No.456310

真・恋姫†無双~二人の王佐~ 第二章 第八話『修羅場』

syoukiさん

やっとここに帰ってくることができた……

前回のおさらい

一刀の帰還に喜ぶ桂花と華琳と麗羽達一行

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2012-07-20 19:10:09 投稿 / 全17ページ    総閲覧数:17334   閲覧ユーザー数:12435

 

<注意>

 

この作品の桂花は一刀の妹という設定の為、恋姫シリーズでみられる一刀への罵声や毒は一切言いません。というよりもむしろ逆に甘えてきます。

 

 

 

それにオリキャラが何人も出てきます。一例として桂花の母や妹、華琳の母などまだまだ沢山出す予定です。

 

 

 

そしてキャラの仕官時期が違ったり所属が違ったりするかもしれません。(そのあたりはまだ未定です。)

 

 

 

あと一刀にオリジナル設定を設けていますので、恋姫シリーズの一刀とは身体能力や言葉遣いなど多少変わっています。ですが根本的な所は一緒のつもりです。

 

 

 

それと一刀には以前の記憶がありません。なぜ無いのかはそのうち出てきますのでそれまでお楽しみに♪

 

 

ですが一度読んでみてください!それで「おもしろい」と思ってさらに読み続けていただけたらうれしいです。

 

 

 

 

 

 

<王佐の才>

 

『帝王を補佐するにふさわしい才能(武・智)又はそれを持つ者のこと言う。(辞書引用)』

 

 

 

 

 

 

 

これは、平和な世を作ろうと乱世を駆け抜けた双子の男女の物語である。

雪蓮「ちゅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡」

 

「「「そそそそ、孫策ーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!!」」」

 

桂花達の叫ぶ声が戦場に木霊する中、孫策は時間にしておよそ十秒程キスをしてからゆっくりと離れた。

 

「え、あっ、え、えと………」

 

「……ぁ、うふふふっ♡♡♡♡ついに一刀と接吻しちゃったっ♪♪…………っ!?」

 

突然の出来事に動揺している一刀と違い、孫策は自分の唇に手をあてながら嬉しそうしていたがそれも束の間、突如プツンと何かが切れる音がしたと思った次の瞬間、いきなり“棒”と“鎌”と“剣”が孫策を襲った。

 

「きゃっ!?……も~、一体誰よ?私達の折角の再会に水を差す失礼な輩は!!」

 

だがそこは江東の麒麟児とも言われる孫伯符である。それらの攻撃を後ろに飛んでかわすと、襲った相手を睨みつけながら腰に差していた剣を抜いて構えた。一方の孫策を襲った相手というと…

 

「シツレイデスッテ?ソレハコッチノセリフヨ。イキナリアラワレタトオモッタラカッテニオニイサマノマナヲヨブナンテソンナニシニタイノカシラ?ッテイウカコロス!!(訳:失礼ですって?それはこっちの台詞よ。いきなり現れたと思ったら勝手にお兄様の真名を呼ぶなんてそんなに死にたいのかしら?っていうか殺す!!)」

 

「ソウデスワネ。ソレガイイデスワ。カズトサンノマナヲヨブダケデナクダキツイテクチビルヲウバウヨウナシレモノハコロスニカギリマスワ!!(訳:そうですわね。それがいいですわ。一刀さんの真名を呼ぶだけでなく抱きついて唇を奪うような痴れ者は殺すに限りますわ!!)」

 

「フフフッ、ホントウニコマッタメスブタダワ。ソンナシツケノナッテイナイインランナメスブタハオシオキシナイトイケナイワネ・・・・・・(訳:ふふふっ、本当に困った牝豚だわ。そんな躾のなっていない淫乱な牝豚はお仕置きしないといけないわね……)」

 

※本当はもっとエグくてドス黒い言葉を(主に桂花が)言っているのですが、自主規制として本来の言葉よりは“まだ”優しい言葉で表現しています。

……ドス黒いオーラを身に纏って狂戦士のようになった桂花、華琳、麗羽の三人がそれぞれ武器を構えて立っていたのだった。(まるで孫○空が初めてのスーパー○イヤ人になった時のようなキレ具合である…)

「ちょ、ちょっと!?それは誤解よ!!私はきちんと一刀と真名の交換をしているわ!!ねぇ、一刀貴方からも彼女達に説明を…」

 

孫策はたまらず一刀に助けを求めたのだが、途中で言葉を失ってしまった。なぜなら…

 

「………」

 

……一刀は気絶していたからであった。

 

「一刀!?」

 

実は孫策が桂花達の攻撃を避けた際、孫策は咄嗟に一刀を突き飛ばして回避をしていたのだが、その時に一刀はそのまま後ろに転んでしまい、頭をぶつけて気絶したのであった。普段の一刀であれば受身を取るなり、避けるなり、何かしらの対応ができたのだが、その時の一刀は孫策の行動に激しく動揺していたため、何もできずに素直に転んで気絶したのだった。

