No.455795

超次元ゲイム ネプテューヌmk2 ~Blue Wind~(~sadness~)

こたさん

.ソニックはいつものようにエッグマンの計画を阻止しようとしていた。だがそれはエッグマンの罠だったのだ。カオスエメラルドの力で別世界へと飛ばされてしまったソニック。そこはゲイムギョウ界と呼ばれた異世界だった。そしてその世界でネプギアと言う名の少女に出会い―――……ネプギアは姉を助け出すことは出来るのか?ソニックは元の世界へ帰れるのか?これは、ネプテューヌmk2にソニックが居たら――のもしもの物語である。――――

2012-07-19 20:07:41 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1245   閲覧ユーザー数:1225

 

「ハァァッ!!」

 

バシュバシュバシュッ!!

 

ネプギアは再びビームソードを振りモンスターをなぎ払う。

 

ドォンッ!!ドォンッ!!

 

ユニもライフルを乱射し、モンスターの群れを蹴散らす。

しかし、モンスターの勢いは止まらない。

まるで戦国●双によくある状況だった。(たまにあるよね雑魚兵ひたすら倒しても無限に出てくるとこ)

「なんなのよこいつら!雑魚のくせに数だけは多いんだから!」

ユニは背後から飛び掛ってきた不良リスを蹴り飛ばし言う。

「倒してもキリが無い……!」

ネプギアも額に汗を浮かばせ呟く。

 

ポワァ――――

 

しかし、二人はどこからか光を感じた。

「「え?」」

二人はその光の発信地を振り返る。

 

「なッ……What!?」

ソニックは思わず声をあげる。

ソニックの握っていたブルーウィンドソウルが突如光を発し始めたのだ。

「な、何!?」

アイエフは腕で顔を覆いつつ叫ぶ。

「お、俺に聞かれても――――」

 

ドクンッ!!!

 

ソニックは言葉を続けようとしたが、それはできなくなっていた。

彼の黒目が金色に輝く。

ソニックは徐に目を閉じる。

だが、それはソニックの意志ではない。

ある者の魂が完全にソニックの魂を支配していた―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貴公の必殺技――――その力、認めよう

その力と我が力―――融合し力をさらに増やさん!

 

我、天啓を得たり!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我、天啓を得たり………」

目を静かに開けながら、ソニックは呟く。

ブルーウィンドソウルの光はいつの間にか治まっていた。

「ソニック!」

アイエフの声が聞こえ、ソニックは振り返る。

しかし、周りの状況は変わらない。

象さんはビーム乱射してる上に雑魚モンスターの●双状態が続いている。

「アイエフ!閃いたぜ!」

突如ソニックは叫ぶ。

「は?」

しかし、アイエフは訳が分からず首を傾げる。

「お前のさっきあいつに向かってやった技があるだろ?」

「天魔流星斬のことかしら?」

「あぁ!それをもっかいあいつに向けてやるんだ!」

ソニックは象さんに人差し指を向けて叫ぶ。

「けど、さっきは効かなかったじゃない!」

 

バッ!

 

雑魚モンスターの群れが飛び掛ってきたのを跳躍してかわしつつ、アイエフは叫ぶ。

 

スチャッ!

 

バババババババババッ!!

 

そして着地すると同時にアイエフは両腕を広げ回転し、両手のカタールで不良リスや魚の骨といった雑魚モンスターを蹴散らす。

「あいちゃん、援護するです!」

 

ドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

 

コンパが少し離れた場所から注射器から放たれた弾丸でモンスターを撃ち抜く。

「アイエフ!急ぐんだ!早くしないとあいつが何しでかすか分からないぜ!」

「わ、分かったわよ!」

ソニックの言うとおり象さんは口に光を溜めていた。

恐らくビームか何かを発射するためのスタンバイだろう。

 

バッ!

 

アイエフは跳躍する。

 

ババッ!!

