No.457443

真・恋姫†無双 ~我天道征~ 第3話

seiさん

3人との共同生活が始まった。
一刀は、3人とどのように過ごしていくのか。
また、種馬スキルが発動してしまうのか?

今回は連続投稿してみました。

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2012-07-22 15:43:46 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:6125   閲覧ユーザー数:4835

 

 

 

 

 

 

 

 

注意 本作の一刀君は能力が上方修正されています。

 

   そういったチートが嫌い、そんなの一刀じゃないという方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この村での3人との共同生活が始まった。

3人は食料を分けてもらうために、村の人たちの畑仕事を手伝いにいった。

 

 

俺はといえば、現在山の中にいる。この辺りの山は食材が豊富に採れる(俺が落ちた所は岩だらけの山なので論外だが)のだが、

険しく入り組んでおり、また最近は流れてきた賊がたむろしてるらしい。

そのため、豊富に採れる食材が手つかずで残っているらしい。

そこで俺は、世話になった3人に少しでも恩を返せればと思い、それを採りにきたのである。

 

一刀「この山菜はいけるな。お、キノコもたくさんあるな♪」

 

そう俺は嬉しそうに、採った食材を背中の籠へと入れていく。

じいちゃんとの修行で山にはなれているし、食べられる食材にも詳しくなった。

 

一刀(そういえば変なキノコ食べて、3日3晩魘されてからだよな、食材に詳しくなったの・・・)

 

昔のことを思い出し、少しテンションが下がってしまった。

 

 

その後、籠一杯に食材を採った俺は、近くに流れている小川に来ていた。

 

一刀「お、いるいる。水も澄んでるし、俺の時代とは全然違うよな。」

 

などと感嘆の声を漏らし、魚取りを始めることにした。

川を泳いでいる魚の動きに集中して小刀を投げ、次々と命中させていく。

そうしてしばらく魚取りをした俺は、大量の食材をもって、村へと戻ることにした。

 

 

村を出るときから気にはなっていた。

村に着き、仮の住まいである空き家へと向かう間にもその疑念は大きくなり、

 

一刀「げっ!」

 

村のお爺さんが読んでいた書物が目に入った時、それは確信へと変わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【side 人和】

 

地和「あ~、疲れた~。」

天和「お腹へったね。」

人和「家に着いたらすぐに作るから待ってて。」

天和「え~、お姉ちゃんもうお腹ぺこぺこだよ~。」

地和「私も、今日は限界かも。」

人和「私だってそうなんだから、姉さんたちも少しくらい我慢して。」

 

そんな言いあいをしながら私たちが家へと入ると、奥から美味しそうな匂いが漂ってくる。

私がなんだろうと考えていると、

 

一刀「おかえり、3人とも。」

 

一刀さんが笑顔で迎えてくれた。

 

 

一刀「夕食の支度ができてるから、冷めないうちに食べちゃってよ。」

 

私たちは一刀さんに促されるがまま居間へと向かう。

そこには、たくさんの料理がおいしそうな湯気を出しながら並べられていた。

 

天和・地和「「わ~♪」」

 

姉さん達は、それを見るやいなやすぐにその皿へと飛びついてしまった。

 

人和「一刀さん、この料理は一体?」

一刀「ああ、俺が作ったんだよ。料理なんて普段あまりしないから、美味いかどうか心配だけど・・・。」

天和「おいし~い♪」

地和「なかなかやるじゃない。」

一刀「ははは、口にあって良かったよ。」

 

姉さんたちの言葉に安心したのか、一刀さんは胸をなで下ろすが、

 

人和「そうじゃなくて! この食材はどうしたんですか?まさか買ってきたわけじゃ・・・」

一刀「ああ、違う違う。山で採ってきたんだよ。

   さすがに調味料は無理だから、村の人に採ってきた食材とで交換してもらったけど。」

人和「山って、結構深くまで行かないと採れないはずじゃ。」

一刀「ああ、でもそのおかげで大量だったよ。」

 

一刀さんは、何でもないといったような気軽さで答える。

 

 

一刀「そんなことより、人和も早く食べちゃいなよ。でないと・・・」

天和「あー!ちぃちゃん、それお姉ちゃんが狙ってたのにー。」

地和「姉さんだって、私のやつ食べたでしょー。」

一刀「2人に全部食べられちゃうぞ。」

 