 

 

「オニイサマノマナヲヨビ、クチビルマデウバッタダケデハアキタラズ、テイコウサレナイヨウキゼツマデサセルナンテ……アンタ、ヨッポドシニタイラシイワネ?イイワ。ノゾミドオリコロシテアゲル!!(訳:お兄様の真名を呼び、唇まで奪っただけでは飽き足らず、抵抗されないよう気絶までさせるなんて……アンタ、よっぽど死にたいらしいわね?……いいわ。望み通り殺してあげる!!)」

 

「ソウデスワ!マズハアノムダニオオキイチチヲモイデブタノエサニシマショウ。ソレカラ…(訳:そうですわ!まずはあの無駄に大きい乳を捥いで豚の餌にしましょう。それから…)

 

「フフフフフ、ゼツガチヲスイタイッテナイテルワ……セッカクイイシュクテキガデキタトオモッテヨロコンデイタノニザンネンダワ。コンナニハヤクコロスコトニナルナンテネ・・・・・・ (訳:ふふふふふ、“絶”が血を吸いたいって鳴いてるわ……折角いい宿敵ができたと思って喜んでいたのに残念だわ。こんなに早く殺すことになるなんてね……)」

 

そんな一刀の姿を見た三人の怒りは更に高まるばかりであった。

 

「「「シネーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!(訳:死ねーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!)」」」

「まずいわね。早く誤解を解かないと…」

 

孫策は三人の誤解を解く方法を桂花達の猛攻を捌きながら考えていた。それは幾ら向こうが殺す気できているとはいえ、口づけの件以外、真名と一刀を気絶させたことに関しては完全に誤解である事と、相手が愛する一刀の知り合いのため、嫌われたくないという乙女心から決して反撃をしていなかったのだった。

 

「あっ!!そ、そこの貴女!?あの時一刀といた娘でしょ!!」

 

「えっ!?」

 

どうにかしようと周りを見ていた孫策は未だ唖然としている風里の姿を見つけると、瞬時に“あの時”一刀と出会ったときにいた娘だと理解し、すぐさま声をかけた。

 

「お、お願いがあるの!!貴女の方から曹操ちゃん達にちゃんと説明してもらえる?私は子供の頃に正式に彼と真名を交換しているって!!」

 

孫策は藁をも掴む思いで風里に助けを求めた。

 

「むむむ、無理ですよ!?あの状態の三人には最早私達の言葉は届きません!!おそらく唯一声が届くとしたら一刀様ぐらいかと…」

 

「そんな~~!?」

 

しかし、そんな孫策の頼みも空しく、若干怯えている風里に断れてしまうのだった。

 

「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス……(略:殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す……)」

 

「ハラワタヲブチマケナサイ!!!!(略:臓物をブチ撒けなさい!!!!)」

 

「オーッホッホッホッホッ!!!キリキザンデカチクノエサニシテサシアゲマスワ!!!!(略:おーっほっほっほっほっ!!!切り刻んで家畜の餌にしてさしあげますわ!!!!)」

 

「もーーーー!!誰か何とかしてよーーーーー!!!!」

 

頼みの綱だった風里に断られてしまった孫策は少しの間三人の猛攻を受け続けるのだった。

「ったく、雪連の奴、戦が終わったっていうのに帰って来な…って、雪蓮のヤツは何をやっているんだ?」

 

孫策と桂花達が命懸けの追いかけっこをしていると城攻めを終えたので報告がてらまだ帰って来ない雪連の様子を見に来た孫堅が目の前の光景を見て呆れ気味に呟いた。

 

「おやおや、何だか大変な状況になっておりますな策殿♪」

 

「雪蓮っ!!貴女、帰ってこないと思ったら一体何やってるのっ!!」

 

「あっ、冥~琳!!良い所に来たぁ!!お願いだから私を助けてぇ!!」

 

そして孫堅と共に来た周喩と黄蓋も呟くとそれを聞いた孫策が二人に助けを求めた。

 

「助けてって……はぁ~、雪蓮、貴女今度は何をしたの?」

 

「そ、それは…」

 

「それならば我々が…」

 

「ちょっと貴女達!?」

 

雪蓮が言いよどんでいると突然、冥琳の側に孫策の護衛を命じられていた思春と明命が現れた。

 

「…思春と明命か、話せ」

 

「はっ!じ、実は…」

 

思春はそう言うと今見たことを冥琳達に報告し始めた。突然駆け出した雪蓮が人だかり飛び込んだと思ったら一人の男性にいきなり抱きつき、しかも口づけまでし、さらにその男を旦那様と呼んだ事、そしてその場にいた曹操と荀彧と袁紹がその光景を見ていきなり怒り出して雪蓮に斬りかかった事など、二人は自分達が見たことをありのままを伝えたのだった。

 

「そんな…」

 