 

そして、ソニックも。

「そ、ソニック!?」

ソニックはアイエフの真下で象さん達を見下ろしていた。

「そのまま天魔流星斬をやるんだ!」

「け、けどそこにいたらアンタに当たるじゃない!」

「いいから早くやるんだ!!」

ソニックは叫ぶ。

「くッ……!」

アイエフは躊躇しがちだったが、カタールを握り直す。

「行くぜッ!!」

 

ギュィィィィィィィィ――――ン!!!!!!!

 

ソニックはブルーウィンドソウルを頭上に持ち直し猛スピードで回転を始めた。

「行くわよッ!」

 

ブンッ!ブンッ!ブンッ!!

 

アイエフはカタールを振る。

カタールから召喚された複数の剣がソニックに向かって急降下する。

「!?」

しかし、アイエフは目を見開く。

召喚された剣は、ソニックに当たる瞬時にまるで吸収されるかのように全て消えたのだ。

そして猛スピードで回転し続けているソニックの姿がさらに青く光りだす。

「Here we go!!!」

 

ギュンッ!!

 

そして、ソニックはそのまま急降下を始める。

 

バババババババババババババババババババババババババッ!!!!!!!

 

その刹那、ブルーウィンドソウルから召喚された無数の剣が象さんだけでなく周りに居たモンスター―――ネプギア達が戦っているモンスター達にも降りかかる。

「ネプギア、ユニ、コンパ!一旦離れるんだ!」

ソニックは回転しつつ叫ぶ。

「は、はいッ!」

「分かったわ!」

 

バッ!

 

先程からソニック達の様子を見守っていたネプギアとユニは跳躍しその場を離れる。

モンスター達は剣が突き刺さって動けない状態だった。

 

ピタッ!

 

ソニックは回転を止める。

そしてそのままブルーウィンドソウルを象さん目掛けて投げる。

 

ドガ―――――ン!!!!

 

そして、剣が象さんに突き刺さると召喚された剣が全て爆発する。

爆発によって生じた煙が邪魔で橋上がどうなっているかは分からない。

 

シュウウゥゥゥゥゥゥゥ………

 

煙が徐々に治まる。

モンスターは一匹残らず消えていた。

 

スチャッ!

 

シャッ!

 

ソニックは着地すると橋に突き刺さっていたブルーウィンドソウルを引っこ抜く。

 

スチャッ!

 

そしてネプギアやユニ、アイエフやコンパも着地した。

「ソニック、凄かったよ!」

「ヘヘッ!Thanks!」

「それにしても私の技を取り込むなんてね……今のがコルの言ってた『フォース・イン』ってやつかしら。」

「さてと、これで任務完了よね。ギルドに報告に行きましょう。」

ユニの言葉に一同はその場を去ろうとした。

 

だが――――

 

「オラアアァァァァァァッ!!!」

「なッ!?」

突如聞こえた声にソニックは振り返ろうと試みた。

しかし、遅かった。

 

バチバチバチバチバチバチバチィッ!!!!!!!

 

「ぐあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!!」

ソニックの体を電流がまとった。

苦痛のあまりソニックは叫ぶ。

 

バッ!

 

ソニックの身体はそのまま吹っ飛ばされる。

 

バチャーーーーンッ!!

 

そして、海に落ちていった。

「そ、ソニック!」

ネプギアはその名を呼ぶが、最早その声は届いていないだろう。

「「キャアッ!?」」

そして、アイエフとコンパも同じように叫び声をあげる。

 

ガンッ!!

 

二人は地に叩きつけられる。

「よぉ……久しぶりだなてめぇら。」

そこに居たのはリンダ。

リンダの持っている鉄パイプに電流が纏っていた。

 

バッ!

 

リンダはそのまま大きくバックステップする。

「誰よあいつ?」

ユニはそんなリンダを睨みつつネプギアに尋ねる。

「下っ端!犯罪組織の下っ端だよ!」

「だ~~~~~~~~~~か~~~~~~~~~~ら~~~~~~!!!!!!下っ端って呼ぶなッつッてんだろうがッ!!」

額に血管を浮かべ顔を真っ赤にしたリンダは地団駄を踏む。

「マジェコンヌの……?ネプギア、下がってて。あいつは私が倒してあげるわ。」

「うぅん、私も戦う。ソニックやコンパさん、アイエフさんをあんな目にあわせて……許せない!」

そんな二人の会話を聞いてリンダは高笑いをあげる。

「ハッ!俺を倒す?てめぇらガキんちょ二人に何が出来るってん――――――」

 

「「ハァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!」」

 

カッ!

