第十四技 一緒に行動
キリトSide
現在、俺とアスナは迷宮前のフィールドを移動中だ。
何回かモンスターとエンカウントしたが、さすがは大型ギルドのNo.2。
モンスターに後れをとるようなことは一切なかった。
【閃光】の異名の通り、最速の動きでモンスターを翻弄して連続攻撃などですぐさまきめるという、熟練された動きだった。
「さすがだな。俺の援護はいらないんじゃないか?」
「そんなことないわよ。君ぐらいの強さの人がいるから、安心して前に出られるし」
そう言われるのは嬉しいんだが、内心では何回かハラハラした動きがあったんだよな。
「それにしてもよ…」
「ん? どうした?」
俺のほうを少し訝しむようにアスナが見つめてきた。なにか付いているだろうか?
「君っていつも同じ格好だね。服も同じようなものを着てるし…」
確かに。彼女の言うとおり、俺の装備や服は同じようなものだ。
黒のレザーコートに同じ黒のシャツとズボンで、金属防具は一切ない。
「まあ、大した理由じゃないさ」
「大した事じゃないなら教えてよ」
そんなに気になるのか? 簡単なことなんだけどな。
「理由は三つ。第一に好きな色が黒だから」
「す、好きな色だからって……あのね…」
呆れられてしまった。しかし、メリットだってある。
「第二に、これは一つ目に付随する理由で《
「なるほど、それなら理解できるわね…。それじゃあ三つ目は?」
「これが結構重要でな。俺の装備に金属防具が無いのは見て分かると思うが、
それは筋力値と敏捷値をほんの少しでも落とさないようにするためだ。
自分で言うのもあれだけど、俺は超攻撃特化型だからな」
そう、俺は攻撃に特化するために防御をほぼ捨てて、速攻で
「納得したわ。でも、怖くないの? 防御を捨てるってことは…」
彼女が言いたい事は分かる。
それはつまり、死へ向けて特攻しているようなものだから。
「わかってるさ。さっきの
少しシリアスになり過ぎたかな?
場を和ませるのは得意じゃないけれど…。
「……それにしても、アンタだっていつもそのおめでたい紅白じゃないか」
「こ、これはギルドの制服だから仕方なく着てるだけよ!」
俺の問いかけに元気に答えた。これなら大丈夫かな?
「ははは。わかってるよ、それくらい…っ!? (ぼそっ)アスナ、こっちに来い」
「え? キリトく、わっ!?」
俺は彼女の手を無理矢理引っ張って二人して茂みに隠れた。
「キ、キリ、むぐっ!?」
「しっ! 静かに……」
「~~~~~/////////」
俺は彼女の口に手を当てて、腰を抱き寄せている。
近くにはプレイヤーの団体がいるようだが、少し様子がおかしい。
かといって
ふと俺はアスナの装備が茂みに隠れるにしても目立つ事に気付いた。
そのため、自分の黒のレザーコートを抱き寄せている彼女に被せた。
「少しの間、被っていてくれ」
「(コクコク)/////////」
アスナが頷いたのを確認してから、さらにアスナを強く抱き寄せた。
プレイヤーの集団が近づいてきたのだ。
―――ガシャンッガシャンッ
茂みから覗いてみたが全員が鎧を装着しており、武器は剣や
『軍』だ。
俺達は軍が去っていくまで茂みに隠れていた。
そのあと、アスナの体を離してみるとヘナヘナと座り込んでしまった。
キリトSide Out
No Side
その間のアスナはというと。
「(キ、キ、キリト君に抱きしめられてる!? し、しかも口に手が当てられてる!?
キリト君の顔、真剣ですごくカッコイイよ~!? え、コートを被せるって?
え、ちょっ、そんなにギュッってされたら、わたし!? あ!?
キ、キリト君の匂い、すごくいい香りが…。
だ、だめ、あ、頭がおかしくなってきちゃった//////////////////)」
完全に壊れていた……。
No Side Out
To be continued……
後書きです。
キリト大胆ですねwそして、アスナが微かに変態・・・大変な事にw
キリトの大胆行動にアスナはパニックでした。
こんなアスナを書くのが好きなんですよね~、自分はw
それではまた・・・。
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第十四話目になります。
某小説投稿サイトが明日で終わりますのでその作業をしていました。
しかし、こちらで頑張っていきますので、よろしくお願いします!
ではどうぞ・・・。