「ほう、あの策殿が自ら男性に口づけをするとはようやく策殿も色を知るようになられたか!?こりゃめでたい♪そう思うじゃろ、堅殿?」

 

「う~ん…」

 

二人からの報告を聞き、冥琳は信じられないといった顔をし、祭は逆に嬉しそうな表情をした。そんな中、緋蓮だけは何か考えているようだったので祭は聞いてみることにした。

 

「堅殿、一体何を唸っておるのだ?まさか娘の色恋は認めないとか言うわけでもあるまい?」

 

「いや、そういうわけじゃないんだが……実はな、祭。なんとなくだが私も昔あの孺子(こぞう)に見覚えがあるような気がするんだよ」

 

「おや?そうなのですか?」

 

「ああ……だがな、それがいつどこでだったのか思い出せないんだよ」

 

「ふむ、身なりからして江東の出の者ではないようじゃし。う~む、策殿がそこまで好意を示す相手……………………………………おおっ!そうじゃ!!」

 

「おっ、何か思い当たることでもあったのか?」

 

「いや、色恋で一つ思い出したことが。確か、策殿が化粧をし始めたのは堅殿が王都への用事に策殿をお連れになってからではありませんでしたか?」

 

「あーー、そういえばそんな事もあったな~……んっ?ってことは…」

 

「もしかしたら、その時に出会っていたのでは?」

 

「……………………………おおっ!?そう言われてみればあの時……洛陽の街ではぐれた雪蓮を見つけた時に近くに孺子がいたっけなぁ!!」

 

「ならば、おそらくその時の孺子が策殿の初恋の相手で間違いなかろう。そして今そこで気絶しているのがその時の孺子の成長した姿ならば策殿の突然の行動にも納得がいくというものじゃ」

 

「雪蓮……」

 

「はっはっはーーー!!なるほどな♪そういうことだったのか!!」

 

「それにしても、策殿を落とすとはあの孺子なかなかやりおるわい♪」

 

緋蓮と祭は未だ本人から真実を聞いてもいないのに二人で盛り上がる一方、冥琳はそれでも納得がいかないようで反論した。

 

「か、仮にそこで倒れている男が雪蓮が子供の頃に出会い、惚れているとしても!あの男の素性がわからない以上、わ、私は反対です!!」

 

「おっ♪親友を知らない男に取られて拗ねているのか、冥琳?」

 

「ち、ちがっ!?」

 

「だが、まぁ~冥琳の言うことにも一理あるわな。確かに得体の知れない奴に私の大事な娘をやるわけにはいかない。思春、そのあたりはどうなん「あのーー、実はそのことなんだけど…」んっ?」

 

緋蓮達が雪蓮について議論をしていると突然凛花が話しに入ってきた。

 

「なんだ凛花、お前あの孺子のことを知っているのか?」

 

「いや、知っているも何もあの子、私の“息子”なんだけど…」

 

「なんだって!?」

「なっ!?」

「なんと!?」

 

緋蓮と冥琳、そして祭までもが凛花の口から放たれた一言に驚いた。

 

「あ?じゃ、じゃあ、あの孺子がお前がさっき話してくれた行方不明の跡取り息子だっていうのか?」

 

「そうよ」

 

凛花の発言に一気に緊張が解けた緋蓮は大きく息を吐いた。

 

「は~~~~っ、なんだよー!!それを早く言えよ♪でもまぁ、これで何も問題は無くなった訳だな♪」

 

「そうですな。名門荀家の出である荀緄殿のお子でなおかつ堅殿のご友人ならば策殿の婿として申し分ないですな♪」

 

「そんな…」

 

「諦めろ冥琳。雪蓮の惚れた男が何処かの馬の骨なら文句を言うが、あの孺子の正体が私の親友の凛花の息子なら話は別だ。話は凛花と琳奈から聞いているから信用できる。だから、あとは当人達の問題だ。我々が口を出すことじゃあない」

 

「儂も堅殿の意見に賛成じゃ」

 

「………」

 

「それにしてもうちの雪蓮と凛花の息子が結婚かぁ~、そうなると私に息子ができるわけか!!それはとても楽しみ「そうはさせないわよ、緋蓮!!」ちっ、今度は誰だよ?」

 

すると今度は琳奈が話に入ってきた。

 

「なんだ、琳奈かよ。で、どうしたんだ?」

 

「どうしたんだじゃないわよ、緋蓮。一つ言っておくけど、一刀君をもらうのは私よ!!」

 

「はぁ?」

 

「じゃなくて///一刀君と結婚するのは私の娘の華琳よ!!貴女の娘じゃないわ!!」

 

ビシッ、と指をさして琳奈は言った。(最初の台詞は本当なのか冗談なのかどちらだろうか?)

