのぽりえすてーるとか言う服を置いてきやがれ!!」

 

「ただの学生服なんだけどなぁ~…。」

 

「つべこべ言ってねぇで早くするんだな!!」

 

「分かったよ…。まったく、今日はついてない『ドシャッ』な…??」

 

「なっ!! 何だ、何が起こった!?」

 

「兄貴!!矢だ!! デクの頭に鏃が潰してある矢が当たったみたいだ!!」

 

「何だと!? 弓兵なんて一人も見えな…おいっチビ!!あれ見ろ!! あっちから二騎やってくるぞ!!」

 

「ほんとでやんすね。 …ってことは、あの距離を射抜いたってことですかい? ひぃ~化けもんだ…。」

 

「おい、早く逃げる準備だ!! 早くしないと、俺たち『シュッ』も…。『ドシャッ』チビ!!おい!!しっかりしろチビ!!」

 

「どこかで見たような奴だと思ったら…。またお前らか…。」

 

「あっ…あんたはあの時の!!」

 

「まだ懲りずにこんなことやってんのか…。一度お灸をすえてやった方が良いか?」

 

「かっ…勘弁してくれよ!! 俺たちだって生きるために必死なんだから。」

 

「はぁ~…。まぁ、この世界じゃしょうがないわな…。 おい、そこのヒゲ!! どうしても困ったら、広陵の町に行け!!そこで県令の男に仕事を求めろ!! 俺の名前を告げてな…。やつは、俺の部下だから、少しくらい融通を利かせてくれるはずだ。」

 

「あんた、俺たちに仕事をくれるのか?あんた一体…。」

 

「俺は天の御使いだよ…。(ボソッ)」

 

「っ!!! あんたがあの…。へっ、天に運命任すってのも悪くは無いかもな…。」

 

「そう思うんなら行ってみてくれ。あんたの活躍に期待してるよ。」

 

なんだかさっきから置いてきぼりな俺…。

 

それにしても、さっきまでの男と違って、この男は日本の弓道の衣装を着ている。

 

なんだ?? やっぱりコスプレ大会か何かなのか?? それに、さっき広陵って…。そんな地名日本にあったかな…。

 

 


 
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