まだ一刀さんに質問をしたかったが、このままでは本当に全部食べられそうだったので、先に頂くことにした。

 

人和「それじゃ、いただきますね。」

地和「人和、早く食べないと姉さんに食べられちゃうわよ。」

天和「え~、ちぃちゃんのほうがたくさん食べてるよ。」

人和「姉さんたち、私の分もちゃんと残しておいてね。」

 

 

そんなにぎやかな食事が終わり、私はあらためて一刀さんにお礼をいう。

 

人和「食事、ありがとうございました。」

一刀「皆に喜んでもらえて良かったよ。」

 

一刀さんは本当に嬉しそうに微笑む。

しかし私は、きちんとやっておかないといけないことがある。

 

人和「この分は、後でお返ししますので。」

一刀「えっ!?いや、いいって。これは助けてもらったお礼のつもりで用意したんだから。」

人和「いえ、そういわけにはいきません。

   確かに一刀さんを見つけたのは私達ですが、実際に村まで運んで介抱したのはここの村の人達です。

   だから、この食事をただで頂くわけにはいきません。」

天和「え~、そんな~。」

地和「一刀が御馳走してくれるって言うんだから、別にいいんじゃない。」

人和「姉さん達は黙ってて。こういうことはしっかりやっておかないと、後々面倒なことになるの。」

 

そういうと、姉さん達はむくれながらも黙ってくれた。

 

 

一刀さんは困ったような顔で頬を掻いていたが、

 

一刀「じゃあさ、代わりに文字を教えてくれないかな。」

人和「文字、ですか?」

一刀「そう。どうやら会話は普通にできるんだけど、こっちの文字はさっぱりわからないんだ。」

人和「それで、文字を教えてほしいと。」

 

一刀さんが天の世界から来たというなら、確かにこの国の文字はわからないだろう。

それならば、なんとかこの食事分くらいの礼はできるだろうと私は考え、

 

人和「わかりました、その依頼引き受けます。」

一刀「いいの、ありがとう♪ それじゃあ授業料として、その間も食事を用意させてもらうよ。」

地和「え、ほんと!?」

天和「わ~い、やった~♪」

人和「なっ!それじゃ意味が・・・」

一刀「さっき、引き受けるっていったじゃん。

   それにこれは俺がしたいからしてることなんだし、これでおあいこってことでね。」

 

一刀さんは、そんなことをいって微笑む。

私は顔が熱くなるのを感じながらも、それをごまかすように、

 

人和「はぁ~、わかりました。でも、手は出さないでくださいね。」

一刀「俺って、そんなことしそうに見える?」

地和「あんた、自分が何したか忘れたの?」

天和「たしか、私の胸を・・・」

一刀「本当にすいません。あの時のことは本当に悪かったって思ってるから、許して下さい。」

人和「ふふ、冗談ですよ。」

一刀「ううぅ、勘弁してくれよ。」

 

こうして、その日の夜から私と一刀さんの勉強会が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【side 地和】

 

一刀のおかげで、ご飯の心配がなくなった。

姉さんを襲ったことはまだ許してないけど、食事は美味しかったし、その点だけは認めてあげようと思う。

とにかく、これで畑仕事から解放されて、本業の歌に打ち込める。

次の日、私たちは意気揚々と近くの町へと向かった。

 

 

・・・・・・が、結果は散々だった。

足を止めてくれる人もいるが、すぐにどこかへ行ってしまう。

一日粘ってみたが、大した路銀も集まらなかった。

私たちは、重い足取りで村へと戻る。

 

 

一刀「おかえり。」

 

一刀が笑顔で迎えてくれる。

家には、昨日と同じく美味しそうな食事が用意されており、私たちはそれを食べることにした。

 

一刀「歌の方はどうだった?」

 

一刀がそんな思い出したくもないことを聞いてくる。

 

人和「全然ダメでしたね。」

一刀「えっ?」

地和「だから、ダメだったって言ってんでしょ!!」

 

私はうまくいかなかったイライラもあり、一刀にあたる。

 

 