 

「なんだ、お前さんのところもあの孺子に惚れているのか!!」

 

「そうよ。まぁ、あの子は隠しているつもりみたいだけどね」

 

「なるほど、だからうちの雪蓮が追いかけられている訳か…」

 

「そういうこと、ついでに言うと袁紹ちゃんも同じ理由みたいよ?」

 

「まぁ、そうだろうな」

 

「うちの桂花は大のお兄ちゃんっ子だから誰にも取られたくないんでしょうね」

 

「「(いや、絶対に違うと思うぞ!!(わよ!!))」」

 

緋蓮と琳奈は思わずそうツッコミそうになったがかなり危険な気がしたのでなんとか言わずに堪えた。

 

「???」

 

「と、とにかくだ!琳奈には悪いが凛花の息子は私の娘である雪蓮の婿になってもらうから諦めてもらおうか」

 

「それは聞き捨てならないわね!!一刀君は華琳の婿にするのよ。緋蓮の方こそ諦めなさい!!」

 

「なんだと!!」

 

「なによ!!」

 

緋蓮も琳奈もそれぞれ武器を構えて一触即発の空気になったが

 

「ちょっと、二人共落ち着きなさい!!」

 

「だがな…」

 

「それに、ここでいくら私達が言ったところで決めるのは子供達なのだから、親である私達は静かに見守りましょう?」

 

「そうだな…」

 

「わかったわ…」

 

そう言うと緋蓮、琳奈、凛花の三人は未だ追いかけっこをしている自分の娘達を温かく見つめたのだった。

 

 

 

「は、話に入ることができずに終わってしまった…」

 

「はっはっは!!そう落ち込むでない公謹よ。それに、荀緄殿も言っておったろう?これは当人達の問題じゃ。我々周りの者がどうこう言うもんでもあるまい?」

 

「ですが…」

 

「なぁ、公謹よ。お前の知る策殿は男にうつつを抜かして親友を蔑ろにする者か?」

 

「べ、別にそんなことを心配しているわけでは………はぁ、わかりましたよ祭殿。もう私は何も言いません。ですが、たとえ緋蓮様のお知り合いの方のご子息とはいえども雪蓮に相応しくないと私が判断したら、それなりの手は打たせてもらいます!!」

 

「素直じゃないのう。昔はもっと素直で可愛げあったんじゃがのー」

 

「可愛げが無くなってすみませんでしたね」

 

「そう怒るでない公謹よ」

 

「まったく…」

 

冥琳も祭に言われてしぶしぶながらもようやく口を出すのを諦め、事の成り行きを見守ることにしたのだった。

母親達を含めた外野がそんな話をしている頃、全力で追いかけっこをしている桂花達の横で気絶していた一刀がようやく目を覚ましていた。

 

「うっ……ん、あれ?ここは…」

 

「あっ!?一刀様、お目覚めになられたのですね!!よかったです~!!」

 

「風里?………あー思い出した。僕、突然抱きついてきた女の子に突き飛ばされて気を失っちゃったんだっけ………風里、あの後どうなっ………というか“あれ”はどういう状況?」

 

一刀は風里に気絶していた間のことを聞こうとしたが、目の前で繰り広げられている追いかけっこをしている桂花達が目に入ったので尋ねた。

 

「は、はい。実は…」

 

「……なるほどね。…でも、なんであの娘は僕の真名を知ってるんだ?」

 

風里から事情を聞いた一刀は自分の真名を知っている孫策をじっと見ていたが、やがてあることに気が付いた。

 

「あれ?よく見たらあの褐色の肌と赤い服に見覚えがある気が…………あっ!?思い出した!!あの肌と服、昔、僕が洛陽で助けてあげたあの娘と同じなんだ!!ってことはもしかして!?」

 

「多分一刀様の想像通りだと思います…」」

 

「なら早く止めないと!!それに…」

 

一刀は周りを見渡しながら付け足した。

 

「この戦も終わらせないとね」

 

全てを思い出した一刀は目の前で繰り広げられている光景と戦を終わらせる為に立ち上がると桂花達の下へと駆けて行ったのだった。

 

 

「ふぅ、これでこの騒ぎは収まるはずです。でもあの人…再会していきなり一刀様の唇を奪うなんて凄いな…………やっぱり私も積極的にいかないと駄目なのかな…」

「ハァ、ハァ、ハァ、オトナシクワタシニキラレナサイヨ!!(訳:はぁ、はぁ、はぁ、大人しく私に斬られなさいよ!!)」

 

「ゼェ、ハァ、ゼェ、ハァ、ソ、ソウデスワ。ニゲマワルナンテヒ、ヒキョウデスワ!!(訳:ぜぇ、はぁ、ぜぇ、はぁ、そ、そうですわ。逃げまわるなんてひ、卑怯ですわ!!)」

 

「悪いけど私にはやりたいことが沢山あるの!!お母様の跡を継いで江東を治めなきゃならないし、お酒だって沢山飲みたいし一刀と結婚だってしたいし、だからこんな所で斬られるわけにはいかないのよ!!」

 

「ソウネ、ワタシモアナタトハイチドセンジョウデヤリアッテミタカッタワネ。 (訳:そうね、私も貴女とは一度戦場でやりあってみたかったわね)」

 