 

ネプギアとユニの姿が光りだす。

「なッ……!?」

リンダは額に汗を浮かばせ思わず声を発する。

リンダの目前には二人の姿があった。

純白の戦闘服を身に纏い、腰まで届くピンク色の長髪。そして雪のように綺麗な肌にまるで青空のような澄んだ色の瞳―――パープルシスター。

そしてもう1人――――黒い戦闘服を身に纏い、銀髪でカールがかかった髪形。こちらも雪のように綺麗な肌でまるで太陽の光が差し込んだ明るい森のような黄緑色の瞳――――ブラックシスター。ライフルではなく、まるでレールガンのような大型の銃器を軽々しく片手で肩に乗せていた。

「な……ッ!て、テメェら……!!」

二人の様子に怯んだのかリンダは身動きが取れなかった。

 

ギュンッ!

 

「!!」

パープルシスターはそんなリンダに一気に肉薄する。

「させるかッ!」

攻撃が来るッ!――――そう悟ったリンダは電流を纏った鉄パイプをパープルシスターに振り下ろす。

 

ガキンッ!

 

しかし、パープルシスターはM.P.B.Lで軽々しく受け止める。

「なッ……!?」

電流が流れているにも関わらず平然としているパープルシスターはその青い瞳でリンダを見つめていた。

「チッ!」

 

バッバッ!!

 

リンダは一度大きく軽やかな身のこなしでバックステップをし、パープルシスターと距離を取ろうと試みた。

しかし――――

 

チュィィィィィィィィィィィィィイイイン!!!!

 

ドオオオオォォォォォォォォォォンッ!!!!

 

「ぐあああああああぁぁぁッ!?」

突如リンダの体が青白い電流に覆われる。

その正体はブラックシスターだった。

彼女の持つ銃器、エクスマルチブラスター―――X.M.Bから放たれた大きな電流が放出されていたのだ。

 

ズザザザザザザザザザザァァァァァァァァァッ!!!!

 

電流から解放されたリンダは地に叩きつけられる。

しかし、ダメージが相当大きいらしく思うように動けない。

なんとかヨロヨロと立ち上がり目の前の女神二人を睨む。

(ち、畜生……!勝てねぇ……!)

屈辱だが、認めざるをえない状況だった。

 

ギリッ――

 

リンダは悔しさのあまり歯軋りする。

「こ、今回は見逃してやるぜ……覚えてろよ!」

リンダは捨て台詞を吐くとそのままどこかへ走り去っていった。

 

カッ!

 

ブラックシスターはそんな下っ端の背を見つめながら女神化を解く。

 

バッ!

 

ザバーンッ!!

 

だが、パープルシスターはそのまま海へ飛び込む。

「………ッ!」

そんな彼女の姿を見てユニは思わず手を伸ばすが、追おうとはしなかった。

 

―――彼女はそんなことが出来る状態ではなかったのだから。

 

ザバーンッ!

 

数秒が経ち、海面からソニックの腕を掴んだパープルシスターが現れる。

ソニックは目が半開き状態でぐったりしていた。

 

トッ―――

 

パープルシスターはそっとソニックを地に座らせる。

それと同時にソニックは地に両手を置き噎せ出した。

 

カッ!

 

パープルシスターは女神化を解き、ソニックの背中をそっと摩る。

ずぶ濡れ状態のため若干人間の男が居たら鼻血を出しそうな光景ではあったがまぁそうは言ってられない。

「せ……Thanks……ネプギア……」

咳き込みながらのため途切れ途切れだったがソニックはネプギアに礼を言う。

ソニックの息が整ってくるとネプギアは立ち上がりユニを振り返る。

「ユニちゃん!ユニちゃんが私たちの探してたラステイションの女神候補生だったんだね!」

そしてその表情に笑みを浮かべユニに駆け寄る。

「………」

しかしユニは何も言わない。

返事を返すどころか、顔を背けていた。

「ユニちゃん、私と一緒に戦ってくれるよね?お姉ちゃんとゲイムギョウ界を救うために―――」

 

バッ!