一刀「ご、ごめん。3人なら、すぐ人気もでると思ってたから。」

地和「何いってんの。人気をとるってのは、そんなに甘くはないんだから。」

一刀「そうだね。でもそれくらいであきらめる地和じゃないだろ?」

地和「当然でしょ。大陸一の歌姫になることは、私たちの小さいころからの夢なんだから。」

一刀「それじゃ、これくらいの失敗で落ち込んでなんかいられないな。」

地和「あ、当り前でしょ。みてなさい、明日は成功させるんだから。」

一刀「ははは、それでこそ地和だ。」

 

なんだかんだで一刀に励まされてしまった。

少し釈然としないが、まあ悪い気はしない。

 

 

その次の日もまた歌うが、やはり結果はいまひとつだ。

空が赤くなり始めたため、これで最後にしようと歌い始めた。

するとそこに、一刀がやってきた。

冷やかしにでもきたのかと思い睨みつけてみたが、

一刀の顔は真剣で、純粋に私たちの歌を聞きにきてくれたんだとわかった。

 

♪~~♪~♪~~~♪~

 

私はそれが嬉しくなり、いつも以上の力で歌っていた。

歌い終わると、一刀は満面の笑顔で拍手をしてくれた。

昨日と同じく結果は散々で、最後なんてお客さんは一刀しかいなかったけど、

昨日とは違い、私たちは軽い足取りで家路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【side 天和】

 

家で食事を終え、一刀に今日の感想を聞いてみた。

 

天和「ねえねえ、一刀。私たちの歌どうだった?」

一刀「ああ、とっても良かったよ。元気が湧いてくるような良い歌だね。」

 

そう一刀にほめられて嬉しくなってしまった。

 

天和「一刀なら、言ってくれればいつでも聴かせてあげるよ。」

一刀「あはは、そしたら天和にメロメロになっちゃうな。」

天和「めろめろ?」

一刀「うーん、骨抜きになるとか、虜になっちゃうとかかな。」

天和「ふーん、メロメロかなんかいいかも♪」

 

私はなんとなくその言葉の響きが気に入り、後で使ってみようと思った。

 

 

地和「でも一刀みたいに、ちゃんと聞いてくれる人って少ないのよね。」

人和「やっぱり、今までの音楽とは違うせいか、あまり受け入れてもらえませんね。」

地和「だからみんな、少しだけ聞くとどっかにいっちゃうのよね。」

一刀「う~ん、歌自体は悪くないんだから、後はしっかり聞いてもらえればいいんだよな。」

地和「そんなのどうするのよ?大きな声で歌うとか?」

天和「え~、私そんな大きな声じゃ歌えないよ。」

一刀「皆に聞こえるほどだと、叫んでるだけになっちゃうもんな。マイクでもあればな~・・・」

天和「まいく?」

 

一刀がよくわからない言葉をいったので、気になって聞いてみた。

 

一刀「ああ、何て言えばいいのかな。声や音を大きくする道具とでもいえばいいのかな。」

天和「声や音を大きく。」

 

確かにそんな道具があれば、遠くの人にも私たちの歌を聞いてもらえる。

 

 

すると人和ちゃんが何か思いついたのか、少し考えこんで、、

 

人和「ちぃ姉さん、たしか昔に姉さんが悪戯で使ったものに、そんなのなかった?」

地和「!! ああ、あれのことね。たしかにあれなら。」

 

ちぃちゃんと人和ちゃんが何かを思い出したのか、興奮したように話しだし、荷物から何かを探し始めた。

そしてちぃちゃんがその中から、3つの綺麗な玉をとりだした。

 

地和「ふふ、2人ともこっちにきて。」

 

私と一刀はちぃちゃんに言われるまま近づく、すると、

 

地和「わっ!!!!」

 

ちぃちゃんのものすごい大きな声が響き、私たちは目が点になってしまった。

 

一刀「それ、なんなんだ?」

地和「ふふん、これはね私が妖術の練習中に作ったものよ。」

人和「私もそれで驚かされたんだけど、まさか役に立つ日がくるとは思わなかった。」

一刀「ははは、確かに妖術を使っていたって記述はあったけど、まさか本当に使えるとは・・・」

 

なにか一刀がぶつぶついってるけど、これを使えば問題解決だね。

 

 

そう私が喜んでいると、また考えごとをしていた人和ちゃん口を開く。

 