「なら…」

 

「デモ、モウソンナノハドウデモイイノ。アナタハシヌノヨ、イマココデ!!(訳:でも、もうそんなのはどうでもいいの。一刀の真名を勝手に呼んだ貴女は死ぬのよ、今ここで!!)」

 

「も~!!!それは誤解なんだってばーーー!!!!!……って、きゃ!?」

 

一瞬の判断ミスだった。華琳の攻撃を避けるために後方にジャンプした孫策だったが、着地点の確認を怠ってしまい、着地した瞬間に地面にあいた窪みに足を取られてそのまま尻餅をついてしまったのだった。

 

「あっ、ヤッバ!?」

 

そして、そんな状況を三人は見逃すはずはなく、一斉に斬りかかってきた。

 

「「「シネェェェェェェッ!!!!!!!!!(訳:死ねぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!!!)」」」

 

「ちょっと待って、三人共!!」

 

「お兄様!?」

「一刀!?」

「一刀さん!?」

 

 

ぴたっ

 

 

しかし、三人の刃が孫策に届く前に一刀の声が三人の動きを止めた。

 

「はぁ~、間に合ってよかった!」

 

「お兄様!!なぜお止めになるのです!!孫策はお兄様の真名を許可無く勝手に呼んだのですよ!!」

 

「そうよ一刀。孫策は貴方の許可無く真名を呼んだのよ。それなのになぜ庇うの?」

 

「そうですわ!!」

 

「そのことなんだけど、彼女…雪蓮とは昔、真名を交換しから構わないんだ」

「ア、アイツ!!孫策様の真名を勝手に!!!」

 

「だ・か・ら思春、さっきの話、お前も聞いていただろう?あの二人は昔、一度会っていて、どうやらその時に真名を交換したらしいんだよ」

 

「そ、そうでした。申し訳ありません……」

 

少し離れたところでは思春が孫策の真名を呼んだ一刀のことを成敗しようと飛び出そうとするのを緋蓮が止めていたりなんかしていた。

 

 

閑話休題…

 

 

 

 

 

 

「一刀!やっと私の事を思い出してくれたのね!」

 

孫策もとい、雪蓮は立ち上がると真名を呼んでもらえた喜びからまたも一刀に抱きついた。

 

「ちょっと!!アンタまたお兄様の真名をっ!!」

 

「だから、そのことはいいんだよ桂花」

 

「お兄様…」

 

「一刀、どういうことか説明してくれるんでしょうね?」

 

「そうですわよ、一刀さん!!」

 

「その話は後でするよ。まずはこの戦を終わらせないとね」

 

「「「「あっ!?」」」」

 

そこでようやく四人はここが戦場のど真ん中であることを思い出して声をあげた。そう、今現在、連合は汜水関攻略の真っ最中であり、しかも董卓軍をなんとか撤退させたところの為、これからどうすればいいのか兵達は皆、盟主である袁紹の指示を待っていたのであった。

 

「……そうだったわね。麗羽、汜水関は孫堅の部隊が落としているから入城しましょう」

 

「そ、そうですわね。顔良さん!!」

 

「は、はい!」

 

「全軍に通達ですわ…」

 

こうして連合軍は呂布の奇襲という予想外の出来事があったものの、汜水関攻略戦は一刀のお蔭で無事連合の勝利で幕を閉じたのだった。

その後、落とした汜水関に入城して兵達を休ませたのち、桂花達一行は一刀の話を聞くため汜水関にある会議室に集まっていた。

 

「で、なんで貴女までいるのかしら、劉備?」

 

「あっ、えと、その~」

 

部屋に入ってきた華琳は桃香をじろり睨みながら言った。しかも桃香以外にも劉備軍からは愛紗と鈴々そして朱里が来ており、桃香の後ろの壁に控えており、すでに一刀と挨拶も済ませていた。ちなみにどんな挨拶だったかというと……

 

 

~華琳が来る少し前~

 

「荀鳳さん!!」

 

「えーと…君は?」

 

「あっ!?ごめんなさい!!私はいつも寝ていた荀鳳さんのお顔を見ていたからわかるけど荀鳳さんは違うんですよね」

 

「僕が寝ていた?もしかして君が劉備さん?」

 

「は、はい。わ、私は劉備、字は玄徳っていいます!!」」

 

「そうだったんだ。……そういえばこうして言葉を交わすのは始めてだね。僕は荀鳳、字は天若、よろしくね」

 

「よろしくお願いします荀鳳さん!!」

 

「それにまだお礼を言ってなかったよね」

 

「えっ?」

 

「あの時は助けてくれてありがとう。目を覚ました時に諸葛均ちゃんから聞いたよ。劉備さん達が行き倒れていた僕をここまで運んできてくれたんだってね」

 