 

ネプギアが話している最中だったが―――

 

パンッ!

 

乾いた音が響く。

ネプギアは右頬を押さえた。

「――――………どうして?」

目元を真っ暗にして少し俯いているユニは口を開く。

「なんでよ……何でアンタがここに居んのよッ!?お姉ちゃんじゃなくて……なんでアンタなのよ!?」

「………!」

何て返したらいいのかが分からなかった。

ネプギアは瞳に涙を浮かべていた。

「三年前私は戦いに……ギョウカイ墓場へ連れていってもらえなかった……。」

だが、表情こそ見えないもののユニも少し肩を震わせている。

「アタシだったら助けられたかもしれないのに……アンタじゃなくてアタシだったら!!」

まるで叫ぶようにユニは言う。

そうだったのかもしれない―――とネプギアは思った。

 

私は何もできなかった―――

 

「―――……でもユニちゃん、今からお姉ちゃん達を―――」

ネプギアが口を開くも―――

「うるさいッ!もう……もう二度と話しかけないでッ!!!」

 

ダッ!

 

そう吐き捨てるとユニは踵を返し、そのまま走り去っていった。

「ゆ、ユニちゃん!」

ネプギアは一瞬追おうと試みたものの、何故か足が動かなかった。

ただただ―――その名を呼ぶことしかできない。

「……………」

ネプギアは俯く。

「イタタタタ……流石に今のは効いたわね……」

「痛いですぅ……」

ようやく目を覚ましたらしいアイエフとコンパが立ち上がる。

「………あれ?ユニは?」

アイエフが周りを見回し、さっきまで共に行動していた仲間の名を呼ぶ。

「………あ、ソニック!アンタ無事だったの?」

ユニの代わりにソニックの姿を見つけたアイエフはその名を呼ぶ。

だが、ソニックは見えなくなったユニの姿を見つめ続けていた。

 

スッ――――

 

「――――これからどうするんだ?」

ソニックは立ち上がるとゆっくりと歩き出す。

「とりあえずギルドに行ってクエスト完遂の報告をするですぅ。その後はゲイムキャラさんを探しますですぅ。」

「all right。」

ソニックはそのまま歩み続ける。

ユニの去っていった方向へと―――

「どっか行く気?」

アイエフがそんなソニックに尋ねかける。

「………sorry。ちょっと寄り道してくぜ。済んだらお前達に合流する。」

「ど、どこへ行くですか?」

「………ちょっとな!」

 

ギュンッ!

 

ソニックはそのまま走り出し姿を消す。

「まったく……相変わらずマイペースね……」

アイエフは小さく溜息をつく。

 

一方でネプギアは俯いたまま小さく肩を震わせていた。

「――――ユニちゃん………」

赤くなった彼女の頬を一筋の涙が伝っていた――――

 

タッタッタッタッタッ―――

 

ユニはラステイションの街中を独り走っていた。

若干曇ってきている空の下、街中は賑わっていた。

カップルが歩いていたり、親子連れの子供が「きょおのご飯はなあに~?」と母親に訪ねていたり、これから会社にでも行くのだろうかスーツを着たサラリーマンの人も歩いていた。中にはこちらのことを見ている若い男の二人組が「お、おいどうしたんだあの子?」とこちらを心配する話をしているのも居た。

だが、そんなことはどうでもよかった。

 

何故だか苦しくて、悲しくて、悔しくて――――

 

逃げたくて――――

 

ユニは走り続ける。

「ッ!」

だが、十字路を曲がったところでユニは足を止める。

そこに居たのは――――

 

「―――ソニック……」

 

先程まで共に行動していたハリネズミ―――ソニック。

ソニックはユニを待ち構えていたかのようにビルの壁に寄りかかり腕を組み目を閉じていた。

「……どうしてあんなことを言ったんだ?」

ソニックは目を開けるとしっかりとユニの瞳を見つめる。

ユニは目元を暗くし、俯く。

「…………何よ。アンタなんかに何が分かんのよ。」

「………」

ソニックは黙ったままだった。

 