人和「一刀さん、もしかして一刀さんの世界には、私たちの様な歌い手がいるんですか?」

一刀「ああ、たくさんいるよ。3人だと、アイドルとかになるのかな?」

天和「あいどる?」

一刀「そ、3人みたいな歌や踊りをする可愛い子たちのことだよ。」

地和「ふ、ふん。ちぃたちが可愛いのは当たり前でしょ。」

 

ちぃちゃんが顔を赤くしながら、そんなことを言ってる。

嬉しいなら嬉しいって素直に言えばいいのに。

 

 

人和「そのあいどるというのは、どんなことをしてるんですか?」

一刀「え?そうだな。可愛い服をきて歌ったり、ファンの人達に掛け声をかけたり、サイン会をしたりとか。」

人和「ふぁん?さいん?」

一刀「あ~。ファンってのは、そのアイドルを応援する人たちのこと。

   サインは、アイドルたちがそのファンの人たちに直筆の署名をすることだよ。」

地和「ふ~ん、一刀の世界じゃ色々なことをしてるのね。」

人和「服か。確かに歌だけでなく、視覚的にもお客さんを喜ばせるのは大事かも。」

 

ちぃちゃんは一刀の話に感嘆し、人和ちゃんはまた何か考えごとを始めた。

 

 

人和「姉さん、一刀さんの話を参考にして、衣装をかえてみましょう。」

天和「え!?でも私達に、新しい衣装を買うお金なんてないよ。」

人和「今の服を加工すれば、なんとかなると思う。一刀さんは、意匠を考えてもらってもいいですか?」

一刀「え、俺?」

人和「はい、一刀さんの世界のあいどるの意匠をいくつか教えて下さい。それを参考にして、衣装を作っていくので。」

一刀「わかった。頑張るよ。」

地和「よーし、やってやろうじゃない。」

天和「お姉ちゃんも頑張っちゃうよ♪」

 

こうして、私たちは新しい衣装の作成に取り組んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【side 一刀】

 

3人は一日かけて作成したステージ衣装を身に纏い、地和特製の妖術マイクをもって町に向かった。

場所はこの前と同じ場所、しかし前回とは違い、町の人達は天和達の物珍しい格好に遠くからも様子を窺う。

 

天和「うー、緊張するよー。」

地和「なに言ってんのよ天和姉さん。こんなのいつもと一緒でしょ。」

人和「そういうちぃ姉さんも、手が震えてるよ。」

地和「れ、人和!」

 

3人は今までとは違う試みにをするためか、少し緊張しており、いつもの余裕がなかった。

 

 

一刀「3人は、大陸一のアイドルになるんだろ? その時は、これ以上のお客さんの前で歌うんだ。

   だったらこれくらいの数、朝飯前だろ。」

人和「そうですね。これくらいの数で緊張していたら、大陸一なんて夢のまた夢ですよね。」

地和「ふん。一刀にいわれなくても、ちぃの実力をみせてあげるわ。」

天和「よ~し!私の魅力でお客さんも一刀もメロメロにしちゃうんだから♪」

 

3人の緊張は、程よくほぐれた様だ。

お膳立てはできた、後は3人の歌を聴いてもらうだけ。

 

 

天和「みんな~、私たちの歌を聴いてね~♪」

 

天和のそんな元気な掛け声から、3人の舞台は始まった。

 

♪~~♪♪~♪~~~♪~

 

マイクのおかげで、辺り一帯にはあますことなく3人の歌声が響きわたる。

歌が進むにつれ、一人また一人と足を止め、3人の歌を聴く人が増えてくる。

いつしかそれは大きな人垣となり、3人の歌に同調するように熱狂していく。

 

地和「みんな~!楽しんでくれてる~?」

 「「「「ほわあぁぁぁ~~!」」」」

人和「小さくてよく聞こえないよ。楽しんでくれてる~?」

 「「「「ほわわわあああああぁぁぁぁぁ~~~~~!!!!!」」」」

天和「それじゃ次の曲、いっくよ~♪」

 

3人は本当に嬉しそうに、目一杯歌っていた。

それを見届けた俺はもう大丈夫だと感じ、村へと戻ることにした。

今晩は、お腹をすかせた3人が笑顔で帰ってくると思い、とびきりの食事を用意しておこうと考えて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後も、天和達の舞台は大成功を続け、予定していた路銀が貯まった。