「そんな!お礼を言うのはこっちです!!盗賊から私を助けてくれたばかりか、さっきも愛紗ちゃん達も助けてくれたそうで、義姉としてお礼を言わせてください。二人を助けてくれて本当にありがとうございました、荀鳳さん!!」

 

「そっか、それじゃあお互い様ってことでいいかな?」

 

「はい!」

 

といった感じの挨拶であった。

 

 

~回想終わり~

 

そして実は他にも先ほどはいなかった者達も数名が部屋におり、曹操軍では美雷と夏侯姉妹(茉莉は華琳の命令で雑務中の為不在)、馬騰軍からは馬騰本人が新たにこの部屋に集まっていた。

 

「桃香様、しっかりしてください!!」

 

「しょいがないな~お姉ちゃんは。鈴々達はお兄ちゃんに話があるから来たのだ!!」

 

桃香が華琳に睨まれしどろもどろになっていると、後ろにいた愛紗と鈴々が助けに入った。

 

「ちょっとそこのちびっこ!!お兄様はわ・た・しのお兄様なのよ!!だから勝手にお兄ちゃんだなんて呼ばないでくれる!!」

 

「うにゃ……あいつ怖いのだ」

 

しかし、鈴々が一刀のことをお兄ちゃんと呼んだことに反応した桂花の迫力に耐え切れなくなった鈴々はすぐに愛紗の背中に隠れてしまった。

 

「わ、私たち、旅人さん…じゃなかった荀鳳さんに大事なお話しがあるんです!!」

 

「ここにいるならそうでしょうね。でも悪いけど、話しなら私達の方がここに来る前からずっと待っていたから先にさせてもらうわね(まぁ、劉備の話しの内容には大方察しが付くけど、今はそれどころではないから)」

 

「そんな!?」

 

「ごめんね、劉備さん。あとできちんと話を聞くからもう少しだけ待っててくれるかな?」

 

「は、はい…」

 

一刀にそう言われた桃香は少し落ち込み気味であったものの、仕方なく席についた。

「さてと…それじゃあ、話してもらえる、一刀?孫策と一体いつ真名を交換したのか」

 

「わかった。じゃあ、まずは桂花と華琳と麗羽は子供の頃に洛陽で鄭玄先生の開く私塾に通っていた時期のことを覚えているか?」

 

「ええ、もちろんよ。(覚えているに決まっているじゃない。あれから強敵(ライバル)が三人も増えたんだから…)」

 

桂花と麗羽も同様に頷いた。そして当然ながら桂花もほぼ華琳と同じことを考えていた。あの頃からの付き合いである麗羽、風里、美雷の三人であるが、麗羽は言わずもがなとして、風里はあの事件で一刀に助けられているので恐らく一刀に惚れているに違いないと考えていた。まぁ、美雷は未だによくわからないが…

 

「うん。それでその頃に桂花達が料理を習ってそれから僕に食べさせてくれたことがあっただろ?」

 

「はい………って、そういえばあの時の麗羽の料理ってば色々とヤバかったわよね~(ニヤリ☆)

 

「(ビクッ!?)そ、それであの頃がどうしたのですの?」

 

麗羽はあの頃の大失敗した仏跳牆と乾鮑の姿煮のことを思い出して慌てて一刀に先を促した。

 

「ああ…その次の日に僕が風里と美雷と真名の交換をした時のことを話したことがあっただろ?」

 

「ええ………っ!?」

 

「「っ!?」」

 

そこまできて三人は唐突にあの時の会話を全て思い出し、そして今のこの状況と繋がってしまった。ちなみにあの場にいなかった美雷は後で風里から全てを聞いたらしく別段驚いていなかった。

 

「ま、ま、まさか、あの時に一刀さんが真名を交換した相手が…」

 

「うん、雪蓮なんだ」

 

「「「!!!???」」」

 

そう、孫策の正体はまだ一刀達が私塾に通っていた頃に洛陽で遭遇した事件で一刀が助け、別れの時に真名を交換した娘なのであった(第一章九話参照)。

 

「と言っても僕も思い出しのはついさっきなんだけね」

 

「ひどーい!!私は一刀のこと一日だって忘れたことなかったのにー!!」

 

「ごめん。だってあの時会った娘がこんなに綺麗になってるなんて思ってなかったからさ」

 

「一刀////…うん、なら許してあげる♡♡」

 

雪蓮は一刀の覚えていなかったという発言に意気消沈したものの、そのあとの一刀の謝罪と褒め言葉ですぐに復活した。

 

「(また一刀の悪い癖が出たわね。全く、思ったことを素直に言葉にするのはやめてもらいたいわね。私以外には…)」

 

「(あぅ~、お兄様の自然に口説き文句が出る癖だけは直して欲しいです。あっ、でも私には言ってほしいな///)」

 

「(孫策さんったら羨ましいですわね。一刀さんに綺麗だなんて言ってもらえて…)」

 

又、それを見ていた桂花達もそれぞれ雪蓮への一刀の態度に呆れながらも羨ましがっていたのだった。

 