「――――よそ者のアンタなんかに何が分かるのよッ!!」

 

若干呼吸が荒くなっているユニは叫ぶ。

「―――よそ者、ねぇ……」

ふぅ、とソニックは一つ息を吐いた。

「………確かに俺はよそ者だ。」

ソニックは壁から背を離す。

 

「――だが、よそ者がこの世界を救っちゃいけないのか?」

 

「………!!」

ユニは軽く拳を握る。

「お前にしてもネプギアにしても、姉貴を助けたいっていう思いは同じなはずさ。それに、ネプギアは確かに三年前の戦いでは負けたが、あいつも善戦したんだ。今もこの世界と姉貴を助け出すために必死に戦っている。なのにあんなことを言ったのは少し酷いんじゃないか?」

口調は優しいものの眉間に皺を寄せたソニックがユニに語りかける。

「―――……ってるわ。」

するとユニも口を開き出した。

「?」

「――ホントは分かってるのよ。どうせ私が行っても役に立たなかったってことは!」

「……………………」

ホントは、これが本音だった。

このことは、自分が誰よりも分かっていた。

でも認めたくなかった。

「でも、お姉ちゃんじゃなくてアイツが帰ってきたってことはどうしても納得がいかないわ!どうしてなのよ!?どうしてお姉ちゃんが帰ってこないのよ!」

「……………………」

ソニックは眉間に皺を寄せたまま口を開こうとしない。

「―――どうせアンタだって、私が弱いと思ってるんでしょ?」

ユニの肩は小さく震えていた。

胸が締め付けられるように苦しかった。

ソニックはようやく口を開く。

 

「――――あぁ、オレもそう思うぜ。」

 

「――――ッ!!」

(ズキンッ!!)

 

何故だか、心臓が大きな針で刺されたように胸が痛かった。

思わず胸を押さえそうになったがグッとこらえる。

閉じられた口の中で歯を思い切り食縛った。

(――――何よ、所詮アンタだって私のこと―――)

自分が弱いと言われた事自体もショックであった。

だが、それよりもソニックに言われたことが何よりもショックであった。

何故だかは分からない。

ソニックは再び口を開く。

 

「―――お前が自分でそう思ってる間はな。」

 

「………え?」

ソニックは顔を綻ばせ、続ける。

「お前は強い。俺はそう思うぜ?けどな、そいつ自身が『自分が弱い』だとかそんな風に思ってると力が制御されてしまう。お前がそう思っている間はオレもお前が弱いと思う。逆にお前が『強い』と思っているならオレもお前が強いと思うぜ。さっきお前はモンスターの群れと戦う前にこう言ったよな?『自分は超強い』って。あの時のお前、最っ高にかっこよかったぜ?それを常に思い続けるのさ。Right?」

ソニックは親指をたてる。

するとユニは一瞬ずっと真っ暗だった目元を両手でごしごし、と拭うといつもの様に頬を紅潮させふん、と顔を背ける。

「―――なによ。別に私は自分が弱いなんて思ってないし。」

そんな涙目で強気のユニの返答にソニックは――

(相変わらず、素直じゃないねぇ♪)

―――と心の中で呟き、微笑むのであった。

「へヘッ!そうか、俺が言いたかったのはそれだけさ!See you!」

 

ギュンッ!

 

ソニックはそう言うと姿を消す。

その刹那強風が生じユニや周りのスカートを履いている女性陣が「キャァッ!」とスカートを押さえた。

「お、おい!今例の『青い風』が吹かなかったか!?」

道端に立っていた男が叫ぶ。

『青い風』―――時々ゲイムギョウ界に突如吹き渡ると世間で噂の風であり、報道の良いネタにもなっていた。

そんな風が治まるとユニはソニックが走り去っていった方向を眺めた。

「ソニック………」

小さくその名を呼ぶ。

そして再び足を動かし始めた。

 

(―――アタシ、ネプギアに酷い事言っちゃったかな……今度会った時に……)

 

 

 

 


 
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