そしてそれは、3人との別れを意味していた。

 

 

3人が旅立つ前日の最後の晩餐。

 

天和「一刀、本当に一緒に来てくれないの?」

一刀「ごめん、俺はもう少しこの村に残るよ。」

地和「ちぃ達がせっかく誘ってあげてるのに、断るなんていい度胸してるじゃない。」

一刀「この村の人達には、とても世話になってるからね。せめてその恩返しが終わるまでは、離れられないよ。」

天和「でもー・・・」

人和「姉さん。一刀さんには一刀さんの事情があるんだから、無理を言わないで。」

地和「人和はそれでいいの?」

人和「一刀さんのおかげで舞台がうまくいったんだから、私達は一刀さんの意見を尊重するべきでしょ。」

地和「それはそうだけどー・・・」

人和「この話はこれでおしまい、食事が冷めちゃうよ。」

 

そう言って人和は食事を再開し、2人もそれ以上は何も言わなかった。

 

 

食事も終わり、俺と人和との最後の勉強会が始まった。

 

一刀「人和のおかげで、簡単な文字くらいなら読み書きできるようになったよ。」

人和「いえ、一刀さん自身が頑張ったからですよ。」

一刀「ははは、先生が良かったからね。」

人和「おだてても、何もありませんよ。」

 

そんな穏やかな時間が過ぎていき、その時も終わりに近づく。

 

一刀「人和には助けられてばかりだったな。さっきも2人を説得してくれて助かったよ。」

人和「いえ。」

一刀「俺も皆と別れるのは辛いけどね。」

 

人和「・・・だったら」

一刀「え?」

人和「だったら、一緒に来て下さい。」

一刀「人和。」

人和「別れるのが辛いなら、私達と旅をすればいいんです。私だって、一刀さんと別れたくありません。」

 

人和は今にも泣き出しそうな顔で俺に懇願する。

さっきまで我慢していたのだろう、溢れる言葉が止まらなかった。

それでも、俺は・・・

 

 

一刀「ごめん。」

人和「!!」

一刀「恩返しもあるんだけどさ、まだ俺自身、何をすればいいのか、何でこの世界に呼ばれたのかわからないんだ。

   だからさ、そんな俺が一緒に旅をしたら、きっと人和達に迷惑をかけると思うんだ。」

人和「そんなこと、私も姉さん達も気にしな・・・」

一刀「俺が気にするんだよ。」

人和「! それでも、私は・・・」

 

俺は人和の頭に手を置き、優しく撫でる。

 

一刀「一緒には行けないけど、人和達のこと、ずっと応援してるから。」

 

そういって、人和に笑顔を向ける。

それと同時に、人和は俺の胸で泣き出してしまった。

俺はその間、ずっと頭をなでてあげていた。

 

 

しばらくそうしていると、落ち着きを取り戻したのか、

 

人和「すいません、一刀さん。少し取り乱しました。さっきまでのことは忘れて下さい。」

一刀「どうしようかな~。あんな人和なんて珍しいもんな~。」

人和「か、一刀さん!」

 

そんなこんなで、最後の夜は更けていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旅立ちの日の朝、村の入り口で3人を見送る。

 

一刀「皆、元気で。」

人和「一刀さんもお元気で。」

天和「うん、一刀もね♪」

地和「一緒に来なかったこと、後悔させてやるんだから。」

 

3人がそれぞれの別れの言葉を告げる。

 

一刀「もし困ったことになったら、絶対に助けにいくからさ。」

地和「まあ、その時は期待しないで待っててあげるわ。」

天和「その時はよろしくね。」

 

 

すると天和が俺に近づき、

 

チュッ♡

 

俺の頬にキスをしてきた。

 

天和「一刀、また会おうね。」

一刀「な、な、な・・・」

地和「あ~、姉さん何してるのよ。」

 

俺がいきなりの事態に混乱していると、

 

人和「一刀さん、またどこかで。」

 

チュッ♡

 

地和「あ~!人和まで!!」

 

今度は人和が、逆の頬にキスをしてきた。

俺の頭は、処理能力の限界に達しようとしていた。

 