「こほん、話を戻しましょうか。とりあえず孫策が一刀の真名を呼んだことには納得したわ。でもね…」

 

「それ以外のことは許さない。特にお兄様の唇を奪った罪は絶対にっ!!」

 

「その通りですわ!一刀さんに抱きついたばかりでなく一刀さんのく、唇を奪い、さらに勝手に一刀さんを夫呼ばわりするなんて……たとえ天が許してもわたくしは絶対に許しませんわ!!」

 

「お兄様をアンタなんかに渡すもんですか!!」

 

「あら、やっぱりやる気?いいわ、かかってらっしゃい。さっきは誤解があったから手加減してあげたけど、今度はこっちも本気でいかせてもらうわ!!」

 

「「「望むところよ(ですわ)!!」」」

 

「だから喧嘩は駄目だってばっ!!」

 

「ですが!!」

 

「これは僕の問題だ。だから桂花、ここは僕に任せて欲しい」

 

「お兄様…」

 

「華琳と麗羽もいいかな?」

 

「一刀さんがそう言うのなら…」

 

「しょうがないわね」

 

「ありがとう三人共………雪蓮、悪いけど僕は君の夫にはなれないよ」

 

「え~~!!なんでよー、一刀!!もしかして一刀は私のこと嫌いなの?」

 

「いや、嫌いも何も…僕らは過去に一度しか会っていないんだよ?……それなのにいきなり好き言われても……」

 

「愛に時間なんて関係ないわ。洛陽で一刀が私を助けてくれたあの時に、私は貴方に恋をしたの。…………多分、これが一目惚れってやつね♪」

 

「しぇ、雪蓮////」

 

一刀は雪蓮のストレートすぎる言葉に顔を赤くした。

 

「で、でも、僕達はお互いのこと何も知らないんだよ?それなのにいきなり結婚だなんて…」

 

「どうしても駄目?」

 

「あ、ああ…」

 

「そう……わかったわ。もう結婚してとは言わないわ」

 

「しぇれ「だからまずは私を知ってもらうことにするわ!!」へっ?」

 

「そのためにはまず始めにこの戦が終わったら私と一緒に江東で暮らしましょう、一刀♪」

 

『なんですってぇぇぇぇぇ!?』

 

「ええっ!?な、なんでそんな話に?」

 

「一刀ってば、たった今言ったじゃない、『私達はお互いのこと何も知らない』って。だからお互いのことをよく知る第一歩として、二人共同じ土地で一緒に暮らしてみるの♪とは言っても、私は江東の姫だから江東から離れられないから一刀が江東に来てもらう形になるけどね♪」

 

「そんな急に言われても…」

 

「もしかして、もうどこかの陣営に所属しているの?」

 

「いや、黄巾の乱以降はずっと旅をしていたから、どこにも所属はしていないかな…」

 

「ならいいでしょ一刀?私と一緒に江東を治めましょうよ♪私達は貴方を歓迎するわ!!」

 

「「ちょっと待ちなさい!!」」

「ちょっとお待ちなさい!!」

「ちょっと待ってください!!」

 

桂花と華琳と麗羽、そして……桃香の四人がついに我慢できずに話に入ってきた。

 

「黙って聞いていれば、一刀を江東に連れて行くですって?勝手なこと言わないでもらえる。一刀は私と共に行くって決まってるのよ!…………だってずっと昔から私は待ってたんだから」

 

最後の言葉を華琳は小声で言った。

 

「違いますわっ!!一刀さんはわたくしの夫になるのですからみなさん勘違いしないでもらえますこと!!」

 

「アンタ達こそ何勝手なこと言ってるのよ!!お兄様は私達家族と一緒に荀家を再興するに決まってるじゃない!!」

 

「いいえ、一刀は私と江東に行くのよ!!」

 

すると四人が激しく言い合いをしている隙に桃香は静か立ち上がって一刀の下に歩み寄るといきなり一刀の手を握った。

 

「りゅ、劉備さん!?」

 

「荀鳳さん!!私達と一緒に戦ってください!!」

 

「「「「なっ!?」」」」

 

「お願いします!!荀鳳さんの力を私達に貸してださい!!」

 

「え、えっと…」

 

「「「「そんなの駄目に決まってるじゃないっ(ですわっ)!!」」」」

 

「はぅ!?」

 

桃香の言葉に一刀が困っていると桂花、華琳、麗羽、雪蓮の四人が大声を張り上げて間に入ってきた。

 

「ちょっと!!アンタ何さりげなくお兄様の手を握ってるのよ!!さっさとお兄様の手を離しなさいよ!!」

 

「ひぃ!?ご、ごめんなさい!!」

 

桃香が桂花に言われて手を離すと四人が桃香を囲んだ。

 

「まったく、私達が言い争っている隙に一刀を仲間に引き込もうとするなんていい根性してるじゃない?」

 

「本当ですわ。まったく、劉備さんったら油断も隙もありませんわ!!」

 

「劉備ちゃんが一刀を狙っているのはしょうがないわよ?でも、抜け駆けみたいのは感心しないわね~」

 

「あわわわっ!!!!」

「桃香様!!………っ!?」

 

その様子を側で見ていた愛紗は主の危機に飛んでいこうとしたが、すぐに何者かに肩を掴まれてしまった。

 

「くっ!は、離せっ!!」

 

「残念だが、そいつは出来ない相談だ、関羽」

 

「孫堅殿!?」

 

「今あそこで行われているのは代表者同士の話し合いだよ。一家臣であるお前が口を出すべきじゃないのさ」

 

「しかし、あのままでは桃香様が!!」

 

愛紗は四人に囲まれて怯えている姿を見ながら言うが、緋蓮は何でもないといった表情で言葉を返した。

 

「それは大丈夫だろう。なぜなら…」

 

緋蓮が言葉を区切るのと同時に一刀が動き出すや否や、

 

「…あの場にいる全員が絶対に嫌われたくない男がいるんだからな♪」

 

あっという間に仲裁してしまったのだった。

 

「だから俺達は静かに見守ろうじゃないか」

 

「そう、ですね…」

 

そう言うと愛紗は静かに元の場所に戻っていったのだった。

「ああ、もう!四人とも喧嘩は駄目だってさっきも言ったばかりだろう? 」

 

「だって、劉備がお兄様を誘惑するから…」

 

「誘惑って…ほら、ちゃんと劉備さんに謝りなさい」

 

「うーー、はい、ごめんなさい」

 

「華琳達もだよ」

 

「はぁ~、わかったわよ。悪かったわね、劉備少しやりすぎたわ」

 

「も、申し訳ありませんでしたわ」

 

「ごめんね、劉備ちゃん」

 

「い、いえ、そんな!!」

 

「ちゃんと謝れて偉いよ四人とも(なでなで)」

 

「「「「////♡♡♡」」」」

 

桂花達がきちんと謝ったのでご褒美として一刀が頭を撫でてあげると四人ともとても嬉しそうな顔をした。

 

「そ、それじゃあ話の続きをしましょうか/////(こんな気持ちになるのは久ぶりね)」

 

「そ、そうね/////(あ~お兄様♡♡♡)」

 

「そうですわね/////(やっぱり一刀さんは最高ですわ♡)」

 

「そうね、席に戻りましょうか/////(一刀に撫でてもらうの、クセになりそう♡♡)」

 

こうして四人は頬を赤らめながら席に戻っていったのだった。

 

「大丈夫、劉備さん?」

 

「は、はい!」

 

「そっか、それはよかった。それじゃあ僕たちも席に戻ろうか」

 

「はい…(いーな~曹操さん達……私も頭撫でてほしかったな~)」

 

桃香もそんなことを思いながら席についたのだった。

「それじゃあみんな落ち着いた所で話を戻そうか。えーっと、確か僕がどこの軍に所属するか、だよね」

 

「ええ」

 

「そのことなんだけど……実はもうある程度は決まっているんだ」

 

「「「「「えっ!?」」」」」

 

「そ、それはどこなんですの!!あっ!も、もしかして……わたくしの下ですの!!」

 

「違うわよ~♪私の所に決まってるじゃない♪」

 

「何言ってるのよ!!お兄様は自ら立ち上がるのよ!!」

 

「ははは……それを言う前に華琳、一つ聞いてもいいかな?」

 

「何?」

 

「あの時、僕達が初めて会ったあの日。君が春蘭達に話した自らの“決意”今でも揺らがずにいるかい?」

 

「「「!?」」」

 

「!?お兄様もしかして…」

 

一刀の言葉に華琳だけでなく壁際に控えている春蘭と秋蘭が反応した。そして桂花は一刀がこれから言おうとしていることがなんなのかわかってしまったようで表情が暗くなっていた。

 

「もちろんよ。何者にも屈指ない強い国を作る。私の決意はあの日から何も変わっていないわ」

 

「そっか、……………わかった。なら僕の考えを言うよ。僕は……」

 

一刀は一旦言葉を区切ると回り見渡した。そして桂花、麗羽、雪蓮、桃香、華琳の順に見渡してから口を開いた。

 

 

“「……僕は曹操軍に入るよ」”

 

 

一刀はもう一度華琳を見ながらそう宣言したのだった。

~次回予告~

 

翌日、虎牢関へと移動を開始した連合軍。一方その頃、虎牢関にいる呂布達の下に賈駆から洛陽にて不穏な動きがあると伝令があり…

 

 

 

次回[真・恋姫†無双~二人の王佐~]第二章 第九話『虎牢関の番人』

 

 

 

『虎牢関にて待ち構えるは、決意を胸に秘めた生粋の武人……』なんてね♪

 

 

 

 

それではまた次回!!

 

 

 
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