地和「う~、一刀!私達のこと忘れたら承知しないんだからね!!」

 

チュッ♡

 

なんと最後に地和が俺の口にキスをしてきた。

そこで俺の思考は完全に停止した。

3人が何か言っているが、もうそれすら耳に入らない。

 

3人が旅立った後も、俺はしばらく村の入り口で固まったままだった。

 

 

 

こうして3人との共同生活は終わりをつげた。

 

しかし、俺は忘れていた。あの3人が黄巾の乱を起こした、張角・張宝・張梁であることを。

 

俺は油断していた。あの3人がそんな馬鹿げたことをするはずがないと。

 

運命は、そんな俺の希望を嘲笑うかのように砕くとも知らずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

sei 「はい、というわけで第2話・第3話と投稿してみましたがいかがだったでしょうか?

   ほんとは一つにまとめる予定だったのに、書いてく内になぜか2話分もの話になってしまいました。

   あれもこれもと書いていくうちにこんなことに。文才がほしいですね。

 

   とまあ、独り言はこれくらいにして、今回のゲストをおよびしたいと思います。

   それではご紹介します。とっても可愛い人和ちゃんで~す♪」

 

人和「どうも。」

 

sei 「いやー、やっぱりゲストってのは、こうでなくちゃね。」

 

人和「それでseiさん、今回の話のコンセプトですが」

 

sei 「はい、今回は3人との出会いから別れまでを描いてみました。

   まあ、お決まりの天の御遣いや真名などのイベントもここで消化してもらいつつ、

   張3姉妹の成功のきっかけとなる話にしてみました。」

 

人和「ゲームやアニメじゃ、太平要術の書がきっかけになってるけど。」

 

sei 「始めはそうかもしれませんが、太平要術がなくなった後も人気だったし、

   一刀に出会ったのなら、それで成功するのも面白いと思いまして。」

 

人和「まあ、たしかに。あの書に関してはあまりいい思い出はありませんし、それは構いませんが、

   ただ、その、最後に、一刀さんに、その、キスというのは・・・」

 

sei 「いや~、一刀の種馬スキルならこれくらい余裕だろうな~と思いまして。

   それにもうそろそろ、そういった要素も加えて言ったほうが、恋姫っぽいかなと考えまして。」

 

人和「ううぅ、恥ずかしい」

 

sei 「いや~、キスのシーンといい、泣きながら甘えるシーンといい、人和は可愛いですねー♪」

 

人和「(ギュッ!)」

 

sei 「首、首がしまってる!ごめんなさい、もう・からかい・ませ・んから、そ・その・手・を・・・」

 

人和「(パッ)これで話が終わっても困るので、次からは言動に気をつけて下さい。」

 

sei 「はぁ、はぁ、綺麗な川とお婆ちゃんが見えましたよ。」

 

人和「そんなことより、コメントについて紹介していきましょうか。」

 

sei 「臨死体験をあっさり流された!!」

 

人和「頂いたコメントは、黄巾√楽しみというものがほとんどですね。」

 

sei 「・・・・・・」

 

人和「まあ、前話であんなフリをしたら、だれでもそう思いますよね。私もそう思ってましたし。」

 

sei 「・・・・・・・・・・・・」

 

人和「中には、存続か壊滅かなどとも書いて下さった人もいましたしね。どうするんですか?」

 

sei 「・・・ふっふっふ、あ~はっはっはっは。全てこちらの予想通りの展開!

   存続?壊滅?正解は、そもそも黄巾√に入らないという第3の答え!! 見事私の目論見通りだよ。」

 

 

人和「はぁ~、本音は?」

 

sei 「すいません、すいません。黄巾√と思ってた皆さん、本当にごめんなさい。

   悪気はなかったんです。浮かれてたんです。ちょっと調子に乗ってしまったんです。

   さっきの臨死体験で本当に死ねば良かったんです・・・・・・」

 

人和「seiさんが少し被害妄想に囚われてしまっているので、今回はこれで終わりにしたいと思います。

   私達の出番はまた後になりますが、一刀さんが頑張っているので是非読んでください。」

 

sei 「ごめんなさい、ごめんなさい・・・・・・」

 

人和「まあ、あの人も一応頑張るみたいなので、これからも応援お願いしますね。」


 
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